皇女だからって嘗めないで貰えます?

kuroneko

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皇女様は毎日が忙しい。

皇女様はサプライズに驚く

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サミュエル様のエスコートで席に着いた途端に、
食堂の入り口から賑やかな話し声が聞こえてきた。

入り口に目をやれば、
お父様とお母様が丁度入ってきたので、
慌てて席を立ちカテーシーをして出迎える。

『皆の者、家族なのだから堅苦しい出迎えは不要だ。
 楽にしてくれ。
 突然訪問して申し訳ないが、なぜ俺やサーシャルを呼ばない?
 せっかくの、家族全員が揃う機会なのだから
 誘ってくれてもよいだろう?』

『そうですよ、日ごろは公務や仕事に追われて、
 全員が揃うことが少ないのだから
 仲間外れは寂しいわ。』

お母様がハンカチを取り出し泣きまねをする。
ソリエル様が呆れたようにため息をつき、

『この夕食が急遽決まったのだからしょうがないでしょ。
 サーシャルも泣きまねしないで頂戴。子供に悪影響よ。』

『まぁひどい、ソリエルが誘ってくれないのが悪いのに。』
『はぁそれは悪かったわ、せっかく立ち寄ったんだから、一緒に食べましょう。
料理を増やしてほしいとシェフに伝えてくれる?』

ソリエル様が従者を振り返りながら伝えれば

『伝えなくても、シェフには料理を2人分増やすように指示を出しているぞ。』

『…手回しが早くて助かりますわ。皇帝。』

『急に料理は増えないからな。事前に根回しするのは当然だ。
 それでは、席について食事を始めよう。』

私たちは、お父様やお母様の席を準備するメイドから離れ
2人を含む変更された席に移動し、席に着いた。

メイドが前菜を並べていく中、
お父様がソリエル様に目を向け


『アリアとの話は纏まったか?』

『はい、万事うまく進むよう調整しております。』

『そうか。サミュエル、無理をせず、
 ソリエルやアリアに相談しながら公務に励め。』

『かしこまりました。皇帝様。』

『…そなたや子供達の堅苦しい真面目さは
 どうにかならんのか?
 今はプライベートだぞ。
 役職などで呼ぶな。肩がこる。』

『そうは言いましても、
 子供には線引きは難しいでしょう?
 なので、基本として臣下の立場を明確にしておかないと、
 変にどこかのお馬鹿さん達に担ぎ上げられても困りますし。』

『確かにそうだが、
 プライベートでもこれだと
 アリアだけしか父と呼んで貰えんではないか。』


お母様が、クスクス笑いながら


『この人、ずっとサミュエル様から
 父親と認識されていないんじゃないかって不安なのよ。
 だから、サミュエル様
 今更呼び名を替えるのは難しいかもしれないけれど、
 徐々にでもいいから、
 お父様や父上等の呼び名で読んであげてくれないかしら?
 もちろん、サリスタ様もできればお願いしたいわ。』


そう言いながら、お母様はサミュエル様、サリスタ様に
微笑みかける。
サミュエル様は戸惑っているのか、少し考えられてから


『…皇帝がお許しいただけるなら、
 父上とお呼びしても良いでしょうか?』

『無論だ、むしろ今までがおかしいのだから。』

『ありがとうございます。
 これからは父上と呼ばせていただきます。』

『あぁ。
 ただ、謁見の間や執務室では今までどうりの名で呼ぶように。』

『分かりました。父上。』


お父様が満足そうにうなずく。
お父様にそんな悩みがあったなんて…意外だわ。
というか、そもそもこの夕食にいきなり来ることがおかしいのだけどね。
お母様もお父様の隣で頷いていたら、
ちらりとサリスタ様に目をやり、


『…サリスタ様はまだ難しいかしら??』


と声をかけるが…サリスタ様は俯いて考えていらっしゃる??


『…アリアお姉様はどのように呼ばれていますの?』

と小さい声で確認をされてきたので

『私は、お父様と呼んでいますよ。』


と微笑みながら伝える。
初めての呼び名にどのように呼んでいいのか悩まれていたのね。
可愛いわ♪


『…それでは、アリアお姉様に倣って
 お父様と呼ばせていただいてもよろしいでしょうか?』

『あぁ、皇帝以外なら好きなように呼べばいい。』

『ありがとうございます。お父様。』


…お父様、本当に嫌だったのね皇帝呼びが…
まぁ、家族や近しい人からの役職呼びは
確かに嬉しくないものですしね。
気持ちは分かりますわ。


『わたくしも、旦那様と呼び名を替えた方がよろしいですか?』


とソリエル様がからかうような笑みで提案をしてきたが、
お父様は嫌そうに顔を歪め、


『やめろ、今までどうりで構わん。』

『あら、残念。呼び名を替えた反応が面白そうでしたのに。』


あれっ??
ソリエル様ってそんなキャラでしたっけ?
真面目で完璧な淑女なイメージだったのだけれど…
と思わず、ソリエル様を見ると目が合い
コホンッと咳をして

『前菜も行き渡ったようなので、そろそろ食事に致しましょう』

と話をかえられた。
…なんだか食事の前に驚きがいっぱいで
食欲よりも好奇心が湧いてきたのだけれど??
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