【本編完結】二度も殺されたくないので最強魔王になりました

ましろはるき

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二章

27 爆破未遂

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 顔をひきつらせた俺に注目した男たちは、一様ににやけた顔をさらした。

「おお、これはこれは……良い獲物を捕らえなさったな」
「さすが狩猟の名手だ」
「ははは、お褒めにあずかり光栄の至り」

 なにその貴族ジョーク。つまりは複数で俺をいたぶろうっていう腹づもりなんですね。さすが貴族、平民を人とも思っていない。
 ウハウハとか甘かったな、と思いつつ〔能力鑑定+++〕を発動させて気持ちを奮い立たせる。いいぞいいぞ、攻撃系の〔バーストフレイム〕〔エクスボルケーノ〕〔メテオスウォーム〕、それに〔サイレント〕〔スリープ〕〔パラライズ〕などの妨害系まで持っているではありませんか。
 流石の俺も一気に六人を相手にしたことなどないが、団体様だろうがなんだろうがやってやる、お前らの能力を片っ端からコピーしてやるからな。

「あ、あの……どうか、お許しください……」
「何を言う。平民如きに慈悲をくれてやろうというのだ、伏して従え」
「あっ……!」

 そこから裸に剥かれるまで一瞬だった。なす術もなく犯されるふりをしながら、「やだやだ♡」「だめなのに♡」「無理やりされてるのにいっちゃう♡」などとかわいい声で鳴いて男たちの興奮を煽り立てる。
 乱暴にされて感じるわけがないのだけれど、紳士の皮を脱ぎ捨てた獣どもはこういう態度に興奮する。性欲と加害欲求ががっちり癒着している手合いだ。性欲が昂じて乱暴してるわけじゃなくて、乱暴している自分に興奮して勃起しているだけ。本人に自覚がない分たちが悪い。
 多分もう一周はしただろうな、というタイミングでステータスをチェックする。わーお大量! 新しい能力をゲットできて大変喜ばしいが流石に尻がしんどい。早く終わってほしい。後背位の姿勢で隠していた顔を上げてみると、俺を囲む男たちの人数が増えていた。
 ――マジかよ、と口から出そうになってしまったが、なんとか飲み込んで感じている演技を続ける。

「やああ♡ もう♡ らめれす♡ おゆるしくださいぃ♡ イキすぎて死んじゃう♡」
「ほう、死ぬほど良いのか。もっとかわいがってやろうな」

 健気な俺の態度は男たちの興奮を煽りすぎたようだった。こうなったら腹を決めて、片っ端からいただいていくしかない。
 一通り新たな能力をゲットし終えたが、男たちは次から次へと群がってくる。魔法は何度セックスしても強化されるわけではない。一応能力をコピーさせてもらったお礼として気持ちよくさせてやるが、あまりにしつこすぎる。
 いい加減付き合ってられなくて気絶したふりをする。それでも俺を嬲る手は止まらない。〔身体強化〕のスキルを発動させてなかったらとっくに尻の穴が擦り切れて酷いことになっていただろう。
 抵抗できない弱い者を一方的に嬲るのがそんなに楽しいのだろうか。俺にはまったく理解できないけれど、楽しいのだろうな。俺を虐待していた兄はいつもにやにやと嗤っていた。前世でも、俺を躾けるという建前で暴行を繰り返していた父も、いつも瞳を暗く輝かせていた。
 こういう扱いには慣れている。だから耐えられる。別に助けなんて期待したりしない。これが当たり前なのに。
 閉じたまぶたの裏に浮かぶのは、紺碧の瞳。銀色に輝く髪。俺の名を何度も繰り返し呼んで、壊れ物を扱うように触れた指先。
 ――いま俺に触れているのは、どうしてあの優しい手ではないのだろう。
 そう思ったら、つい腕が動いて、俺にのしかかってきていた男を本気で押し返してしまった。

「平民ごときが抵抗するな! この淫売がッ!」
「ひっ、ぎゃう……ッ!」

 抵抗を止めるが、もう遅い。怒りに顔を歪ませた男に頬を打たれる。往復で何度も打たれて目の前に星が飛ぶ。
 世の中には犯しながら殴るのが好きな変態もいる。そんなサド野郎に抵抗して火をつけてしまうとは。クソ客処理の腕が落ちたな。

「あまり殴るな。腫れあがった顔では萎える」
「お前はもう三回もしただろうが、まだやる気か?」
「ははは、平民と侮っていたが、なかなか良い加減だ。どれ、うちで飼ってやろうか」

 まだやる気か。しかも飼うなんて危ない発言まで飛び出してきた。俺は市民権を得た平民だが、相手は貴族。権力を濫用されて再び奴隷落ちしてはかなわない。
 一通り能力はいただいたし、こいつら全員燃やしてやろうかな。〔エクスボルケーノ〕が暴発した、ということにして館ごと大爆発させて逃げてやろうか。
 半ば本気で計画を立てていたら、シガ―ルームの扉が勢いよく開いた。

「貴様ら! この有様は一体どういうことだ!」

 突如現れた身分の高そうな老騎士が一喝する。男たちは散々嬲っていた俺から一斉に手を引き、そそくさと取り繕うが、いままで何が行われていたかは火を見るよりも明らかだ。
 がなりたてる老騎士の後ろには、最初に会話した若い騎士たちが控えていた。彼らが上官に報告してくれたのだろう。ナイスタイミング。あやうく彼らごと館を爆破するところだった。
 こうして狂った夜は終わり、俺は尻にダメージを負いながらも大量の能力獲得に成功したのだった。
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