ログインしたら人外でした。 ~VRMMOで最恐の魔物になる~

夏見ナイ

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第三十八話 古代の記録、深淵への導き

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古代竜の試練、その第二段階を突破したオブシディアンは、灼熱の火山地帯を後にし、次なる試練の地「深淵の祭壇」へと向かうべく、新たな旅路についていた。核(コア)に示された地図情報は、広大な海の底にある遺跡を示唆していた。そのためには、まず海へと至る必要があった。

オブシディアンは【影潜行 Lv.2】を使い、山岳地帯から続く荒野を駆け抜けていた。移動中、彼は核(コア)のリソースの一部を割き、【古代言語解読 Lv.3】スキルを用いて「アーク・メイジの日誌」の解読を進めていた。レベル3になった解読スキルは、以前とは比較にならない速度で古代文字を解析していく。

『…我が探求は、ついに「力の源泉」へと到達した。古代の錬金術師どもが追い求めた究極の生命エネルギー。しかし、それはあまりにも強大で、不安定だ。制御するには、より深淵なる知識、禁断の領域に踏み込む必要がある…』

日誌の記述は、オブシディアンが経験した古代遺跡での出来事と符合していた。アーク・メイジ(リッチ・ロードになる前の彼)もまた、力の源泉に魅了され、その力を制御しようと研究を重ねていたのだ。

『…スライム。最も原始的で、最も可能性を秘めた存在。彼らは環境に応じて無限に進化しうる。力の源泉のエネルギーを、この不定形の器を介して制御することは可能か…? 実験は困難を極める…』

やはり、あの遺跡とスライムには深い関係があった。アーク・メイジは、スライムの持つ変異・進化能力に注目していたようだ。オブシディアンがスライムとしてあの遺跡に引き寄せられたのは、単なる偶然ではなかったのかもしれない。

『…「深淵」。世界の根源に存在する、混沌にして原初の力。力の源泉すら、その力の表層に過ぎぬのかもしれん。古の記録によれば、深淵に通じる「祭壇」が、遥か海の底に存在する…と。そこに眠る知識を得れば、あるいは…』

日誌は、彼がリッチ化という禁断の道を選んだ理由の一端と、第三の試練の地「深淵の祭壇」に関する重要な手がかりを示していた。そこは、世界の根源に関わる場所なのかもしれない。

(深淵…俺がアビス・スライムになったことと、何か関係があるのか…?)

オブシディアンは、自身の核(コア)が深淵の核と融合したことを思い出す。この進化は、もしかしたら、自分が世界の秘密に近づくための必然だったのかもしれない。

日誌の解読を進めながら移動を続け、やがてオブシディアンの前方に、広大な海が見えてきた。潮の香りと、波の音が耳(のような感覚器官)に届く。火山地帯や山岳地帯とは全く異なる、生命の気配に満ちた穏やかな風景だ。

オブシディアンは海岸線に到達し、まずはこの新たな環境に適応することにした。砂浜には、巨大なハサミを持つカニ型モンスター『ジャイアント・クラブ Lv.15』や、鋭い嘴を持つ海鳥『シー・グリフォン Lv.14』(グリフォンの亜種か?)などが生息していた。

ジャイアント・クラブの硬い甲殻は【爪撃 Lv.2】でも貫通が難しかったが、オブシディアンは【物質生成(初級)】で黒曜石のハンマーのようなものを生成し、甲殻を叩き割って内部の柔らかい部分を【捕食吸収 Lv.3】した。

『ジャイアント・クラブ Lv.15を捕食しました』
『経験値を300獲得しました』
『スキル【硬い甲殻 Lv.1】を獲得しました』(【竜鱗 Lv.2】と統合し、【金剛鱗 Lv.1】に進化)
『素材「巨大なカニの甲羅」「上質なカニ肉」を獲得しました』

【竜鱗】がさらに進化し、【金剛鱗 Lv.1】となった! これにより、物理・魔法双方への防御力がさらに向上し、まさに鉄壁の防御を手に入れたと言えるだろう。

シー・グリフォンは飛行能力と素早い動きで翻弄してきたが、オブシディアンは【影潜行】で砂浜の影に潜み、【風操作(小)】で相手の飛行を妨害。【糸生成 Lv.2】で動きを封じ、【鎌鼬】と【爪撃】で仕留めて捕食した。

海辺での狩りを続けるうちに、オブシディアンは浅瀬へと足を踏み入れた。【水中活動(微)】スキルのおかげで、水中での移動も可能だ。そこには、半人半魚の姿をした『マーマン・ウォリアー Lv.15』や、巨大なタコのような触手を持つ『クラーケン・スポーン Lv.16』などが待ち構えていた。

マーマン・ウォリアーは槍を使った水中での三次元的な攻撃が厄介だったが、オブシディアンは【影潜行】を応用し、水中の影(岩陰や海藻の影)に潜んで奇襲を仕掛けた。【腐食溶解液】で相手の鱗を溶かし、【捕食吸収】でエネルギーを奪う。

クラーケン・スポーンは、多数の触手による捕縛攻撃と、墨を吐いて視界を奪う攻撃を使ってきた。オブシディアンは【粘液噴射】で対抗しつつ、【蟲の共鳴】(水中の微細な振動を感知)で墨の中でも相手の位置を把握。【酸液生成】で触手を切断し、本体の弱点である頭部(のような部分)を直接【捕食吸収】した。

