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第12章 激闘編
疾走
しおりを挟むここからセレス様のもとまでは、そう遠くはないものの近距離というわけでもない。それでも、道なき道を一直線に突っ切れば10分もかからないはず。
シュッ、シュッ。
ザッ、シュッ。
青々とした茂みを剣で切り開きながら走る。
駆け続ける、が……。
ザクッ。
思った以上に足が進まない。
茂みの密度も高まるばかりだ。
「っ!」
まずいな。
これでは10分以上かかってしまう。
間に合うのか?
「……」
今のところ前方数人の気配は健在。
セレス様の身も問題ないだろう。
とはいえ、このまま無事に終えられると?
魔物を倒せると?
「グガアァ!」
キンッ!
ガンッ!
「ぐっ!」
「うぐっ!」
前方から聞こえる戦闘音、感じる気配。
とてもじゃないが、楽観できる状況とは思えない。
なら、休ませていたノワールを?
「ノワール……?」
「……」
駄目だな。
今はまだ不完全、万全からは程遠い状態だ。
となれば、もう、無事を祈って走るだけ。
どんな手段を使っても、無理矢理にでも急ぐしかない。
まずは……。
「ウインドブレイド!」
「アイスブレイド!」
風と氷の刃。
左右に広げた薄い魔法刃を発動してやる。
ビュッ!
シュンッ!
若干狙いから外れながらも、青の密集を刈り取っていく。
まだ試作段階の魔法だが、上手く発動してくれたようだ。
「お次は」
行く手を遮る太い枝。
こいつは剣で斬り払う。
シュッ!
ザシュッ!
残る細木や枝は無視。
このまま駆ければいい。
「グルゥゥ!」
キンッ!
ガンッ!
剣音が近づいてきた。
「アイスボール!」
「グギャア!」
声もはっきりと聞こえる。
「「「ウウゥゥゥ」」」
おそらくは、この密集地帯の先。
ここを抜ければ、すぐそこに見えるはず。
よし、行くぞ。
「アイスブレイド!」
「アイスブレイド!」
氷刃2連発で作り出した隙間に足を踏み入れ、飛ぶように駆ける。
「ユーフィリア!」
「っ! 大丈夫です。セレス様はそこを動かないでください」
「……」
見えた。
セレス様とユーフィリアだ。
間に合ったぞ。
「グルゥ!」
魔物は小型の竜種とウルフ系。
それらを相手にユーフィリアと騎士5人が戦っている。
「「「ウウゥゥ!」」」
セレス様以外の全員がかなりの傷を負っているものの倒れている者はいない。
何とか持ち堪えてくれたようだ。
となれば、もちろん。
俺の出番だ。
「雷波!」
「雷波!」
バリ、バリ!
バリ、バリ、バリ!
放たれた紫電が全魔物を包み込む。
「「なっ!?」」
「「「えっ?」」」
こちらに気づいた騎士たちを横に見ながら、先頭のウルフ系に接近。
ザシュッ!
一振り。
剣を返して。
ザシュッ!
二振り。
ザンッ!
さらに、三振り。
秒にも満たぬ間にウルフ系3頭が地に沈んでしまった。
「グルゥ……」
その光景を目にし、じりじりと後退する竜種。
明らかに怯えている。
逃げようとしている。
もちろん、逃走なんて許すつもりはない。
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