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第60話:浄化の力
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宰相執務室の重厚な扉が静かに閉じられた。
部屋に残されたのは、帝国宰相エリオット・ワイズマンと宮廷魔術師長オルドゥス・フォン・ハイゼンベルクの二人だけだった。
「オルドゥス殿」
エリオットは古地図が広げられた机の上で指を組み、静かに口を開いた。
「君にはもう一つ、極秘裏に調査してもらいたいことがある」
オルドゥスは、その銀色の長い髭を撫でながら静かに主君の言葉を待った。彼の賢者のような瞳は、エリオットの真意を探るようにじっと見つめている。
「対象は、月影の宮。そして、そこにいるアリア姫君だ」
その名が出た瞬間、オルドゥスの瞳がわずかに揺らいだ。彼もまたあの歓迎の宴でアリアのビーフシチューを口にした一人だった。あの魂を揺さぶるような味は、老魔術師の記憶にも鮮明に刻み込まれている。
「姫様を、お疑いに?」
「逆だ」
エリオットはきっぱりと否定した。
「確信している。彼女こそがこの二百七十年にわたる帝国の呪いを解く、唯一の鍵であると」
その言葉に、オルドゥスは息を呑んだ。
「君にはアリア姫の周辺にあるものを徹底的に分析してもらいたい。彼女が使った調理器具、食材の残り、可能であれば彼女が調理した料理そのもの。それらを、誰にも、もちろん姫自身にも気づかれぬよう採取し、魔術的な観点から調べ上げろ。そこに我々の仮説を裏付ける答えがあるはずだ」
それは一歩間違えば外交問題にもなりかねない危険な任務だった。しかしオルドゥスは躊躇わなかった。彼の魔術師としての探究心と帝国への忠誠心が、宰相の言葉の重みを理解していたからだ。
「御意に」
老魔術師は深く静かに頭を下げた。
その日から、オルドゥスの誰にも知られぬ秘密の調査が始まった。
彼はまずアリアが使った後の厨房に、深夜、姿をくらます魔法を使って忍び込んだ。厨房にはまだ彼女が作った料理の温かい残り香が微かに漂っていた。
(ふむ。まずはこの鍋からか)
オルドゥスが目をつけたのはアリアがビーフシチューを煮込むのに使った大きな銅鍋だった。綺麗に洗われ磨き上げられているが、そこに宿るはずの『記憶』は魔術師の目には視える。
彼は懐から掌サイズの曇り一つない水晶玉を取り出した。そしてそれを銅鍋にかざし、古代語で呪文を唱え始める。
「来たれ、万物の記憶。我にその真実を示せ」
水晶玉が淡い光を放ち始めた。通常、物が持つ記憶――魔力残滓――を視る時、水晶はぼんやりとした靄のような光を映し出す。しかし今、オルドゥスの手の中にある水晶は様子が違った。
その光は靄などではない。太陽の光のように力強く、そしてどこまでも温かい黄金色の輝き。
「なっ……!?」
オルドゥスは思わず目を見開いた。
「これは……なんだ、この光は!? 極めて純度の高い聖属性の魔力残滓…!? まるで神殿に安置された聖遺物から放たれる光と同質、いや、それ以上だと!?」
彼は信じられないという顔で、何度も水晶と鍋を見比べた。ただの料理鍋がこれほどの聖なる気を放つなど、常識では考えられない。
さらに、彼は驚くべき事実に気づいた。鍋の素材である銅の分子レベルにまで染み込んでいたはずの微弱な呪いの気配が、綺麗に消え去っているのだ。
まるでこの黄金色の光が全ての不浄を洗い流してしまったかのように。
(まさか……)
オルドゥスの額に冷や汗が滲む。
彼は次にアリアが使っているというダマスカス鋼の包丁を手に取った。そして同じように水晶をかざす。
結果は同じだった。いや、鍋の時よりもさらに強い眩いほどの黄金色の光が水晶から溢れ出した。鍛冶職人たちが込めた『魂』がアリアの力に共鳴し、その聖なる性質を増幅させているかのようだった。
「馬鹿な……。こんなことがあり得るのか……」
老魔術師は、わなわなと震える手で最後の調査対象へと向かった。
月影の宮の裏庭の片隅。そこにアリアが世話をしているという小さな菜園があった。彼女はそこで故郷から持ってきたという珍しい野菜やハーブを育てている。
オルドゥスは、その菜園の土を少量採取した。そしてその土に育つ青々とした葉野菜を一枚摘み取った。
彼はまず土を分析した。結果は彼の予想通りだった。帝国の他の土地と同じように、その土壌もまた生命力を減衰させる古代の呪いに蝕まれていた。
問題は、その呪われた土で育った葉野菜の方だ。
彼は震える指で、その葉に水晶をかざした。
「……………!」
オルドゥスは言葉を失った。
水晶は今までで最も強く、最も清浄な黄金色の光を放っていた。
呪いの気配など微塵もない。それどころか、その葉の一枚一枚が生命力の塊そのものと化していた。まるでこの葉を食べればどんな病も治ってしまいそうなほどの、圧倒的な生命エネルギー。
(ありえない……! 土に宿る呪いを吸い上げ、それを自らの内で生命エネルギーへと変換している、とでもいうのか!? そんな植物など聞いたこともない!)
