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第4章
1 婚約破棄
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「婚約は認めない」
そう言ったのは、元夫のルーカス様だった。
金髪碧眼のルーカス様は二十八歳だけど、甘めフェイスでいかにも王子様。外見だけはすごくいい。
身につけているものはゴージャスで、上着には金糸と銀糸の刺繍、白を基調とした上下に青系の魔石で統一したアクセサリー。
このアクセサリーはすべて魔道具と呼ばれるもので、魔術を使う際の補助的な役割と身を守る護符としての効果を持つものが多い。
キラキラしてまぶしいくらいだけど、中身はなかなかのクズっぷりで、結婚前に浮気をし、浮気相手との間に子供を作った。
そして、今――離縁した元妻が、自分の弟と婚約したと聞いて、婚約を反対しているというわけだ。
「婚約を反対するかもって思っていましたけど、ルーカス様との夫婦関係は終わってます」
――捨てた相手の婚約を止める権利があるとでも?
結婚式当日、私は宝石箱の形をした魔道具を仕掛けられ、氷の魔術が発動し、氷の中に閉じ込められた。
その十年後、天才魔術師と名高い第二王子リアムによって、氷の中から助け出されたのである。
でも、リアムの魔術は完璧ではなかった。
彼が使った大魔術で助けられたのはサーラではなく、病気で死んだ異世界人。柴田桜衣という日本人女性だった。
すでにサーラは亡くなっており、柴田桜衣の魂をサーラの体に召喚してしまったというわけだ。
亜麻色の髪と青い目、小さめ……控えめな胸の公爵令嬢に私は転生した。
魔術に巻き込まれただけで、特別な転生ではないけれど、私はリアムに感謝している。
病気で満足に動けなかった体から、こんな健康な体を与えてくれた上に、魔法や魔術、魔道具がある面白い世界に連れてきてくれた。
たとえ魔力が無くても、私は元気で楽しい毎日を送っている。
――浮気者な元夫の力を借りなくてもね?
「私は離縁された妻ですよ?」
反応のないルーカス様に不安になり、もしかして、自分に都合の悪い事実を忘れているのかもしれないと、離縁された妻ですよとアピールした。
私に復縁の意思はノミの目玉ほどもない。
そんな私の態度を見て、隣にいたリアムも援護してくれた。
「兄上。サーラは兄上から離縁された身とはいえ、まだ十八歳で未来がある。自由に生きても許されるはずだ」
リアムはルーカス様の弟で、ヴィフレア王国の第二王子。
黒髪に青い目をした死神ではなく……死神を彷彿させる黒い軍服姿の宮廷魔術師だ。
宮廷魔術師は数年に一人しか受からない超難関の職業で、エリート中のエリート。
そのトップにいるのがリアムである。
すごい肩書きに加え、容姿のほうもルーカス様と同じく整った顔立ちをしている。
ただし、リアムは威圧感があり、王子というより魔王っぽい……というか、この世界の魔王なんじゃないかと、私は疑っている。
そんなリアムの同行者として、王宮へやってきたのには理由があった。
先日、王妃様に裏通りの市場の件で協力していただき、そのお礼にきたのだ。
そこで、会いたくなかった元夫と王宮の廊下でばったり鉢合わせしたというワケである。
ルーカス様は私を庇ったリアムに対し、冷ややかな眼差しを向けた。
「リアム。第二王子のお前が王宮のしきたりを破ってどうする」
「悪習は必要ないかと。サーラに復縁の意思はないとわかっていながら、迫るのはいがかなものかと思いますが?」
「元は夫婦。お前にはわからない関係だ」
結婚生活ゼロ日で夫婦と言われても、心の底から困惑である。
二人の会話に口を挟もうとしたけど、険悪すぎて無言のにらみ合いの中に入っていく勇気がなかった。
たとえるなら、悪魔と魔王のにらみあいである。
――ギスギスしすぎですってば!
