6 / 6
6話
しおりを挟む
「おやおや、お帰り」、と軽い感じで述べる座敷童が二人。わらちゃんとわじさんである。本日は学校に着いてこなかったわらちゃん。きっとわじさんがやってくるのを知っていたのだろう。
「二人してなにしてるの?」
「わらちゃんのテスト結果の報告じゃよ」
「なにそれ?」
意味わからないことを言うわじさん。わらちゃんはいつのまにテストを受けていたのだろうか。
「そういえば、このこの。学校では、たくさん世話になったのぅ」
「このこのって呼ばないでよ。私はこのはよ」
わらちゃんのように変な呼び方をされるのは困るのだ。私はきちんと訂正をしておく。
「あれ? 学校?」
わじさんがいつ学校にいたと言うのだろうか。悶々と考え込んでいるうちに、目の前には鷲尾先生がいた。
「どういうこと?」
自分が思うよりも低い声が出た。説明するようにとわらちゃんを促す。
「このこの。実は、テストをしていたなのです」
「テスト?」
「そうじゃよ。わらちゃんとこのこのがパートナー同士として仕事をしていけるのかを確かめていたのじゃよ」
だらだらと冷や汗が流れてくる。わらちゃんとの関係はどうなるのか。
「テストはギリギリ合格じゃよ。もうちょっとお互いを信じあって行動できるとなお良いのじゃ。わらちゃんや、今回はよく頑張ったぞ! このまま、このこのと助け合って、一人前の座敷童になれるよう精進したまえ」
一人で首を上下に振って頷いているわじさん。えっ、私のこの面倒事はまだ続くのだろうか。
「はい、なのです。これからもこのこのと頑張っていくなのです」
「ちょっと! 座敷童二人で決めないでよ。わらちゃんと私は関係なくなったんじゃないの? 今回限りの関係では……」
「ないのじゃ」
「ないなのです」
二人の返事にガックリと私は肩を落とした。その傍でわらちゃんとわじさんは談笑し合っていた。
「やってられるかぁ~~~~!!」
思いっきり部屋の中で叫んだが、わらちゃんが座敷童の仕事を一人前にできるようになるまでは頼んだぞと懇々と言われ続けたのである。
今の私にとって座敷童は、不幸を運んでくる存在だ。でも、他の人にとったら、幸福を呼んでくれるお守りみたいなものだろう。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!! また、失敗したのですぅ」
「何回同じこと繰り返せば済むの?」
「このこのが意地悪なのですぅ。もう、いいなのです! 押し入れにこもって泣くのですぅぅ~~!!」
「ほぉほぉ、平和じゃのぅ」
座敷童と一人の人間の関わりは当分終わりそうにない。
「二人してなにしてるの?」
「わらちゃんのテスト結果の報告じゃよ」
「なにそれ?」
意味わからないことを言うわじさん。わらちゃんはいつのまにテストを受けていたのだろうか。
「そういえば、このこの。学校では、たくさん世話になったのぅ」
「このこのって呼ばないでよ。私はこのはよ」
わらちゃんのように変な呼び方をされるのは困るのだ。私はきちんと訂正をしておく。
「あれ? 学校?」
わじさんがいつ学校にいたと言うのだろうか。悶々と考え込んでいるうちに、目の前には鷲尾先生がいた。
「どういうこと?」
自分が思うよりも低い声が出た。説明するようにとわらちゃんを促す。
「このこの。実は、テストをしていたなのです」
「テスト?」
「そうじゃよ。わらちゃんとこのこのがパートナー同士として仕事をしていけるのかを確かめていたのじゃよ」
だらだらと冷や汗が流れてくる。わらちゃんとの関係はどうなるのか。
「テストはギリギリ合格じゃよ。もうちょっとお互いを信じあって行動できるとなお良いのじゃ。わらちゃんや、今回はよく頑張ったぞ! このまま、このこのと助け合って、一人前の座敷童になれるよう精進したまえ」
一人で首を上下に振って頷いているわじさん。えっ、私のこの面倒事はまだ続くのだろうか。
「はい、なのです。これからもこのこのと頑張っていくなのです」
「ちょっと! 座敷童二人で決めないでよ。わらちゃんと私は関係なくなったんじゃないの? 今回限りの関係では……」
「ないのじゃ」
「ないなのです」
二人の返事にガックリと私は肩を落とした。その傍でわらちゃんとわじさんは談笑し合っていた。
