死配人ー勒死の狂ーCRIMSON CHAIN of DEATHー

不幸中の幸い

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Chain_15

接続の違和 ― Disconnected Memory

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Scene1「測定不能」
Scene1「測定不能」
2026年1月17日(月) 午後6時14分。
南秋大学・附属資料棟 地下階 記録閲覧ブースB2。
 
地下階の記録閲覧ブースには、
薄暗いLED灯がぼんやりと資料の束を照らしていた。
 
宇田川梓は静かに視線を落とし、古びた紙片をめくる。
 
「……神谷家に関する通院記録らしきもの、
 やっぱり途中からごっそり抜けてる」
 
彼女の隣には松本沙雪。
そして、対面には東雲日報の記者・高田実が腕を組んでいる。
 
「これが例の“紅紐事件”と繋がってるってこと……?」

沙雪がそう問いかけると、高田が頷いた。
 
「ただし、これだけは言っておく。正規ルートの資料じゃない。
 取材中に裏から入手したコピーで、正式には“存在しないことに
 なってる”。ここだけの話にしてくれよ」
 
 梓が静かに頷いた。
「もちろんです。表に出す気はありません。
 ……でも、それでも知る価値はある」
 
高田はわずかに表情を緩めた。
「通院歴のあった自殺者たちの記録、どれも途中から抜けてるか、
 最初から“記録が存在しなかった”扱いにされてる。
 神谷家だけじゃない。これ、異常だよ」
 
「そもそも、紅紐事件って……何だったんですか?」

梓が紙片に指を置いた。
 
高田が口を開く。

「2000年代以降、全国各地でポツポツと報告されてきた現象だよ。
 自殺者たちに共通してたのは、全員が“いじめ加害者だった”ってこと」
 
沙雪が顔を上げる。

「……じゃあ、南秋大で起きた紅紐事件も、その一つなんですか?」
 
高田はゆっくり頷いた。

「知ってたのか。そうだ、あれも同じ系列の現象と考えられている。
 ただ、少し異質だった。
 “笑いながら吊った”って噂、あれは実際、通報者の証言にもあった」
 
沙雪が驚いたように目を見開く。
 
「え、いじめられた側じゃなくて……?」
 
「逆。加害者。で、その後、被害者はPTSDで通院するか、自殺してる。
 加害者たちは何年か後、突然“紅い紐が首に巻きついてくる”って妄想に
 取り憑かれて、錯乱して……最終的には自殺、ってパターン」
 