王宮の中庭で、先ほどまでチュンチュン鳴いてた小鳥もおとなしくなった。
険悪な空気のせいで、チュンもピーも言えなくなり、後ろへ下がって飛び去っていく。
――へ、へぇ~……。鳥ってあとずさりできるんですね……
「兄上。近く王位継承を指名する式典があります。そこで、俺とサーラの婚約が発表される。もうサーラのことは諦めていただきたい」
「そっ、そうなんです! 国王陛下が私たちの婚約を認めてくださったんです!」
ルーカス様はヴィフレア王国の第一王子で、私の婚約に関して絶対的な権限を持たない。
国王陛下であれば別だけど、ルーカス様は王子なのだ。
「それで?」
――あ、あれ? どうして、ルーカス様はこんなに強気なんですか?
私とリアムはなにかおかしいと思い始めた。
でも、私たちはその理由がわからなかった。
「リアム。お前は人を好きになることがないと思っていた。自分以外は人だと認識していない気がしていた」
「そんなことは……」
「そうだろうか? 自分より劣っていると、僕を馬鹿にしていただろう?」
――リアム! ここで否定ですよ! 兄弟の間にある誤解を解消し、感動の仲直り!
長年の憎しみあいが終わる大チャンス!
私は祈るような気持ちで、胸の前で両手を組み、期待に満ちた目でリアムを見つめる。
「俺が馬鹿にしていたのは、兄上の行動であって、魔力や知識は別に……」
「僕の行動を馬鹿にしていただと!?」
「女性関係はだらしなく、金遣いも荒い。自分の期待に応えられない息子は放置で、老いた父を支えるどころか悩ませる。どこに尊敬できる余地が?」
――リアムに期待した私が馬鹿だった。
ルーカス様はきっと顔を赤くして怒鳴り散らすだろうと思っていた。
でも、違った。
目は笑っていないけど、口もとに笑みを作り、まるで自分のほうが優位だと言わんばかりに落ち着いている。
「お前が僕をそんなふうに思っていたとはね……。まあ、いい。今だけはその無礼な態度を許そう」
ルーカス様は怒りを抑え、リアムに言った。
「さっきも言った通り、お前が人に好意を持つとは思えない。サーラに好意を持っているというのなら、その証拠を見せてもらいたい」
「証拠……?」
リアムは少し首をかしげ、なにを思いついたのか、私を横目で見る。
「ああ、なるほど。そういうことか」
「リアム、なにがわかったんですか? 私はさっぱり……」
リアムの端正で美しい顔が私に近づき――ハッとした。
――こ、これって!
いわゆる口と口をくっつけるアレである。
婚約者のフリをするだけの約束だけど……まさか、こんなことまで?
でも、動じてなるか、柴田桜衣。
だって、私の中身は二十六歳!
本来なら、リアムをリードするべき大人の女性である。
――えーい、どうにでもなれ!
ドキドキしながら、ギュッと目を閉じた。
リアムの気配が迫り、緊張で胸が苦しくなった……なったって、あれ?
いつまでたっても、先に進まないことに気づき、片目を開けた。
「兄上?」
「ルーカス様?」
キスする一歩手前で、ルーカス様はリアムを手で制し、小馬鹿にするような顔で笑っていた。
「リアムがサーラに好意を持っていることは、よくわかった。本当にリアムはサーラが気に入っているんだとわかって嬉しいよ」
証拠を見せろと言ったのは自分なのに、直前で止めたのはなぜ?
期待してたわけじゃないけど、肩透かしもいいところだ。
私とリアムはルーカス様がなにを考えているかわからず、その顔を見つめた。
ルーカス様は自分に視線が集中したのを確認し、私たちに告げる。
「第二王子リアム。国王代行として命じる。サーラ・アールグレーンとの婚約は認められない。二人の婚約は破棄とする!」
――え? 国王代行?
