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第10章 その後の世界 / パーティーとやりたいことの話
裁く(1)
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パーティーの翌日、騎士団長さんたちの手で、罪人にしか使わない、特別な許可のいる「自白魔法」を犯人にかけた。
その前に犯人のほうから全部しゃべっていたので、「一応確認のため」だったらしいけど、犯人が話したことはすべて本音だったそうだ。
自白のおかげで簡単にわかった「黒幕」は外国の魔族ということだったけど、国のトップ同士ですぐに話がついて、明後日には拘束して魔王の国に連れてきてくれるらしい。
そして……犯人が侵入した経路も明らかになった。
「俺のせいで、ごめん」
「ライトに原因はない」
執務室で騎士団長さんたちから報告を受けた後、魔王さんと二人きりになったタイミングで頭を下げた。
犯人は、黒幕と共に「外国の使用人」として正規ルートで城の中に入って、途中からこっそり調理担当のお店のスタッフに紛れて機会をうかがっていたらしい。
正規ルートで入られたのは仕方がないけど、俺が普段と違うお店のスタッフをたくさん入れたせいで、隙ができたんだ。パーティーの時にはもう紛れていたらしいのに……全体を把握している俺が気がつかないといけなかったのに。
おもてなしのことは考えていたけど、安全のことはあまり考えられていなかった。
「警備担当はライトではない」
「でも……悔しい」
悔しい。
俺、守られないといけないほど弱いなら、せめてこういうところで自衛をしないといけないのに。
周りをよく見ることは得意なはずなのに。
調子に乗っていた。悔しい。ただただ悔しい。
「……えらいな」
「え?」
俺が唇を噛んでいると、ソファに並んで座った魔王さんが、なぜか笑顔で頭を撫でてくれた。
「悔しいという気持ちは、次に繋がる気持ちだ。ライトはまだ担当一回目で、パーティーは大成功だったのに……更に上を目指そうと思う気持ちがえらい」
「魔王さん……」
俺のこと、励まそうとしてくれているのがわかる。
昨日、魔王さんのほうがショックを受けていたのに。
「それに……悔しいというなら、ライトも罪人を裁く場に同席してほしい」
「……!?」
俺、被害者ではあるけどペットなのに?
俺の立場って……立ち会っていいの? 国同士の関係に繋がる大事な場だよね?
「いい……の?」
いつになく自信のない自分の声が情けない。
でも、魔王さんの表情はただただ真剣で真摯だった。
「被害者であるライトにはその権利がある。それに……俺が裁くより、ライトが自分自身に一番利があるようにすべきだと思う」
「……でも……」
護ってもらった俺が決めるより、護ってくれた魔王さんが……いや、違う?
だめだな。昨日の今日でまだ頭が上手く働かない。
俺らしくない自信のない顔を隠すこともできないでいると、魔王さんがまた、俺の頭を優しく撫でてくれた。
「昨日は、取り乱してすまなかった。ライトを護りたい気持ちは大きい。ライトは俺の宝だ。大事にしたい。だが……」
魔王さんの口角が上がった。
「大事にしまいこみたいわけではないんだ」
「魔王さん……」
「できれば、俺の目の届く……護ってやれる範囲にはいてほしいが、ライトのやりたいことを制限したくない。ライトが今回のことで、自信を失う必要は全くない。ライトはライトらしくいてくれればいいんだ。そうすれば、俺が、周りが、勝手にお前を守りたくなる。それもお前の強さだ。魅力だ。だから……ライトはライトらしくかわいく自分の信じたことをしてくれればいいんだ。そんなライトを見ていると、俺たちも幸せなんだ」
……なんで?
ねぇ、なんで?
「なんで、魔王さんって俺が言われたい言葉がわかるの?」
「ははっ、なぜだろうな? ライトのことが大好きだからかもな?」
それ、いつも俺が言うセリフだな……
あぁ、悔しい。魔王さん、絶対に俺の真似。
悔しいけど……
嬉しい。
「魔王さんッ! 俺も大好き!」
たまらなくて叫びながら思い切り魔王さんに抱き着くと、魔王さんは楽しそうに笑って俺の体をしっかりと抱きとめてくれた。
この腕の安心感。
しっかり感じる愛情。
ここが俺の居場所だなって再確認できる。
「ライト、応援している」
「ありがとう。俺にも……魔王さんにも、この国のみんなにもいい結果になるように考えてみる」
愛してくれているとともに、信頼してくれている。
だから、弱くても自信を持っていいんだ。
しっかり応えよう。
俺らしく。
◆
パーティーから三日後。
魔王さんが優しい言葉をかけてくれたこともあって、俺の気持ちは落ち着いて、一連の出来事についても頭の整理がつき、改めて冷静に考えられるようになったころ。魔王の国に「黒幕」が呼び出された。
謁見の間には王座についた魔王さん、横の椅子に俺、王座から数段下がった床には拘束された犯人と……もう一人、拘束された高そうな茶色のフロックコート姿の魔族の男、更に山の国の宰相が跪いている。
この宰相さんはマリドちゃんのご主人様だけど、今日はマリドちゃんは一緒ではない。
「我が国の者が、誠に、誠にッ! 申し訳ございません! ですが、このような、一歩間違えば戦争になるようなこと! 誓って、国の総意ではございません!」
宰相さんは緑と茶色の中間……カーキ色かな? 肩まで伸ばした髪が床につくのも気にせず、魔王さんの前で土下座をしている。
背は高いけど細くて……大げさに言うとやつれているような体型の魔族さんで、大きな外巻きの羊角が細すぎる体にアンバランスというか……高級そうなカーキの燕尾服が妙にぶかぶかだから最近やせたのかな?
