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第34話:皇太后の憂鬱
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彼の正体を知ってから、数日が過ぎた。
私とレオン様――いえ、レオンハルト陛下の関係は奇妙な均衡を保っていた。厨房にいる間、彼は私のことを「アリア」と呼び、私も彼のことを「レオン様」と呼ぶ。それは二人だけの暗黙の約束のようになっていた。
しかし、厨房を一歩出れば彼はこの国の皇帝で、私はただの人質。その事実が消えるわけではない。そのアンバランスな関係に、私の心は時折小さく揺れた。
その日の朝も、彼は夜明けと共に厨房にやってきた。しかし、私はすぐに彼の異変に気づいた。
「おはようございます、レオン様」
「……ああ」
返ってくる声にいつもの張りがない。彼は黙っていつもの椅子に腰を下ろしたが、その背中はどこか小さく、纏う空気も重く沈んでいた。
私は彼のために秋鮭もどきを使ったクリームシチューを用意していた。冷えた体を温めるにはぴったりの自信作だ。しかし、彼はスプーンを手に取ったものの、どこか上の空でなかなか口に運ぼうとしない。
「レオン様? お口に合いませんでしたか?」
私が心配して声をかけると、彼ははっと我に返ったように顔を上げた。そして力なく首を横に振る。
「いや、違う。すまない。とても良い香りだ」
彼はそう言ってシチューを一口、口に運んだ。そして小さく「美味い」と呟いたが、その声にはいつものような感動の色がなかった。彼の食欲は明らかに減退している。いつもならあっという間におかわりまで平らげる彼が、一杯のシチューを食べ終えるのにひどく時間がかかった。
食事が終わっても彼は立ち上がろうとしなかった。ただ、空になった器をぼんやりと見つめている。その横顔には深い憂いの影が落ちていた。
皇帝という重責は私が想像もできないほど過酷なものなのだろう。彼が一人で抱える荷物の重さを思い、私の胸はきゅっと痛んだ。私にできることは美味しい料理を作ることだけ。それ以外に、どうやって彼の力になればいいのだろう。
「あの、レオン様」
私は意を決して彼のそばに歩み寄った。
「何か、お悩みがあるのなら。私でよければ、お聞きします。もちろん、話したくなければ無理にとは言いませんが…」
私の言葉に彼はゆっくりと顔を上げた。その蒼い瞳はひどく疲れているように見えた。彼はしばらく私をじっと見つめていたが、やがて何かを諦めたように重いため息をついた。
「……母上のことだ」
彼の口から漏れたのは意外な言葉だった。
「皇太后様、でございますか」
「ああ。母上――ヴィクトリア皇太后が、ここ一月ほど食が細って臥せっておられる」
彼の声は低く、沈んでいた。普段の皇帝としての威厳に満ちた声ではない。ただの母親を心配する一人の息子の声だった。
「宮廷医に診せても原因は分からん。特に病というわけではなく、歳のせいだろうと。しかし、日に日に衰弱していく姿を見るのは……辛い」
彼はそこまで言うと、唇を固く結んだ。弱音を吐くことを自らに禁じているかのようだった。
私は彼の気持ちが痛いほどに分かった。大切な人が目の前で弱っていく。何もしてあげられない。その無力感は、どれほど心を苛むことだろう。
ましてや彼はこの国の皇帝だ。帝国の全てをその手で動かすことができる。しかし、たった一人、愛する母親の食欲さえ取り戻させてあげることができない。その無力感は、彼のプライドをひどく傷つけているに違いなかった。
「どんなご馳走を用意させても、一口か二口お手をつけになるだけ。俺が子供の頃に好んで召し上がっていたという菓子を再現させても、見向きもされなかった」
彼の言葉の端々から、皇太后様への深い愛情が伝わってくる。氷の皇帝と呼ばれる彼にも、こんなにも人間らしい温かい一面があったのだ。その事実に私の胸は締め付けられるような切ない気持ちになった。
彼は私の前でだけ、こうして弱さを見せてくれる。そのことがたまらなく愛おしく、そして誇らしかった。
しばらくの沈黙の後、彼は顔を上げ真っ直ぐに私の目を見た。その瞳には切実な、祈るような光が宿っていた。
「アリア」
「はい」
「君に、頼みがある。……いや、これは皇帝としての命令ではない。レオンハルトという、ただの一人の息子としての願いだ」
彼は椅子から立ち上がると私の前に立った。そして、私の両手を彼自身の大きな手でそっと包み込んだ。
