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第11話:アダム様と一緒に旅行に行きます
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「フローラ、せっかくだから俺と泊りがけで旅行に行かないかい?」
アダム様の怪我が完治してから1ヶ月、急にそんな事を言いだしたのだ。
「一体どうしたのですか?泊りがけで旅行と言われましても…」
この国に来て約10年、せいぜい移動と言えば街に買い物に行くくらいだ。正直旅行と言われても、あまりピンとこない。
「俺の木彫りのお金も随分貯まったからね。普段お世話になっているフローラと一緒に、どこかに出掛けたいなと思ったんだ。せっかくなら、この国の王都に行ってみないかい?この国の王都は水の都と言われているくらい、街中色々な噴水や美しい川が流れているらしいよ!ねっ、行こうよ!たまにはいいだろう?」
物凄い勢いで迫って来るアダム様。う~ん、確かにこの国の王都を見てみるのも素敵よね。それにアダム様が来てから、随分と生活に余裕が出来た。少しぐらいなら贅沢出来るだけの蓄えはある。
「分かりましたわ!それじゃあ、行きましょうか!」
「良かった。それじゃあ、早速今から準備して行こうか?」
「えっ、今からですか?」
「そうだよ、まだ朝だし!ほら、早く準備をして!」
あまりにも急すぎて固まる私の背中を押すアダム様。でも、アダム様のそう言う行動力のある所、嫌いじゃない…
急いでアダム様と一緒に朝食の後片付けを済ませ、準備を済ませる。
「アダム様、ちなみにどれくらい宿泊するおつもりですか?」
「そうだね。王都まで丸1日かかるそうだから、そこから2日くらい観光をして、また1日かけて戻って来る感じかな」
随分と長旅ね。それなら、お洋服もたくさん持って行かないと。それから日用品もいるわね!色々とカバンに詰めたせいか、カバン2つ分がパンパンになってしまった。
アダム様にも
「随分とカバンに詰め込んだね」
と笑われてしまった。そう言われても、泊りがけで出掛けるのは初めてなのだ。昔何度か家族で旅行に出掛けたが、その際は全てメイドが準備してくれた。その為、何を持って行っていいのかよく分からない。
「さあ行こうか!街まで出たら、馬車で王都に向かおう」
馬車で向かうのか…
6歳の時、家畜用のお粗末な馬車に乗せられてから、一度も乗っていなかった。大丈夫よ…きっと大丈夫…そう何度も自分に言い聞かせる。
「それじゃあ行こうか!しばらく留守にするから、戸締りをしっかりしないとね」
そう言って、鍵をしっかり閉めるアダム様。自分の荷物はもちろん、私のパンパンなカバン2個も持ってくれた。
「アダム様、さすがに1つ持ちますわ!」
そう伝えたのだが
「これくらい平気だよ!さあ、行こう」
そう言って私の手を握った。大きくて温かくて、少しゴツゴツした手…男の人の手を握るのは、お父様やお兄様以来ね…そう思ったら、胸がチクリと痛んだ。
「フローラ、どうかしたのかい?」
心配そうに顔を覗き込むアダム様。
「いいえ、何でもありませんわ!さあ、行きましょう」
2人で手を繋いで森を下りて街へ向かう。なぜだろう…こうやってアダム様の手を握っていると、物凄く落ち着く。このままこの手をずっと握っていたい…そんな気持ちになる。
「4日程度とは言え、一応留守にするんだ。商人や街の人に伝えてから行こう」
「そうですわね…そうしましょう!」
駄目だわ!私ったら、ついアダム様の手の温もりに浸ってしまった。アダム様はずっと私の側にいてくれると言った。それって、私がおばあさんになるまでって事かしら?って、何を都合のいい事を考えているのかしら!私ったら。きっとアダム様の事だから、深く考えていないだろう。
でも、もしアダム様と本当の家族になれたら、きっと素敵だろうな…いつしかそんな事を考える様になっていた。それくらい、私にとってアダム様の存在は大きいものになっていたのだ。
「フローラ、今度は嬉しそうな顔をしてどうしたんだい?本当に君は見ていて飽きないね」
そう言って笑っているアダム様。もう、すぐに人をからかうんだから!でも、そんなところも彼の良いところでもある。
その後商人と街の人たちにしばらく留守にする事を告げ、馬車乗り場へとやって来た。沢山の馬車が停まっている。
「フローラ、俺たちが乗る馬車はこの馬車だよ。少し小さいが、2人で乗るには十分だろう?」
アダム様が指さしたのは確かに小さな馬車だが、それでも箱型になっており、雨風はしっかり防げそうだ。そう言えば、通常平民が馬車に乗る時は、相乗りが基本と聞いた事がある。でも、今2人で乗るって言ったわよね?
