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ロキソの弟子
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翌日。
ロキソの弟子となったガッシュからマグナム弾を受け取る。
「ガッシュ、どうだい? 弾薬作りは?」
「今までの生活より充実してるって言うか、なんかやってて楽しいです」
輩だった頃とは大違い、爽やかな笑顔で答えてきた。
「そうか、それなら良かった。楽しく働けるのが一番だからな」
ガッシュの作った弾薬は寸分の狂いもなく作られている。さすが職人スキルだ。
「この一発に救われる命もあるからね。みんなの安全を支えている仕事だよ。誇りを持って働いてな」
「は、はいっ! ありがとうございます!!」
ガッシュは頭を下げたままだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俺はガッシュ。マッシュのアニキと悪い事ばかりしていたがここの統治者のエドガー様(の従者のティナさん)に完膚なきまで叩きのめされて隷属契約を結んだ。
人生終わったと思っていたけど‥‥‥違った。
これが始まりだった。
親方のロキソさんはドワーフで髭もじゃで酒臭いしすぐに殴るし‥‥‥。でもこの仕事は上手く出来るようになってきた。
今は弾薬作りばっかり、だけどさ‥‥‥。
いつか親方を超える銃職人になってやる!
‥‥‥と思えるようになった。
「うぉい! 新人!! 手空いてるならこっち来い!」
「はぁーい!」
親方に呼ばれた。エドガー様の特注品の手伝いをさせてもらえるらしい。
「3日で仕上げるぞ! お前にも勉強になるはずだ。よく見とけよ」
「はいっ!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
先日の寒造りの続きを。
「エドガー様、これでよろしいですか?」
オリザ米の表面にうっすらと白い菌糸が。
「このうっすら付いているこれが麹菌です。良かった、上手くいったようです」
こちらの世界での米麹、いやオリザ麹が出来た。
「オリザを削り磨く『精米』をします。これをしないと雑味が増えてしまうそうです。この箱に入れて精米します」
「何やら魔法陣が描いてありますね」
脱穀したオリザを精米するための魔法陣を描いてみた。精米歩合の設定も可能だ。普通に食べる米なら90%、普通酒なら70%くらい、吟醸酒は60%以上、大吟醸酒は50%以上だ。
まずは普通酒を作ってみよう。
「この精米箱に脱穀したオリザを入れます」
ざーーっ‥‥‥!
「それでこの魔法陣に触れて魔力を流せば‥‥‥」
ガガガガ‥‥‥!!
バチバチバチバチ‥‥‥!
オリザ同士がぶつかり合って糠部分が取れていく。糠は別のケースに出てくる。
「ずいぶん綺麗な白色になりましたね。粒の形も丸くなって」
ブルーさんの目はキラキラしていた。
「そしたらこのオリザを洗って水に浸しますよ」
「どれくらい洗うのですか?」
「150回です」
「‥‥‥え?」
青褪めるブルーさん。
昔の酒造りは『七五三』と言う過酷な洗米作業が実際にあったらしい。
「150回です、本来ならば‥‥‥ですが。さすがに大変過ぎるのでこれも魔道具を作りましたので使いましょう」
ほっとするブルーさん。
この時期の冷たい水で150回も米を洗うとか昔の日本人には頭が下がりますわ。
洗米の魔道具は複数のスクリュー水流を生み出し、複雑な水流になった甕の中でオリザを洗い上げる。
「洗ったオリザに今度はゆっくり水を吸わせます。この工程は『浸漬』と言います」
「なるほど‥‥‥」
「この辺の時間はオリザの品質、精米歩合や気温、湿度などによっても違うそうです。ブルーさんは今後この辺をいろいろ試してみてください」
「ふむ‥‥‥これは10分くらいでしょうか?」
さすが『醸造』のスキル持ちだ。やった事ないはずの作業なのになんとなくわかるのだろう。
「おそらくそれくらいでしょう。そうしてみましょう」
