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第二章 ゲーム開始
029 公爵令嬢とバタフライ・エフェクト
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その夜メリーローズとシルヴィアは、これまでに起きたことと、ゲームのイベントやエピソードについて話し合っていた。
「なんだか、私が知っている『レジェンダリー・ローズ』とは違ってきている気がするのよねー」
「お嬢様の話と、現実に起こっていることを突き合わせると、確かにいろいろと違いがございますね」
そこでメリーローズが、まっさらな紙を出してきた。
「まず整理するために、時系列順に書き出してみるわ」
① ゲーム開始。
主人公のミュリエルが学院に入学する。
(悪役令嬢のメリーローズ、かくれキャラのフェリクスも同時に入学)
「ここまでは、ゲーム通りね」
「……まだ、スタートしただけでございますが」
② 外部からの入学者向けオリエンテーリングで、ミュリエルがアルフレッドと出会う。
ここで、アルフレッドルートのフラグが立つのが本来のストーリー。
「でも、アルフレッド様の様子を見る限り、その『フラグ』とやらは立っていないのですね?」
「ええ。アルたんがミュリたんに好意を持った様子もないし、アルたんのわたくしに対する態度の悪化も見られない……」
③ ②のエピソードを踏まえて、メリーローズがミュリエルを罵倒する。
実際には、ゲームの強制力が働いて罵倒しかけたものの、「ごきげんよう」と挨拶をしただけで済ませる。
「ここ! 大いに流れを変えた瞬間だったかも知れないわ!」
悪役令嬢メリーローズが、ヒロインのミュリエルを、罵倒する代わりに皆の前で挨拶をした。
その後の影響は大きかったと思う。
まず、ミュリエルの学院での立場に変化があった。
平民出身だからという理由による、「無視」といういじめが止む。
ゲームのミュリエルに比べ、現在の彼女はずいぶんと学院で過ごしやすくなっただろう。
「ただし、それによる影響は他にも考えられるわ」
ゲームのミュリエルは、貴族令嬢たちからいじめを受けることで、逆に生徒会メンバーから手厚い保護の手を差し伸べてもらっていた。
つまり、いじめられることがミュリエルと攻略対象たちの距離を、縮める要因にもなっていたのだ。
「それがなくなることによって、恋愛に発展しにくくなったかも知れませんね」
「別に邪魔しようと思って、挨拶したわけじゃなかったんだけどね」
そう言うメリーローズを、シルヴィアはジロリと見るが、言葉にするのは控えておく。
(「攻略対象たちはアルたんのダーリン」だからと言って、恋路を邪魔する気は満々でしたよね?)
とはいえ、ここで突っ込むと話が長くなるので、先に進めることにした。
④ ミュリエルとフラグが立った攻略対象は、ミュリエルをいじめるメリーローズに冷淡になるが、今のところその兆候は見られない。
「これは、お嬢様の今後において、大きい影響だと思われます。破滅のフラグが立ちにくくなったことは、間違いありません」
「ええ、でもまだ油断はできないわ」
キリ! と前を睨むメリーローズを見て、シルヴィアは「おや」と思う。
(ミュリエル嬢が例の「プリムローズの君」かも知れないとわかってから、彼女に少し甘い発言が多かったが、少し危機感を取り戻していただけようだ)
「だって、ミュリたんは癒しの天使なのですものー。わたくしが彼女をいじめなくても、ミュリたんの魅力だけで、彼らの心がわたくしから心が離れてしまうことは、充分考えられるわー」
見直したそばから、両頬を手で押さえながらモジモジするメリーローズに脱力しながらも、話を先に進めた。
「その件もありましたね。ミュリエル嬢が、マリーゴールド・リックナウにファンレターを送った『プリムローズの君』の可能性がある、と」
⑤ ミュリエルの髪飾りや、実家に咲いている花が、「木香バラ」から「プリムローズ」に差し替わっている。
「これについては、どの程度この先の展開に影響が出ますでしょうか」
「わからないけど、そのおかげでミュリたんが、わたくしのBL本の読者かも知れないことに気づけたわ」
「そうですね。そして、もう一つそのことによる、無視できない変化があります」
「何?」
「悪役令嬢メリーローズから見て、ミュリエル嬢に対する心的距離が近くなっていること、端的に言えば好意的な感情を持ったことです」