国王と同等の権限を得たルーカス様は、私たちに勝ち誇った笑みを浮かべ、声高らかに宣言したのだった。
そう言ったのは、元夫のルーカス様だった。
金髪碧眼のルーカス様は二十八歳だけど、甘めフェイスでいかにも王子様。外見だけはすごくいい。
身につけているものはゴージャスで、上着には金糸と銀糸の刺繍、白を基調とした上下に青系の魔石で統一したアクセサリー。
このアクセサリーはすべて魔道具と呼ばれるもので、魔術を使う際の補助的な役割と身を守る護符としての効果を持つものが多い。
キラキラしてまぶしいくらいだけど、中身はなかなかのクズっぷりで、結婚前に浮気をし、浮気相手との間に子供を作った。
そして、今――離縁した元妻が、自分の弟と婚約したと聞いて、婚約を反対しているというわけだ。
「婚約を反対するかもって思っていましたけど、ルーカス様との夫婦関係は終わってます」
――捨てた相手の婚約を止める権利があるとでも?
結婚式当日、私は宝石箱の形をした魔道具を仕掛けられ、氷の魔術が発動し、氷の中に閉じ込められた。
その十年後、天才魔術師と名高い第二王子リアムによって、氷の中から助け出されたのである。
でも、リアムの魔術は完璧ではなかった。
彼が使った大魔術で助けられたのはサーラではなく、病気で死んだ異世界人。柴田桜衣という日本人女性だった。
すでにサーラは亡くなっており、柴田桜衣の魂をサーラの体に召喚してしまったというわけだ。
亜麻色の髪と青い目、小さめ……控えめな胸の公爵令嬢に私は転生した。
魔術に巻き込まれただけで、特別な転生ではないけれど、私はリアムに感謝している。
病気で満足に動けなかった体から、こんな健康な体を与えてくれた上に、魔法や魔術、魔道具がある面白い世界に連れてきてくれた。
たとえ魔力が無くても、私は元気で楽しい毎日を送っている。
――浮気者な元夫の力を借りなくてもね?
「私は離縁された妻ですよ?」
反応のないルーカス様に不安になり、もしかして、自分に都合の悪い事実を忘れているのかもしれないと、離縁された妻ですよとアピールした。
私に復縁の意思はノミの目玉ほどもない。
そんな私の態度を見て、隣にいたリアムも援護してくれた。
「兄上。サーラは兄上から離縁された身とはいえ、まだ十八歳で未来がある。自由に生きても許されるはずだ」
リアムはルーカス様の弟で、ヴィフレア王国の第二王子。
黒髪に青い目をした死神ではなく……死神を彷彿させる黒い軍服姿の宮廷魔術師だ。
宮廷魔術師は数年に一人しか受からない超難関の職業で、エリート中のエリート。
そのトップにいるのがリアムである。
すごい肩書きに加え、容姿のほうもルーカス様と同じく整った顔立ちをしている。
ただし、リアムは威圧感があり、王子というより魔王っぽい……というか、この世界の魔王なんじゃないかと、私は疑っている。
そんなリアムの同行者として、王宮へやってきたのには理由があった。
先日、王妃様に裏通りの市場の件で協力していただき、そのお礼にきたのだ。
そこで、会いたくなかった元夫と王宮の廊下でばったり鉢合わせしたというワケである。
ルーカス様は私を庇ったリアムに対し、冷ややかな眼差しを向けた。
「リアム。第二王子のお前が王宮のしきたりを破ってどうする」
「悪習は必要ないかと。サーラに復縁の意思はないとわかっていながら、迫るのはいがかなものかと思いますが?」
「元は夫婦。お前にはわからない関係だ」
結婚生活ゼロ日で夫婦と言われても、心の底から困惑である。
二人の会話に口を挟もうとしたけど、険悪すぎて無言のにらみ合いの中に入っていく勇気がなかった。
たとえるなら、悪魔と魔王のにらみあいである。
――ギスギスしすぎですってば!
