悪役令嬢はBL作家「処刑覚悟で萌えますわ!」~婚約者の王子様ごめんなさい、あなたをネタに小説書いてます~

すえつむ はな

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第三章 BL小説の存在、世に知られる

086-3

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「他に何か報告がある方はいらっしゃいますか?」

「はい!」

「はい、アルフレッド殿下」

 にこやかに挙手するアルフレッドに、シルヴィアは少しだけイヤな予感がしたが、それは飲み込んで一応聞くことにする。

「この夏、僕はメルヴィンやメリーローズとランズダウン家の別荘で過ごし、メリーローズに教わって、万が一服を着たまま水に落ちても、救助が来るまで浮かんでいる方法を教わりました」

「……存じております。見ておりましたから」

「すごいと思いませんか? そんな方法があるとは、僕は前回湖に落ちるまで知りませんでした。これは大変有意義な知識なので、ぜひ皆にも広めたいと」

「確かに有意義な知識ではありますが、本日の議題からそれています。どなたか他にありませんか?」

 王子殿下に失礼かと思ったが、つい食い気味に遮ってしまった。
 でも仕方がない。
 議題に沿っていない話題を長々と発言されても、困る。

 と思っているそばから、今度はメルヴィンが手を上げた。
 他に誰も手を上げていない中、無視するわけにもいかないので、彼を指す。

「はい、メルヴィン様」

「この夏休み、ほとんどアルフレッドと、メリーと一緒に別荘で過ごしたんだが」

(一応、わたくしも一緒だったんですがね)

 シルヴィアは慎み深いので、突っ込みは心の中だけにしておく。

「残念ながら、この夏は結局一度もアルフレッドとメリーはキスをしていな」

「他にございませんか?」

 アルフレッドのとき以上に早目に遮った。当然だ。
 やはり、無視するべきだった。

「……はい」

 今度はミュリエルだ。
 彼女なら議題に沿った、有意義な話が聞けそうである。
 シルヴィアはにっこりと微笑んだ。

「ミュリエル嬢、どうぞ」

「あの、私の話は夏休み中のことではないので、この場で申し上げていいのかどうか、迷っていたのですが……」

「議題に沿った内容なら、いつのことでも構いませんよ」

 何しろ、夏休み中に気づいたこと、を前提にしたせいで小学生の絵日記並の報告が次々あがってしまったのだ。
 議題に沿ってくれるなら、一年前の話だろうが、構わない。

「はい、ではお言葉に甘えて……」

 しかし発言を許されたミュリエルの口から発せられた言葉は、有意義の域を遥かに超えていた。
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