『マーマン・ウォリアー Lv.15を捕食しました』
『経験値を320獲得しました』
『スキル【水中機動(小) Lv.1】を獲得しました』(【水中活動(微)】より進化)
『スキル【トライデントマスタリー(初級)】を…獲得に失敗しました』
『素材「マーマンの鱗」「三叉槍の穂先」を獲得しました』

『クラーケン・スポーン Lv.16を捕食しました』
『経験値を400獲得しました』
『スキル【墨噴射 Lv.1】を獲得しました』
『スキル【擬態(環境) Lv.1】を獲得しました』 (【影潜行】の一部機能と統合し、【万象擬態 Lv.1】に進化)
『素材「クラーケンの墨袋」「伸縮性の触手」を獲得しました』

【水中機動(小)】への進化により、水中での動きがさらにスムーズになった。そして、特筆すべきは【擬態(環境)】の獲得と、それによる【影潜行】の進化だ。【万象擬態 Lv.1】。これは、影だけでなく、岩、水、植物、さらには捕食したモンスターなど、あらゆる環境や存在に、より高度に擬態できる能力を示唆している。オブシディアンの潜伏・奇襲能力は、まさに万能へと近づきつつあった。

(スキル統合…捕食対象のスキルと既存スキルが共鳴し、進化・統合されるケースもあるのか)

これは大きな発見だ。単に核(コア)で念じるだけでなく、捕食という行為自体が、スキル統合のトリガーとなりうる。ならば、特定の能力を持つモンスターを狙って捕食することで、望む方向性のオリジナルスキルを獲得できる可能性もある。

オブシディアンが海岸線での狩りとスキル進化に手応えを感じている頃、【蟲の共鳴】が、少し離れた場所にある寂れた港町の方向から、複数のプレイヤーの会話を捉えていた。

「…ったく、またスカル・ブレイドがやられたってよ。今度は火山でだってさ」
「マジかよ…相手は、やっぱ例の黒いスライムか?」
「だろうな。もう、あいつに関わるのは自殺行為だぜ。懸賞金がいくら高くても、割に合わん」
「大手ギルドも監視するだけで手を出さないらしいしな…」
「次のターゲットはどこなんだろな、あいつ…まさか、海に来たりしてな?」
「やめろよ、縁起でもない…」

(やはり、噂は広まっているか…監視も強化されている、と)

オブシディアンは、プレイヤー社会との距離を改めて意識する。彼らにとって、自分は理解不能な脅威でしかないのだろう。馴れ合うつもりはないが、無用な衝突は避けたい。より慎重な行動が必要だ。

オブシディアンは、盗み聞きした会話の中に、「深淵の祭壇」に関する直接的な情報はなかったものの、「最近、近海の潮流がおかしくなっている」「海の底から奇妙な音が聞こえることがある」といった、気になる噂が含まれていることに気づいた。これらは、第三の試練の地が近いことを示唆しているのかもしれない。

(情報は得た。力も蓄えた。そろそろ、深海へと潜る時か)

オブシディアンは、蒼く広がる大海原を見据えた。その海の底に眠る「深淵の祭壇」。そこで待ち受ける第三の試練「古き血の誓い」とは何か。そして、古代竜の叡智とは。

黒曜石の影は、波打ち際から静かに海の中へと滑り込んでいく。【水中機動(小)】スキルを使い、魚のように滑らかに泳ぎ始める。目指すは、光の届かない、暗く冷たい海の底。アビス・スライムとしての本能が、その深淵へと彼を導いているかのようだった。

名前: オブシディアン
種族: アビス・スライム
称号: 影に潜む者 (効果向上), 墓守殺し, 深淵を宿す者, 竜殺し, 風を征す者, 炎心を識る者, ヒュドラ・ベイン
所属: 未定義

【能力値】
体力: 31
魔力容量: 42
物理攻撃力: 9
物理防御力: 18
魔法攻撃力: 14
魔法防御力: 25
素早さ: 20

【スキル】
・捕食吸収 Lv.3
・万象擬態 Lv.1 (影潜行Lv.2 + 擬態(環境)Lv.1 より統合進化)
・微光 Lv.1
・闇視 Lv.1
・噛みつき耐性(微) Lv.1
・跳躍 Lv.1
・嗅覚強化 Lv.1
・糸生成 Lv.2
・毒耐性(大) Lv.1
・金剛鱗 Lv.1 (竜鱗Lv.2 + 硬い甲殻Lv.1 より統合進化)
・爪撃 Lv.2
・腐食溶解液 Lv.1
・物理耐性(小) Lv.1
・物質生成(初級) Lv.1
・アンデッド耐性(微) Lv.1
・死霊魔術(初級) Lv.1
・精神耐性(中) Lv.1
・ブレス耐性(大) Lv.1
・怨念耐性(小) Lv.1
・深淵の核 Lv.1
・統率力(微) Lv.1
・水中機動(小) Lv.1 (水中活動(微)より進化)
・粘液噴射 Lv.1
・麻痺耐性(小) Lv.1
・壁面歩行(小) Lv.1
・鎌鼬 Lv.1
・蟲の共鳴 Lv.1
・威圧 Lv.1
・猛禽の目 Lv.1
・古代言語解読(初級) Lv.1 -> Lv.3
・魅了耐性(微) Lv.1
・突風耐性(小) Lv.1
・風操作(小) Lv.1
・火炎耐性(極) Lv.1
・熱源感知 Lv.1
・エレメンタル知識(風) Lv.1
・エレメンタル知識(炎) Lv.1 -> Lv.2
・自己再生(小) Lv.1
・火炎ブレス Lv.1
・墨噴射 Lv.1
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