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Episode.0 とある王女の記憶
◇2
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『……そうね。あまりにも、理不尽なのかもしれない』
けれど、と彼女は続ける。
『これが私の当たり前でしょう?』
本に囲まれ、読みふけり、勉強をメアリと共にする。そんな生活しか、自分は知らない。
母も父も、勉強をするまでは物語の中にしかいないと思っていたほどだ。大体、王族というのは民を導いていく者だと言われても、メアリとアマーリエしか知らないわけで。
生まれた時からここにいて、両親がいない、侍女と2人っきり、やる事は勉強、読書。
だからティアシェは、これが当たり前だから、反発する心なんて生まれない。怒りなんてもってのほか。
もしも、外の世界を知っているのであれば何か思うことはあったのかもしれないけれど。
でも、それはたらればの話であって……と、説明すると、メアリはくしゃりと辛そうな顔をした。
『……申し訳ありません。ティアシェ様』
『……?メアリ?』
『申し訳……ありません…っ…』
いつもは表情を出さないメアリがこんなにも顔を歪ませる事があっただろうか。それに、どうしてメアリは謝っているのだろうか。疑問符が浮かぶ中、ティアシェはメアリの背中をさするのだった。
そんなことがあってから、数日。
『どこにいくの、メアリ……?』
『ティアシェ様。外に、出ましょう。太陽の眩しさ、豊かな草木、民の力強さ。物語の中ではなく、本物をお見せしましょう』
いつもより沢山の荷物を持ったメアリに手を引かれて、初めて扉の外へと出た。
初めて登った階段は凄く大変だったけれど、何だか楽しくて、くすくすと笑いながら登った。
キラキラと輝く建物の中を抜けて、大きな何か……門をくぐろうとした時だ。
『見つけたぞ!』
『捕まえろ!』
誰かの怒号が聞こえて、メアリが誰かに捕まって、自分自身も怖い顔をした人に捕まえられて。
気付いたら、知らないベットの上で寝ていた。身体を起こすと、知らない人が目の前で頭を下げていて。
『初めまして。メアリに代わり、ティアシェ様のお世話をさせて頂きます』
そう言って顔を上げた人の目が、どろりと歪んで、暗い色を灯していて、ひどく怖かった。
……後に、それが蔑みを含んだ目だと知る。
けれど、と彼女は続ける。
『これが私の当たり前でしょう?』
本に囲まれ、読みふけり、勉強をメアリと共にする。そんな生活しか、自分は知らない。
母も父も、勉強をするまでは物語の中にしかいないと思っていたほどだ。大体、王族というのは民を導いていく者だと言われても、メアリとアマーリエしか知らないわけで。
生まれた時からここにいて、両親がいない、侍女と2人っきり、やる事は勉強、読書。
だからティアシェは、これが当たり前だから、反発する心なんて生まれない。怒りなんてもってのほか。
もしも、外の世界を知っているのであれば何か思うことはあったのかもしれないけれど。
でも、それはたらればの話であって……と、説明すると、メアリはくしゃりと辛そうな顔をした。
『……申し訳ありません。ティアシェ様』
『……?メアリ?』
『申し訳……ありません…っ…』
いつもは表情を出さないメアリがこんなにも顔を歪ませる事があっただろうか。それに、どうしてメアリは謝っているのだろうか。疑問符が浮かぶ中、ティアシェはメアリの背中をさするのだった。
そんなことがあってから、数日。
『どこにいくの、メアリ……?』
『ティアシェ様。外に、出ましょう。太陽の眩しさ、豊かな草木、民の力強さ。物語の中ではなく、本物をお見せしましょう』
いつもより沢山の荷物を持ったメアリに手を引かれて、初めて扉の外へと出た。
初めて登った階段は凄く大変だったけれど、何だか楽しくて、くすくすと笑いながら登った。
キラキラと輝く建物の中を抜けて、大きな何か……門をくぐろうとした時だ。
『見つけたぞ!』
『捕まえろ!』
誰かの怒号が聞こえて、メアリが誰かに捕まって、自分自身も怖い顔をした人に捕まえられて。
気付いたら、知らないベットの上で寝ていた。身体を起こすと、知らない人が目の前で頭を下げていて。
『初めまして。メアリに代わり、ティアシェ様のお世話をさせて頂きます』
そう言って顔を上げた人の目が、どろりと歪んで、暗い色を灯していて、ひどく怖かった。
……後に、それが蔑みを含んだ目だと知る。
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