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第1章

第5.5話

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:アルフレートside

明日はテストがある。
筆記とかどんなテストか分からないが早めに寝ようと俺たちはそれぞれの部屋で就寝した。

ベットに入ると、いつもと違う天井でとても違和感がある。
俺はあの孤児院に5歳の頃入ったのだが、そうか…俺は10年過ごしたあの家から出たのか。

そう思うと少し寂しいというか、物足りなさを感じた。

コンコン

小さく控えめな音が聞こえた。
聞き間違いでなければ扉が叩かれたと思う。

「ミア?どうした?」

扉を開ければミアが居て、ミアは下を俯いて目を合わせようとしない。
ひとまず部屋に招き入れ扉を閉める。

すると、ミアは何も言わず俺のベットに潜り込んで行った。

「ちょ、ミア。どうしたんだ」

ミアは俺の手を引っ張り引きずり込もうとする。体勢が悪いので布団に入るとミアがぴっとりとくっついてきた。

(おいおいおいおい、どうしたんだ。これは夢か?夢なのか??早速俺は自分に優しい夢を見始めたのか??病気じゃねーか)

などと思っているとミアが小刻みに震えていることがわかった。
声をおし殺すように泣いている

あぁ、そっか。

昼間はもう毎日に会えないんだと感じ、夜になってそれが身にしみたのだ。

ミアは生まれたばかりの頃から孤児院にいた。15年あそこで暮らしていた。次々に入ってくるちびっ子の姉になり母になっていた。人前では泣かない。泣けなかった。

でも、そんなこいつが


寂しくて、寂しくて、泣いている。



俺は黙ってミアの背中に手を回した。
トン…トン…と幼い子を寝かせるように背中を叩いた。

ミアは俺に強く抱きつき、やがで眠った。
俺は銀色の髪を梳き頭を撫でてやる。

「ミア、おやすみ。いい夢を」



ーーー



朝、起きると俺の部屋にミアはいなかった。驚いて部屋を出るとキッチンで朝食を作るミアを見つけた。

「おはよ、アル。…ふふ、すごい寝癖になってるよ」

「…おはよう、ミア」

そこにはいつも通りのミアがいた。
やっぱり昨日のミアは夢だったのかもしれない。そうだ、きっとあれは俺が捏造した夢だったんだ

「それに、寝相が少し悪かったよ。私、潰されるかと思ったわ。
あ、今日の朝食とお弁当は私が作ったから夕食はアルが作ってね。」


……全然夢じゃなかった。
しかも、なんか…もう幸せ過ぎて俺死ぬかもしれない………。

さっさと洗面台で顔を洗い、寝癖を直して服装を整えた俺は、1番に部屋のベットをシングルサイズからダブルサイズに改良した。

そして、美味しい朝食を頂いた。

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