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第八章 真なる聖剣
923 闇が保たれた場所
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家具類には埃が積もらないようにそれぞれ布が被せてある。
それらを丁寧にめくりながら確認して行く。
魔力探知は当然しているのだが、昨日の呪物のように発動前には何の反応もないものもあるからだ。
とは言え、怪しいものは特にないようだ。
俺は勇者の光球に照らされる立派な家具類をじっくりと見てみる。
女性陣が騒いでいた鏡台などは、螺鈿細工が美しいだけでなく、引き出しの取手や、作業台部分を引っ張り出して広くする工夫など、なかなか使いやすさにも配慮されていて、きれいなだけではないことがわかった。
なるほどな、モンクやメルリルは、単にきれいだったからいいと言っていた訳ではなさそうだ。
使い勝手もかなりいいだろう。
こういうのを見ると、かなり値段は高いが、腕利きの職人が作ったものというのは、普通のやっつけ仕事の家具とは全然違うことがわかる。
うちの長屋の作り付けの棚とか、微妙に傾いてたりするもんな。
引き出し式の寝台なんかは、古くなっていることもあって、ちょっとしたコツを掴まないと出し入れが難しい。
「ここは特に何もないようだな」
一通り見終わった勇者がそう断言して次へと進む。
次に発見されたのは酒蔵だ。
また扉の錠を無理やり開けてなかへと入ると、濃厚な酒精が漂っていて、その場にいるだけで酔いそうになる。
「すごいな。風が入らない地下だけに、香りが篭もったのか? いや、どれかから漏れていて、その匂いか?」
調べてみると、懸念通り、積まれた樽のいくつかにヒビが入って、中身が抜けていた。
おそらく、この部屋が乾燥してしまっていたのだろう。
「うーん。ほとんどは安いワインだけど、いくつかいいのがあるね」
モンクが鼻をひくひくさせながら嗅ぎ回る。
「こっそり飲んだりするんじゃないぞ?」
「いくら私でもミュリアの実家の酒を盗み飲みしたりしないよ」
俺の冗談混じりの注意へのモンクの返事には、聖女の実家じゃなかったら飲むのかよ? とツッコミを入れそうになった。
答えはわかっている。
きっとモンクは飲むだろう。
聞くほうが野暮だ。
「いくつか無事な酒が見つかったのはよかったな。冬場は酒で体を温めることが出来るとだいぶ違うからな」
「そうだな」
勇者の言葉にうなずく。
寒い夜などは、温めた酒を少し飲んで寝ると、よく眠れる。
あと、冬の熱病に罹ったときに、蜂蜜を入れたワインや、秘蔵の蜂蜜酒などは、薬の代わりにもなるのだ。
もちろん飲みすぎると毒になるが、少しだけ飲むことで、体が温まり、体の冷えが原因の不調が解消される。
ある意味薬のように使うことも出来る訳だ。
とは言え、冒険者達の場合は飲みすぎてしまう奴ばっかりなんで、正直薬になることはほとんどない。
まぁ馬鹿がより馬鹿になるだけなので、大した影響はないと言ってしまうことも出来るが。
貴族の場合は、侍従などが体調を管理しているので、そんなことにはならないらしい。
節度を失った貴族とか、想像したくないからな。
「次へ行こう」
「ああ」
古い酒蔵を出て通路に戻る。感覚的に、アドミニス殿の工房は、もう少し深いところにあるようだ。
思ったよりも先が長い。
そう言えば、隠し通路のほうも狭い通路で階段をだいぶ下りた。
あれから考えると、まだまだだろう。
通路は古く硬いレンガで囲まれたものになり、壁にある燭台は、最新式のものではなく、油を使う古いタイプのものとなっている。
おそらくだが、地下深いので、空気が薄くなっているかどうかを調べる意味もあるのだろう。
灯りが消えていたら危険という訳だ。
まぁ今は誰も管理していないので、全部消えてしまっている。
残念ながらそういう判断材料としては使えない。
現在、空気の状態は、メルリルが確認してくれていた。
「精霊はほとんど見当たらないけど、精霊の元となる魂の濃さはわかるから」
