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二章
28 クロヴィスという王族
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一夜明けて。豪華な客室をあてがわれて治療を受けた俺はすっかり元気になっていた。散々な目に遭いはしたが、結果的にレアな魔法を一挙に獲得できて大満足だ。
用は済んだし、騎士団側としても俺に長居させる意味はない。なのに俺はなぜか贅を尽くした朝食まで振る舞われ、老騎士とともに食後のお茶をしていた。
「そう怯えずともよい。まあ、あのような災難に見舞われては無理もないだろうが……体の方は問題ないな?」
「はい、私のような者に回復魔法を施していただき、ありがとうございます」
俺は恐縮しきったふりをして小さくなっていた。
目の前にいるのは、昨晩助けに入ってくれた老騎士だ。謙虚に感謝の言葉を述べる俺に、老騎士は満足そうに頷いた。
この世界では貴族が平民をいたぶるなんて当たり前のことだ。それなのに回復魔法を使ってくださるなんて、なんとお優しいのでしょう、と感激するべきなのだ。暴行の加害者に被害者が「手心を加えてくれてありがとう」と感謝するこの構図。慣れているけど反吐は出るよね。もちろん態度には出さないけれど。
この手厚い待遇は閃光騎士団の面子のためだろう。なにせ王家から派遣された騎士団だ。醜聞などあってはならない。
このまま大人しくしていれば口止め料として小金を渡されて解放されるはず――と思ってたのに。なぜだか俺は騎士団総長の元へ連行されることになってしまった。
「本来であれば拝顔の栄に浴するなど一生ないことだ。光栄に思うがいい」
「い、いえ、僕などには身に余りすぎて恐れ多いですので……」
「ははは、そうであろう。だが閣下は非常に慈悲深いお方だ。安心してついてまいれ」
有無を言わさぬ老騎士の言によると、閃光騎士団の騎士総長はミッドランド国王の末の弟であり、聖騎士として勇名を馳せているのだそうで。
高潔であり、すべての貴族の鑑。その名もクロヴィス・エリル・トエ・ミドルワース。
まさかの王族様のご登場である。ただの平民商人であるニールが会ったところで縁を作れるはずもない。正直ありがた迷惑だ。遠慮に遠慮を重ねたが、「固辞は無礼であるぞ」と咎められてしまえばもう仕方ない。というか最初から俺に選択肢は与えられていないのだ。
館の中は迷路のようだった。いざというときのために一応道筋を覚えながら老騎士の背中を追う。やがてカーペットの敷かれた長い廊下の先に、扉が大きく開け放たれた広間が見えた。
内装からして元々はボールルームだと思われる。今はブルードラゴン討伐の作戦を練る軍議場として運用されているようだった。円卓が運び込まれ、伝令の騎士たちがせわしなく出入りしている。飛び交うのは討伐についての献策。周辺地理や騎士団の編成、冒険者たちの運用などなど。一番奥に座している人物に次々と判断を仰いでいく。
紹介されなくてもわかる。大柄だが粗野な印象はまったくない。短く刈られた黒髪が無骨ではあるが、気品漂う青年。年齢は三十代後半ぐらいに見える。
彼こそが閃光騎士団総長のクロヴィスに違いない。
俺は広間の入り口付近に通されて、老騎士に促されてひざまずく。小姓が耳打ちすると、騎士たちの報告を受けていたクロヴィスは俺に視線を留めた。
目を合わせて、鷹揚にうなずく。そしてすぐに軍議に意識を戻した。
ほんの一瞬のことだった。
たかが平民ごときに王族が目を止め、存在を確認する。それだけで相当の名誉とされる。騎士団員のしでかした不始末に対し、この目通りが最大限の誠意なのだと思われた。
「さあ、受け取りなさい」
クロヴィスの小姓がやってきて、盆の上に乗った小袋を俺に向かって差し出す。もしかしなくても中身は確実に金である。イエーイ金じゃ金じゃあ! 新しい能力をゲットできた上に儲けちゃったぜひゃっほい!
