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第6章 移ろう魂編
兆し 5
しおりを挟む<和見幸奈視点(姿はセレスティーヌ)>
「お前たち頼んだぞ」
「はっ!」
数人の騎士の方々が私たちの替わりに馬車に乗り込んでいく。
ここに馬車を乗り捨てるわけにもいかないので、陽動ではないけれど彼らが馬車に乗って検問を通過することになったのだ。
「それでは、我々も出発しましょう。私が先導しますので」
「はい、お願いします」
ルボルグ隊長の案内で山に足を踏み入れる。
辺り一面が緑で覆われ歩くのも簡単ではない道。
それでも、道があるだけましだと。
皆さんがそう言っていた。
そんな道を歩き続ける。
山道を歩くのは大変だけれど、思っていたほど疲れを感じない。
体力があるのかな?
テポレン山を越えたこともあるのだから、多分そうなのだと思う。
神娘なのに体力があるなんて、自分のことながら不思議……。
「しっかし、隊長。こんな道をよく知ってたな」
「以前、何度かここを通ったことがあるもので」
「それでも、こんな道。忘れちまうだろ」
「意外と覚えているものですよ」
「そういうもんか」
「ええ、そういうものです」
自信をもって力強く頷く隊長さん。
本当に頼りになる。
エビルズピークという恐ろしい山も、隊長さんについて行けば大丈夫。
みんなもそう感じているみたい。
そのままルボルグ隊長を先頭にして歩き続けること1刻。
恐れていた魔物に遭遇することもなく、順調に進んでいる。
「セレス様、大丈夫ですか?」
山に入ってから何度も聞いてくれるシアさん。
さすがに少し疲れてきたけれど。
でも、まだ歩けるから。
「ええ、大丈夫です」
「お疲れになったら、すぐに言ってくださいね。セレス様はまだ完調ではないのですから」
「ありがとう。シアさんは平気?」
「わたしは平気です。こう見えて、冒険者ですので」
「ふふ、そうでしたね」
「はい! なので、もしもの時はわたしがセレス様を背負います」
「シアさんがわたしを?」
「そうです!」
それは難しいと思うんだけど。
「姉さん、それは無理だよ。背負うのなら、おれがするからさ」
「いえ、わたしが背負います!」
「姉さん……」
その……わたしは大丈夫ですよ。
「シア、アル、それくらいにしとけ」
「ヴァーンさん!」
「魔物なの?」
「ああ、お出ましだぜ」
魔物!?
魔物が現れた?
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