僕の考えた最強ドラゴンで世界征服~復讐を誓う悲劇の王子は50年前へと遡る!行こうアヴァロン、殺戮の始まりだ~

泥水すする

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第3章 戦争の幕開け

第14話 交渉決裂

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 仕切り直して、僕は[ドラゴンロード]の面々へと視線を移して、

「いやぁ長々と済まなかったね」

 一礼を交えてそう言った。

「…いえ、いきなり推しかけてきたのは我々の方ですので…」

 とポルーチェは申し訳なさそうには言って、咳払いをして、

「では、話の続きを致しましょうデイトナ。まず、貴方達についてを知りたい。デイトナ、貴方達とは一体…」

「そこについては答えるつもりはない」

 僕は間髪入れずに答えた。

「え?」

「聞こえなかったかい?僕らの情報については一切あなた方に提供するつもりはない」

「どうして、ですか?」

 ポルーチェは口籠っては尋ねた。

「どうしてと言われても、にわざわざ無償で情報を売るほど僕は馬鹿じゃないんでね」

 それに、僕らの情報については今はまだ知られたくはない。

 何故なら僕らとは突如として世界に戦争にふっかけた謎の多い存在として、手の内が見えないからこそ得体の知れない脅威として恐れられているのだから。

 要するにだ、これはある意味戦略の一つなのである。

「敵?それは我々の事を言っているのですか?」

 そう言ったポルーチェとは、納得がいかないとは言いたげだった。

「もちろん。他に誰がいる?」

「それは誤解ですデイトナ。我々は貴方達の敵じゃない!」

「…じゃあ、味方とでも言うのかい?」

 皮肉を込めてそう言って僕に、ポルーチェは鋭い眼差しを向けた。

「それを知る為の、話し合いです」

「はは、結局はそういうわけかい…」

「?」

「いやね、結局あなた方は僕らが何者であろうと敵と分かれば攻撃してくるし、例え敵じゃないと分かったとしてもだ…僕らをどう利用しようか考える…つまりはそういうことなんだろう?」

「そんなことはない!我々は革命軍だ![アークスター軍]や[ゾロマンティス軍]のように、敵か味方を線引きするような真似は決してしない!」

 ポルーチェは髪を乱しながらには叫んだ。その姿からはポルーチェの本気さか伺えるようで、彼女に嘘を付いているような様子は全くと言ってない。

 故に僕は余計に目の前にこのポルーチェという女は、ひどく滑稽に見えて仕方がなかった。

「ふふ、ポルーチェ、お前はどこまでも中途半端な奴のようだね」

「どういう、意味ですか?」

「自覚なし、か…はは、まぁいいよ」
 
「自分達は[アークスター軍]や[ゾロマンティス軍]とは違うと言っておきながら、お前らはその手に武器を握りしめ、軍を成して行動している。まるで自分達は正しいと、言いたげにはね…」

「我々の行い全てが正しいとは思ってない!ただーー」

 そう言いかけたポルーチェの前に、背後から兵士が剣を片手に前へと出た。慌てて制止をかけようとするポルーチェに、兵士は険しい表情を見せていた。

「ポルーチェ様!自分はもう我慢なりません!別に自分達は間違った行いは一つもしてないじゃありませんか!?それをこの餓鬼は…」

 怒りに震える兵士に続き、続々と兵士達は前へと出で立った。

「そうですポルーチェ様!ポルーチェ様は何も間違ったことは言っておりません!」

「革命軍は世界から争いを無くすべく立ち上がったのだ。それなのに、残虐なる賊軍らと同列に考えるとは…許せません!」

「そうだそうだ、世界に混乱を撒き散らす貴様ら殺戮者如きに崇高なる我々の理念など分かるわけあるまい!!」

「あなた達!お辞めなさい!」

 今更ポルーチェが何を言ったところで、兵士達の怒りは収まる様子は見せない。むしろ次第に怒りを募らせ、今にも飛びかかってきそうな雰囲気を醸し出していた。

「あわわわ~、ポルーチェ隊長ぉ!これはヤバイですよぉ!?」

 取り乱すオーズベルトにポルーチェは怒鳴り散らした。

「貴方も彼等を止めなさい!」

「え、えぇ!?そんなぁ…無理言わないでくださいよぉ」

「ふははははははは!!ほらな!!結局はこうなるんだ!!いや、だったんだよ!!」

「デイトナ!これは違います!兵士達を煽らないで下さい!」

「煽るも何も、僕らに茶々を入れてきたのは貴様ら革命軍のほうだろ?それを何を今更開き直っている。話し合いだと?馬鹿言うな!!話し合いで片付く程お前らが賢いのであれば、僕はこうしてこの場には立っていない!」