とのことだ。
とても頼もしい。
「むう、もう部屋はないのか?」
「通路が続きますね。かなり奥になりますし、何もないので……は」
勇者と話していた聖騎士が、何かを感じたように声を潜めた。
ふいに周囲の温度が急激に下がる。
メルリルが目をつぶり、耳を澄ませる仕草をした。
ふんわりとした耳がピクピクッと動き、こんなときだが、可愛らしいな、と思う。
「霊気、だと思う。闇の精霊が歌を紡いでいるのが微かに聞こえる。私はほとんど闇の精霊の声は聞こえないから、少しでも聞こえるということはかなり活性化しているんじゃないかな?」
「闇の精霊ってのはなんだ?」
全く知らない知識がいきなり出て来て戸惑う。
そう言えば精霊ってのは、人間が理解しやすいように大雑把に性質でまとめているだけで、本来はいろいろな個性が存在するとか言っていたっけ。
「闇の精霊については、私もあんまり知らないので、説明が難しいけど、静謐と眠りに属する存在みたい。夜に暗がりに何かがいるような気配を感じたら、それが闇の精霊だから、刺激しないようにしなさいって言われてた。ええっと……つまり」
メルリルはモンクをちらっと見る。
「死者の魂がさまよっていると、その周りを飛び回っているみたいなの」
「ええっ!」
メルリルは気遣ったようだが、まぁ言わない訳にはいかないよな。
モンクは真っ青になって震え上がった。
「ミュリアはいないのに、お化けはいるの? 理不尽すぎない?」
「いや、落ち着け。何言ってるのかわからんぞ」
なんとかモンクを落ち着かせようとするが、全くの徒労に終わる。
「怖いなら一人で帰れ」
勇者が冷たく言い捨てた。
「じ、冗談でしょ! 一人でこの暗い地下通路を戻れって言うの? このクソ勇者!」
「口の悪い奴だな。ふっ」
勇者は鼻で笑う。
「そんなビビリでミュリアの保護者を気取っているとか、片腹痛い」
「な、なんですってー! 生理的に気持ち悪いだけで、怖い訳じゃないからね!」
「言い訳はいい。で、戻るのか? 行くのか?」
「行くに決まってるでしょ!」
どうやらモンクは勇者の励まし(?)によって立ち直ったようだ。
その怒りを保ったまま頑張れ!
それらを丁寧にめくりながら確認して行く。
魔力探知は当然しているのだが、昨日の呪物のように発動前には何の反応もないものもあるからだ。
とは言え、怪しいものは特にないようだ。
俺は勇者の光球に照らされる立派な家具類をじっくりと見てみる。
女性陣が騒いでいた鏡台などは、螺鈿細工が美しいだけでなく、引き出しの取手や、作業台部分を引っ張り出して広くする工夫など、なかなか使いやすさにも配慮されていて、きれいなだけではないことがわかった。
なるほどな、モンクやメルリルは、単にきれいだったからいいと言っていた訳ではなさそうだ。
使い勝手もかなりいいだろう。
こういうのを見ると、かなり値段は高いが、腕利きの職人が作ったものというのは、普通のやっつけ仕事の家具とは全然違うことがわかる。
うちの長屋の作り付けの棚とか、微妙に傾いてたりするもんな。
引き出し式の寝台なんかは、古くなっていることもあって、ちょっとしたコツを掴まないと出し入れが難しい。
「ここは特に何もないようだな」
一通り見終わった勇者がそう断言して次へと進む。
次に発見されたのは酒蔵だ。
また扉の錠を無理やり開けてなかへと入ると、濃厚な酒精が漂っていて、その場にいるだけで酔いそうになる。
「すごいな。風が入らない地下だけに、香りが篭もったのか? いや、どれかから漏れていて、その匂いか?」
調べてみると、懸念通り、積まれた樽のいくつかにヒビが入って、中身が抜けていた。
おそらく、この部屋が乾燥してしまっていたのだろう。
「うーん。ほとんどは安いワインだけど、いくつかいいのがあるね」
モンクが鼻をひくひくさせながら嗅ぎ回る。
「こっそり飲んだりするんじゃないぞ?」
「いくら私でもミュリアの実家の酒を盗み飲みしたりしないよ」
俺の冗談混じりの注意へのモンクの返事には、聖女の実家じゃなかったら飲むのかよ? とツッコミを入れそうになった。
