27 / 96
二章
27 爆破未遂
しおりを挟む
顔をひきつらせた俺に注目した男たちは、一様ににやけた顔をさらした。
「おお、これはこれは……良い獲物を捕らえなさったな」
「さすが狩猟の名手だ」
「ははは、お褒めにあずかり光栄の至り」
なにその貴族ジョーク。つまりは複数で俺をいたぶろうっていう腹づもりなんですね。さすが貴族、平民を人とも思っていない。
ウハウハとか甘かったな、と思いつつ〔能力鑑定+++〕を発動させて気持ちを奮い立たせる。いいぞいいぞ、攻撃系の〔バーストフレイム〕〔エクスボルケーノ〕〔メテオスウォーム〕、それに〔サイレント〕〔スリープ〕〔パラライズ〕などの妨害系まで持っているではありませんか。
流石の俺も一気に六人を相手にしたことなどないが、団体様だろうがなんだろうがやってやる、お前らの能力を片っ端からコピーしてやるからな。
「あ、あの……どうか、お許しください……」
「何を言う。平民如きに慈悲をくれてやろうというのだ、伏して従え」
「あっ……!」
そこから裸に剥かれるまで一瞬だった。なす術もなく犯されるふりをしながら、「やだやだ♡」「だめなのに♡」「無理やりされてるのにいっちゃう♡」などとかわいい声で鳴いて男たちの興奮を煽り立てる。
乱暴にされて感じるわけがないのだけれど、紳士の皮を脱ぎ捨てた獣どもはこういう態度に興奮する。性欲と加害欲求ががっちり癒着している手合いだ。性欲が昂じて乱暴してるわけじゃなくて、乱暴している自分に興奮して勃起しているだけ。本人に自覚がない分たちが悪い。
多分もう一周はしただろうな、というタイミングでステータスをチェックする。わーお大量! 新しい能力をゲットできて大変喜ばしいが流石に尻がしんどい。早く終わってほしい。後背位の姿勢で隠していた顔を上げてみると、俺を囲む男たちの人数が増えていた。
――マジかよ、と口から出そうになってしまったが、なんとか飲み込んで感じている演技を続ける。
「やああ♡ もう♡ らめれす♡ おゆるしくださいぃ♡ イキすぎて死んじゃう♡」
「ほう、死ぬほど良いのか。もっとかわいがってやろうな」
健気な俺の態度は男たちの興奮を煽りすぎたようだった。こうなったら腹を決めて、片っ端からいただいていくしかない。
一通り新たな能力をゲットし終えたが、男たちは次から次へと群がってくる。魔法は何度セックスしても強化されるわけではない。一応能力をコピーさせてもらったお礼として気持ちよくさせてやるが、あまりにしつこすぎる。
いい加減付き合ってられなくて気絶したふりをする。それでも俺を嬲る手は止まらない。〔身体強化〕のスキルを発動させてなかったらとっくに尻の穴が擦り切れて酷いことになっていただろう。
抵抗できない弱い者を一方的に嬲るのがそんなに楽しいのだろうか。俺にはまったく理解できないけれど、楽しいのだろうな。俺を虐待していた兄はいつもにやにやと嗤っていた。前世でも、俺を躾けるという建前で暴行を繰り返していた父も、いつも瞳を暗く輝かせていた。
こういう扱いには慣れている。だから耐えられる。別に助けなんて期待したりしない。これが当たり前なのに。
閉じたまぶたの裏に浮かぶのは、紺碧の瞳。銀色に輝く髪。俺の名を何度も繰り返し呼んで、壊れ物を扱うように触れた指先。
――いま俺に触れているのは、どうしてあの優しい手ではないのだろう。
そう思ったら、つい腕が動いて、俺にのしかかってきていた男を本気で押し返してしまった。
「平民ごときが抵抗するな! この淫売がッ!」
「ひっ、ぎゃう……ッ!」