「しかも、全員が心療内科のカルテに載ってたんですよね?」
 
「そう。でも、なぜか全員の記録が途中で消えてる。
 神谷家のケースも……おそらく同じパターンだ」
 
沈黙が落ちる。
 
沙雪がそっと、持参した小型ノートにまとめを書き始める。

「“紅い紐”……幻覚? それとも誰かが……」
 
「……“伝染”って言葉、知ってるか?」
 
高田がぽつりと呟いた。

「これは俺の勘だけど……悪意が、移るんだよ。
 いじめられて死んだ子たちの“恨み”が、加害者の中に残って、
 増幅して、発狂させる」

梓が眉をひそめる。
 
「……“悪意と死の感染”……?」
 
「そう言っても、あながち間違いじゃない」
 
高田はポケットから一枚の古い紙切れを取り出した。
焼け焦げたような端の記録コピーだった。
 
「……正規のカルテじゃない。
 俺が取材中に裏から手に入れた記録のコピーだ。妙だったのは、
 その記録……途中から完全に抜けてるんだ」
 
梓が身を乗り出す。
 
「誰の記録だったんですか?」
 
「ある自殺者の、紅紐事件に関わった人物だ」
 
沙雪が目を細めた。

「……でも、なんで妙なんですか?」
 
「“記録者”の名前が、唯一残ってた。“Chisato.C”って署名が、な」
 
梓が怪訝な顔を向ける。
 
「……その人、誰なんですか?」
 
高田はわずかに眉をひそめた。
 
「詳しくはまだ取材できてないが
 ……昔な、似た名前を別の事件で見たことがある」
 
沙雪が首をかしげる。
 
「別の事件……?」
 
「20年近く前だ。
 “茅野ちさと”って女性が、自殺したって報道された事件があった。
 だが……その時も、記録が全部、途中で消えてた」
 
梓が息を呑む。
「じゃあ……Chisato.Cって……」
 
高田は静かに言葉を継いだ。
「……“誰かの記録をしていた”だけ、なのかもしれない。
自分のことじゃなく、他人の……死とか、狂気とかを──な」
 
その後、三人はそれぞれ今日の情報を整理し、
また一週間後に再び集まって調査を進める約束を交わした。
 
地下階を出て、資料棟の階段を上がると、冷たい夜気が顔に当たる。
 
宇田川梓はバッグのストラップを肩にかけながら振り返ると、
沙雪の背中を目で追った。
 
沙雪は先に出た高田実に向かって、駆け足で近づいていく。
その胸元がゆさり、と揺れた。
 
「おいおい!乳がまたマグニチュード10になっとる!」
 
梓が小さく突っ込むと、振り返った沙雪が満面の笑みで答えた。
 
「えへへ!天然の賜物です!」
 
そんな彼女の後ろ姿を、梓はしばし黙って見つめていた。
 
──やっぱり、あの明るさと行動力と才覚があれば、
記者におあつらえ向きだな。
 
 
2026年1月17日(土) 午後7時06分。
松本家・玄関~ダイニング~風呂場。
 
夜の冷気を背中に感じながら、松本沙雪は家の鍵を開けた。
実家は郊外にある二階建ての戸建て住宅。
1階には広めのリビング、ダイニングキッチン、風呂と洗面所が集まって
おり、2階には家族の個室が並んでいる。
 
「ただいまー」
玄関を閉めるとすぐ、奥のキッチンから母の声が飛んできた。
 
「おかえり。梓ちゃんと会ってたんだって? 元気にしてた?」
 
「うん、先輩はいつも通りだよ」
 
沙雪はコートとブレザーを脱ぎながら、キッチンへと視線を向けた。
 
母・園子はエプロン姿で作業台に立ち、
包丁で豚肉を小気味よく刻んでいる。
近くには皮をむかれたにんじんと、
下茹での終わったほうれん草がボウルに並んでいた。
 
「お父さん、もうすぐ帰るって連絡あったから。
 あんた、先にお風呂入りなさい。
 こっちはちゃちゃっと夕飯の準備しとくから」
 
「うん、先に入っちゃう~。
 お父さんより先にお風呂入れるの、久しぶりかも。
 お風呂あがったら夕飯の手伝いするからねー」
 
「ま、手伝いは当てにしてないけどね~」
 
母の返答に沙雪はにっこり笑いながらバスルームへ向かった。
洗面所で服を脱ぎ、ブラとパンツも床の脱衣カゴへ投げ込む。
そして、眼鏡を静かに棚の上に置いた瞬間、景色がぼやける。
輪郭の曖昧になった空間は、まるで湯気の先にある夢のようだった。
 
浴室は白とグレーを基調にしたシンプルなユニットバス。
左奥に湯船、右手前にシャワーと蛇口のある洗い場、
ドアは手前左側にあり、小さな曇りガラスの窓が右上に設けられている。
 
そっと湯船に足を滑らせると、心地よい熱が身体を包む。
 
「……はぁ~、浮くわぁ……浮き輪ならぬ……乳輪ってか」
 
肩まで湯に沈めながら胸元を見ると、
重たげな双丘が湯の中でゆるやかに揺れている。
 
彼女は左胸をそっと両手で掬い上げ、
親指と人差し指でその輪郭をなぞった。
 
「先輩が乳、乳っていうから意識しちゃうじゃない。
 おっぱいが大きいのは充分自覚してますよーだ」


宇田川梓の胸への突っ込みを今さらながら思い出し、
沙雪は自分の乳房へ手をやった。
 
「胸も98㎝あるけど、それよりも乳輪のデカさがきになるんだよなぁ。
……左がだいたい7センチ……右は……やっぱ8センチ超えてるし。
しかも色がちょっと……濃いし。ほんと、コンプレックス。
……非対称って、気になるんだよなぁ。乳首小さいくせに、
乳輪ばっかりでかいとか……」
 