「君の料理で、母上を救ってくれ」
彼の声は微かに震えていた。
「君の料理には不思議な力がある。人の心を温め、体に活力を与える力だ。俺が心から信頼できる料理人は、もう君しかいないんだ」
その言葉は、何よりも重く、そして温かく私の心に響いた。
この人は私を信じてくれている。皇帝として、全てを手にしている彼が、最後の望みをこの私に託してくれている。
断る理由などあるはずもなかった。
「お任せください、レオン様」
私は彼の瞳を真っ直ぐに見つめ返し、力強く、はっきりと告げた。
「私が必ず、皇太后様を元気にしてみせます。あなた様のお母様を、世界で一番幸せにするお料理を、この私がお作りいたします」
私の言葉に彼の蒼い瞳が安堵に揺らいだ。彼の手が私の手を、ありがとう、とでも言うように強く握りしめる。
その瞬間、私の心は決まった。これは私の料理人人生における最大の挑戦になるだろう。
レオン様が去った後、私はすぐにマルタを呼んだ。
「マルタさん。皇太后様はどのようなお方なのですか? お好きな食べ物や嫌いなもの。どんなことでもいいので、教えてください」
私の真剣な問いにマルタは少し驚いたようだったが、すぐに表情を引き締め、知る限りのことを話してくれた。
ヴィクトリア皇太后は、先帝の后。若い頃はその美しさと聡明さで『帝国の白百合』と謳われたという。性格は厳格だが慈愛に満ち、レオン様が幼い頃は自ら厨房に立ってスープを作ってあげることもあったらしい。
「お好きなものは素朴で優しい味付けのものだと伺っております。特に、庭で採れた野菜を使った温かいスープがお好きだったとか」
「嫌いなものは?」
「脂っこいものや香辛料が強すぎるものは、あまりお好みではないようです」
マルタの情報は何よりも貴重だった。私は彼女の話を一言一句聞き漏らすまいと、真剣に耳を傾けた。
厳格で、しかし愛情深い優しいお母様。そんな彼女が食欲をなくしてしまった。
ならば私が作るべき料理は決まっている。
前世の記憶を総動員する。病で食欲がない時に祖母がよく作ってくれた料理。消化が良く、栄養価が高く、それでいて見た目も美しく、食欲をそそる香りを持つもの。
奇をてらったものである必要はない。必要なのは、食べる人の体を、そして心を優しく労わる一皿。
私の頭の中にいくつかの献立が浮かび上がった。
黄金色に輝く、かぼちゃのポタージュ。
出汁の香りが優しく立ち上る、ふるふるとした茶碗蒸し。
そして、穀物を丁寧に炊き上げた、梅風味のおかゆ。
よし、これで行こう。
私は皇太后様のための『病を癒すコース料理』を頭の中で組み立てていた。
厨房の空気は、いつの間にか凛とした緊張感と聖域のような清らかさに満ちていた。それは、これから行われるのがただの料理ではない。一人の大切な人の命と心を救うための神聖な儀式であると、そこにいる誰もが理解していたからだ。
「必ず、皇太T后様を笑顔にしてみせる」
私はかまどの静かな炎を見つめながら、固くそう誓った。
私の料理人としての、そして一人の人間としての真価が問われる戦いが、今、静かに始まろうとしていた。
私とレオン様――いえ、レオンハルト陛下の関係は奇妙な均衡を保っていた。厨房にいる間、彼は私のことを「アリア」と呼び、私も彼のことを「レオン様」と呼ぶ。それは二人だけの暗黙の約束のようになっていた。
しかし、厨房を一歩出れば彼はこの国の皇帝で、私はただの人質。その事実が消えるわけではない。そのアンバランスな関係に、私の心は時折小さく揺れた。
その日の朝も、彼は夜明けと共に厨房にやってきた。しかし、私はすぐに彼の異変に気づいた。
「おはようございます、レオン様」
「……ああ」
返ってくる声にいつもの張りがない。彼は黙っていつもの椅子に腰を下ろしたが、その背中はどこか小さく、纏う空気も重く沈んでいた。
私は彼のために秋鮭もどきを使ったクリームシチューを用意していた。冷えた体を温めるにはぴったりの自信作だ。しかし、彼はスプーンを手に取ったものの、どこか上の空でなかなか口に運ぼうとしない。
「レオン様? お口に合いませんでしたか?」
私が心配して声をかけると、彼ははっと我に返ったように顔を上げた。そして力なく首を横に振る。
「いや、違う。すまない。とても良い香りだ」
彼はそう言ってシチューを一口、口に運んだ。そして小さく「美味い」と呟いたが、その声にはいつものような感動の色がなかった。彼の食欲は明らかに減退している。いつもならあっという間におかわりまで平らげる彼が、一杯のシチューを食べ終えるのにひどく時間がかかった。
