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第三章 BL小説の存在、世に知られる
086 公爵令嬢とその仲間たちの夏休みの思い出
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楽しい夏はあっという間に過ぎ去り、秋の訪れと共に学院での日々が再開した。
残念ながら夏休み前の期末試験で、ジャクリーン・ネヴィルに負けてしまったフィルバートは、相変わらず生徒会室での勉強を続けている。
「フィルバート先輩は、夏休みの間もずっと勉強を頑張っていたんですよ」
ミュリエルが誇らしげに言った。
ジャクリーンには負けたが、学年五位から二位にランクアップしたことで、父親からも珍しく褒められたらしい。
とはいえ夏休み明けの二学期は、文化芸術祭やスポーツ祭などのイベントがあり、生徒会メンバーはそちらに手を取られてしまいそうだ。
(日本でいうところの、文化祭に体育祭よね。この辺は前世の日本のイメージそのままだなあ)
前世の菜摘は運動音痴だったため、体育祭にいい思い出はあまりない。
また文化祭も、同人活動に力を入れていて部活には入っていなかったので、こちらも特に思い出はなかった。
せいぜいクラスの出し物の準備に追われたくらいである。
王立高等学院は前世の高校よりも大学に近いシステムで、クラス分けという概念がない。また卒論もなくゼミもないので、それぞれが選んだ授業を受けて、学院が定めた単位を越えていれば卒業出来る。
最終学年のアルフレッド、メルヴィン、アーネストも、学院のイベントが控えているものの、就職活動や論文に追われていない分、のんびりと過ごしていた。
一方シルヴィアは、実家のことが気になっている。
今回家を後にする前には、例のクローゼットには仕掛けを施しておいた。
誰かがクローゼットを開けたときに、見張らせておいた式神から知らせがくるようにしておいたのだ。
更には、魔術とは関係のない本に、人を操る呪文が掛かれた書物の表紙に似た装丁を施して、魔術書の間に紛れ込ませた。
そしてその書物を動かしたり引き抜いたりしたときにも、シルヴィアにわかるように呪術を掛けてある。
「最初からそうしておけばよかった……」
今更悔やんでも遅いが、大事な魔術書を置いていくからには、そのくらいしておくべきだった。
とはいえ今のところ、家族の誰かがシルヴィアの自室のクローゼットを開けた気配はない。
実家の様子に気を配りながら、学院の日々に戻っていったシルヴィアである。
「えーっ? でもシルヴィアの実家からあの紙の人形が飛んでくるの? 時間が掛かり過ぎない?」
その話を聞いたメリーローズが驚いた。
「いいえ。紙で出来た式神が、ヒラヒラと飛んでくるわけではございません」
シルヴィアは苦笑する。
「それでは間に合いませんから。私にわかるように、頭に、こう、ピン! と来るようになっているんです」
「すごい、すごい!」
そして相変わらず式神セキュリティーに守られた生徒会室で、夏休みの間にわかったことの報告と、これからの展望についての会議が行われた。
「では、僕から報告を」
「はい、アーネストくん」
議長はシルヴィアが務めている。
残念ながら夏休み前の期末試験で、ジャクリーン・ネヴィルに負けてしまったフィルバートは、相変わらず生徒会室での勉強を続けている。
「フィルバート先輩は、夏休みの間もずっと勉強を頑張っていたんですよ」
ミュリエルが誇らしげに言った。
ジャクリーンには負けたが、学年五位から二位にランクアップしたことで、父親からも珍しく褒められたらしい。
とはいえ夏休み明けの二学期は、文化芸術祭やスポーツ祭などのイベントがあり、生徒会メンバーはそちらに手を取られてしまいそうだ。
(日本でいうところの、文化祭に体育祭よね。この辺は前世の日本のイメージそのままだなあ)
前世の菜摘は運動音痴だったため、体育祭にいい思い出はあまりない。
また文化祭も、同人活動に力を入れていて部活には入っていなかったので、こちらも特に思い出はなかった。
せいぜいクラスの出し物の準備に追われたくらいである。
王立高等学院は前世の高校よりも大学に近いシステムで、クラス分けという概念がない。また卒論もなくゼミもないので、それぞれが選んだ授業を受けて、学院が定めた単位を越えていれば卒業出来る。
最終学年のアルフレッド、メルヴィン、アーネストも、学院のイベントが控えているものの、就職活動や論文に追われていない分、のんびりと過ごしていた。
一方シルヴィアは、実家のことが気になっている。
今回家を後にする前には、例のクローゼットには仕掛けを施しておいた。
誰かがクローゼットを開けたときに、見張らせておいた式神から知らせがくるようにしておいたのだ。
更には、魔術とは関係のない本に、人を操る呪文が掛かれた書物の表紙に似た装丁を施して、魔術書の間に紛れ込ませた。
そしてその書物を動かしたり引き抜いたりしたときにも、シルヴィアにわかるように呪術を掛けてある。
「最初からそうしておけばよかった……」
今更悔やんでも遅いが、大事な魔術書を置いていくからには、そのくらいしておくべきだった。
とはいえ今のところ、家族の誰かがシルヴィアの自室のクローゼットを開けた気配はない。
実家の様子に気を配りながら、学院の日々に戻っていったシルヴィアである。
「えーっ? でもシルヴィアの実家からあの紙の人形が飛んでくるの? 時間が掛かり過ぎない?」
その話を聞いたメリーローズが驚いた。
「いいえ。紙で出来た式神が、ヒラヒラと飛んでくるわけではございません」
シルヴィアは苦笑する。
「それでは間に合いませんから。私にわかるように、頭に、こう、ピン! と来るようになっているんです」
「すごい、すごい!」
そして相変わらず式神セキュリティーに守られた生徒会室で、夏休みの間にわかったことの報告と、これからの展望についての会議が行われた。
「では、僕から報告を」
「はい、アーネストくん」
議長はシルヴィアが務めている。
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