答えはわかっている。
きっとモンクは飲むだろう。
聞くほうが野暮だ。
「いくつか無事な酒が見つかったのはよかったな。冬場は酒で体を温めることが出来るとだいぶ違うからな」
「そうだな」
勇者の言葉にうなずく。
寒い夜などは、温めた酒を少し飲んで寝ると、よく眠れる。
あと、冬の熱病に罹ったときに、蜂蜜を入れたワインや、秘蔵の蜂蜜酒などは、薬の代わりにもなるのだ。
もちろん飲みすぎると毒になるが、少しだけ飲むことで、体が温まり、体の冷えが原因の不調が解消される。
ある意味薬のように使うことも出来る訳だ。
とは言え、冒険者達の場合は飲みすぎてしまう奴ばっかりなんで、正直薬になることはほとんどない。
まぁ馬鹿がより馬鹿になるだけなので、大した影響はないと言ってしまうことも出来るが。
貴族の場合は、侍従などが体調を管理しているので、そんなことにはならないらしい。
節度を失った貴族とか、想像したくないからな。
「次へ行こう」
「ああ」
古い酒蔵を出て通路に戻る。感覚的に、アドミニス殿の工房は、もう少し深いところにあるようだ。
思ったよりも先が長い。
そう言えば、隠し通路のほうも狭い通路で階段をだいぶ下りた。
あれから考えると、まだまだだろう。
通路は古く硬いレンガで囲まれたものになり、壁にある燭台は、最新式のものではなく、油を使う古いタイプのものとなっている。
おそらくだが、地下深いので、空気が薄くなっているかどうかを調べる意味もあるのだろう。
灯りが消えていたら危険という訳だ。
まぁ今は誰も管理していないので、全部消えてしまっている。
残念ながらそういう判断材料としては使えない。
現在、空気の状態は、メルリルが確認してくれていた。
「精霊はほとんど見当たらないけど、精霊の元となる魂の濃さはわかるから」
とのことだ。
とても頼もしい。
「むう、もう部屋はないのか?」
「通路が続きますね。かなり奥になりますし、何もないので……は」
勇者と話していた聖騎士が、何かを感じたように声を潜めた。
ふいに周囲の温度が急激に下がる。
メルリルが目をつぶり、耳を澄ませる仕草をした。
ふんわりとした耳がピクピクッと動き、こんなときだが、可愛らしいな、と思う。
「霊気、だと思う。闇の精霊が歌を紡いでいるのが微かに聞こえる。私はほとんど闇の精霊の声は聞こえないから、少しでも聞こえるということはかなり活性化しているんじゃないかな?」
「闇の精霊ってのはなんだ?」
全く知らない知識がいきなり出て来て戸惑う。
そう言えば精霊ってのは、人間が理解しやすいように大雑把に性質でまとめているだけで、本来はいろいろな個性が存在するとか言っていたっけ。
「闇の精霊については、私もあんまり知らないので、説明が難しいけど、静謐と眠りに属する存在みたい。夜に暗がりに何かがいるような気配を感じたら、それが闇の精霊だから、刺激しないようにしなさいって言われてた。ええっと……つまり」
メルリルはモンクをちらっと見る。
「死者の魂がさまよっていると、その周りを飛び回っているみたいなの」
「ええっ!」
メルリルは気遣ったようだが、まぁ言わない訳にはいかないよな。
モンクは真っ青になって震え上がった。
「ミュリアはいないのに、お化けはいるの? 理不尽すぎない?」
「いや、落ち着け。何言ってるのかわからんぞ」
なんとかモンクを落ち着かせようとするが、全くの徒労に終わる。
「怖いなら一人で帰れ」
勇者が冷たく言い捨てた。
「じ、冗談でしょ! 一人でこの暗い地下通路を戻れって言うの? このクソ勇者!」
「口の悪い奴だな。ふっ」
勇者は鼻で笑う。
「そんなビビリでミュリアの保護者を気取っているとか、片腹痛い」
「な、なんですってー! 生理的に気持ち悪いだけで、怖い訳じゃないからね!」
「言い訳はいい。で、戻るのか? 行くのか?」
「行くに決まってるでしょ!」
どうやらモンクは勇者の励まし(?)によって立ち直ったようだ。
その怒りを保ったまま頑張れ!
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