ゆるやかに湯の中で指を滑らせ、中心を押し込むように触れると、熱と共にじんわりと感覚が広がっていく。
言いながら、無意識に乳首をピンと弾いた。
 
「あっ……」
 
一瞬、身体がびくりと跳ねた。
 
「……な、何してんだ、わたし……」
 
もう一度、乳輪の周囲を円を描くようになぞりながら、
ゆっくりと指を中心へ滑らせる。
 
息が、浅くなる。心臓が少し速く打ち始める。
 
そのまま、彼女は小さく身をくねらせ、湯の抵抗の中で身体を撫でていく。
指先が胸元をなぞり、小さな乳首を摘まむように弄ると、
全身がふるりと震えた。
 
「……こんなとこで……でも……やば……っ」
 
脚をぎゅっと閉じ、湯のなかで身体を少し沈める。
背を仰け反らせたその瞬間——
 
「っ……あぁあ……っ」
 
湯が大きく波を打ち、沙雪の身体が小さく震えた。
 
その余韻に包まれながら、沙雪はふと、身体を前に倒した。
両腕で胸を寄せるように持ち上げ、そのまま、唇を乳首へと近づける。
「……届く、んだ……」
 
柔軟な身体と、やや軟乳気味の胸がそれを可能にしていた。
舌先が乳首に触れると、そこには先ほどの刺激がまだ残っており、
甘く熱い感覚がじんわりと広がる。
 
彼女は軽く吸い上げるように、唇を閉じ、ぬるく湿った音を響かせた。
 
「……これ、誰かに見られてたら……」
 
舌で乳輪をなぞりながら、もう一方の手で自分の胸を揉み上げる。
その指が、まるで“他人の手”のように錯覚されていく。
 
誰かに撫でられている……抱きしめられている──そんな妄想が、
湯の熱と混ざって脳内を占めていく。
 
湯のなかで指が下腹部を這う。
ふと、誰かに腰を掴まれたような錯覚に陥る。
 
息を吸い込んだとき、背中に何かが触れたような錯覚。
 
「……や、だ……先輩……」
 
脳裏に浮かぶのは、宇田川梓の顔。
宇田川梓は松本沙雪の憧れだった。
陸上部で男勝りで、膝の怪我さえなければ国体にもいけていた筈だ。
ボーイッシュで、あの落ち着いた声、しなやかな指先、
唇が頬に触れる幻想。
 
「……先輩の手って、あったかそう……。唇、柔らかいんだろうな……」
 
自分の手が、梓の手に重なっていく。
胸を弄る指が、頬を撫でる手が、妄想の中で梓と重なっていく。
 
脚を閉じ、膝をすり合わせ、身体が震える。
 
妄想の中で宇田川梓との交わりをイメージしながらそのまま、
沙雪は絶頂へと突き抜けた。
頬は赤らみ、髪が湯に濡れて頬に張り付いている。
ぼんやりとドアの方へ目を向けたが、視界はまだ曖昧で、
曇った世界のようだった。
 
余韻に浸りながらも、我に少しもどった沙雪が自嘲気味に言った。
 
「……彼氏にも言われたんだよなぁ……
“お前、記者としての才覚はあると思うけど、1つのことに没頭しちゃうと
大きな隙できちゃうよなって……」
 
肩で息をしながら、湯船に顔まで沈め両手で胸を覆った。
 
「……バカだな、ほんと……何やってんだか」
 
そしてその時——
 
“ガタッ!”
 
突然、台所あたりで物音が鳴った。
そして母の悲鳴。
 
「うわぁぁぁ!!こないで!」
 
沙雪は一瞬身体を固めたが、すぐに笑う。
 
「……ゴキブリでも出たかな……うん。Gはお母さんの最強の敵だからな」
 
悲鳴は一瞬で収まり静寂が戻ってきた。
しかし、聞き慣れたはずの家の静寂が、どこか違っていた。

……足音が、する。
 
スッ…コトッ、スッ…コトッ、スッ…コトッ……
 少し足を引きずったような足音が、ゆっくりと浴室のほうへ近づいてくる。
 
「……お母さん? お父さん帰ってきた?」
 
答えはない。
 
その代わりに、乾いた笑い声のような音が、うっすらと——
沙雪の聴覚に触れた。
 
脱衣場のドアが、ゆっくりと動き出す。
沙雪は湯の中で振り返る。
ぼやけた視界の先、曇った扉の向こうに、何かが立っていた。
 
 
Scene2:「感情の殺された家」
2019年3月9日(土) 午後7時41分。
神谷家・洗面所/夜の台所。
 
麻里子が会社に行かなくなって、今日で五日目だった。
朝、着替えはするが玄関に立ち尽くしたまま動かず、結局また自室へ戻る。
理由は問わなかった。いや、問えなかった。
夜中に壁に向かって話しかけたり、
紅い紐を手にしてうつろな目で笑ったりする娘を前に、
母として何を言えばいいのか、智恵には分からなかった。
 
この日も、台所で包丁を動かしながら、
智恵はふと娘のことを思い出していた。
火を点けたままのコンロから湯気が立ち上り、
鍋の蓋がコトコト揺れている。
まな板の上には、切りかけの人参。
換気扇の音がいつになく大きく響いていた。
 