抵抗を止めるが、もう遅い。怒りに顔を歪ませた男に頬を打たれる。往復で何度も打たれて目の前に星が飛ぶ。
世の中には犯しながら殴るのが好きな変態もいる。そんなサド野郎に抵抗して火をつけてしまうとは。クソ客処理の腕が落ちたな。
「あまり殴るな。腫れあがった顔では萎える」
「お前はもう三回もしただろうが、まだやる気か?」
「ははは、平民と侮っていたが、なかなか良い加減だ。どれ、うちで飼ってやろうか」
まだやる気か。しかも飼うなんて危ない発言まで飛び出してきた。俺は市民権を得た平民だが、相手は貴族。権力を濫用されて再び奴隷落ちしてはかなわない。
一通り能力はいただいたし、こいつら全員燃やしてやろうかな。〔エクスボルケーノ〕が暴発した、ということにして館ごと大爆発させて逃げてやろうか。
半ば本気で計画を立てていたら、シガ―ルームの扉が勢いよく開いた。
「貴様ら! この有様は一体どういうことだ!」
突如現れた身分の高そうな老騎士が一喝する。男たちは散々嬲っていた俺から一斉に手を引き、そそくさと取り繕うが、いままで何が行われていたかは火を見るよりも明らかだ。
がなりたてる老騎士の後ろには、最初に会話した若い騎士たちが控えていた。彼らが上官に報告してくれたのだろう。ナイスタイミング。あやうく彼らごと館を爆破するところだった。
こうして狂った夜は終わり、俺は尻にダメージを負いながらも大量の能力獲得に成功したのだった。
「おお、これはこれは……良い獲物を捕らえなさったな」
「さすが狩猟の名手だ」
「ははは、お褒めにあずかり光栄の至り」
なにその貴族ジョーク。つまりは複数で俺をいたぶろうっていう腹づもりなんですね。さすが貴族、平民を人とも思っていない。
ウハウハとか甘かったな、と思いつつ〔能力鑑定+++〕を発動させて気持ちを奮い立たせる。いいぞいいぞ、攻撃系の〔バーストフレイム〕〔エクスボルケーノ〕〔メテオスウォーム〕、それに〔サイレント〕〔スリープ〕〔パラライズ〕などの妨害系まで持っているではありませんか。
流石の俺も一気に六人を相手にしたことなどないが、団体様だろうがなんだろうがやってやる、お前らの能力を片っ端からコピーしてやるからな。
「あ、あの……どうか、お許しください……」
「何を言う。平民如きに慈悲をくれてやろうというのだ、伏して従え」
「あっ……!」
そこから裸に剥かれるまで一瞬だった。なす術もなく犯されるふりをしながら、「やだやだ♡」「だめなのに♡」「無理やりされてるのにいっちゃう♡」などとかわいい声で鳴いて男たちの興奮を煽り立てる。
乱暴にされて感じるわけがないのだけれど、紳士の皮を脱ぎ捨てた獣どもはこういう態度に興奮する。性欲と加害欲求ががっちり癒着している手合いだ。性欲が昂じて乱暴してるわけじゃなくて、乱暴している自分に興奮して勃起しているだけ。本人に自覚がない分たちが悪い。
多分もう一周はしただろうな、というタイミングでステータスをチェックする。わーお大量! 新しい能力をゲットできて大変喜ばしいが流石に尻がしんどい。早く終わってほしい。後背位の姿勢で隠していた顔を上げてみると、俺を囲む男たちの人数が増えていた。
――マジかよ、と口から出そうになってしまったが、なんとか飲み込んで感じている演技を続ける。
「やああ♡ もう♡ らめれす♡ おゆるしくださいぃ♡ イキすぎて死んじゃう♡」
「ほう、死ぬほど良いのか。もっとかわいがってやろうな」
健気な俺の態度は男たちの興奮を煽りすぎたようだった。こうなったら腹を決めて、片っ端からいただいていくしかない。