とにかく、かわいそうなほどガリガリの体で力いっぱい土下座をしていた。
「……到底、許せるものではない」
「はい! 魔王様のおっしゃるとおりでございます! 罪人たちは魔王の国に引き渡し、どのような処罰でもお与えください! また、国としても、できる限りの賠償はさせていただき、再発防止にも努めます! 申し訳ございません! どうか、どうかお許しください!」
もちろん山の国の犯人が悪いけど、こんなに平に謝られると拍子抜けしちゃうな……山の国と魔王の国ってどっちも強くて豊かな国で、仲も悪くなくて、「同格」って聞いていたけど、あまりにも宰相さんの腰が低い。
こっちは王様で、向こうは宰相だから?
「俺は、なにをどうされても許せないが……民を巻き込みたいわけではない。被害者はライトだ。まずはライトがどうされれば許せるかきこう」
魔王さんはあからさまに不機嫌な顔と声を床の三人に向ける。
魔王さんの怒りって相当なもので、本当なら犯人を八つ裂きにしたいくらいだと思うのに、ここで俺に聞いてくれるところ、優しい。大好き。
だから俺も、この三日でいろいろと考えることができた。
俺はか弱くて護られる立場ではあるけど……やっぱり俺は俺らしく、俺のできる戦い方をすべきだなって。
「どうするか考えるから、もう一回、事情を詳しく教えて欲しいな。詳しく、ね?」
「はい……」
宰相さんは下を向いたまま、か細い声で説明を始めた。
その前に犯人のほうから全部しゃべっていたので、「一応確認のため」だったらしいけど、犯人が話したことはすべて本音だったそうだ。
自白のおかげで簡単にわかった「黒幕」は外国の魔族ということだったけど、国のトップ同士ですぐに話がついて、明後日には拘束して魔王の国に連れてきてくれるらしい。
そして……犯人が侵入した経路も明らかになった。
「俺のせいで、ごめん」
「ライトに原因はない」
執務室で騎士団長さんたちから報告を受けた後、魔王さんと二人きりになったタイミングで頭を下げた。
犯人は、黒幕と共に「外国の使用人」として正規ルートで城の中に入って、途中からこっそり調理担当のお店のスタッフに紛れて機会をうかがっていたらしい。
正規ルートで入られたのは仕方がないけど、俺が普段と違うお店のスタッフをたくさん入れたせいで、隙ができたんだ。パーティーの時にはもう紛れていたらしいのに……全体を把握している俺が気がつかないといけなかったのに。
おもてなしのことは考えていたけど、安全のことはあまり考えられていなかった。
「警備担当はライトではない」
「でも……悔しい」
悔しい。
俺、守られないといけないほど弱いなら、せめてこういうところで自衛をしないといけないのに。
周りをよく見ることは得意なはずなのに。
調子に乗っていた。悔しい。ただただ悔しい。
「……えらいな」
「え?」
俺が唇を噛んでいると、ソファに並んで座った魔王さんが、なぜか笑顔で頭を撫でてくれた。
「悔しいという気持ちは、次に繋がる気持ちだ。ライトはまだ担当一回目で、パーティーは大成功だったのに……更に上を目指そうと思う気持ちがえらい」
「魔王さん……」
俺のこと、励まそうとしてくれているのがわかる。
昨日、魔王さんのほうがショックを受けていたのに。
「それに……悔しいというなら、ライトも罪人を裁く場に同席してほしい」
「……!?」
俺、被害者ではあるけどペットなのに?
俺の立場って……立ち会っていいの? 国同士の関係に繋がる大事な場だよね?
