男女に友情は無いと私は思うけど、どう思う？

ノスタルジアでの食事〜前半〜

「クリスさんと蓮さんはどこで知り合ったんですかー？」
「ここだよ」
「クリスは、どうして日本に？」
「日本のアニメやマンガが好きでね。コスプレ服を買いに中野ブロードウェイに行く途中にここを知ったんだよ。そしたら、ジュークが歌っててね。嫉妬したよ」


蓮は、プロからも羨ましく思われるんだなぁ。


「こんなにうまいのに、プロじゃないなんて、みんなも分かるでしょ、ジューク目当てのお客さんがいる事さ」


確かに。


蓮が演奏すると一体感があるけど、今はただのＢＧＭ状態だからなー。


演奏しているのは。。。ツルツル頭だ。



あっ、前に来た時にいたやばい人だ。


「蓮？今、演奏してる人って、お客さんだよね？」
「ん？ボウさんは、常連客だけど、たまに演奏するよー」


蓮は、ピアノを演奏しているツルツル頭の男を見ながら答えた。


「カウンターにいる人は、たまに演奏するよ。みんな僕よりもうまいよ」


あれ？さっきよりもお客さんが増えた？


「それにさ、お客さんのリクエストに応えて演奏して、歌まで歌うとか。。。ジュークは頭おかしいよ」
「クリスに言われたくない」
「蓮さんは、すご～い！。何でも歌えるんですか？」
「覚えてるのだけね」
「それが異常なんだよ。ジュークはさ」
「クリスさん。何でも蓮さんの事ジュークって言うんですか？」


必ずある流れだなー。ジュークボックスから取ったみたいだよー。

「すご～い。あと蓮さんはどうしてリクエストを受けてるんですか？みんなやってないのに」
「もともと2人で。やってた事なんだよ。ジュークが歌って、美穂が演奏するってね」
「美穂って誰ですかー」
「あー。なんて言えばいんだろうか」


クリスさんが困惑してるって、クリスは美穂さんの事を知ってるだ。


「蓮さんの元カノですかー」
「まぁ、そんな感じかなあ。。。」


クリスさんの歯切れが悪くなったなー。。。


「蓮、歌おう。今、ツアーは諦めたけど、コラボは諦めてないんだよね」
「ボウさんが演奏したるから、後でいいでしょ。僕はかおりと話したいよ」


ストレートに話したいと言われると照れる。


こっちを見て言わないでー。


「彼女に釘つげなのは良いけど、僕の相手もしてよね」


クリスさんが、無理やり蓮を連れてピアノの方へ行った。


「えー蓮さんの元カノ気になるー。かおりは聞いてないのー？」
「うん。聞いてないよー」
「ほんとー？」


気になるなぁー。


蓮とクリスの方を見ると、マイク片手にクリスがとんでもない事を言い出した。


「素敵な夜をノスタルジアで過ごしてくれてありがとう。ちょっとこれから私と蓮のセッションをするので、ゆっくりしてるみんなには、付き合ってもらうけど良いかな？」


周りの人は、突然の出来事にざわついてる。


「それと皆さんのお代は私が持ちますよ」


この人マジか？食事代みんなの払うとか。。。


あっ、カウンターから店長が、でかいハリセン持ってクリスたちの所に行った。そのまま見ていると、店長がでかいハリセンでクリスの頭を「バチーーーン！」と叩いた。


セレブでシンガーの頭を容赦なく叩いたよ。


「マスター。僕のブラックカードは戦車も買えるよ。蓮が今日演奏する事を告知した所で、問題ないさ」


クリスはもう一度、でかいハリセンで叩かれて倒れた。


ん？蓮が演奏するって告知すると人が集まるの？