――って。いつもの俺なら喜んでいたのだけれど。今の俺には、金の入った袋と、裏路地で見た死体袋が重なって見えた。
奴隷は人間ではなく道具。弱い者は何もかも奪われて、死ぬまで過酷な労働を強いられる。平民であっても似たようなものだ。強姦しようがなんだろうが問題にすらならない。名誉を盾にして冒険者をただ働きさせるくせに、貴族としての面子を保つためなら金を払う。
そういう国を作ったのは、王族だ。
「あの~、すいません、これはなんですか?」
俺がぽつりとこぼした問いかけに、老騎士はぎょっとして目を見開いた。俺に盆を差し出していた小姓もぽかんと口を開けている。
「閣下の御慈悲だ、黙って受け取りなさい!」
「もしかして、お金なのでしょうか。でしたら受け取れません。僕はお金が欲しくて参上したのではありません。か弱い民衆の為に、恐ろしい魔物を退治してくださる立派な騎士様方のためにと差し入れをお持ちしたのです。結果的に一部の騎士様方の欲求を発散するお手伝いをさせていただくことになったのですが……」
騎士たちの野太い声が飛び交う中で、俺のかわいい声は小声であってもよく通った。何事かと振り返った数人の騎士たちにつられて、ブルードラゴン討伐の策を講じていた他の騎士たちの声も止む。
「このお金がその報酬ということであれば……僕は無認可で売春行為をしてしまったことになりますので、やはり受け取ることはできません」
「ば、売春などと! 閣下の御前でそのようなことを口にしてはならぬ!」
これまで大人しく恐縮しきっていた平民が、王族の前で意見を述べるという暴挙に出るとは思いもしなかったのだろう。老騎士は目を白黒させながらも俺を一喝した。
鈴を転がすような俺のかわいい声はクロヴィスの側近たちの耳にもはっきりと届いたらしい。俺を睨みつけて剣の柄に手をかけている騎士までいる。
うん。やばい。ピンチだ。なにやってんだ俺は。
「――罰を与えずともよい」
俺が掘った墓穴に手を差し伸べてくれたのは、意外なことにクロヴィスだった。穏やかに発せられたクロヴィスの一声で、殺気立っていた騎士たちが警戒を解く。
クロヴィスは手招きして、もっと近くへ寄るよう指示をする。主人の意を受けた小姓と老騎士に連れられて、俺はクロヴィスに接近する。およそ二メートルほどの距離まで近づいてから、再びクロヴィスからお声がかかった。
「顔をあげなさい」
一応悩むふりをしながら、おずおずと顔をあげる。クロヴィスの視線を真正面から浴びる。先ほどのようなチラ見ではなかった。アイスグレーの瞳は真剣のように研ぎ澄まされているが、その刃からは一切の害意を感じない。
「そなたは――」
何か言いかけて、飲み込む。そして再び口を開いた。
「そなたは旅の商人だと聞いている。貴族街で商いを行う権利を与えよう。その上でマジックポーションの代金を支払うものとする」
俺に都合が良すぎる言葉に耳を疑う。けれど直答は許されていないので従順に額ずく。作法があっているのかどうか自信がないが、俺を罰する声は聞こえてこなかった。
「此度の一件、心苦しく思う」
クロヴィスの言葉に、周囲が息を呑む気配を感じた。
王族が平民相手に謝罪などするわけがない。でも限りなく謝意に近い言葉だった。最大限の譲歩だと思っていい。
再びクロヴィスが手をかざす。それを合図に、老騎士は素早く俺を外へ連れ出した。
クロヴィスとの面会を終えた俺は、老騎士にたっぷりとお小言をいただくことになってしまった。命知らずの愚か者、本来なら首と胴が離れていた、などなど。
お小言の他には、この国の貴族街で商いをする許可証と、千ゴールドばかりの報酬を得た。マジックポーションの対価としては多すぎるが、これ以上ゴネるほど命知らずではない。