「いい……の?」
いつになく自信のない自分の声が情けない。
でも、魔王さんの表情はただただ真剣で真摯だった。
「被害者であるライトにはその権利がある。それに……俺が裁くより、ライトが自分自身に一番利があるようにすべきだと思う」
「……でも……」
護ってもらった俺が決めるより、護ってくれた魔王さんが……いや、違う?
だめだな。昨日の今日でまだ頭が上手く働かない。
俺らしくない自信のない顔を隠すこともできないでいると、魔王さんがまた、俺の頭を優しく撫でてくれた。
「昨日は、取り乱してすまなかった。ライトを護りたい気持ちは大きい。ライトは俺の宝だ。大事にしたい。だが……」
魔王さんの口角が上がった。
「大事にしまいこみたいわけではないんだ」
「魔王さん……」
「できれば、俺の目の届く……護ってやれる範囲にはいてほしいが、ライトのやりたいことを制限したくない。ライトが今回のことで、自信を失う必要は全くない。ライトはライトらしくいてくれればいいんだ。そうすれば、俺が、周りが、勝手にお前を守りたくなる。それもお前の強さだ。魅力だ。だから……ライトはライトらしくかわいく自分の信じたことをしてくれればいいんだ。そんなライトを見ていると、俺たちも幸せなんだ」
……なんで?
ねぇ、なんで?
「なんで、魔王さんって俺が言われたい言葉がわかるの?」
「ははっ、なぜだろうな? ライトのことが大好きだからかもな?」
それ、いつも俺が言うセリフだな……
あぁ、悔しい。魔王さん、絶対に俺の真似。
悔しいけど……
嬉しい。
「魔王さんッ! 俺も大好き!」
たまらなくて叫びながら思い切り魔王さんに抱き着くと、魔王さんは楽しそうに笑って俺の体をしっかりと抱きとめてくれた。
この腕の安心感。
しっかり感じる愛情。
ここが俺の居場所だなって再確認できる。
「ライト、応援している」
「ありがとう。俺にも……魔王さんにも、この国のみんなにもいい結果になるように考えてみる」
愛してくれているとともに、信頼してくれている。
だから、弱くても自信を持っていいんだ。
しっかり応えよう。
俺らしく。
◆
パーティーから三日後。
魔王さんが優しい言葉をかけてくれたこともあって、俺の気持ちは落ち着いて、一連の出来事についても頭の整理がつき、改めて冷静に考えられるようになったころ。魔王の国に「黒幕」が呼び出された。
謁見の間には王座についた魔王さん、横の椅子に俺、王座から数段下がった床には拘束された犯人と……もう一人、拘束された高そうな茶色のフロックコート姿の魔族の男、更に山の国の宰相が跪いている。
この宰相さんはマリドちゃんのご主人様だけど、今日はマリドちゃんは一緒ではない。
「我が国の者が、誠に、誠にッ! 申し訳ございません! ですが、このような、一歩間違えば戦争になるようなこと! 誓って、国の総意ではございません!」
宰相さんは緑と茶色の中間……カーキ色かな? 肩まで伸ばした髪が床につくのも気にせず、魔王さんの前で土下座をしている。
背は高いけど細くて……大げさに言うとやつれているような体型の魔族さんで、大きな外巻きの羊角が細すぎる体にアンバランスというか……高級そうなカーキの燕尾服が妙にぶかぶかだから最近やせたのかな?
とにかく、かわいそうなほどガリガリの体で力いっぱい土下座をしていた。
「……到底、許せるものではない」
「はい! 魔王様のおっしゃるとおりでございます! 罪人たちは魔王の国に引き渡し、どのような処罰でもお与えください! また、国としても、できる限りの賠償はさせていただき、再発防止にも努めます! 申し訳ございません! どうか、どうかお許しください!」
もちろん山の国の犯人が悪いけど、こんなに平に謝られると拍子抜けしちゃうな……山の国と魔王の国ってどっちも強くて豊かな国で、仲も悪くなくて、「同格」って聞いていたけど、あまりにも宰相さんの腰が低い。
こっちは王様で、向こうは宰相だから?
「俺は、なにをどうされても許せないが……民を巻き込みたいわけではない。被害者はライトだ。まずはライトがどうされれば許せるかきこう」
魔王さんはあからさまに不機嫌な顔と声を床の三人に向ける。
魔王さんの怒りって相当なもので、本当なら犯人を八つ裂きにしたいくらいだと思うのに、ここで俺に聞いてくれるところ、優しい。大好き。
だから俺も、この三日でいろいろと考えることができた。
俺はか弱くて護られる立場ではあるけど……やっぱり俺は俺らしく、俺のできる戦い方をすべきだなって。
「どうするか考えるから、もう一回、事情を詳しく教えて欲しいな。詳しく、ね?」
「はい……」
宰相さんは下を向いたまま、か細い声で説明を始めた。
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