10分後に水から引き上げ布に包んで一晩寝かせる。オリザの水分を均一化するのが目的らしい。
続きは明日だな。
ロキソの弟子となったガッシュからマグナム弾を受け取る。
「ガッシュ、どうだい? 弾薬作りは?」
「今までの生活より充実してるって言うか、なんかやってて楽しいです」
輩だった頃とは大違い、爽やかな笑顔で答えてきた。
「そうか、それなら良かった。楽しく働けるのが一番だからな」
ガッシュの作った弾薬は寸分の狂いもなく作られている。さすが職人スキルだ。
「この一発に救われる命もあるからね。みんなの安全を支えている仕事だよ。誇りを持って働いてな」
「は、はいっ! ありがとうございます!!」
ガッシュは頭を下げたままだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俺はガッシュ。マッシュのアニキと悪い事ばかりしていたがここの統治者のエドガー様(の従者のティナさん)に完膚なきまで叩きのめされて隷属契約を結んだ。
人生終わったと思っていたけど‥‥‥違った。
これが始まりだった。
親方のロキソさんはドワーフで髭もじゃで酒臭いしすぐに殴るし‥‥‥。でもこの仕事は上手く出来るようになってきた。
今は弾薬作りばっかり、だけどさ‥‥‥。
いつか親方を超える銃職人になってやる!
‥‥‥と思えるようになった。
「うぉい! 新人!! 手空いてるならこっち来い!」
「はぁーい!」
親方に呼ばれた。エドガー様の特注品の手伝いをさせてもらえるらしい。
「3日で仕上げるぞ! お前にも勉強になるはずだ。よく見とけよ」
「はいっ!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
先日の寒造りの続きを。
「エドガー様、これでよろしいですか?」
オリザ米の表面にうっすらと白い菌糸が。
「このうっすら付いているこれが麹菌です。良かった、上手くいったようです」
こちらの世界での米麹、いやオリザ麹が出来た。
「オリザを削り磨く『精米』をします。これをしないと雑味が増えてしまうそうです。この箱に入れて精米します」
「何やら魔法陣が描いてありますね」
脱穀したオリザを精米するための魔法陣を描いてみた。精米歩合の設定も可能だ。普通に食べる米なら90%、普通酒なら70%くらい、吟醸酒は60%以上、大吟醸酒は50%以上だ。
まずは普通酒を作ってみよう。
「この精米箱に脱穀したオリザを入れます」
ざーーっ‥‥‥!
「それでこの魔法陣に触れて魔力を流せば‥‥‥」
ガガガガ‥‥‥!!
バチバチバチバチ‥‥‥!
オリザ同士がぶつかり合って糠部分が取れていく。糠は別のケースに出てくる。
「ずいぶん綺麗な白色になりましたね。粒の形も丸くなって」
ブルーさんの目はキラキラしていた。
「そしたらこのオリザを洗って水に浸しますよ」
「どれくらい洗うのですか?」
「150回です」
「‥‥‥え?」
青褪めるブルーさん。
昔の酒造りは『七五三』と言う過酷な洗米作業が実際にあったらしい。
「150回です、本来ならば‥‥‥ですが。さすがに大変過ぎるのでこれも魔道具を作りましたので使いましょう」
ほっとするブルーさん。
この時期の冷たい水で150回も米を洗うとか昔の日本人には頭が下がりますわ。
洗米の魔道具は複数のスクリュー水流を生み出し、複雑な水流になった甕の中でオリザを洗い上げる。
「洗ったオリザに今度はゆっくり水を吸わせます。この工程は『浸漬』と言います」
「なるほど‥‥‥」
「この辺の時間はオリザの品質、精米歩合や気温、湿度などによっても違うそうです。ブルーさんは今後この辺をいろいろ試してみてください」
「ふむ‥‥‥これは10分くらいでしょうか?」
さすが『醸造』のスキル持ちだ。やった事ないはずの作業なのになんとなくわかるのだろう。
「おそらくそれくらいでしょう。そうしてみましょう」
10分後に水から引き上げ布に包んで一晩寝かせる。オリザの水分を均一化するのが目的らしい。
続きは明日だな。
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