かくして俺は新たな能力を大量獲得した上、貴族街で商売をする権利まで得ることができたのだが。
――しなくてもいい綱渡りをしてしまった。
老騎士の言うとおり、首をはねられてもおかしくはない状況だった。今後は決して目立たず、大人しく貴族に従おうと心に誓った。
用は済んだし、騎士団側としても俺に長居させる意味はない。なのに俺はなぜか贅を尽くした朝食まで振る舞われ、老騎士とともに食後のお茶をしていた。
「そう怯えずともよい。まあ、あのような災難に見舞われては無理もないだろうが……体の方は問題ないな?」
「はい、私のような者に回復魔法を施していただき、ありがとうございます」
俺は恐縮しきったふりをして小さくなっていた。
目の前にいるのは、昨晩助けに入ってくれた老騎士だ。謙虚に感謝の言葉を述べる俺に、老騎士は満足そうに頷いた。
この世界では貴族が平民をいたぶるなんて当たり前のことだ。それなのに回復魔法を使ってくださるなんて、なんとお優しいのでしょう、と感激するべきなのだ。暴行の加害者に被害者が「手心を加えてくれてありがとう」と感謝するこの構図。慣れているけど反吐は出るよね。もちろん態度には出さないけれど。
この手厚い待遇は閃光騎士団の面子のためだろう。なにせ王家から派遣された騎士団だ。醜聞などあってはならない。
このまま大人しくしていれば口止め料として小金を渡されて解放されるはず――と思ってたのに。なぜだか俺は騎士団総長の元へ連行されることになってしまった。
「本来であれば拝顔の栄に浴するなど一生ないことだ。光栄に思うがいい」
「い、いえ、僕などには身に余りすぎて恐れ多いですので……」
「ははは、そうであろう。だが閣下は非常に慈悲深いお方だ。安心してついてまいれ」
有無を言わさぬ老騎士の言によると、閃光騎士団の騎士総長はミッドランド国王の末の弟であり、聖騎士として勇名を馳せているのだそうで。
高潔であり、すべての貴族の鑑。その名もクロヴィス・エリル・トエ・ミドルワース。
まさかの王族様のご登場である。ただの平民商人であるニールが会ったところで縁を作れるはずもない。正直ありがた迷惑だ。遠慮に遠慮を重ねたが、「固辞は無礼であるぞ」と咎められてしまえばもう仕方ない。というか最初から俺に選択肢は与えられていないのだ。
館の中は迷路のようだった。いざというときのために一応道筋を覚えながら老騎士の背中を追う。やがてカーペットの敷かれた長い廊下の先に、扉が大きく開け放たれた広間が見えた。
内装からして元々はボールルームだと思われる。今はブルードラゴン討伐の作戦を練る軍議場として運用されているようだった。円卓が運び込まれ、伝令の騎士たちがせわしなく出入りしている。飛び交うのは討伐についての献策。周辺地理や騎士団の編成、冒険者たちの運用などなど。一番奥に座している人物に次々と判断を仰いでいく。
紹介されなくてもわかる。大柄だが粗野な印象はまったくない。短く刈られた黒髪が無骨ではあるが、気品漂う青年。年齢は三十代後半ぐらいに見える。
彼こそが閃光騎士団総長のクロヴィスに違いない。
俺は広間の入り口付近に通されて、老騎士に促されてひざまずく。小姓が耳打ちすると、騎士たちの報告を受けていたクロヴィスは俺に視線を留めた。
目を合わせて、鷹揚にうなずく。そしてすぐに軍議に意識を戻した。
ほんの一瞬のことだった。
たかが平民ごときに王族が目を止め、存在を確認する。それだけで相当の名誉とされる。騎士団員のしでかした不始末に対し、この目通りが最大限の誠意なのだと思われた。
「さあ、受け取りなさい」
クロヴィスの小姓がやってきて、盆の上に乗った小袋を俺に向かって差し出す。もしかしなくても中身は確実に金である。イエーイ金じゃ金じゃあ! 新しい能力をゲットできた上に儲けちゃったぜひゃっほい!
