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第19話:初めての正式な治療
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帝国での最初の朝は、静寂と共に訪れた。
リリアーナは柔らかなベッドの上で目を覚まし、自分がどこにいるのかを思い出すのに数秒かかった。見慣れない高い天井。窓から差し込む穏やかな朝日。ここはグレイフィールド伯爵家の薄暗い部屋ではない。
昨夜の出来事が夢ではなかったと実感し、緊張で体がこわばる。
やがて、控えめなノックの音と共に扉が開き、一人の年配の女性が入ってきた。厳しく結ばれた口元と、背筋の伸びた立ち姿。しかし、その瞳の奥には理知的で穏やかな光が宿っていた。
「お目覚めでございますか。わたくしは、この離宮の侍女長を務めておりますマーサと申します。以後、お見知りおきを」
その声は落ち着いていて、他の侍女たちのようなあからさまな敵意は感じられなかった。リリアーナは少しだけ安堵し、ベッドから降りて深く頭を下げた。
「リリアーナと申します。お世話になります」
「堅苦しい挨拶は不要でございますよ」
マーサはそう言うと、リリアーナの顔色を窺うように見つめた。
「昨夜はよくお休みになれましたか。顔色が優れないようですが」
「い、いえ。そんなことは……」
「無理はいけません。殿下より、あなた様の健康管理もわたくしの仕事だと仰せつかっておりますので」
その言葉に、リリアー-ナは自分が完全に管理下に置かれているのだと改めて理解した。彼女はアシュレイ皇子の所有物。その健康状態は、彼の呪いを治療するための道具のメンテナンスに等しい。
朝食が運ばれてきた。温かいスープに焼きたてのパン。新鮮な果物。リリアーナがこれまで口にしてきたものとは、何もかもが違った。味気ないと思っていた食事が、こんなにも豊かな味わいを持つものなのだと初めて知った。しかし、これから始まる正式な治療への緊張が、食事の味を半分以上奪っていた。
食事が終わると、マーサは告げた。
「殿下がお待ちです。ご案内いたします」
ついに、その時が来た。リリアーナはごくりと唾を飲み込み、マーサの後に続いた。
案内されたのは、本城にあるアシュレイの私室だった。昨日訪れた皇帝の執務室ほどではないが、それでも一つの家ほどもある広大な空間。その一角にある、重厚な扉の前でマーサは足を止めた。
「ここが、殿下の寝室でございます」
侍衛が厳かに扉を開ける。リリアーナは息を止め、中へ足を踏み入れた。
寝室は、彼の性格をそのまま映し出したかのような空間だった。
広さは十分にあるが、華美な装飾は一切ない。黒檀の大きなベッドと書斎机。壁にはいくつかの武具と、帝国の地図が飾られているだけ。全てが機能的で、ストイックなまでに無駄が削ぎ落とされている。
アシュレイは、窓際に置かれた長椅子に腰掛け、書物を読んでいた。朝の光が彼の銀髪を照らし、神々しいまでの輝きを放っている。
リリアーナの入室に気づくと、彼は静かに本を閉じた。
「来たか」
その声も、青い瞳も、昨日と変わらず氷のように冷たい。
「はい、殿下」
リリアーナは部屋の中央で立ち止まり、深く礼をした。心臓が早鐘のように鳴っている。
「……始めよう」
アシュレイは静かに立ち上がると、寝室の中央にある長椅子へと移動し、腰を下ろした。そして、自分の隣の空間を無言で示す。そこに座れ、ということだろう。
リリアーナは緊張で震える足で歩み寄り、椅子の端に浅く腰掛けた。彼のすぐ隣。その存在感に圧倒され、呼吸が浅くなる。
「どうすればいい。お前のやり方でやれ」
「は、はい……。では、失礼いたします」
リリアーナは、自分の両手をぎゅっと握りしめた。これから行うことは、森で無我夢中でやったこととは違う。意識的に、慎重に、力を制御しなければならない。もしまた暴走させてしまえば、今度こそ彼を傷つけてしまう。
怖い。
指先が氷のように冷たくなっていく。
しかし、目の前のアシュレイの顔には、長年の苦痛が刻み込んだ微かな疲労の色が見えた。この人は、ずっと耐えてきたのだ。私が、その苦しみを少しでも和らげられるかもしれない。
リリアーナは決意を固め、震える手を伸ばした。
「……御手に、触れさせていただきます」
彼女の小さな手が、アシュレイの無骨で大きな手に、そっと触れた。
その瞬間、二人分の緊張が空気を震わせた。
アシュレイの手は、驚くほど冷たかった。まるで氷に触れているかのようだ。呪いが彼の体温を奪っているのだろうか。リリアーナは、その冷たさに胸が痛んだ。
