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第二章 シルフェリアとの別れとイリスの覚悟
58話 「ヴァンパイアハンター」
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話しを進めて行くと基本的にヴァムピールは不老だと言う事が分かった。
ロテールの場合は15歳くらいまで成長したら成長が止まりそのまま不老状態に突入したそうな。
「元々の見た目は中学生の様で幼いんですよ」
「あれ?でもその姿は?」
「幻術です。いつまでも姿が変わらないと問題が有りますから」
「ああ、なるほど、色々と不都合が有りますもんね。
それでその莫大な気力はどうなってるんです」
「これは不老不死のヴァンパイアを倒す為に生まれながらに持っているダンピール特有の力です。
私は天性のヴァンパイアハンターらしくて普通のダンピールより力が強いのです。
300年鍛えていたら、こんな感じになりました。
魔力耐性が強い純粋なヴァンパイアを倒すには魔力とは違う「気力」を使い相手の内側をズタボロにするのが最適なので」
え・・・何それ?!怖い!内側がズタボロって最悪の攻撃だな!
よし!もしロテールと遭遇したら全力で逃げよう!
「そしてヴァンパイアハンターの目的は魔王バルドルを殺す事!!」
「何だってーーーーーー?!?!」
なんだってーー?!ピンポイントで儂狙いぃーーーーーー?!?!
「・・・らしいんですけど、話しを聞くとただの逆恨みで、ダンピール達が勝手に魔王バルドルに責任転換してエコーチェンバー拗らせてるだけなので無視しています。
私は魔王バルドルの事、全然知りませんですし」
そうだよね?!儂だってダンピールの事は「そう言う者達も居る」程度にしか認識しとらんモン!しかしなんで知らん者達から恨まれてるんじゃ?
そしてどうやらダンピール達の洗脳は日本人の魂を持つロテールに全然通用しなかったらしい。
むう?
儂がダンピールから恨まれる可能性があるとすれば儂が過去に人間を噛んでその者を吸血鬼化させて、その者がダンピールを生み出して、そのダンピールから恨まれるとか・・・・こんな感じなのだが?
儂が人間を吸血鬼化させたのって今の奥さんだけなんだよね。
「貴方と同じ時間を過ごしたい」なんて可愛い事を言われたモンでね。
しっかりと責任取って、もう80年以上、夫婦として一緒に居るぞ?
「だから何かやらかす前にエコチェン親父の父親とその仲間をボコって地下に封印して、この国を乗っとったのが300年前なんです」
おお!アグレッシブだな!おい!
「おお!!さすがは島津家の者!我が同胞よ!滅びよ!エコチェン共!」
この発言からもエリカがインターネットの世界でどんなキャラクターだったのか分かるな。
「そうです!エコチェン共は滅びるべきなのです!
限界集落の中で身内だけでウジウジしてても意味ないのです!」
「その通りよ!我が同胞よ!」
嫌だ!この子も怖い!そして即座に納得すんなエリカ!
しかし1人で多数のダンピールをボコるってロテールの実力は本物だ。
もし儂とロテールが戦えば多分儂の方が負けるんじゃね?
「でも父親とは暴力の前に話し合いをするべきだと思います!」
そうだ!良く言ったエリカ!エコチェンからの脱却は家族の助けが必要なのじゃ!
「・・・この国が、その父親が人間の血を得る為だけに人間を攫って飼育用に作った国でも?」
「ぶっ飛ばされて当然だね、そのクソ親父!とんでもない奴だね!
ブチ殺されなかっただけマシだよね!」
手の平クルックルのエリカだが、その意見には同意する。
「なので娘としてこの国の皆んなを幸せにする義務が有るんです」
そう軽く言うロテールだが、その300年間は苦闘の連続だったろう。
彼女から漂う仙人の気配がその苦闘を物語っている。
ここまで話しをして遂にシルフィーナが怒った!
「もう!エリカ!わたくし達にも通じる言葉でお話しして下さいまし!!
お二人のお話しの内容が全然伝わりませんわ!」
「あ・・・」
自分のキャラが崩壊・・・いや本来のキャラに戻っていた事にようやく気が付いたロテール国王。
「んんんん・・・こほん・・・大変失礼しました」
仙人モードに戻るロテール、器用だねー。
「ごめんよ、シルフィーナの姉御・・・」エリカはそのままだ。
「誰が姉御ですの?それより、お話しの内容をわたくし達にも説明して下さいな」
エリカが説明すると絶対に変な事を言い出しそうだったので、ロテールが要約してシルフィーナとロイに今までの会話の説明を始める。
この短時間にエリカの本質を見抜くとは・・・このロテールと言う女、やはり侮れぬ!