――って。いつもの俺なら喜んでいたのだけれど。今の俺には、金の入った袋と、裏路地で見た死体袋が重なって見えた。
奴隷は人間ではなく道具。弱い者は何もかも奪われて、死ぬまで過酷な労働を強いられる。平民であっても似たようなものだ。強姦しようがなんだろうが問題にすらならない。名誉を盾にして冒険者をただ働きさせるくせに、貴族としての面子を保つためなら金を払う。
そういう国を作ったのは、王族だ。
「あの~、すいません、これはなんですか?」
俺がぽつりとこぼした問いかけに、老騎士はぎょっとして目を見開いた。俺に盆を差し出していた小姓もぽかんと口を開けている。
「閣下の御慈悲だ、黙って受け取りなさい!」
「もしかして、お金なのでしょうか。でしたら受け取れません。僕はお金が欲しくて参上したのではありません。か弱い民衆の為に、恐ろしい魔物を退治してくださる立派な騎士様方のためにと差し入れをお持ちしたのです。結果的に一部の騎士様方の欲求を発散するお手伝いをさせていただくことになったのですが……」
騎士たちの野太い声が飛び交う中で、俺のかわいい声は小声であってもよく通った。何事かと振り返った数人の騎士たちにつられて、ブルードラゴン討伐の策を講じていた他の騎士たちの声も止む。
「このお金がその報酬ということであれば……僕は無認可で売春行為をしてしまったことになりますので、やはり受け取ることはできません」
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鈴を転がすような俺のかわいい声はクロヴィスの側近たちの耳にもはっきりと届いたらしい。俺を睨みつけて剣の柄に手をかけている騎士までいる。
うん。やばい。ピンチだ。なにやってんだ俺は。
「――罰を与えずともよい」
俺が掘った墓穴に手を差し伸べてくれたのは、意外なことにクロヴィスだった。穏やかに発せられたクロヴィスの一声で、殺気立っていた騎士たちが警戒を解く。
クロヴィスは手招きして、もっと近くへ寄るよう指示をする。主人の意を受けた小姓と老騎士に連れられて、俺はクロヴィスに接近する。およそ二メートルほどの距離まで近づいてから、再びクロヴィスからお声がかかった。
「顔をあげなさい」
一応悩むふりをしながら、おずおずと顔をあげる。クロヴィスの視線を真正面から浴びる。先ほどのようなチラ見ではなかった。アイスグレーの瞳は真剣のように研ぎ澄まされているが、その刃からは一切の害意を感じない。
「そなたは――」
何か言いかけて、飲み込む。そして再び口を開いた。
「そなたは旅の商人だと聞いている。貴族街で商いを行う権利を与えよう。その上でマジックポーションの代金を支払うものとする」
俺に都合が良すぎる言葉に耳を疑う。けれど直答は許されていないので従順に額ずく。作法があっているのかどうか自信がないが、俺を罰する声は聞こえてこなかった。
「此度の一件、心苦しく思う」
クロヴィスの言葉に、周囲が息を呑む気配を感じた。
王族が平民相手に謝罪などするわけがない。でも限りなく謝意に近い言葉だった。最大限の譲歩だと思っていい。
再びクロヴィスが手をかざす。それを合図に、老騎士は素早く俺を外へ連れ出した。
クロヴィスとの面会を終えた俺は、老騎士にたっぷりとお小言をいただくことになってしまった。命知らずの愚か者、本来なら首と胴が離れていた、などなど。
お小言の他には、この国の貴族街で商いをする許可証と、千ゴールドばかりの報酬を得た。マジックポーションの対価としては多すぎるが、これ以上ゴネるほど命知らずではない。
かくして俺は新たな能力を大量獲得した上、貴族街で商売をする権利まで得ることができたのだが。
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