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第7章 南部編
嵐のローンドルヌ大橋 7
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<和見幸奈視点(姿はセレスティーヌ)>
「「「セレスティーヌ様!!」」」
あっ!
騎士の皆さんが、こっちに気付いてくれた。
「ユーフィリアさん、すぐ助けが来ますから」
「セレス様……」
わたしの力でも少しくらいは平気。
すぐに騎士の皆さんに助けてもらえる。
あと少し頑張れば……。
「えっ!?」
欄干が?
わたしの体を支えていた欄干が崩れ落ちて……。
ユーフィリアさんの手に引かれるように橋の外へ!
「「「「セレスティーヌ様!!!」」」
また浮遊感。
落ちている。
さっき感じた奇妙な感覚に再び覆われ。
そして。
ザッバーン!!
「セ、レス様!?」
そんな声が聞こえた気がする。
でも……。
河の流れが激し過ぎて。
よく分からない。
右に左に上に下に、水中で体が回転するばかり。
感覚が麻痺してくる。
それでも、ユーフィリアさんと繋いだ手は離せない。
離さない。
ふたり、手を繋いだまま。
激流に流されていく。
「ぅぅ」
苦しい!
息が!
「ごぼっ」
水が口の中に!
息が!
「……」
ああ……。
激流の中、身体が右に左に引っ張られるように回転していく。
体中に感じたことのない痛みを感じてしまう。
でも、そんなことより息ができない。
「ううっ!」
口から、鼻から水が入って!
もう、もう……。
「セ、レ……様!!」
右手に強い力!
こんな状況でも、ユーフィリアさんの思いが伝わってくる。
けど、わたしの意識は薄れ。
全てが闇に……。
「ゆきなぁぁ!!」
暗闇の中、そんな叫び声が聞こえた気がする。
どこか懐かしいその響きが。
ここは……。
ここはどこ?
わたしはどこに?
何もない空間にふわふわと漂っている?
「……」
奇妙な感覚なのに、なぜか心が落ち着いてしまう。
この感じ。
覚えがあるような……。
頭が上手く働かないぼんやりとした状態で漂っているこれって?
そんなことを考えるともなしに頭に浮かべながら、奇妙な感覚に身を任せ漂い続ける。
……。
……。
……。
どれくらいの時間が経っただろう。
気づけば、目の前に微かな光が!
温かな輝きを放つ光。
これも知っている。
優しく心地いい光だ。
だから、わたしは躊躇することなく。
その光の中へ入って。
ああ……。
「……様!」
「……」
「……ス様! セレス様!」
「……?」
「セレス様!!」
……誰? 何?
わたしを見つめている。
彼女は……。
「ユーフィリア、さん?」
「ああぁ、セレス様……」
目を見開き、手を強く握りしめてくる。
ユーフィリアさんだ。
どうして、そんな表情を?
と、胸が!
「ごっ、ごほぅ! ごほっ、ごほっ!」
うう、苦しい。
「ごほっ、ごほっ!」
次から次へと、水が口から溢れて!
「っ! 水を吐いてください」
そう言って背中をさすってくれるユーフィリアさん。
「はあ、はぁ、はぁ……」
水が止まった。
やっと息ができる。
ゆっくり呼吸が……あっ!
そうだ!
わたしとユーフィリアさんはローンドルヌ大橋から落ちて。
河の中に落ちて。
それで……?
「「「セレスティーヌ様!!」」」
あっ!
騎士の皆さんが、こっちに気付いてくれた。
「ユーフィリアさん、すぐ助けが来ますから」
「セレス様……」
わたしの力でも少しくらいは平気。
すぐに騎士の皆さんに助けてもらえる。
あと少し頑張れば……。
「えっ!?」
欄干が?
わたしの体を支えていた欄干が崩れ落ちて……。
ユーフィリアさんの手に引かれるように橋の外へ!
「「「「セレスティーヌ様!!!」」」
また浮遊感。
落ちている。
さっき感じた奇妙な感覚に再び覆われ。
そして。
ザッバーン!!
「セ、レス様!?」
そんな声が聞こえた気がする。
でも……。
河の流れが激し過ぎて。
よく分からない。
右に左に上に下に、水中で体が回転するばかり。
感覚が麻痺してくる。
それでも、ユーフィリアさんと繋いだ手は離せない。
離さない。
ふたり、手を繋いだまま。
激流に流されていく。
「ぅぅ」
苦しい!
息が!
「ごぼっ」
水が口の中に!
息が!
「……」
ああ……。
激流の中、身体が右に左に引っ張られるように回転していく。
体中に感じたことのない痛みを感じてしまう。
でも、そんなことより息ができない。
「ううっ!」
口から、鼻から水が入って!
もう、もう……。
「セ、レ……様!!」
右手に強い力!
こんな状況でも、ユーフィリアさんの思いが伝わってくる。
けど、わたしの意識は薄れ。
全てが闇に……。
「ゆきなぁぁ!!」
暗闇の中、そんな叫び声が聞こえた気がする。
どこか懐かしいその響きが。
ここは……。
ここはどこ?
わたしはどこに?
何もない空間にふわふわと漂っている?
「……」
奇妙な感覚なのに、なぜか心が落ち着いてしまう。
この感じ。
覚えがあるような……。
頭が上手く働かないぼんやりとした状態で漂っているこれって?
そんなことを考えるともなしに頭に浮かべながら、奇妙な感覚に身を任せ漂い続ける。
……。
……。
……。
どれくらいの時間が経っただろう。
気づけば、目の前に微かな光が!
温かな輝きを放つ光。
これも知っている。
優しく心地いい光だ。
だから、わたしは躊躇することなく。
その光の中へ入って。
ああ……。
「……様!」
「……」
「……ス様! セレス様!」
「……?」
「セレス様!!」
……誰? 何?
わたしを見つめている。
彼女は……。
「ユーフィリア、さん?」
「ああぁ、セレス様……」
目を見開き、手を強く握りしめてくる。
ユーフィリアさんだ。
どうして、そんな表情を?
と、胸が!
「ごっ、ごほぅ! ごほっ、ごほっ!」
うう、苦しい。
「ごほっ、ごほっ!」
次から次へと、水が口から溢れて!
「っ! 水を吐いてください」
そう言って背中をさすってくれるユーフィリアさん。
「はあ、はぁ、はぁ……」
水が止まった。
やっと息ができる。
ゆっくり呼吸が……あっ!
そうだ!
わたしとユーフィリアさんはローンドルヌ大橋から落ちて。
河の中に落ちて。
それで……?
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