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第66話:私の素直な気持ち
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「ブラッド様、ありがとうございます。まさかあなたが、この様なものを準備してくださっていただなんて」
「アントアーネの評判が下がったままだなんて、絶対に嫌だからね。君は優しくて勇敢で賢い子だ。そんな君を陥れたあの男が、どうしても許せなかったのだよ。俺の自己満足だから、アントアーネは気にしないでくれ」
ブラッド様が照れくさそうに笑った。
お手洗いで使用人たちに襲われ、意識が遠のきそうになった時、すぐに駆け付けてくれたブラッド様。どうやらラドル様の計画を、全て知っていた様だ。
彼をこの後断罪すると聞いた時は、正直不安だった。その様な事をして、王太子殿下や王太子妃殿下、貴族たちが不快に思わないかと。それでもブラッド様の
“俺にすべてを任せてほしい”
その真っすぐな気持ちを、私は尊重する事にした。その結果、彼は私の無念や悲しさ、絶望、そんな気持ちを晴らしてくれたのだ。ブラッド様は、私には勿体ないほど素敵な男性だ。
どうしてこんな素敵な人が、私の事を好きでいてくれるのかはわからない。それでも私は、ブラッド様を愛している。彼がいないと生きていけない程に…
「皆様、本日はこの様な騒ぎに巻き込んでしまい、本当に申し訳ございませんでした。私事ではありますが、明日リューズ王国に帰ります。ただ、帰国前に彼の悪事だけは、絶対に放置してはいけない、罪を償わさないといけない。そんな思いで、今回の計画を立てたのです。
あのように晒さなくても、そう思う方もいるかもしれません。ですが私は、どうしても彼が許せなかった。10年前、私を救ってくれた大切な人、アントアーネを傷つけボロボロにしたあの男が。
色々な意見があるかとは思いますが、私自身は今回彼を断罪出来たことに、後悔はありません。アントアーネは私にとって、誰よりもかけがえのない大切な人です。そんなアントアーネと、近々婚約を結ぶことになりました。
明日の帰国の時に、アントアーネも一緒にリューズ王国に連れて帰る事も決まっております。今日は皆さまにお会いする最後の時間です。どうか残り少ない時間を、お楽しみいただければ幸いです」
ブラッド様が再び挨拶をした。彼がどれほど私の事を大切にしてくれているのか、伝わって来る。これからもずっと、ブラッド様と一緒にいられる。そう思うと、幸せな気持ちでいっぱいになった。
「ブラッド殿、あなたの気持ちは分かりました。アントアーネ嬢、君は随分と貴族学院で辛い日々を過ごしていたのだね。本来ならその様な噂が流れた時、一番に対応しなければいけない貴族学院側が、全く機能していなかった事、王太子として申し訳なく思っている。
今後は貴族学院の体制を、根本から見直す予定だ。アントアーネ嬢、今回の件で誤解をしていた貴族たちも、きっと君に対する対応を反省した事だろう。君さえよければ、もう少しこの国に残って行かないかい?
辛い思い出のまま、リューズ王国に行ってもらいたくなくてね…ただ、君の気持ちを最優先にして欲しいから、無理強いはしないけれどね」
優しい眼差しで王太子殿下と王太子妃殿下が、私を見つめていた。こんな風に私を気遣って下さるだなんて、本当に素敵な方だ。
「アントアーネ様、本当に申し訳ございませんでした。まさかラドル様が、あのような方だっただなんて…私達、ずっと仲良しだったのに…アントアーネ様がその様な事をする人ではないと、わかっていたはずなのに…」
「私もですわ。根拠のない噂に騙され、あなたを憎み今まで酷い事をしてしまいましたわ。本当にごめんなさい」
「俺も、ラドルの言う事を完全に鵜呑みにしていたよ。でも、よく考えてみたら、ところどころおかしいところがあったのに」
「アントアーネ嬢がラドルと婚約を解消した時、君の言葉を信じず一方的に責め立てて、すまなかった。俺たち、どうかしていたのだよ」
クラスメートたちが、次々と訴えかけてくる。どうしよう、私、この人たちを許さないといけないの?今まで散々酷い事をされて、親の仇の様に睨みつけられ暴言を吐かれてきたのに。掌を返す彼らのことを、本当に許せるの?
でも、王太子殿下のお心遣いを考えると…
その時だった。ブラッド様が私の手をギュッと握ってくれたのだ。その瞬間、今までの動揺が嘘のように消えていく。
「アントアーネ、君の素直な気持ちを伝えればいいのだよ。君は今まで辛い思いをたくさんしてきた。許せないというなら、それでもいい。ただ、もしもう一度彼らを信じてみたい、この国にもう少し残りたいというのなら、俺ももう少しこの国に残るよ。君と離れたくはないからね」
「ブラッド様…私…」
「アントアーネの評判が下がったままだなんて、絶対に嫌だからね。君は優しくて勇敢で賢い子だ。そんな君を陥れたあの男が、どうしても許せなかったのだよ。俺の自己満足だから、アントアーネは気にしないでくれ」
ブラッド様が照れくさそうに笑った。
お手洗いで使用人たちに襲われ、意識が遠のきそうになった時、すぐに駆け付けてくれたブラッド様。どうやらラドル様の計画を、全て知っていた様だ。
彼をこの後断罪すると聞いた時は、正直不安だった。その様な事をして、王太子殿下や王太子妃殿下、貴族たちが不快に思わないかと。それでもブラッド様の
“俺にすべてを任せてほしい”
その真っすぐな気持ちを、私は尊重する事にした。その結果、彼は私の無念や悲しさ、絶望、そんな気持ちを晴らしてくれたのだ。ブラッド様は、私には勿体ないほど素敵な男性だ。
どうしてこんな素敵な人が、私の事を好きでいてくれるのかはわからない。それでも私は、ブラッド様を愛している。彼がいないと生きていけない程に…
「皆様、本日はこの様な騒ぎに巻き込んでしまい、本当に申し訳ございませんでした。私事ではありますが、明日リューズ王国に帰ります。ただ、帰国前に彼の悪事だけは、絶対に放置してはいけない、罪を償わさないといけない。そんな思いで、今回の計画を立てたのです。
あのように晒さなくても、そう思う方もいるかもしれません。ですが私は、どうしても彼が許せなかった。10年前、私を救ってくれた大切な人、アントアーネを傷つけボロボロにしたあの男が。
色々な意見があるかとは思いますが、私自身は今回彼を断罪出来たことに、後悔はありません。アントアーネは私にとって、誰よりもかけがえのない大切な人です。そんなアントアーネと、近々婚約を結ぶことになりました。
明日の帰国の時に、アントアーネも一緒にリューズ王国に連れて帰る事も決まっております。今日は皆さまにお会いする最後の時間です。どうか残り少ない時間を、お楽しみいただければ幸いです」
ブラッド様が再び挨拶をした。彼がどれほど私の事を大切にしてくれているのか、伝わって来る。これからもずっと、ブラッド様と一緒にいられる。そう思うと、幸せな気持ちでいっぱいになった。
「ブラッド殿、あなたの気持ちは分かりました。アントアーネ嬢、君は随分と貴族学院で辛い日々を過ごしていたのだね。本来ならその様な噂が流れた時、一番に対応しなければいけない貴族学院側が、全く機能していなかった事、王太子として申し訳なく思っている。
今後は貴族学院の体制を、根本から見直す予定だ。アントアーネ嬢、今回の件で誤解をしていた貴族たちも、きっと君に対する対応を反省した事だろう。君さえよければ、もう少しこの国に残って行かないかい?
辛い思い出のまま、リューズ王国に行ってもらいたくなくてね…ただ、君の気持ちを最優先にして欲しいから、無理強いはしないけれどね」
優しい眼差しで王太子殿下と王太子妃殿下が、私を見つめていた。こんな風に私を気遣って下さるだなんて、本当に素敵な方だ。
「アントアーネ様、本当に申し訳ございませんでした。まさかラドル様が、あのような方だっただなんて…私達、ずっと仲良しだったのに…アントアーネ様がその様な事をする人ではないと、わかっていたはずなのに…」
「私もですわ。根拠のない噂に騙され、あなたを憎み今まで酷い事をしてしまいましたわ。本当にごめんなさい」
「俺も、ラドルの言う事を完全に鵜呑みにしていたよ。でも、よく考えてみたら、ところどころおかしいところがあったのに」
「アントアーネ嬢がラドルと婚約を解消した時、君の言葉を信じず一方的に責め立てて、すまなかった。俺たち、どうかしていたのだよ」
クラスメートたちが、次々と訴えかけてくる。どうしよう、私、この人たちを許さないといけないの?今まで散々酷い事をされて、親の仇の様に睨みつけられ暴言を吐かれてきたのに。掌を返す彼らのことを、本当に許せるの?
でも、王太子殿下のお心遣いを考えると…
その時だった。ブラッド様が私の手をギュッと握ってくれたのだ。その瞬間、今までの動揺が嘘のように消えていく。
「アントアーネ、君の素直な気持ちを伝えればいいのだよ。君は今まで辛い思いをたくさんしてきた。許せないというなら、それでもいい。ただ、もしもう一度彼らを信じてみたい、この国にもう少し残りたいというのなら、俺ももう少しこの国に残るよ。君と離れたくはないからね」
「ブラッド様…私…」
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