「やってられるかぁ~~~~!!」
思いっきり部屋の中で叫んだが、わらちゃんが座敷童の仕事を一人前にできるようになるまでは頼んだぞと懇々と言われ続けたのである。
今の私にとって座敷童は、不幸を運んでくる存在だ。でも、他の人にとったら、幸福を呼んでくれるお守りみたいなものだろう。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!! また、失敗したのですぅ」
「何回同じこと繰り返せば済むの?」
「このこのが意地悪なのですぅ。もう、いいなのです! 押し入れにこもって泣くのですぅぅ~~!!」
「ほぉほぉ、平和じゃのぅ」
座敷童と一人の人間の関わりは当分終わりそうにない。
0
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
『後宮薬師は名を持たない』
由香
キャラ文芸
後宮で怪異を診る薬師・玉玲は、母が禁薬により処刑された過去を持つ。
帝と皇子に迫る“鬼”の気配、母の遺した禁薬、鬼神の青年・玄曜との出会い。
救いと犠牲の狭間で、玉玲は母が選ばなかった選択を重ねていく。
後宮が燃え、名を失ってもなお――
彼女は薬師として、人として、生きる道を選ぶ。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
婚約者が聖女を選ぶことくらい分かっていたので、先に婚約破棄します。
黒蜜きな粉
恋愛
魔王討伐を終え、王都に凱旋した英雄たち。
その中心には、異世界から来た聖女と、彼女に寄り添う王太子の姿があった。
王太子の婚約者として壇上に立ちながらも、私は自分が選ばれない側だと理解していた。
だから、泣かない。縋らない。
私は自分から婚約破棄を願い出る。
選ばれなかった人生を終わらせるために。
そして、私自身の人生を始めるために。
短いお話です。
郷守の巫女、夜明けの嫁入り
春ノ抹茶
キャラ文芸
「私の妻となり、暁の里に来ていただけませんか?」
「はい。───はい?」
東の果ての“占い娘”の噂を聞きつけ、彗月と名乗る美しい男が、村娘・紬の元にやってきた。
「古来より現世に住まう、人ならざるものの存在を、“あやかし”と言います。」
「暁の里は、あやかしと人間とが共存している、唯一の里なのです。」
近年、暁の里の結界が弱まっている。
結界を修復し、里を守ることが出来るのは、“郷守の巫女”ただ一人だけ。
郷守の巫女たる魂を持って生まれた紬は、その運命を受け入れて、彗月の手を取ることを決めた。
暁の里に降り立てば、そこには異様な日常がある。
あやかしと人間が当たり前のように言葉を交わし、共に笑い合っている。
里の案内人は扇子を広げ、紬を歓迎するのであった。
「さあ、足を踏み入れたが始まり!」
「此処は、人と人ならざるものが共に暮らす、現世に類を見ぬ唯一の地でございます」
「人の子あやかし。異なる種が手を取り合うは、夜明けの訪れと言えましょう」
「夢か現か、神楽に隠れたまほろばか」
「──ようこそ、暁の里へ!」
あまりさんののっぴきならない事情
菱沼あゆ
キャラ文芸
強引に見合い結婚させられそうになって家出し、憧れのカフェでバイトを始めた、あまり。
充実した日々を送っていた彼女の前に、驚くような美形の客、犬塚海里《いぬづか かいり》が現れた。
「何故、こんなところに居る? 南条あまり」
「……嫌な人と結婚させられそうになって、家を出たからです」
「それ、俺だろ」
そーですね……。
カフェ店員となったお嬢様、あまりと常連客となった元見合い相手、海里の日常。
5年経っても軽率に故郷に戻っては駄目!
158
恋愛
伯爵令嬢であるオリビアは、この世界が前世でやった乙女ゲームの世界であることに気づく。このまま学園に入学してしまうと、死亡エンドの可能性があるため学園に入学する前に家出することにした。婚約者もさらっとスルーして、早や5年。結局誰ルートを主人公は選んだのかしらと軽率にも故郷に舞い戻ってしまい・・・
2話完結を目指してます!
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる