血染めの復讐劇

第2話 遡る。

無実の罪に踊らされて、

次の休み時間になった途端、彼女は席を立ち瑠璃の元へ行こうとした。
然し、それより早く女子が行く手を阻む。

「ねぇ、瑠璃に謝ってさっさと別れなよ。」

「親友の好きな人取るんだもん、勿論土下座くらいしないとね？」

彼女を取り囲む様に謝罪を催促する女子達。
然し乍ら彼女は認めない。

「待って。それは何かの勘違いなの、私は啓吾くんとは付き合ってないし、啓吾くんの事何とも思ってない。」

自分の無実を訴えたい一心で否定するも、それは逆効果となる。

「…酷い…、何とも思ってないなんて、どうしてそんな嘘つくの…」

彼女の言葉を嘘だと再び涙を流す瑠璃。
それに女子の勢いが増す。

「この後に及んでそんなくだらない嘘つくとか最低。」

「要するに、謝りたくないってことでしょう？」

「自分が何したか分かってんの？」

どんどんと壁際に追いやられる彼女。
周囲の目は完全に彼女を疑いの目で見ていた。

それに耐えかねた彼女は教室を飛び出して行った。

どうして誰も話を聞いてくれないの。
どうしてそんな根も葉もない話を信じるの。
そう思いながら彼女は、とある事を思いつき啓吾の元へと向かった。

彼にも否定してもらえばいい。
そうしたら皆信じてくれる。

たが、そんな思いは打ち砕かれる。

「お前があの噂を流したんだろう。お前と俺が付き合ってるだなんて…瑠璃が知って信じてしまってるんだ。どうしてくれんだよ、この虚言女！」

そう、啓吾にも話を聞いもらえなかったのだ。それどころか、突き飛ばされ顔を殴られたのだ。
怖くなった彼女はそこからも立ち去る。

何がどうなっているのか、どうしてこうなってしまったのか、訳が分からないまま彼女は逃げるように学校を飛び出した。