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第72話:誓いの口づけ
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アシュレイの腕の中で、リリアーナは幸せに身を委ねていた。
遠くで聞こえる夜会の喧騒も、頭上で輝く星々の光も、もはや二人の世界には届かない。そこにはただ互いの存在だけがあった。
「リリアーナ」
アシュレイが再び彼女の名を呼んだ。そして、そっとその体を離すと、リリアーナの顔を両手で優しく包み込んだ。
彼の親指が彼女の頬を伝う涙を、慈しむように拭う。
「……もう、泣くな」
その声は命令ではなく、甘く優しい響きを持っていた。
「これからは、お前を笑顔にするためだけに俺は生きる」
その言葉に、リリアーナはさらに涙が溢れそうになるのを必死で堪えた。そして、涙に濡れた瞳で彼を真っ直ぐに見つめ返した。
アシュレイの青い瞳は、今や穏やかな愛の色に満ちていた。その瞳の中に映る自分の顔が、今まで見たこともないほど幸せそうに微笑んでいる。
アシュレイはゆっくりと、そしてどこか神聖な儀式を執り行うかのように、その顔を近づけてきた。
リリアーナは、その意味を悟りそっと瞼を閉じた。
心臓が期待と、初めての経験への緊張で張り裂けそうなくらいに高鳴る。
そして、彼女の唇に柔らかく、そして少しだけ冷たい感触が触れた。
アシュレイの唇。
それは触れるだけの、羽根のように優しい口づけだった。
しかし、その一瞬に、彼の十七年間の孤独と彼女の十八年間の苦悩、そして二人が出会ってから育んできた全ての想いが凝縮されているかのようだった。
唇が離れると、アシュレイは彼女の額に自分の額をこつんと合わせた。
「……これが、俺の誓いだ」
彼は囁くように言った。
「お前を生涯愛し続ける。何があろうとお前を守り抜く。この命に代えても」
その揺るぎない誓いの言葉に、リリアーナは再び目を開けた。
至近距離で見つめ合う、青い瞳とヘーゼル色の瞳。
その瞳の中に、互いの未来がはっきりと映っていた。
今度はリリアーナの方からだった。
彼女は少しだけ背伸びをすると、アシュレイの唇に自らの唇を重ねた。
先ほどの彼とは違う、自分の想いを全て伝えるための深く、そして熱のこもった口づけ。
驚きにアシュレイの肩が微かに揺れた。しかし、彼はすぐにその意図を理解し、彼女の想いを全て受け止めるかのように優しく、そして深く応えた。
それはただの口づけではなかった。
二人の魂が完全に一つに溶け合うための、神聖な誓いの儀式。
互いの過去の痛みを癒やし、未来を共に歩むことを誓い合う魂の契約。
長い、長い口づけが終わった時、二人の間にはもはや何の隔たりも残っていなかった。
言葉にしなくても互いの全てを理解し合える、絶対的な絆。
「アシュレイ様」
リリアーナが少し掠れた声で彼の名を呼んだ。
「リリアーナ」
彼もまた愛おしそうに彼女の名を呼ぶ。
二人は再びどちらからともなく笑みを浮かべた。
それは今まで見せたどんな笑顔とも違う、心の底からの幸福に満ち溢れた恋人たちの笑顔だった。
バルコニーの外では帝都の灯りが変わらずきらめいている。
その無数の光の一つ一つが、まるで二人の輝かしい未来を祝福する無数の証人のように見えた。
氷の皇子と灰色の令嬢の物語は、ここで一つの結びつきを得た。
しかし、それは終わりではない。
これから始まる、壮大で愛に満ちた伝説の、ほんの序章に過ぎなかった。
遠くで聞こえる夜会の喧騒も、頭上で輝く星々の光も、もはや二人の世界には届かない。そこにはただ互いの存在だけがあった。
「リリアーナ」
アシュレイが再び彼女の名を呼んだ。そして、そっとその体を離すと、リリアーナの顔を両手で優しく包み込んだ。
彼の親指が彼女の頬を伝う涙を、慈しむように拭う。
「……もう、泣くな」
その声は命令ではなく、甘く優しい響きを持っていた。
「これからは、お前を笑顔にするためだけに俺は生きる」
その言葉に、リリアーナはさらに涙が溢れそうになるのを必死で堪えた。そして、涙に濡れた瞳で彼を真っ直ぐに見つめ返した。
アシュレイの青い瞳は、今や穏やかな愛の色に満ちていた。その瞳の中に映る自分の顔が、今まで見たこともないほど幸せそうに微笑んでいる。
アシュレイはゆっくりと、そしてどこか神聖な儀式を執り行うかのように、その顔を近づけてきた。
リリアーナは、その意味を悟りそっと瞼を閉じた。
心臓が期待と、初めての経験への緊張で張り裂けそうなくらいに高鳴る。
そして、彼女の唇に柔らかく、そして少しだけ冷たい感触が触れた。
アシュレイの唇。
それは触れるだけの、羽根のように優しい口づけだった。
しかし、その一瞬に、彼の十七年間の孤独と彼女の十八年間の苦悩、そして二人が出会ってから育んできた全ての想いが凝縮されているかのようだった。
唇が離れると、アシュレイは彼女の額に自分の額をこつんと合わせた。
「……これが、俺の誓いだ」
彼は囁くように言った。
「お前を生涯愛し続ける。何があろうとお前を守り抜く。この命に代えても」
その揺るぎない誓いの言葉に、リリアーナは再び目を開けた。
至近距離で見つめ合う、青い瞳とヘーゼル色の瞳。
その瞳の中に、互いの未来がはっきりと映っていた。
今度はリリアーナの方からだった。
彼女は少しだけ背伸びをすると、アシュレイの唇に自らの唇を重ねた。
先ほどの彼とは違う、自分の想いを全て伝えるための深く、そして熱のこもった口づけ。
驚きにアシュレイの肩が微かに揺れた。しかし、彼はすぐにその意図を理解し、彼女の想いを全て受け止めるかのように優しく、そして深く応えた。
それはただの口づけではなかった。
二人の魂が完全に一つに溶け合うための、神聖な誓いの儀式。
互いの過去の痛みを癒やし、未来を共に歩むことを誓い合う魂の契約。
長い、長い口づけが終わった時、二人の間にはもはや何の隔たりも残っていなかった。
言葉にしなくても互いの全てを理解し合える、絶対的な絆。
「アシュレイ様」
リリアーナが少し掠れた声で彼の名を呼んだ。
「リリアーナ」
彼もまた愛おしそうに彼女の名を呼ぶ。
二人は再びどちらからともなく笑みを浮かべた。
それは今まで見せたどんな笑顔とも違う、心の底からの幸福に満ち溢れた恋人たちの笑顔だった。
バルコニーの外では帝都の灯りが変わらずきらめいている。
その無数の光の一つ一つが、まるで二人の輝かしい未来を祝福する無数の証人のように見えた。
氷の皇子と灰色の令嬢の物語は、ここで一つの結びつきを得た。
しかし、それは終わりではない。
これから始まる、壮大で愛に満ちた伝説の、ほんの序章に過ぎなかった。
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