猫は恋したので、カフェに行く(仮)

月詠世理

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目的不明(11話)

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「早く行きましょう。用事を終わらせればその分早くカフェ? へも行けると思いますし」

 もたもたするより、先生の呼び出しに応じてやるべき事を終わらせる。そうしたら、準備は間に合わなくても営業時間には間に合うかもしれない。
 確かに、一理ある。私のためを思っての行動だったのかもしれないと思った。

「わかりました。急いで先生のところへ行きましょう」

 今度は私が榎橘さんを引きずるような形になった。

「ね、猫宮さん。そんなに引っ張らないでください。それに、先生がいるところを知っていますか? わからないのに行こうとしてもあえて時間がかかるだけだと思いますよ?」
「先生と言えば、職員室でしょう? 知ってます」
「違います。今回は個人の研究室に来るように言われているので」

 自信満々に言ったのに外れた。無駄に時間がかかるのは困る。ここは榎橘さんに任せよう。そう思った時、歩いている椿先生を近くで見つけた。先生に伝えておけばカフェにいる人にも伝わるだろうし安心できる。我ながら良い案だ。

「榎橘さん、少し待っていてください」
「えっ? ちょっと!? 勝手に動かないでください」

 椿先生のところへ急ぐために彼のいるところから離れると後ろから焦ったような声が聞こえてきた。少し待っていてください、と思いながら、走る。廊下は走らないという言葉が聞こえてきたような。きっと気のせいだろう。

「椿先生!!」
「あれ? 君、そろそろカフェへ向かわないといけない時間では?」
「そうなんですけど、他の先生に呼ばれているらしくてですね。それで先生に連絡をお願いしようと」
「ふーん? 何の用件? それ次第では君が遅れることを伝えてあげなくもない」

 口角を上げ、ニヤッと笑う先生。面白いことであるのか知りたいのだろう。伝言をお願いできないのは困るので、素直に話す。

「もう一体どっちなんですか? 呼ばれたのは赤い魔法の騒動について聞きたいとのことで、です。私はそこにいて奥村先輩に助けてもらいましたからね。先輩がいなかったら今頃怪我で動けなかったと思いますよ」

 怪我どころではなく、大怪我、それよりもっと酷いことになっていたかもしれない。本当に先輩には感謝だ。
 私は椿先生の様子を見る。顎に指を添えて考え込んでいた。何かおかしなことを言っていただろうか。

「すみません、待たせている人がいるので行きますね」
「待て」

 先生に腕を掴まれた。動き出しに引っ張られて驚きつつも、腕へと視線を向けた。上を見ると険しい表情を浮かべている先生がいた。

「えーと、せんせ? はやく――」
「君、騙されてるんじゃないか? その件はあたしが聞くように言われたことだ。君はあたしが責任者をしているカフェのスタッフだろう? 他の先生が質問するよりは私が適していると任された。面倒だが、君以外にも状況を聞く相手はいるし、まとめて時間がある時に、と思っていた」
「じゃあ、私が呼ばれたのはなぜなんでしょうか?」
「さぁ? ところで、君を呼びに来たやつは?」

 私は榎橘さんがいるところを振り返った。すでにそこには誰もいなかった。椿先生の言う通り、騙されたのかもしれない。そうだとしても、何の理由があって私に近づいてきたのだろうか。首をひねるようなことだった。

「君、悪い男にたぶらかされないように気をつけなよ。あたし、他の先生に頼まれたことがあるから行くの少し遅れるって言っておいて。営業時間ちょっと過ぎた頃には着いてると思うけど」

 伝言してもらうはずが、伝言する立場になってしまう。すぐに先生はスタスタとどこかへ行ってしまった。

「……たぶらかされたの……か?」

 なんか違うと思ったが、返事をする相手もおらず、行くべきところを思い出して急ぎ向かうことに。
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