王宮の中庭で、先ほどまでチュンチュン鳴いてた小鳥もおとなしくなった。
険悪な空気のせいで、チュンもピーも言えなくなり、後ろへ下がって飛び去っていく。
――へ、へぇ~……。鳥ってあとずさりできるんですね……
「兄上。近く王位継承を指名する式典があります。そこで、俺とサーラの婚約が発表される。もうサーラのことは諦めていただきたい」
「そっ、そうなんです! 国王陛下が私たちの婚約を認めてくださったんです!」
ルーカス様はヴィフレア王国の第一王子で、私の婚約に関して絶対的な権限を持たない。
国王陛下であれば別だけど、ルーカス様は王子なのだ。
「それで?」
――あ、あれ? どうして、ルーカス様はこんなに強気なんですか?
私とリアムはなにかおかしいと思い始めた。
でも、私たちはその理由がわからなかった。
「リアム。お前は人を好きになることがないと思っていた。自分以外は人だと認識していない気がしていた」
「そんなことは……」
「そうだろうか? 自分より劣っていると、僕を馬鹿にしていただろう?」
――リアム! ここで否定ですよ! 兄弟の間にある誤解を解消し、感動の仲直り!
長年の憎しみあいが終わる大チャンス!
私は祈るような気持ちで、胸の前で両手を組み、期待に満ちた目でリアムを見つめる。
「俺が馬鹿にしていたのは、兄上の行動であって、魔力や知識は別に……」
「僕の行動を馬鹿にしていただと!?」
「女性関係はだらしなく、金遣いも荒い。自分の期待に応えられない息子は放置で、老いた父を支えるどころか悩ませる。どこに尊敬できる余地が?」
――リアムに期待した私が馬鹿だった。
ルーカス様はきっと顔を赤くして怒鳴り散らすだろうと思っていた。
でも、違った。
目は笑っていないけど、口もとに笑みを作り、まるで自分のほうが優位だと言わんばかりに落ち着いている。
「お前が僕をそんなふうに思っていたとはね……。まあ、いい。今だけはその無礼な態度を許そう」
ルーカス様は怒りを抑え、リアムに言った。
「さっきも言った通り、お前が人に好意を持つとは思えない。サーラに好意を持っているというのなら、その証拠を見せてもらいたい」
「証拠……?」
リアムは少し首をかしげ、なにを思いついたのか、私を横目で見る。
「ああ、なるほど。そういうことか」
「リアム、なにがわかったんですか? 私はさっぱり……」
リアムの端正で美しい顔が私に近づき――ハッとした。
――こ、これって!
いわゆる口と口をくっつけるアレである。
婚約者のフリをするだけの約束だけど……まさか、こんなことまで?
でも、動じてなるか、柴田桜衣。
だって、私の中身は二十六歳!
本来なら、リアムをリードするべき大人の女性である。
――えーい、どうにでもなれ!
ドキドキしながら、ギュッと目を閉じた。
リアムの気配が迫り、緊張で胸が苦しくなった……なったって、あれ?
いつまでたっても、先に進まないことに気づき、片目を開けた。
「兄上?」
「ルーカス様?」
キスする一歩手前で、ルーカス様はリアムを手で制し、小馬鹿にするような顔で笑っていた。
「リアムがサーラに好意を持っていることは、よくわかった。本当にリアムはサーラが気に入っているんだとわかって嬉しいよ」
証拠を見せろと言ったのは自分なのに、直前で止めたのはなぜ?
期待してたわけじゃないけど、肩透かしもいいところだ。
私とリアムはルーカス様がなにを考えているかわからず、その顔を見つめた。
ルーカス様は自分に視線が集中したのを確認し、私たちに告げる。
「第二王子リアム。国王代行として命じる。サーラ・アールグレーンとの婚約は認められない。二人の婚約は破棄とする!」
――え? 国王代行?
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