古都の嘘つき婚約~命を削る没落令嬢と没落策士の明治京都再生録~

私たちは死ぬ気で恋をした!!
「持たざる者たち」が愛の力で逆転する!
「失われる文化か、進む文明か」
「選ぶのは愛か、繁栄か」

かつて平安京の葬送地「鳥辺野(とりべの)」の入口に位置し、現世と冥界の境界「六道の辻」と恐れられた六道珍皇寺。 ここには、平安初期の官僚・小野篁(おののたかむら)が、昼は朝廷の官僚として仕えながら、夜は境内の井戸を通って冥土へ降り、閻魔大王の補佐をしていたという奇怪な伝説が残されている。
本作は、この「冥土通いの井戸」と「閻魔庁の役人」という伝説を継承した、明治の若者たちの物語である――。

明治16年。かつての王城・京都は、東京遷都と急激な欧化政策の波に飲まれ、誇りを失った廃墟と化しつつあった。 エリート校である平安院学舎に通う京極朔夜(きょうごく さくや)と久我山六花(くがやま りっか)は、由緒ある家柄ながら没落し、教室の片隅で息を潜める幼馴染同士。金も地位もない二人は、エリートたちから「空気」のように扱われていた。

 ある夜、二人は「六道の辻」にある古井戸を通じ、冥界へと招かれる。そこで待っていたのは、地獄の支配者・閻魔大王。 「私の代わりに、死にかけた京都を復興させよ。勝者には『一族の永遠の繁栄』を与える」

それは、どん底の二人にとって起死回生のチャンス。しかし、立ちはだかるライバルは、鉄道や疎水事業を牛耳る最強の財閥令嬢や公爵家の御曹司。金もコネもない二人が勝てる道理はない。 朔夜は、六花を戦いの場に立たせるため、閻魔の前で一世一代の大嘘をつく。

「こいつはただの幼馴染じゃねえ。……俺の婚約者だ」

 その「ハッタリ」から始まった共犯関係。二人が見出した逆転の策は、灰色の街を一万本の「桜」で埋め尽くすこと。  だが、一年という短い期限の中で桜を咲かせる方法はただ一つ。六花が隠し持つ異能『星霜(せいそう)の手のひら』――対象の時間を進める禁断の力を使うことだった。

 その力の代償が、彼女自身の「寿命」を削り取るものだとは知らずに――。

 ハッタリだけの策士と、命を燃やす薄幸の令嬢。  嘘から始まった二人の恋と、古都の命運を懸けた一年間の戦いが、今、幕を開ける。

「再生」と「復興」 
「効率・文明」対「情緒・伝統」
◆一族を永遠に繁栄させるという閻魔大王からの報酬とは?
◆なぜ立花に特殊能力が備わっているのか?
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