「……麻里子、夕飯どうするか聞いてみようかしら」
 
智恵は手を止め、エプロンの前で両手を拭いた。
ゆっくりと階段を上がり、麻里子の部屋の前へ。
 
「麻里子? シチューとカレー、どっちがいい?」
 
返事はなかった。
 
ただ、部屋の奥から——ゴッ、ゴッ、という鈍い音が
断続的に聞こえてきた。
壁に何かがぶつかるような、
生きている気配をはっきり肯定できない不穏な音だった。
 
「麻里子? 聞こえてる? どうしたの? ……開けるわよ?」
 
ノブに手をかける。少しだけ開けて、ゆっくり中を覗いた。
 
——瞬間、智恵の喉が閉じた。
 
部屋の中央、天井の梁から、何か大きな物体が吊るされていた。
最初は黒い布袋かと思った。
でも、それは違った。
 
それはヒトだった。いや、
——麻里子だった。
 
天井の梁から、紅い紐で首を吊られた麻里子の身体が、
ゆらゆらと揺れていた。
首には別の紅い紐がきつく巻きつけられ、
皮膚を割くように筋の上に真紅の線を何重にも刻んでいた。

その首は、重力で異様に伸び、皮膚が裂け、
今にも千切れそうに垂れ下がっていた。
目は見開き、眼球全体が充血し、
白目と血の赤が混ざった異様な色合いになっていた。
目から幾筋もの血が流れていた。
 
口はあんぐりと開き、舌が、まるで無意味な肉の塊のように垂れていた。
その下には、夥しい糞便。
腹部の筋肉が弛緩した結果か、部屋中に悪臭が満ちていた。
 
麻里子は笑っていた。
 
頬が引きつり、歯茎を見せるように口元を吊り上げ、
狂気の笑みを浮かべていた。
 
智恵の脳内に、光が入ってこない。
ただ、そこにある“現実”が、脳の処理速度を超えている。
 
やがて、理解が一気に押し寄せてきた瞬間——
 
「グアァァァァァァァァァァァァッ!!!!」
 
地獄の底から絞り出されたような叫び。
腰が砕け、尻餅をついたまま、虫のように後ずさりながら逃げようとする。
 
部屋のドア枠まで這い戻った時、背中に何かが触れた。
振り向くと、そこに千咲が立っていた。
 
無表情。
麻里子の遺体を見上げ、微動だにしない。
 
その眼差しは、驚きの感情が一切なかった。
ただ——“観察していた”。
 
智恵は、恐怖と混乱の中で、思わず千咲を抱きしめた。
その細い身体は拒まなかったが、包まれている間も、
千咲の目は一度も母に向けられることはなかった。
 
姉の遺体を見上げたその眼は、
やがて、ゆっくりと母・智恵の顔に降りた。
 
その瞬間、智恵は身震いした。
そこには、愛情も悲しみも何もなかった。
あるのは——記録者の目。
誰が死に、誰が壊れたかを“確認”している、冷たい観察の視線だった。
 
震える手で、智恵は電話をかけた。夫、正彦へ。
何をどう伝えたかも覚えていない。
 
ただ、数十分後、玄関が開き、正彦が戻ってきた。
顔面は蒼白。目を見開き、獣のような叫び声をあげると、
そのまま麻里子の部屋へ駆け込んだ。
 
「うわああああああああああ!!!」
 
彼は叫びながら、吊るされた麻里子を——殴った。殴った。殴った。
その拳は、壊れた愛情と絶望が詰まった無様な暴力だった。
 
正彦は脚を掴んだ。
娘の足首に、全体重をかけて引っ張った。
 
ブチンッ……。
 
肉が裂ける音。骨が砕ける音。
首と胴が分かれ、麻里子の身体は床へ落下した。
転がったその顔は、なおも笑っていた。
濁った眼。垂れた舌。死後硬直に歪んだ、狂気の笑顔。
 
正彦はそのまま家を飛び出した。
そして帰ってくることはなかった。
 
数日後、駅近くの線路にて、男性が電車に轢かれ死亡した。
身元確認のため、遺体安置所に智恵と千咲が呼ばれた。
 
血塗れになった顔を見た智恵は、その場で崩れ落ちた。
千咲は——その隣で、無言のまま立ち尽くしていた。
 
父の遺体を、感情のかけらもない目で見つめる。
あの夜と、まったく同じ、“観察者の視線”で。
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