彼は混乱のあまり、その場に膝をつきそうになった。
しかし次の瞬間。彼は真実に思い至った。
違う。特別なのはこの植物ではない。
この植物を育てた人間。
アリア・フォン・リンドブルム。
彼女自身がこの奇跡の源なのだ。
宰相閣下の仮説は正しかった。彼女は無意識のうちに、自らの持つ聖なる力で触れるもの全ての呪いを浄化し、そこに生命力を与えている。
彼女が料理に使う食材は、調理の過程でその呪いを完全に浄化される。そして彼女の『愛情』という名の魔力が込められることで、ただの食べ物ではない、人を癒し元気にする『聖餐』へと姿を変えるのだ。
『食の聖女』。
それはもはやただの比喩ではなかった。
彼女は紛れもなく本物の『聖女』だったのだ。
翌朝。エリオットの執務室の扉が乱暴に開け放たれた。
「宰相閣下ッ!!」
血相を変えて飛び込んできたのは宮廷魔術師長オルドゥスだった。彼の賢者のような落ち着きはどこへやら、その目は興奮に見開かれ呼吸は荒くなっていた。
「見つかりましたぞ! 全て分かりました!」
彼は矢継ぎ早に昨夜の調査結果を報告した。その声は世紀の大発見をした学者のように、熱っぽく震えている。
「アリア姫様は歩く聖遺物! いや、生ける女神そのものでございます! 彼女の力は、この帝国の呪いを解き我らを救う唯一の希望にございますぞ!」
そのあまりに劇的な報告を、エリオットは腕を組み、冷静に、しかし満足げに聞いていた。
「……やはり、そうか」
彼の仮説は完璧に証明された。
その日の午後。エリオットとオルドゥスは皇帝執務室でレオンハルトに全ての調査結果を報告していた。
レオンハルトは二人の驚くべき報告を黙って聞いていた。その表情に大きな驚きはなかった。むしろ、ずっと抱いていた疑問の最後のピースがはまったかのような深い納得の色が浮かんでいた。
(やはりな……)
彼が初めてアリアのスープを飲んだ時に感じた、あの体の芯まで染み渡るような温もり。それはただのスープの温度ではなかったのだ。彼女の魂から発せられる生命力そのものの温かさだったのだ。
「……よくやってくれた、二人とも」
レオンハルトは静かに言った。
「この事実は帝国の最高機密とする。オルドゥス、君の弟子を含め調査に関わった者全ての口を、魔術契約で封じよ。エリオット、アリアの身辺警護をさらに強化しろ。いかなる脅威も彼女に近づけるな」
彼の声は絶対的な王者の響きを持っていた。
「そして」
彼は立ち上がった。その蒼い瞳には未来を見据える強い決意の光が宿っている。
「彼女の真の力を我々は正確に知る必要がある。オルドゥス、最新式の魔力測定器を大至急用意しろ。リンドブルムの旧式なガラクタでは彼女の力は測れん」
「はっ! ただちに!」
「アリア・フォン・リンドブルムの魔力再測定の儀を執り行う」
皇帝の厳かな宣言。
それはアリア自身もまだ知らない、彼女の本当の運命の扉を開くための始まりの合図だった。
彼女がただの料理好きな少女から帝国の運命をその両肩に背負う『聖女』として覚醒する時が、刻一刻と近づいていた。
部屋に残されたのは、帝国宰相エリオット・ワイズマンと宮廷魔術師長オルドゥス・フォン・ハイゼンベルクの二人だけだった。
「オルドゥス殿」
エリオットは古地図が広げられた机の上で指を組み、静かに口を開いた。
「君にはもう一つ、極秘裏に調査してもらいたいことがある」
オルドゥスは、その銀色の長い髭を撫でながら静かに主君の言葉を待った。彼の賢者のような瞳は、エリオットの真意を探るようにじっと見つめている。
「対象は、月影の宮。そして、そこにいるアリア姫君だ」
その名が出た瞬間、オルドゥスの瞳がわずかに揺らいだ。彼もまたあの歓迎の宴でアリアのビーフシチューを口にした一人だった。あの魂を揺さぶるような味は、老魔術師の記憶にも鮮明に刻み込まれている。
「姫様を、お疑いに?」
「逆だ」
エリオットはきっぱりと否定した。