シルヴィアの言葉に、メリーローズが思考停止したかのように固まってしまった。
(ご自覚がなかったのか……)
「た、確かにそうね。ゲームのメリーローズがミュリたんに好意を持つなんて、ありえなかったわ」
「はい」
「あ、そうだ。もう一ついい?」
⑥ かくれ攻略対象のフェリクスの変化。
ゲームでは、表立って意見を表明することがなかったフェリクスが、フィルバートに意見した。
「この変化って、すごく大きいのよ。ゲームのフェリクスでは考えられないことだもの」
「ええ……」
シルヴィアはこれまで幾度もメリーローズから『レジェンダリー・ローズ』について聞いているうちに、「乙女ゲーム」の肝は「人間関係」であると理解していた。
登場人物の行動が変われば、周りの人間の感情も変化する。
登場人物と周りの人間の感情が変われば、人間関係も変化する。
「ゲームの物語になかったことと言えば、何と言っても『お嬢様がBL小説を書いた』ということが、大きかったと思います」
「え?」
「前世の記憶を取り戻す前のお嬢様であれば、決してすることはなかった行動だからです」
「確かにそうだわ。でも、元々は自分が読むためだけに書き始めたものよ。単なる趣味というか……」
「でも、今や本として出版され、それを読んだ方々からたくさんの手紙をいただくだけのものになっています。学院の中にBL小説を読んだ学生が発したとおぼしき邪気が漂うほどに、無視できない影響となりました」
それを聞くと、メリーローズはブルっと体を震わせた。
「わたくし、このままBL小説を書き続けてもいいのかしら……」
「先のことが怖くなりましたか?」
メリーローズが頷きながら呟く。
「今更、よね。……もう引き返せない」
「はい」
⑦ 悪役令嬢、BL作家になる
「順番は⑦よりもっと前だけどね」
そう言いながらも、しっかりと書きつけた。
「引き返せないなら、良い方に運命が転がるよう、頑張るしかないわ」
儚い蝶の羽ばたきが、遠く離れた地に竜巻を起こす可能性がある。
それなら、自分が書くBL小説が、今後大きな地殻変動を巻き起こしても、不思議ではないのだろう。
「覚悟して、でもしっかり前に進まなければ」
「なんだか、私が知っている『レジェンダリー・ローズ』とは違ってきている気がするのよねー」
「お嬢様の話と、現実に起こっていることを突き合わせると、確かにいろいろと違いがございますね」
そこでメリーローズが、まっさらな紙を出してきた。
「まず整理するために、時系列順に書き出してみるわ」
① ゲーム開始。
主人公のミュリエルが学院に入学する。
(悪役令嬢のメリーローズ、かくれキャラのフェリクスも同時に入学)
「ここまでは、ゲーム通りね」
「……まだ、スタートしただけでございますが」
② 外部からの入学者向けオリエンテーリングで、ミュリエルがアルフレッドと出会う。
ここで、アルフレッドルートのフラグが立つのが本来のストーリー。
「でも、アルフレッド様の様子を見る限り、その『フラグ』とやらは立っていないのですね?」
「ええ。アルたんがミュリたんに好意を持った様子もないし、アルたんのわたくしに対する態度の悪化も見られない……」
③ ②のエピソードを踏まえて、メリーローズがミュリエルを罵倒する。
実際には、ゲームの強制力が働いて罵倒しかけたものの、「ごきげんよう」と挨拶をしただけで済ませる。
「ここ! 大いに流れを変えた瞬間だったかも知れないわ!」
悪役令嬢メリーローズが、ヒロインのミュリエルを、罵倒する代わりに皆の前で挨拶をした。
その後の影響は大きかったと思う。
まず、ミュリエルの学院での立場に変化があった。
平民出身だからという理由による、「無視」といういじめが止む。
ゲームのミュリエルに比べ、現在の彼女はずいぶんと学院で過ごしやすくなっただろう。
「ただし、それによる影響は他にも考えられるわ」
ゲームのミュリエルは、貴族令嬢たちからいじめを受けることで、逆に生徒会メンバーから手厚い保護の手を差し伸べてもらっていた。
つまり、いじめられることがミュリエルと攻略対象たちの距離を、縮める要因にもなっていたのだ。
「それがなくなることによって、恋愛に発展しにくくなったかも知れませんね」
「別に邪魔しようと思って、挨拶したわけじゃなかったんだけどね」
そう言うメリーローズを、シルヴィアはジロリと見るが、言葉にするのは控えておく。
(「攻略対象たちはアルたんのダーリン」だからと言って、恋路を邪魔する気は満々でしたよね?)
