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第12章 激闘編
捨てる
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<ギリオン視点>
「まあ……」
「どうした、歯切れが悪いではないか?」
「……」
「今のような状況下で隠し事はよしてくれ。特に憂事があるのならな」
こんなこと口にしたくはねえが、聞いてんのは姫さん1人。
姫さんだけ。
だったら……。
「ギリオン?」
「ただの憶測で、その可能性も僅かなもんだぞ」
「うむ」
オレの目を見て力強く頷きかけてくる。
「教えてほしい」
……分かったよ。
「鱗のことだ」
姫さん相手でも、正直言葉にしたくねえ。
考えたくもねえ。
それでも、可能性があんなら。
「鱗化が悪化した場合、極限の状況まで進行した場合」
「……」
「昨日以上に身動きできなくなる可能性がある。手足すら動かせねえかもだ。だから、そこまでいっちまったら……捨ててくれ」
「なっ!?」
「オレには構わず、皆で先に進んでくれ」
「何を言ってる! ギリオンを見捨てるわけないだろ」
「姫さん」
「当然治療するだけだ。問題などない」
「そう言ってくれんのはありがてえ。ありがてえが、そいつは余裕がある時だけにしてほしい」
「……」
「姫さんには輝かしい未来がある。それをオレが邪魔するわけにゃあいかねえんだよ」
「恩人のおまえ相手に邪魔など」
「恩があんのはこっちも同じ」
「……」
「同じなんだよ。だからな、分かってくれ」
「それでも!」
「姫さんは忘れちゃいけねえ。目的を、すべきことを。絶対にだ」
あんたはオレたちとは違う。
捨てちゃいけねえものがある。
「約束してくれ、最悪の状況下では切り捨てると」
「……」
「心配すんな、オレは1人でも何とかすっから」
「動けぬのにか?」
「ん?」
「動かぬ体では対処などできぬ」
そりゃ、そうだが。
「……動けっだろ、少しは、多分?」
「ギリオン!」
「いや、まあ、あれだあれ。そこまでの事態にはまずなんねえって」
「……」
「だから頼む、約束だ、なっ、姫さん?」
***********************
「フレイム」
精進などとふざけながら口にしたのは火の魔法。
開戦当初に手こずった白炎だ。
「近接戦なのでは?」
「おぬしが近寄れば良かろう」
言ってくれるじゃないか。
「早く剣を打ちに来い。フレイム」
「っ!」
2つの白炎の中を簡単に動けるわけないだろ。
今はまず。
「ストーンウォール!」
防御するのみ。
「どうした、来ぬのか?」
「ストーンウォール! ストーンウォール!」
攻撃は白炎を防いでからだ。
ゴオォォォ!
ゴオォォォ!
「ふむ、これでは焼き直しにすぎぬ。精進とは言えぬな」
「まあ……」
「どうした、歯切れが悪いではないか?」
「……」
「今のような状況下で隠し事はよしてくれ。特に憂事があるのならな」
こんなこと口にしたくはねえが、聞いてんのは姫さん1人。
姫さんだけ。
だったら……。
「ギリオン?」
「ただの憶測で、その可能性も僅かなもんだぞ」
「うむ」
オレの目を見て力強く頷きかけてくる。
「教えてほしい」
……分かったよ。
「鱗のことだ」
姫さん相手でも、正直言葉にしたくねえ。
考えたくもねえ。
それでも、可能性があんなら。
「鱗化が悪化した場合、極限の状況まで進行した場合」
「……」
「昨日以上に身動きできなくなる可能性がある。手足すら動かせねえかもだ。だから、そこまでいっちまったら……捨ててくれ」
「なっ!?」
「オレには構わず、皆で先に進んでくれ」
「何を言ってる! ギリオンを見捨てるわけないだろ」
「姫さん」
「当然治療するだけだ。問題などない」
「そう言ってくれんのはありがてえ。ありがてえが、そいつは余裕がある時だけにしてほしい」
「……」
「姫さんには輝かしい未来がある。それをオレが邪魔するわけにゃあいかねえんだよ」
「恩人のおまえ相手に邪魔など」
「恩があんのはこっちも同じ」
「……」
「同じなんだよ。だからな、分かってくれ」
「それでも!」
「姫さんは忘れちゃいけねえ。目的を、すべきことを。絶対にだ」
あんたはオレたちとは違う。
捨てちゃいけねえものがある。
「約束してくれ、最悪の状況下では切り捨てると」
「……」
「心配すんな、オレは1人でも何とかすっから」
「動けぬのにか?」
「ん?」
「動かぬ体では対処などできぬ」
そりゃ、そうだが。
「……動けっだろ、少しは、多分?」
「ギリオン!」
「いや、まあ、あれだあれ。そこまでの事態にはまずなんねえって」
「……」
「だから頼む、約束だ、なっ、姫さん?」
***********************
「フレイム」
精進などとふざけながら口にしたのは火の魔法。
開戦当初に手こずった白炎だ。
「近接戦なのでは?」
「おぬしが近寄れば良かろう」
言ってくれるじゃないか。
「早く剣を打ちに来い。フレイム」
「っ!」
2つの白炎の中を簡単に動けるわけないだろ。
今はまず。
「ストーンウォール!」
防御するのみ。
「どうした、来ぬのか?」
「ストーンウォール! ストーンウォール!」
攻撃は白炎を防いでからだ。
ゴオォォォ!
ゴオォォォ!
「ふむ、これでは焼き直しにすぎぬ。精進とは言えぬな」
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