「確信している。彼女こそがこの二百七十年にわたる帝国の呪いを解く、唯一の鍵であると」
その言葉に、オルドゥスは息を呑んだ。
「君にはアリア姫の周辺にあるものを徹底的に分析してもらいたい。彼女が使った調理器具、食材の残り、可能であれば彼女が調理した料理そのもの。それらを、誰にも、もちろん姫自身にも気づかれぬよう採取し、魔術的な観点から調べ上げろ。そこに我々の仮説を裏付ける答えがあるはずだ」
それは一歩間違えば外交問題にもなりかねない危険な任務だった。しかしオルドゥスは躊躇わなかった。彼の魔術師としての探究心と帝国への忠誠心が、宰相の言葉の重みを理解していたからだ。
「御意に」
老魔術師は深く静かに頭を下げた。
その日から、オルドゥスの誰にも知られぬ秘密の調査が始まった。
彼はまずアリアが使った後の厨房に、深夜、姿をくらます魔法を使って忍び込んだ。厨房にはまだ彼女が作った料理の温かい残り香が微かに漂っていた。
(ふむ。まずはこの鍋からか)
オルドゥスが目をつけたのはアリアがビーフシチューを煮込むのに使った大きな銅鍋だった。綺麗に洗われ磨き上げられているが、そこに宿るはずの『記憶』は魔術師の目には視える。
彼は懐から掌サイズの曇り一つない水晶玉を取り出した。そしてそれを銅鍋にかざし、古代語で呪文を唱え始める。
「来たれ、万物の記憶。我にその真実を示せ」
水晶玉が淡い光を放ち始めた。通常、物が持つ記憶――魔力残滓――を視る時、水晶はぼんやりとした靄のような光を映し出す。しかし今、オルドゥスの手の中にある水晶は様子が違った。
その光は靄などではない。太陽の光のように力強く、そしてどこまでも温かい黄金色の輝き。
「なっ……!?」
オルドゥスは思わず目を見開いた。
「これは……なんだ、この光は!? 極めて純度の高い聖属性の魔力残滓…!? まるで神殿に安置された聖遺物から放たれる光と同質、いや、それ以上だと!?」
彼は信じられないという顔で、何度も水晶と鍋を見比べた。ただの料理鍋がこれほどの聖なる気を放つなど、常識では考えられない。
さらに、彼は驚くべき事実に気づいた。鍋の素材である銅の分子レベルにまで染み込んでいたはずの微弱な呪いの気配が、綺麗に消え去っているのだ。
まるでこの黄金色の光が全ての不浄を洗い流してしまったかのように。
(まさか……)
オルドゥスの額に冷や汗が滲む。
彼は次にアリアが使っているというダマスカス鋼の包丁を手に取った。そして同じように水晶をかざす。
結果は同じだった。いや、鍋の時よりもさらに強い眩いほどの黄金色の光が水晶から溢れ出した。鍛冶職人たちが込めた『魂』がアリアの力に共鳴し、その聖なる性質を増幅させているかのようだった。
「馬鹿な……。こんなことがあり得るのか……」
老魔術師は、わなわなと震える手で最後の調査対象へと向かった。
月影の宮の裏庭の片隅。そこにアリアが世話をしているという小さな菜園があった。彼女はそこで故郷から持ってきたという珍しい野菜やハーブを育てている。
オルドゥスは、その菜園の土を少量採取した。そしてその土に育つ青々とした葉野菜を一枚摘み取った。
彼はまず土を分析した。結果は彼の予想通りだった。帝国の他の土地と同じように、その土壌もまた生命力を減衰させる古代の呪いに蝕まれていた。
問題は、その呪われた土で育った葉野菜の方だ。
彼は震える指で、その葉に水晶をかざした。
「……………!」
オルドゥスは言葉を失った。
水晶は今までで最も強く、最も清浄な黄金色の光を放っていた。
呪いの気配など微塵もない。それどころか、その葉の一枚一枚が生命力の塊そのものと化していた。まるでこの葉を食べればどんな病も治ってしまいそうなほどの、圧倒的な生命エネルギー。
(ありえない……! 土に宿る呪いを吸い上げ、それを自らの内で生命エネルギーへと変換している、とでもいうのか!? そんな植物など聞いたこともない!)