リリアーナは目を閉じ、意識を集中させる。
自分の体の奥深くにある、力の源泉を探る。それは温かく、巨大な光の塊だった。今までは、ただそこにあるだけの、制御不能なエネルギー。しかし、今は違う。
(お願い……。今度こそ、人を癒やす力になって)
心の中で強く念じる。
彼女の手のひらから、淡く、温かい光が生まれ始めた。森で放った暴力的な銀色の光とは違う。朝陽のような、穏やかな金色の光だった。
その光が、アシュレイの手にゆっくりと流れ込んでいく。
アシュレイの体が、ぴくりと微かに動いた。長年感じてきた、体の芯を苛む冷たい痛みが、温かい何かに包まれ、和らいでいく。それは初めての感覚だった。呪いの激痛が引いていく代わりに、忘れていた穏やかな温もりが、血脈に沿ってゆっくりと広がっていく。
彼は驚きに目を見開いたが、声は出さなかった。ただ、自分の身に起きている信じがたい変化を、静かに受け止めていた。
リリアーナは、彼の体の中にある呪いの存在を、肌を通して感じていた。それは冷たく、どす黒い、邪悪なエネルギーの塊だ。彼女の聖なる力は、その呪いに直接働きかけ、その力を中和していく。
森での治療は、ただ力任せに魔瘴を吹き飛ばしただけだった。しかし、今は違う。汚れた水を、清らかな水で少しずつ希釈していくように、丁寧で繊細な作業だった。
時間も忘れるほど集中していた。
やがて、リリアーナの額に汗が滲み、呼吸が荒くなってくる。自分の生命力が、穏やかに、しかし確実に吸い取られていくのを感じる。
そろそろ限界だ。
彼女は名残惜しむように、ゆっくりと力の供給を止めた。金色の光が、すうっと消えていく。
リリアーナがそっと手を離すと、そこにはまだ温もりの残滓があった。
「……はぁ……っ」
疲労で、肩が大きく上下する。頭がくらりとした。
「……今日は、ここまでです」
か細い声でそう告げると、アシュレイは何も言わずに自分の手を見つめていた。その表情は相変わらず無表情だったが、氷のようだった瞳の奥に、確かな動揺の色が揺らめいていた。
やがて彼は、ゆっくりと顔を上げた。
そして、リリアーナの青白い顔と、疲労の滲む瞳を見つめた。
「……下がれ。マーサに言って、今日は一日休め」
それは労りの言葉ではなかったかもしれない。道具を、次の使用のために休ませるというだけの意味だったのかもしれない。
それでも、リリアーナには十分だった。
「はい……。失礼いたします」
彼女はふらつく足で立ち上がり、深く一礼して部屋を出た。
扉が閉まる直前、リリアーナは見た。
長椅子に座ったままのアシュレイが、まだ自分の手のひらを見つめているのを。
その姿が、なぜか彼女の心に強く焼き付いた。
自分の力が、初めて人を救うための正しい力として使えた。
その事実が、リリアーナの心に小さな、しかし確かな灯火をともした。
この冷たい城で生きていく、初めての希望の光だった。
リリアーナは柔らかなベッドの上で目を覚まし、自分がどこにいるのかを思い出すのに数秒かかった。見慣れない高い天井。窓から差し込む穏やかな朝日。ここはグレイフィールド伯爵家の薄暗い部屋ではない。
昨夜の出来事が夢ではなかったと実感し、緊張で体がこわばる。
やがて、控えめなノックの音と共に扉が開き、一人の年配の女性が入ってきた。厳しく結ばれた口元と、背筋の伸びた立ち姿。しかし、その瞳の奥には理知的で穏やかな光が宿っていた。
「お目覚めでございますか。わたくしは、この離宮の侍女長を務めておりますマーサと申します。以後、お見知りおきを」
その声は落ち着いていて、他の侍女たちのようなあからさまな敵意は感じられなかった。リリアーナは少しだけ安堵し、ベッドから降りて深く頭を下げた。
「リリアーナと申します。お世話になります」
「堅苦しい挨拶は不要でございますよ」
マーサはそう言うと、リリアーナの顔色を窺うように見つめた。
「昨夜はよくお休みになれましたか。顔色が優れないようですが」
「い、いえ。そんなことは……」
「無理はいけません。殿下より、あなた様の健康管理もわたくしの仕事だと仰せつかっておりますので」
その言葉に、リリアー-ナは自分が完全に管理下に置かれているのだと改めて理解した。彼女はアシュレイ皇子の所有物。その健康状態は、彼の呪いを治療するための道具のメンテナンスに等しい。
朝食が運ばれてきた。温かいスープに焼きたてのパン。新鮮な果物。リリアーナがこれまで口にしてきたものとは、何もかもが違った。味気ないと思っていた食事が、こんなにも豊かな味わいを持つものなのだと初めて知った。しかし、これから始まる正式な治療への緊張が、食事の味を半分以上奪っていた。