食事が終わっても彼は立ち上がろうとしなかった。ただ、空になった器をぼんやりと見つめている。その横顔には深い憂いの影が落ちていた。
皇帝という重責は私が想像もできないほど過酷なものなのだろう。彼が一人で抱える荷物の重さを思い、私の胸はきゅっと痛んだ。私にできることは美味しい料理を作ることだけ。それ以外に、どうやって彼の力になればいいのだろう。
「あの、レオン様」
私は意を決して彼のそばに歩み寄った。
「何か、お悩みがあるのなら。私でよければ、お聞きします。もちろん、話したくなければ無理にとは言いませんが…」
私の言葉に彼はゆっくりと顔を上げた。その蒼い瞳はひどく疲れているように見えた。彼はしばらく私をじっと見つめていたが、やがて何かを諦めたように重いため息をついた。
「……母上のことだ」
彼の口から漏れたのは意外な言葉だった。
「皇太后様、でございますか」
「ああ。母上――ヴィクトリア皇太后が、ここ一月ほど食が細って臥せっておられる」
彼の声は低く、沈んでいた。普段の皇帝としての威厳に満ちた声ではない。ただの母親を心配する一人の息子の声だった。
「宮廷医に診せても原因は分からん。特に病というわけではなく、歳のせいだろうと。しかし、日に日に衰弱していく姿を見るのは……辛い」
彼はそこまで言うと、唇を固く結んだ。弱音を吐くことを自らに禁じているかのようだった。
私は彼の気持ちが痛いほどに分かった。大切な人が目の前で弱っていく。何もしてあげられない。その無力感は、どれほど心を苛むことだろう。
ましてや彼はこの国の皇帝だ。帝国の全てをその手で動かすことができる。しかし、たった一人、愛する母親の食欲さえ取り戻させてあげることができない。その無力感は、彼のプライドをひどく傷つけているに違いなかった。
「どんなご馳走を用意させても、一口か二口お手をつけになるだけ。俺が子供の頃に好んで召し上がっていたという菓子を再現させても、見向きもされなかった」
彼の言葉の端々から、皇太后様への深い愛情が伝わってくる。氷の皇帝と呼ばれる彼にも、こんなにも人間らしい温かい一面があったのだ。その事実に私の胸は締め付けられるような切ない気持ちになった。
彼は私の前でだけ、こうして弱さを見せてくれる。そのことがたまらなく愛おしく、そして誇らしかった。
しばらくの沈黙の後、彼は顔を上げ真っ直ぐに私の目を見た。その瞳には切実な、祈るような光が宿っていた。
「アリア」
「はい」
「君に、頼みがある。……いや、これは皇帝としての命令ではない。レオンハルトという、ただの一人の息子としての願いだ」
彼は椅子から立ち上がると私の前に立った。そして、私の両手を彼自身の大きな手でそっと包み込んだ。
「君の料理で、母上を救ってくれ」
彼の声は微かに震えていた。
「君の料理には不思議な力がある。人の心を温め、体に活力を与える力だ。俺が心から信頼できる料理人は、もう君しかいないんだ」
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私の言葉に彼の蒼い瞳が安堵に揺らいだ。彼の手が私の手を、ありがとう、とでも言うように強く握りしめる。
その瞬間、私の心は決まった。これは私の料理人人生における最大の挑戦になるだろう。
レオン様が去った後、私はすぐにマルタを呼んだ。
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「嫌いなものは?」
「脂っこいものや香辛料が強すぎるものは、あまりお好みではないようです」
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奇をてらったものである必要はない。必要なのは、食べる人の体を、そして心を優しく労わる一皿。
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そして、穀物を丁寧に炊き上げた、梅風味のおかゆ。
よし、これで行こう。
私は皇太后様のための『病を癒すコース料理』を頭の中で組み立てていた。
厨房の空気は、いつの間にか凛とした緊張感と聖域のような清らかさに満ちていた。それは、これから行われるのがただの料理ではない。一人の大切な人の命と心を救うための神聖な儀式であると、そこにいる誰もが理解していたからだ。
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