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明日から編入することなっている、バルティーヌ王立学園は、前の学校、フォーレ国立学園のように貴族向けに作られた学園である。
用いられている建築様式は違うようで、フォーレの学園はレンガで作られた建物だったが、バルティーヌは白を中心とした聖堂のような建物だった。
バルティーヌは一神教を国境と定めた、宗教中心の国でもある。建物にもそんな歴史背景があるのだろうと感じた。
「フォーレ公国とは違う雰囲気でしょ?バルティーヌは城や聖堂、学園はほとんど白を基調としてるからね。見た目は綺麗なんだ」
「…そうですね。フォーレではこんなに素晴らしい建物は中々見られないものですから、感銘を受けました…」
「気に入ってくれたならよかったよ!ほら、中へ行こう!」
先へと進む殿下の後ろへついて行く。
私の後ろにはラシード様がいて、「まずは教室へ行きましょう」と導いてくれた。
教室は1学年にA.B.Cと3クラスあるという。
「セレシア嬢は1-Aだよ。編入のテスト受けたでしょう?」
「…え?受けていないと思うのですが?」
「いいや、バルティーヌに来る前に受けてるはずだよ?テスト受からないと留学の話もここまで進まないし。僕もそれ確認したし」
…もしかして、留学前にやったテストのことだろうか??
え、あれって留学できるかどうかのテストではないの?編入のためのテストなの?
、、、だとしたら、テストは受けてる?のか
「心当たりはあります」
「うん、それだね」
教室は広く、縦長くて大きな窓が印象的だった。
机や椅子はホワイトブラウンの可愛らしいデザインで、部屋全体は光を多く取り入れて明るい。
その後も、運動場や食堂に案内をして頂いた。
「あ、準備室忘れてた!いや~すっかり!」
「……」
殿下は口に手を当て、何となく大袈裟なように振舞ってきた。
なぜ、編入生を準備室に連れていく必要があるのか
「いやぁ、セレシア嬢の担任になる先生が少し?大分?結構、変わっててね。とても面白い人なんだけど、職員室じゃなくて準備室に自分の部屋作ってるんだよね。」
…変な人?というか、準備室に部屋を作るって問題なのでは…?
「あぁ、僕がねその部屋の許可をあげてるから問題はないんだよ。」
私の疑問が顔に出ていたのだろう。すぐに殿下は訂正した。
歩きながら話していたが、殿下もラシード様も1つ年上で17歳だという。しかも、身分は第2王子と公爵家長男で上の上。
突っ込みたいが突っ込めるわけが無い。
「はい、ここが準備室で~す。ダリウス先生、編入生のセレシア嬢を連れてきたよ!はい、次行こっか」
「え、?」
殿下はガラっと勢いよくドアを開け、中にいる先生に話しかけるとすぐにドアを閉め、次へ行こうとした。
「ちょ、っとととととと!殿下!!連れてくるだけじゃいけないでしょう!!どう考えても!!!」
準備室のドアの隙間からは白衣をきた男性が焦ったように飛び出てくる。
「え~、だって僕連れてきてとしか言われてないも~ん。」
「いやいやいや、連れてくるだけで終わるわけないでしょーが!というか、来るの遅くないですか!?待ちくたびれて寝そうでしたよ!!!」
「え、なに?ダリウス先生仕事中に寝ようとしてたの??ふ~ん、理事長に言っちゃおっかなぁ」
「や、辞めてください殿下!!後生です!!!!」
いい大人が17の少年に、完璧な土下座を繰り広げている。…準備室の前で。
「ダリウス先生は、植物や化学を専門とされている学問マニアなんです。変人ではありますが、この通り面白いので、よく殿下のオモチャになっているのですよ。」
コソっとラシード様が教えてくれた情報は、正直あまり役に立たないというか、どうでもいいと言うか、何それとしか言いようがなくて。
自然と口がひきついたのが分かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
3話のフォーレ公国の皇太子の名前が間違っていたので訂正しました。
フォーレ公国の皇太子→ジークフリード(ジーク)
バルティーヌの第2王子→レオン
申し訳ありませんでした。
また、誤字脱字報告ありがとうございます。誤字脱字が多くて申し訳ありません。大変読みにくいとは思いますが、こんな小説でも読んでくださると嬉しいです。
こちらの訂正は時間がある時にやります。
いつも読んでくださり、ありがとうございます。
感想も嬉しいです!とても励みになります!