「あの、この馬車に2人で乗るのですか?」
「ああ、そうだよ!相乗りが基本らしいのだが、せっかく2人で出掛けるのだから、貸切用の馬車を借りたんだ。そのせいで少し小さいけれどね」
まあ、わざわざ貸切用の馬車を借りて下さったなんて!嬉しいわ。
「ありがとうございます、アダム様。せっかくなので、早速乗り込みましょう!」
アダム様に手を借り、早速馬車に乗り込む。懐かしいわ。子供の頃は何処かに行くたびに、馬車に乗り込んでいたわよね。そんな事を考えていると、ゆっくり動き出した。
「とりあえず何度か休憩を挟んで、王都を目指そう!長時間馬車での移動になるから、辛かったら行って欲しい。すぐに休憩するからね」
「ありがとうございます!なんだかワクワクして来ましたわ!」
初めて向かうこの国の王都、一体どんなところかしら。楽しみね。
アダム様の怪我が完治してから1ヶ月、急にそんな事を言いだしたのだ。
「一体どうしたのですか?泊りがけで旅行と言われましても…」
この国に来て約10年、せいぜい移動と言えば街に買い物に行くくらいだ。正直旅行と言われても、あまりピンとこない。
「俺の木彫りのお金も随分貯まったからね。普段お世話になっているフローラと一緒に、どこかに出掛けたいなと思ったんだ。せっかくなら、この国の王都に行ってみないかい?この国の王都は水の都と言われているくらい、街中色々な噴水や美しい川が流れているらしいよ!ねっ、行こうよ!たまにはいいだろう?」
物凄い勢いで迫って来るアダム様。う~ん、確かにこの国の王都を見てみるのも素敵よね。それにアダム様が来てから、随分と生活に余裕が出来た。少しぐらいなら贅沢出来るだけの蓄えはある。
「分かりましたわ!それじゃあ、行きましょうか!」
「良かった。それじゃあ、早速今から準備して行こうか?」
「えっ、今からですか?」
「そうだよ、まだ朝だし!ほら、早く準備をして!」
あまりにも急すぎて固まる私の背中を押すアダム様。でも、アダム様のそう言う行動力のある所、嫌いじゃない…
急いでアダム様と一緒に朝食の後片付けを済ませ、準備を済ませる。
「アダム様、ちなみにどれくらい宿泊するおつもりですか?」
「そうだね。王都まで丸1日かかるそうだから、そこから2日くらい観光をして、また1日かけて戻って来る感じかな」
随分と長旅ね。それなら、お洋服もたくさん持って行かないと。それから日用品もいるわね!色々とカバンに詰めたせいか、カバン2つ分がパンパンになってしまった。
アダム様にも
「随分とカバンに詰め込んだね」
と笑われてしまった。そう言われても、泊りがけで出掛けるのは初めてなのだ。昔何度か家族で旅行に出掛けたが、その際は全てメイドが準備してくれた。その為、何を持って行っていいのかよく分からない。
「さあ行こうか!街まで出たら、馬車で王都に向かおう」
馬車で向かうのか…
6歳の時、家畜用のお粗末な馬車に乗せられてから、一度も乗っていなかった。大丈夫よ…きっと大丈夫…そう何度も自分に言い聞かせる。
「それじゃあ行こうか!しばらく留守にするから、戸締りをしっかりしないとね」
そう言って、鍵をしっかり閉めるアダム様。自分の荷物はもちろん、私のパンパンなカバン2個も持ってくれた。
「アダム様、さすがに1つ持ちますわ!」
そう伝えたのだが
「これくらい平気だよ!さあ、行こう」
そう言って私の手を握った。大きくて温かくて、少しゴツゴツした手…男の人の手を握るのは、お父様やお兄様以来ね…そう思ったら、胸がチクリと痛んだ。
「フローラ、どうかしたのかい?」
心配そうに顔を覗き込むアダム様。
「いいえ、何でもありませんわ!さあ、行きましょう」
2人で手を繋いで森を下りて街へ向かう。なぜだろう…こうやってアダム様の手を握っていると、物凄く落ち着く。このままこの手をずっと握っていたい…そんな気持ちになる。
「4日程度とは言え、一応留守にするんだ。商人や街の人に伝えてから行こう」
「そうですわね…そうしましょう!」
駄目だわ!私ったら、ついアダム様の手の温もりに浸ってしまった。アダム様はずっと私の側にいてくれると言った。それって、私がおばあさんになるまでって事かしら?って、何を都合のいい事を考えているのかしら!私ったら。きっとアダム様の事だから、深く考えていないだろう。
でも、もしアダム様と本当の家族になれたら、きっと素敵だろうな…いつしかそんな事を考える様になっていた。それくらい、私にとってアダム様の存在は大きいものになっていたのだ。
「フローラ、今度は嬉しそうな顔をしてどうしたんだい?本当に君は見ていて飽きないね」
そう言って笑っているアダム様。もう、すぐに人をからかうんだから!でも、そんなところも彼の良いところでもある。
その後商人と街の人たちにしばらく留守にする事を告げ、馬車乗り場へとやって来た。沢山の馬車が停まっている。
「フローラ、俺たちが乗る馬車はこの馬車だよ。少し小さいが、2人で乗るには十分だろう?」
アダム様が指さしたのは確かに小さな馬車だが、それでも箱型になっており、雨風はしっかり防げそうだ。そう言えば、通常平民が馬車に乗る時は、相乗りが基本と聞いた事がある。でも、今2人で乗るって言ったわよね?
「あの、この馬車に2人で乗るのですか?」
「ああ、そうだよ!相乗りが基本らしいのだが、せっかく2人で出掛けるのだから、貸切用の馬車を借りたんだ。そのせいで少し小さいけれどね」
まあ、わざわざ貸切用の馬車を借りて下さったなんて!嬉しいわ。
「ありがとうございます、アダム様。せっかくなので、早速乗り込みましょう!」
アダム様に手を借り、早速馬車に乗り込む。懐かしいわ。子供の頃は何処かに行くたびに、馬車に乗り込んでいたわよね。そんな事を考えていると、ゆっくり動き出した。
「とりあえず何度か休憩を挟んで、王都を目指そう!長時間馬車での移動になるから、辛かったら行って欲しい。すぐに休憩するからね」
「ありがとうございます!なんだかワクワクして来ましたわ!」
初めて向かうこの国の王都、一体どんなところかしら。楽しみね。
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