一通り新たな能力をゲットし終えたが、男たちは次から次へと群がってくる。魔法は何度セックスしても強化されるわけではない。一応能力をコピーさせてもらったお礼として気持ちよくさせてやるが、あまりにしつこすぎる。
いい加減付き合ってられなくて気絶したふりをする。それでも俺を嬲る手は止まらない。〔身体強化〕のスキルを発動させてなかったらとっくに尻の穴が擦り切れて酷いことになっていただろう。
抵抗できない弱い者を一方的に嬲るのがそんなに楽しいのだろうか。俺にはまったく理解できないけれど、楽しいのだろうな。俺を虐待していた兄はいつもにやにやと嗤っていた。前世でも、俺を躾けるという建前で暴行を繰り返していた父も、いつも瞳を暗く輝かせていた。
こういう扱いには慣れている。だから耐えられる。別に助けなんて期待したりしない。これが当たり前なのに。
閉じたまぶたの裏に浮かぶのは、紺碧の瞳。銀色に輝く髪。俺の名を何度も繰り返し呼んで、壊れ物を扱うように触れた指先。
――いま俺に触れているのは、どうしてあの優しい手ではないのだろう。
そう思ったら、つい腕が動いて、俺にのしかかってきていた男を本気で押し返してしまった。
「平民ごときが抵抗するな! この淫売がッ!」
「ひっ、ぎゃう……ッ!」
抵抗を止めるが、もう遅い。怒りに顔を歪ませた男に頬を打たれる。往復で何度も打たれて目の前に星が飛ぶ。
世の中には犯しながら殴るのが好きな変態もいる。そんなサド野郎に抵抗して火をつけてしまうとは。クソ客処理の腕が落ちたな。
「あまり殴るな。腫れあがった顔では萎える」
「お前はもう三回もしただろうが、まだやる気か?」
「ははは、平民と侮っていたが、なかなか良い加減だ。どれ、うちで飼ってやろうか」
まだやる気か。しかも飼うなんて危ない発言まで飛び出してきた。俺は市民権を得た平民だが、相手は貴族。権力を濫用されて再び奴隷落ちしてはかなわない。
一通り能力はいただいたし、こいつら全員燃やしてやろうかな。〔エクスボルケーノ〕が暴発した、ということにして館ごと大爆発させて逃げてやろうか。
半ば本気で計画を立てていたら、シガ―ルームの扉が勢いよく開いた。
「貴様ら! この有様は一体どういうことだ!」
突如現れた身分の高そうな老騎士が一喝する。男たちは散々嬲っていた俺から一斉に手を引き、そそくさと取り繕うが、いままで何が行われていたかは火を見るよりも明らかだ。
がなりたてる老騎士の後ろには、最初に会話した若い騎士たちが控えていた。彼らが上官に報告してくれたのだろう。ナイスタイミング。あやうく彼らごと館を爆破するところだった。
こうして狂った夜は終わり、俺は尻にダメージを負いながらも大量の能力獲得に成功したのだった。
73
あなたにおすすめの小説
異世界魔物大図鑑 転生したら魔物使いとかいう職業になった俺は、とりあえず魔物を育てながら図鑑的なモノを作る事にしました
おーるぼん
ファンタジー
主人公は俺、43歳独身久保田トシオだ。
人生に疲れて自ら命を絶とうとしていた所、それに失敗(というか妨害された)して異世界に辿り着いた。
最初は夢かと思っていたこの世界だが、どうやらそうではなかったらしい、しかも俺は魔物使いとか言う就いた覚えもない職業になっていた。
おまけにそれが判明したと同時に雑魚魔物使いだと罵倒される始末……随分とふざけた世界である。
だが……ここは現実の世界なんかよりもずっと面白い。
俺はこの世界で仲間たちと共に生きていこうと思う。
これは、そんなしがない中年である俺が四苦八苦しながらもセカンドライフを楽しんでいるだけの物語である。
……分かっている、『図鑑要素が全くないじゃないか!』と言いたいんだろう?