また時間がある時にお返事書かせていただきます!
ててて
用いられている建築様式は違うようで、フォーレの学園はレンガで作られた建物だったが、バルティーヌは白を中心とした聖堂のような建物だった。
バルティーヌは一神教を国境と定めた、宗教中心の国でもある。建物にもそんな歴史背景があるのだろうと感じた。
「フォーレ公国とは違う雰囲気でしょ?バルティーヌは城や聖堂、学園はほとんど白を基調としてるからね。見た目は綺麗なんだ」
「…そうですね。フォーレではこんなに素晴らしい建物は中々見られないものですから、感銘を受けました…」
「気に入ってくれたならよかったよ!ほら、中へ行こう!」
先へと進む殿下の後ろへついて行く。
私の後ろにはラシード様がいて、「まずは教室へ行きましょう」と導いてくれた。
教室は1学年にA.B.Cと3クラスあるという。
「セレシア嬢は1-Aだよ。編入のテスト受けたでしょう?」
「…え?受けていないと思うのですが?」
「いいや、バルティーヌに来る前に受けてるはずだよ?テスト受からないと留学の話もここまで進まないし。僕もそれ確認したし」
…もしかして、留学前にやったテストのことだろうか??
え、あれって留学できるかどうかのテストではないの?編入のためのテストなの?
、、、だとしたら、テストは受けてる?のか
「心当たりはあります」
「うん、それだね」
教室は広く、縦長くて大きな窓が印象的だった。
机や椅子はホワイトブラウンの可愛らしいデザインで、部屋全体は光を多く取り入れて明るい。
その後も、運動場や食堂に案内をして頂いた。
「あ、準備室忘れてた!いや~すっかり!」
「……」
殿下は口に手を当て、何となく大袈裟なように振舞ってきた。
なぜ、編入生を準備室に連れていく必要があるのか
「いやぁ、セレシア嬢の担任になる先生が少し?大分?結構、変わっててね。とても面白い人なんだけど、職員室じゃなくて準備室に自分の部屋作ってるんだよね。」
…変な人?というか、準備室に部屋を作るって問題なのでは…?
「あぁ、僕がねその部屋の許可をあげてるから問題はないんだよ。」
私の疑問が顔に出ていたのだろう。すぐに殿下は訂正した。
歩きながら話していたが、殿下もラシード様も1つ年上で17歳だという。しかも、身分は第2王子と公爵家長男で上の上。
突っ込みたいが突っ込めるわけが無い。
「はい、ここが準備室で~す。ダリウス先生、編入生のセレシア嬢を連れてきたよ!はい、次行こっか」
「え、?」
殿下はガラっと勢いよくドアを開け、中にいる先生に話しかけるとすぐにドアを閉め、次へ行こうとした。
「ちょ、っとととととと!殿下!!連れてくるだけじゃいけないでしょう!!どう考えても!!!」
準備室のドアの隙間からは白衣をきた男性が焦ったように飛び出てくる。
「え~、だって僕連れてきてとしか言われてないも~ん。」
「いやいやいや、連れてくるだけで終わるわけないでしょーが!というか、来るの遅くないですか!?待ちくたびれて寝そうでしたよ!!!」
「え、なに?ダリウス先生仕事中に寝ようとしてたの??ふ~ん、理事長に言っちゃおっかなぁ」
「や、辞めてください殿下!!後生です!!!!」
いい大人が17の少年に、完璧な土下座を繰り広げている。…準備室の前で。
「ダリウス先生は、植物や化学を専門とされている学問マニアなんです。変人ではありますが、この通り面白いので、よく殿下のオモチャになっているのですよ。」
コソっとラシード様が教えてくれた情報は、正直あまり役に立たないというか、どうでもいいと言うか、何それとしか言いようがなくて。
自然と口がひきついたのが分かった。
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3話のフォーレ公国の皇太子の名前が間違っていたので訂正しました。
フォーレ公国の皇太子→ジークフリード(ジーク)
バルティーヌの第2王子→レオン
申し訳ありませんでした。
また、誤字脱字報告ありがとうございます。誤字脱字が多くて申し訳ありません。大変読みにくいとは思いますが、こんな小説でも読んでくださると嬉しいです。
こちらの訂正は時間がある時にやります。
いつも読んでくださり、ありがとうございます。
感想も嬉しいです!とても励みになります!
また時間がある時にお返事書かせていただきます!
ててて
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