「はああ・・・そんな理由があったのですね」
当然ながらエコチェンなどの地球限定の理解不能な話しは伏せて話しの内容を説明をしたロテール。
博識なシルフィーナも自分が知らなかった事が多くて真剣に聞き入っていた。
「しかしそれ程の力が有るなら作物の病気も何とかなるのでは?」
ロイの疑問も当然なのだが気力は自らの内に秘める力なので・・・
「気力では、自然を操る事は出来ません。
気力で強化された肉体は魔法を行使するのに有益に働きますが私には魔力が有りませんから・・・」
「あ・・・そうか」
ステータスを気力に全振りされたヴァンパイア・ハンターは魔法を使えない弱点が有るのだね。
「そう言う理由も有りますのでラーデンブルク公国の提案を飲みます」
色々と思う所も有るのだろうが餓死者が出ている状態を国王として何とかしなければならないロテールはラーデンブルク公国との軍事協力を承諾する事に決めている。
こうしてグリプス王国内に密かに龍騎士隊イリスの駐屯基地が作られる事になった。
とは言え、砦とか大規模な物を作る事は無く、ちょっと休める小屋などを整備するだけなのだが。
「そう言えば、この山の木の実とかの採取とかしていないの?」
「やってはいるのですが何分にも痩せた土地なので・・・」
「うーん、鉱山地帯だもんね・・・絶対量が足りないか。
当面はラーデンブルク公国から食料支援も有るらしいから私達が空輸して来るよ」
石や砂、硫黄などの鉱物資源は豊富だが山菜などはかなり限定的な地域にしか生息しておらず数量もかなり少ないそうだ。
酪農も頑張っているが牧草の確保の問題から全国民に行き渡らせるには程遠いらしい。
「よーし、先ずは竜達がグリフォンと同じだけの風を起こせるか試験だね!」
こうしてグリプス王国の国民の命が掛かった試験が始まる。
ロテールの場合は15歳くらいまで成長したら成長が止まりそのまま不老状態に突入したそうな。
「元々の見た目は中学生の様で幼いんですよ」
「あれ?でもその姿は?」
「幻術です。いつまでも姿が変わらないと問題が有りますから」
「ああ、なるほど、色々と不都合が有りますもんね。
それでその莫大な気力はどうなってるんです」
「これは不老不死のヴァンパイアを倒す為に生まれながらに持っているダンピール特有の力です。
私は天性のヴァンパイアハンターらしくて普通のダンピールより力が強いのです。
300年鍛えていたら、こんな感じになりました。
魔力耐性が強い純粋なヴァンパイアを倒すには魔力とは違う「気力」を使い相手の内側をズタボロにするのが最適なので」
え・・・何それ?!怖い!内側がズタボロって最悪の攻撃だな!
よし!もしロテールと遭遇したら全力で逃げよう!
「そしてヴァンパイアハンターの目的は魔王バルドルを殺す事!!」
「何だってーーーーーー?!?!」
なんだってーー?!ピンポイントで儂狙いぃーーーーーー?!?!
「・・・らしいんですけど、話しを聞くとただの逆恨みで、ダンピール達が勝手に魔王バルドルに責任転換してエコーチェンバー拗らせてるだけなので無視しています。
私は魔王バルドルの事、全然知りませんですし」
そうだよね?!儂だってダンピールの事は「そう言う者達も居る」程度にしか認識しとらんモン!しかしなんで知らん者達から恨まれてるんじゃ?
そしてどうやらダンピール達の洗脳は日本人の魂を持つロテールに全然通用しなかったらしい。
むう?
儂がダンピールから恨まれる可能性があるとすれば儂が過去に人間を噛んでその者を吸血鬼化させて、その者がダンピールを生み出して、そのダンピールから恨まれるとか・・・・こんな感じなのだが?
儂が人間を吸血鬼化させたのって今の奥さんだけなんだよね。
「貴方と同じ時間を過ごしたい」なんて可愛い事を言われたモンでね。
しっかりと責任取って、もう80年以上、夫婦として一緒に居るぞ?