彼は混乱のあまり、その場に膝をつきそうになった。
しかし次の瞬間。彼は真実に思い至った。
違う。特別なのはこの植物ではない。
この植物を育てた人間。
アリア・フォン・リンドブルム。
彼女自身がこの奇跡の源なのだ。
宰相閣下の仮説は正しかった。彼女は無意識のうちに、自らの持つ聖なる力で触れるもの全ての呪いを浄化し、そこに生命力を与えている。
彼女が料理に使う食材は、調理の過程でその呪いを完全に浄化される。そして彼女の『愛情』という名の魔力が込められることで、ただの食べ物ではない、人を癒し元気にする『聖餐』へと姿を変えるのだ。
『食の聖女』。
それはもはやただの比喩ではなかった。
彼女は紛れもなく本物の『聖女』だったのだ。
翌朝。エリオットの執務室の扉が乱暴に開け放たれた。
「宰相閣下ッ!!」
血相を変えて飛び込んできたのは宮廷魔術師長オルドゥスだった。彼の賢者のような落ち着きはどこへやら、その目は興奮に見開かれ呼吸は荒くなっていた。
「見つかりましたぞ! 全て分かりました!」
彼は矢継ぎ早に昨夜の調査結果を報告した。その声は世紀の大発見をした学者のように、熱っぽく震えている。
「アリア姫様は歩く聖遺物! いや、生ける女神そのものでございます! 彼女の力は、この帝国の呪いを解き我らを救う唯一の希望にございますぞ!」
そのあまりに劇的な報告を、エリオットは腕を組み、冷静に、しかし満足げに聞いていた。
「……やはり、そうか」
彼の仮説は完璧に証明された。
その日の午後。エリオットとオルドゥスは皇帝執務室でレオンハルトに全ての調査結果を報告していた。
レオンハルトは二人の驚くべき報告を黙って聞いていた。その表情に大きな驚きはなかった。むしろ、ずっと抱いていた疑問の最後のピースがはまったかのような深い納得の色が浮かんでいた。
(やはりな……)
彼が初めてアリアのスープを飲んだ時に感じた、あの体の芯まで染み渡るような温もり。それはただのスープの温度ではなかったのだ。彼女の魂から発せられる生命力そのものの温かさだったのだ。
「……よくやってくれた、二人とも」
レオンハルトは静かに言った。
「この事実は帝国の最高機密とする。オルドゥス、君の弟子を含め調査に関わった者全ての口を、魔術契約で封じよ。エリオット、アリアの身辺警護をさらに強化しろ。いかなる脅威も彼女に近づけるな」
彼の声は絶対的な王者の響きを持っていた。
「そして」
彼は立ち上がった。その蒼い瞳には未来を見据える強い決意の光が宿っている。
「彼女の真の力を我々は正確に知る必要がある。オルドゥス、最新式の魔力測定器を大至急用意しろ。リンドブルムの旧式なガラクタでは彼女の力は測れん」
「はっ! ただちに!」
「アリア・フォン・リンドブルムの魔力再測定の儀を執り行う」
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それはアリア自身もまだ知らない、彼女の本当の運命の扉を開くための始まりの合図だった。
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