 僕は腰の剣を抜いて、構えた。

「さぁ、来いよ…世界の悪、デイトナ・カーストはここにいるぞ?」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 どうしてこうなってしまうのかとポルーチェは考えた。ただいくら考えたところで、最早どうしようもなかった。

『もう取り返しはつかない』

 その事をポルーチェに突きつけるかのように、兵士の一人が剣を構えてはデイトナへと駆け出していた。

「悪魔め!世界の為にその命を散らせ!」

「馬鹿者!!やめろぉおおお!」

 ポルーチェの必死な制止を振りきって、兵士の剣がデイトナへと振りかざされた。

「ふん、愚かだねーー

 デイトナは呟いた次の瞬間にも兵士の肩へと剣を突き刺した。

「がぁっ!」

 兵士は嗚咽を上げ、苦痛に顔を歪めていた。

「正当防衛、だろ?」

 デイトナはニヤリと、不敵な笑みをポルーチェへと見せつけた。その瞬間にも、兵士達の怒号が一斉には響き渡った。

 一人が駆け出して、また一人、一人と、ポルーチェとオーズベルトを除いた[ドラゴンロード]第三部隊全員がデイトナへと襲いかかっていた。

「どうして…どうしてこうなるのです…私は、ただ…」

「ぽ、ポルーチェ隊長ぉ…」

 オーズベルトは項垂れるポルーチェを見て、どうしていいのか思案を巡らせていた。

 ただ何をどう考えたところで自分に何かができるわけもないだろうという考えに行き着いて、オーズベルトは剣を抜いてはポルーチェに強い眼差しを向けた。

「ポルーチェ隊長ぉ、僕には何もできませんがぁ…貴女の悲しむ顔は見たくはないんですよぉ」

「お、オーズベルト…」

「いつものポルーチェ隊長みたいにぃ、何か命令を下さい!ただ見てるだけは、隊長も嫌でしょう!?」

「……」

 ポルーチェの胸に、オーズベルトの言葉が突き刺さっていた。いつもヘラヘラと何も考えていないようなオーズベルトの言葉が、その時ばかりは神の啓示のように聞こえて仕方がなかったのだ。

「オーズベルト、私は愚かです…浅はかでした…」

「……」

 オーズベルトは黙って、ポルーチェの言葉に耳を傾けた。

「私の不用意な行いがいけなかったのです…」

「……えぇ、全くその通りですよぉ。だから僕に止めたのにぃ…」

「…オーズベルト、ごめんなさい」

「いくら謝ったところで時間は戻りません!!だから隊長ぉ、命令を!!貴女の剣である僕に出来ることを、命令して下さい!!」

 吐きに満ちたオーズベルトの表情を向いて、ポルーチェは口を開いた

「……お願いです、オーズベルト…彼等を、止めて下さい!!」

 オーズベルトは大きく一回頷いて、ポルーチェに笑って見せた。

「合点了解です、隊長ぉ!!」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 僕が兵士を殺そうとした、その時だった。

「やめて下さぁあああああああい!!」

 とてつもない速度でこちらへと向かってくるそいつを、僕は見たーーオーズベルトだ。

「ふふ、きたか剣王!!」

 僕は兵士の肩に突き刺した剣を引き抜くと、兵士を掴んでは空中へ向け投げ飛ばした。

 そうして剣を真っ直ぐ、向かってくるオーズベルトに向け構えた。

「さぁ来い!!お前だって僕を殺したくてウズウズしてたんだろ?」

 僕の挑発を無視して、オーズベルトは突進、僕の剣とオーズベルトの剣がぶつかる。辺り一帯に刃の擦れ合う音が児玉していた。

「違いますぅ!!僕はあなたを殺したくなんかありまぁせん!!僕は根っからの平和主義者ですよぉ!?」

「…ふふ、剣王たる人間のくせに随分と温厚な姿勢じゃないか?」

「なりたくてなったわけじゃありません!!」

 オーズベルトは覇気の篭った口調で叫んで、ジリジリと剣に圧をかけ始めていた。次第に強まっていく圧力に押され始めていた。

「…やはりすごいな」

「まだまだこんなものじゃないですよぉ!これ以上やるっていうのであれば、僕も本気を出さなくてはなりません!!」

「ほう、それは脅しかい?」

「脅しじゃありません!牽制です!」

「同じことじゃないか、まぁ、いいけど…」

 何を言われようが、今更抜いた剣を納めるつもり毛頭ない。それに例えここで退いたところで、いつかは刃を交える運命にあったのだ。

 彼等の目的がどうであれ、武器を手に取り世界を動かそうとするというのであれば、それは討ち滅ぼすべき敵に相違ない。

「僕は退くつもりはないよオーズベルト。またここまで来た貴様らをむざむざ返すほどの優しさは持ち合わせていない。生きるか死ぬか、貴様らも僕も、残された選択肢はそれだけだ」

「このぉ…分からずやぁ!」

 
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