「だから何かやらかす前にエコチェン親父の父親とその仲間をボコって地下に封印して、この国を乗っとったのが300年前なんです」
おお!アグレッシブだな!おい!
「おお!!さすがは島津家の者!我が同胞よ!滅びよ!エコチェン共!」
この発言からもエリカがインターネットの世界でどんなキャラクターだったのか分かるな。
「そうです!エコチェン共は滅びるべきなのです!
限界集落の中で身内だけでウジウジしてても意味ないのです!」
「その通りよ!我が同胞よ!」
嫌だ!この子も怖い!そして即座に納得すんなエリカ!
しかし1人で多数のダンピールをボコるってロテールの実力は本物だ。
もし儂とロテールが戦えば多分儂の方が負けるんじゃね?
「でも父親とは暴力の前に話し合いをするべきだと思います!」
そうだ!良く言ったエリカ!エコチェンからの脱却は家族の助けが必要なのじゃ!
「・・・この国が、その父親が人間の血を得る為だけに人間を攫って飼育用に作った国でも?」
「ぶっ飛ばされて当然だね、そのクソ親父!とんでもない奴だね!
ブチ殺されなかっただけマシだよね!」
手の平クルックルのエリカだが、その意見には同意する。
「なので娘としてこの国の皆んなを幸せにする義務が有るんです」
そう軽く言うロテールだが、その300年間は苦闘の連続だったろう。
彼女から漂う仙人の気配がその苦闘を物語っている。
ここまで話しをして遂にシルフィーナが怒った!
「もう!エリカ!わたくし達にも通じる言葉でお話しして下さいまし!!
お二人のお話しの内容が全然伝わりませんわ!」
「あ・・・」
自分のキャラが崩壊・・・いや本来のキャラに戻っていた事にようやく気が付いたロテール国王。
「んんんん・・・こほん・・・大変失礼しました」
仙人モードに戻るロテール、器用だねー。
「ごめんよ、シルフィーナの姉御・・・」エリカはそのままだ。
「誰が姉御ですの?それより、お話しの内容をわたくし達にも説明して下さいな」
エリカが説明すると絶対に変な事を言い出しそうだったので、ロテールが要約してシルフィーナとロイに今までの会話の説明を始める。
この短時間にエリカの本質を見抜くとは・・・このロテールと言う女、やはり侮れぬ!
「はああ・・・そんな理由があったのですね」
当然ながらエコチェンなどの地球限定の理解不能な話しは伏せて話しの内容を説明をしたロテール。
博識なシルフィーナも自分が知らなかった事が多くて真剣に聞き入っていた。
「しかしそれ程の力が有るなら作物の病気も何とかなるのでは?」
ロイの疑問も当然なのだが気力は自らの内に秘める力なので・・・
「気力では、自然を操る事は出来ません。
気力で強化された肉体は魔法を行使するのに有益に働きますが私には魔力が有りませんから・・・」
「あ・・・そうか」
ステータスを気力に全振りされたヴァンパイア・ハンターは魔法を使えない弱点が有るのだね。
「そう言う理由も有りますのでラーデンブルク公国の提案を飲みます」
色々と思う所も有るのだろうが餓死者が出ている状態を国王として何とかしなければならないロテールはラーデンブルク公国との軍事協力を承諾する事に決めている。
こうしてグリプス王国内に密かに龍騎士隊イリスの駐屯基地が作られる事になった。
とは言え、砦とか大規模な物を作る事は無く、ちょっと休める小屋などを整備するだけなのだが。
「そう言えば、この山の木の実とかの採取とかしていないの?」
「やってはいるのですが何分にも痩せた土地なので・・・」
「うーん、鉱山地帯だもんね・・・絶対量が足りないか。
当面はラーデンブルク公国から食料支援も有るらしいから私達が空輸して来るよ」
石や砂、硫黄などの鉱物資源は豊富だが山菜などはかなり限定的な地域にしか生息しておらず数量もかなり少ないそうだ。
酪農も頑張っているが牧草の確保の問題から全国民に行き渡らせるには程遠いらしい。
「よーし、先ずは竜達がグリフォンと同じだけの風を起こせるか試験だね!」
こうしてグリプス王国の国民の命が掛かった試験が始まる。
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