食事が終わると、マーサは告げた。
「殿下がお待ちです。ご案内いたします」
ついに、その時が来た。リリアーナはごくりと唾を飲み込み、マーサの後に続いた。
案内されたのは、本城にあるアシュレイの私室だった。昨日訪れた皇帝の執務室ほどではないが、それでも一つの家ほどもある広大な空間。その一角にある、重厚な扉の前でマーサは足を止めた。
「ここが、殿下の寝室でございます」
侍衛が厳かに扉を開ける。リリアーナは息を止め、中へ足を踏み入れた。
寝室は、彼の性格をそのまま映し出したかのような空間だった。
広さは十分にあるが、華美な装飾は一切ない。黒檀の大きなベッドと書斎机。壁にはいくつかの武具と、帝国の地図が飾られているだけ。全てが機能的で、ストイックなまでに無駄が削ぎ落とされている。
アシュレイは、窓際に置かれた長椅子に腰掛け、書物を読んでいた。朝の光が彼の銀髪を照らし、神々しいまでの輝きを放っている。
リリアーナの入室に気づくと、彼は静かに本を閉じた。
「来たか」
その声も、青い瞳も、昨日と変わらず氷のように冷たい。
「はい、殿下」
リリアーナは部屋の中央で立ち止まり、深く礼をした。心臓が早鐘のように鳴っている。
「……始めよう」
アシュレイは静かに立ち上がると、寝室の中央にある長椅子へと移動し、腰を下ろした。そして、自分の隣の空間を無言で示す。そこに座れ、ということだろう。
リリアーナは緊張で震える足で歩み寄り、椅子の端に浅く腰掛けた。彼のすぐ隣。その存在感に圧倒され、呼吸が浅くなる。
「どうすればいい。お前のやり方でやれ」
「は、はい……。では、失礼いたします」
リリアーナは、自分の両手をぎゅっと握りしめた。これから行うことは、森で無我夢中でやったこととは違う。意識的に、慎重に、力を制御しなければならない。もしまた暴走させてしまえば、今度こそ彼を傷つけてしまう。
怖い。
指先が氷のように冷たくなっていく。
しかし、目の前のアシュレイの顔には、長年の苦痛が刻み込んだ微かな疲労の色が見えた。この人は、ずっと耐えてきたのだ。私が、その苦しみを少しでも和らげられるかもしれない。
リリアーナは決意を固め、震える手を伸ばした。
「……御手に、触れさせていただきます」
彼女の小さな手が、アシュレイの無骨で大きな手に、そっと触れた。
その瞬間、二人分の緊張が空気を震わせた。
アシュレイの手は、驚くほど冷たかった。まるで氷に触れているかのようだ。呪いが彼の体温を奪っているのだろうか。リリアーナは、その冷たさに胸が痛んだ。
リリアーナは目を閉じ、意識を集中させる。
自分の体の奥深くにある、力の源泉を探る。それは温かく、巨大な光の塊だった。今までは、ただそこにあるだけの、制御不能なエネルギー。しかし、今は違う。
(お願い……。今度こそ、人を癒やす力になって)
心の中で強く念じる。
彼女の手のひらから、淡く、温かい光が生まれ始めた。森で放った暴力的な銀色の光とは違う。朝陽のような、穏やかな金色の光だった。
その光が、アシュレイの手にゆっくりと流れ込んでいく。
アシュレイの体が、ぴくりと微かに動いた。長年感じてきた、体の芯を苛む冷たい痛みが、温かい何かに包まれ、和らいでいく。それは初めての感覚だった。呪いの激痛が引いていく代わりに、忘れていた穏やかな温もりが、血脈に沿ってゆっくりと広がっていく。
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リリアーナは、彼の体の中にある呪いの存在を、肌を通して感じていた。それは冷たく、どす黒い、邪悪なエネルギーの塊だ。彼女の聖なる力は、その呪いに直接働きかけ、その力を中和していく。
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やがて彼は、ゆっくりと顔を上げた。
そして、リリアーナの青白い顔と、疲労の滲む瞳を見つめた。
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それでも、リリアーナには十分だった。
「はい……。失礼いたします」
彼女はふらつく足で立ち上がり、深く一礼して部屋を出た。
扉が閉まる直前、リリアーナは見た。
長椅子に座ったままのアシュレイが、まだ自分の手のひらを見つめているのを。
その姿が、なぜか彼女の心に強く焼き付いた。
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