そこは勘弁してほしい、だってこれから俺が作り始めるんだから。
※他サイト様にも同時掲載しています。
転移先で辺境伯の跡継ぎとなる予定の第四王子様に愛される
Hazuki
BL
五歳で父親が無くなり、七歳の時新しい父親が出来た。
中1の雨の日熱を出した。
義父は大工なので雨の日はほぼ休み、パートに行く母の代わりに俺の看病をしてくれた。
それだけなら良かったのだが、義父は俺を犯した、何日も。
晴れた日にやっと解放された俺は散歩に出掛けた。
連日の性交で身体は疲れていたようで道を渡っているときにふらつき、車に轢かれて、、、。
目覚めたら豪華な部屋!?
異世界転移して森に倒れていた俺を助けてくれた次期辺境伯の第四王子に愛される、そんな話、にする予定。
⚠️最初から義父に犯されます。
嫌な方はお戻りくださいませ。
久しぶりに書きました。
続きはぼちぼち書いていきます。
不定期更新で、すみません。
病み墜ちした騎士を救う方法
無月陸兎
BL
目が覚めたら、友人が作ったゲームの“ハズレ神子”になっていた。
死亡フラグを回避しようと動くも、思うようにいかず、最終的には原作ルートから離脱。
死んだことにして田舎でのんびりスローライフを送っていた俺のもとに、ある噂が届く。
どうやら、かつてのバディだった騎士の様子が、どうもおかしいとか……?
※欠損表現有。本編が始まるのは実質中盤頃です
秘匿された第十王子は悪態をつく
なこ
BL
ユーリアス帝国には十人の王子が存在する。
第一、第二、第三と王子が産まれるたびに国は湧いたが、第五、六と続くにつれ存在感は薄れ、第十までくるとその興味関心を得られることはほとんどなくなっていた。
第十王子の姿を知る者はほとんどいない。
後宮の奥深く、ひっそりと囲われていることを知る者はほんの一握り。
秘匿された第十王子のノア。黒髪、薄紫色の瞳、いわゆる綺麗可愛(きれかわ)。
ノアの護衛ユリウス。黒みかがった茶色の短髪、寡黙で堅物。塩顔。
少しずつユリウスへ想いを募らせるノアと、頑なにそれを否定するユリウス。
ノアが秘匿される理由。
十人の妃。
ユリウスを知る渡り人のマホ。
二人が想いを通じ合わせるまでの、長い話しです。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
辺境伯は嵌められた元令息から目が離せない
コムギ
BL
冤罪により、辺境の地へ追いやられた元侯爵令息ユベール。
だが彼は、あまりのことに気を病んで――はいなかった。
野山を駆け回り、虫を捕まえ、草花をスケッチし、のんびり釣りをする。
それはすべて、侯爵家の令息として縛られていた頃には許されなかった自由だった。
そんな生活から一年。
冤罪を証明できそうだと、幼なじみの王太子から報せが届く。
――王都へ戻れる。
それは同時に、あの窮屈で冷たい場所へ戻るということでもあった。
迷うユベールの前に現れたのは、これまで静かに見守るだけだった辺境伯ラドヴァン。
「ならば、ずっとここにいろ」
「俺と婚約すればいい」
不器用に、しかし真っ直ぐに差し伸べられた手。
優しく(時に暑苦しく)包囲してくる辺境伯と、元侯爵令息の恋物語。
※他サイトにも掲載しています。
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第22話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
※第25話を少し修正しました。
※第26話を少し修正しました。
※第31話を少し修正しました。
※第32話を少し修正しました。
※第33話を少し修正しました。
────────────
※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!!
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。
その捕虜は牢屋から離れたくない
さいはて旅行社
BL
敵国の牢獄看守や軍人たちが大好きなのは、鍛え上げられた筋肉だった。
というわけで、剣や体術の訓練なんか大嫌いな魔導士で細身の主人公は、同僚の脳筋騎士たちとは違い、敵国の捕虜となっても平穏無事な牢屋生活を満喫するのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる