嫌われていると思って彼を避けていたら、おもいっきり愛されていました

Karamimi

文字の大きさ
17 / 39

第17話:アメリナはクールな男は好きではないだと!~ルドルフ視点~

しおりを挟む
アメリナとどう接していいのか分からないまま、3ヶ月が過ぎようとしていた。少しでもアメリナの傍にいたくて、アメリナのグループに割って入っているものの、当のアメリナは迷惑そうな顔をしている。

その上、クレア嬢までもが、図々しく俺の横を陣取り、ギャーギャー騒いているのだ。あの女が来ると、嬉しそうにすっと場所を開けるアメリナ。そこまで俺の事が嫌なのか?いっその事、昔の様にアメリナへの愛情を爆発させてしまいたい!アメリナを抱きしめ、毎日のように大好きだと伝え、他の令息たちが近づかない様に威嚇していたあの頃の様に、自分が思うがまま行動したい。

でも、そんな事をすれば、増々アメリナに嫌われてしまうかもしれない。そう思ったら、どうしても行動に移せないのだ。

今日もあの女がギャーギャー騒いでいるのを無視し、そっとアメリナを見つめる。その時だった。

1人の令息が急に

「サーラ嬢とアメリナ嬢は、どんな男性がタイプなんだい?」

そんな事を言い出したのだ。アメリナはクールであまり自分の意見を言わない男が好きなんだぞ!そう思いつつも、耳を澄ます。すると

「私ですか?私は、いつも笑顔の男性が好きです。優しくて相手の事を思いやれて、それでいて私を心から愛してくれて。愛情表現もしっかり表してくれて、いつも私に寄り添ってくれるような人が…でも、そんな人、中々いませんけれどね」

悲しそうにアメリナが呟いたのだ。

一体どういう事だ?アメリナはクールな男が好きではなかったのか?意味が分からない。それじゃあ、今の俺とは全くの正反対の男性ではないか?

いてもたってもいられなくて

「アメリナは、クールで物静かな男性が好きなのではなかったのかい?確か以前令嬢の誕生日で、そう言っていただろう?」

そう聞き返した。そうだ、あの時確かにそう言っていた。ただ当のアメリナは一体何を言っているのだろう、そう言わんばかりに、考え込んでいる。すると、何かを思い出した様で…

「そういえば、そんな事を言ったような記憶がありますわ。あの頃は、他の令嬢たちに話しを合わせただけです。私は物静かな男性は苦手ですわ。何を考えているかわからないし、一緒にいてもつまらないですもの…」

アメリナが戸惑いながらそう答えた。

「確かにそうよね。第一、クールっていい言い方だけれど、ただの感じの悪い人だったりするものね。何を考えているか分からない男よりも、しっかりと意思表示してくださる方の方が、ずっとずっと魅力的よね」

笑顔でサーラ嬢がアメリナの意見に同意する。

そんな…

それじゃあ、俺はずっとアメリナの苦手とする男を演じていた訳か。だからアメリナは、俺を避ける様になったのか?

そんな…

あまりのショックに、スッと立ち上がると

「ちょっと体調が思わしくないから、俺はこれで…」

フラフラとその場を去ろうとした時だった。

「まあ、大丈夫ですか?私が医務室までお供いたしますわ。私はクールなルドルフ様、素敵だと思いますわよ」

笑顔で俺について来ようとするのは、クレア嬢だ。

「悪いが今は1人にしてくれ…それでは、失礼する」

クレア嬢を振り払い、急ぎ足でその場を後にすると、侯爵家の馬車へと乗り込んだ。

「坊ちゃま、どうされたのですか?まだお昼ですよ。それにしても、顔色がよろしくない。体調がすぐれないのですか?」

「ああ…ショックで倒れそうだ…悪いが今日は、早退させてもらう。先生には、そう伝えてきてくれるかい?」

「かしこまりました、しばらくお待ちください」

急いで執事が、先生に伝えに行った。

「まさか、アメリナの好きなタイプが、クールな男ではなかっただなんて…アメリナにとって、俺はまさに嫌いな男だったという訳か…それなのに俺は…」

一気に涙が溢れ出す。俺は子供の頃から、アメリナが大好きだった。好きで好きでたまらなかった。だからこそ、少しでもアメリナの理想の男性に近づきたい、その一心で必死に演じて来たのに…