とはいえ、ここで突っ込むと話が長くなるので、先に進めることにした。
④ ミュリエルとフラグが立った攻略対象は、ミュリエルをいじめるメリーローズに冷淡になるが、今のところその兆候は見られない。
「これは、お嬢様の今後において、大きい影響だと思われます。破滅のフラグが立ちにくくなったことは、間違いありません」
「ええ、でもまだ油断はできないわ」
キリ! と前を睨むメリーローズを見て、シルヴィアは「おや」と思う。
(ミュリエル嬢が例の「プリムローズの君」かも知れないとわかってから、彼女に少し甘い発言が多かったが、少し危機感を取り戻していただけようだ)
「だって、ミュリたんは癒しの天使なのですものー。わたくしが彼女をいじめなくても、ミュリたんの魅力だけで、彼らの心がわたくしから心が離れてしまうことは、充分考えられるわー」
見直したそばから、両頬を手で押さえながらモジモジするメリーローズに脱力しながらも、話を先に進めた。
「その件もありましたね。ミュリエル嬢が、マリーゴールド・リックナウにファンレターを送った『プリムローズの君』の可能性がある、と」
⑤ ミュリエルの髪飾りや、実家に咲いている花が、「木香バラ」から「プリムローズ」に差し替わっている。
「これについては、どの程度この先の展開に影響が出ますでしょうか」
「わからないけど、そのおかげでミュリたんが、わたくしのBL本の読者かも知れないことに気づけたわ」
「そうですね。そして、もう一つそのことによる、無視できない変化があります」
「何?」
「悪役令嬢メリーローズから見て、ミュリエル嬢に対する心的距離が近くなっていること、端的に言えば好意的な感情を持ったことです」
シルヴィアの言葉に、メリーローズが思考停止したかのように固まってしまった。
(ご自覚がなかったのか……)
「た、確かにそうね。ゲームのメリーローズがミュリたんに好意を持つなんて、ありえなかったわ」
「はい」
「あ、そうだ。もう一ついい?」
⑥ かくれ攻略対象のフェリクスの変化。
ゲームでは、表立って意見を表明することがなかったフェリクスが、フィルバートに意見した。
「この変化って、すごく大きいのよ。ゲームのフェリクスでは考えられないことだもの」
「ええ……」
シルヴィアはこれまで幾度もメリーローズから『レジェンダリー・ローズ』について聞いているうちに、「乙女ゲーム」の肝は「人間関係」であると理解していた。
登場人物の行動が変われば、周りの人間の感情も変化する。
登場人物と周りの人間の感情が変われば、人間関係も変化する。
「ゲームの物語になかったことと言えば、何と言っても『お嬢様がBL小説を書いた』ということが、大きかったと思います」
「え?」
「前世の記憶を取り戻す前のお嬢様であれば、決してすることはなかった行動だからです」
「確かにそうだわ。でも、元々は自分が読むためだけに書き始めたものよ。単なる趣味というか……」
「でも、今や本として出版され、それを読んだ方々からたくさんの手紙をいただくだけのものになっています。学院の中にBL小説を読んだ学生が発したとおぼしき邪気が漂うほどに、無視できない影響となりました」
それを聞くと、メリーローズはブルっと体を震わせた。
「わたくし、このままBL小説を書き続けてもいいのかしら……」
「先のことが怖くなりましたか?」
メリーローズが頷きながら呟く。
「今更、よね。……もう引き返せない」
「はい」
⑦ 悪役令嬢、BL作家になる
「順番は⑦よりもっと前だけどね」
そう言いながらも、しっかりと書きつけた。
「引き返せないなら、良い方に運命が転がるよう、頑張るしかないわ」
儚い蝶の羽ばたきが、遠く離れた地に竜巻を起こす可能性がある。
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