アメリナは素のままの俺の姿が、一番の理想だっただなんて…

思い返してみれば、昔のアメリナは本当に幸せそうだった。俺が大好きだ、アメリナと結婚したいと言えば“私もルドルフ様が大好き、ずっと一緒にいたいですわ”そう笑顔で答えてくれた。そんなアメリナが可愛くて可愛くて…

アメリナのあの頃の俺が好きだったんだ。それなのに俺は…

アメリナにしてみたら、今まで大好きだと言われ続けていたのに、急に冷たくあしらわれたら、嫌われたと思っても不思議ではないだろう。それでも必死に俺に話しかけてくれていたアメリナ。

もしかしたら、昔の俺に戻ってくれるかもしれないと、淡い期待をしていたのかもしれない。でもきっと、いつまでたっても冷たくし続ける俺に、ついに嫌気がさしたのだろう。

そうとも知らずに俺は…
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約者が実は私を嫌っていたので、全て忘れる事にしました

Kouei
恋愛
私セイシェル・メルハーフェンは、 あこがれていたルパート・プレトリア伯爵令息と婚約できて幸せだった。 ルパート様も私に歩み寄ろうとして下さっている。 けれど私は聞いてしまった。ルパート様の本音を。 『我慢するしかない』 『彼女といると疲れる』 私はルパート様に嫌われていたの? 本当は厭わしく思っていたの? だから私は決めました。 あなたを忘れようと… ※この作品は、他投稿サイトにも公開しています。

【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています

22時完結
恋愛
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」 そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。 理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。 (まあ、そんな気はしてました) 社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。 未練もないし、王宮に居続ける理由もない。 だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。 これからは自由に静かに暮らそう! そう思っていたのに―― 「……なぜ、殿下がここに?」 「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」 婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!? さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。 「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」 「いいや、俺の妻になるべきだろう?」 「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!

花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」 婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。 追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。 しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。 夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。 けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。 「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」 フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。 しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!? 「離縁する気か?  許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」 凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。 孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス! ※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。 【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】

恋人でいる意味が分からないので幼馴染に戻ろうとしたら‥‥

矢野りと
恋愛
婚約者も恋人もいない私を憐れんで、なぜか幼馴染の騎士が恋人のふりをしてくれることになった。 でも恋人のふりをして貰ってから、私を取り巻く状況は悪くなった気がする…。 周りからは『釣り合っていない』と言われるし、彼は私を庇うこともしてくれない。 ――あれっ? 私って恋人でいる意味あるかしら…。 *設定はゆるいです。

余命わずかな私は、好きな人に愛を伝えて素っ気なくあしらわれる日々を楽しんでいる

ラム猫
恋愛
 王城の図書室で働くルーナは、見た目には全く分からない特殊な病により、余命わずかであった。悲観はせず、彼女はかねてより憧れていた冷徹な第一騎士団長アシェンに毎日愛を告白し、彼の困惑した反応を見ることを最後の人生の楽しみとする。アシェンは一貫してそっけない態度を取り続けるが、ルーナのひたむきな告白は、彼の無関心だった心に少しずつ波紋を広げていった。 ※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも同じ作品を投稿しています ※全十七話で完結の予定でしたが、勝手ながら二話ほど追加させていただきます。公開は同時に行うので、完結予定日は変わりません。本編は十五話まで、その後は番外編になります。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

【完結】何故こうなったのでしょう? きれいな姉を押しのけブスな私が王子様の婚約者!!!

りまり
恋愛
きれいなお姉さまが最優先される実家で、ひっそりと別宅で生活していた。 食事も自分で用意しなければならないぐらい私は差別されていたのだ。 だから毎日アルバイトしてお金を稼いだ。 食べるものや着る物を買うために……パン屋さんで働かせてもらった。 パン屋さんは家の事情を知っていて、毎日余ったパンをくれたのでそれは感謝している。 そんな時お姉さまはこの国の第一王子さまに恋をしてしまった。 王子さまに自分を売り込むために、私は王子付きの侍女にされてしまったのだ。 そんなの自分でしろ!!!!!

処理中です...