秘密がばれた竜王は従者たちに求愛される

天霧 ロウ

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 ハリューシカに抱き上げられて連れて行かれた場所は水竜の住処でもかなり端の廃墟だ。
 昔は豪華な神殿だったのであろう。一室に入れば、やや手狭なものの綺麗に整頓されていた。壁際には様々な種類の本が種別ごとに並んでいる。それ以外に目につくのは広めのベッドと質素なテーブルの上にランプ代わりに飾られている釣鐘草とイスだけだ。

「ここは」
「私が竜将になるまで暮らしていた部屋です」

 手を引かれてベッドに一緒に腰を下ろす。
 石造りのせいかどこか冷たさを感じるが、部屋の隅々からハリューシカらしさが滲んでいて悪くない。飽きることなく部屋の中を観察していたが、それもハリューシカからのキスで止まった。

「ふっ、ぁ」

 舌を絡められるたびにジンと甘い痺れが顎を通り抜けていく。夢中になって舌を絡め返している間にハリューシカの手があっという間にクローツェルを素肌にした。唇が離れると目蓋にキスをされた。

「陛下、失礼します」

 そういってハリューシカの手が後頭部に添えられるとゆっくりとベッドに横たえされる。首筋や鎖骨にハリューシカの唇が触れていく中ハリューシカも素肌になると、確かめるように肌を撫でていく。

「ん…、くっ、ふふ」

 くすぐったさに笑い声が漏れるとハリューシカの目尻が下がった。
 触れるだけのキスを一度した後、胸や腹に太ももやふくらはぎに足の甲と目につくところすべてに唇を当ててくる。最初こそくすぐったかったものの蕾に近づくにつれて体が熱を帯びていき、ハリューシカの手が太ももに触れれば自然と足が広がる。
 太ももを抱えられるとそのまま胸元まで持ち上げられれば、興奮してとがっている肉芽をハリューシカの舌がゆっくりと舐めくる。気恥ずかしくて目をきつく閉じて思わず声を抑えようとするもののかえってハリューシカの動きに意識が集中してしまう。

「ふっ、ぅ、んんっ」

 敏感な肉芽の刺激に耐えきれず腰をくねらせば、肉芽を強く吸ってきた。

「ひっ…、くっ、ぁああ――っ!」

 突然の強烈さに閉じていた目を開き、ハリューシカに向けて勢いよく潮を吹いた。そうすればハリューシカが肉芽をしゃぶるのをやめて代わりに濡れそぼってひくつく蕾をねっとりとなめ上げてじゅぽじゅぽと音を立てて舌で抜き差しをしてくる。

「ぁ、ぅ…、ぃくっ…! それっ、されると…、またイ、くっ!」
「ろうぞ、すひならけいってくらさい」

 ハリューシカはそういうなり、たれ落ちそうになった滴を吸いながら肉芽を指でしごいてきた。

「どぅじはっ、ァ、~~~~ッ!」

 顎に力が入らず舌を突き出して絶頂を迎えると中をかき回す舌が抜けた。そして抱えていた片足をハリューシカの肩におかれると肉芽を摘まむのをやめて蕾へと中指が沈められた。

「ぁ、ぁ…、ぅ、く」

 もどかしいぐらいにゆっくり抜き差しをされるたびにジワジワと上ってくる快感にじわりと汗が滲んで息が上がっていく。シーツを握りしめて寄せてくる快楽の波に耐えようとするものの滴が次々と溢れてシーツにシミが広がっていくのがわかる。

「はりゅー、しかぁ……」

 物足りなさに耐えきれずようやくでた声は自分でも驚くほどとろけきっていた。恥ずかしさに顔が火照り反射的に唇を噛みしめる。だが、ハリューシカは濡れた瞳をゆるりと細めて微笑んだ。

「陛下、お待たせしてしまい申し訳ありません」

 ふーっと熱のこもった息を漏らしたハリューシカがクローツェルの両足を抱え直す。濡れきった蕾にハリューシカの張った先端が押し当てられる。

「いれますよ、陛下」
「ぁ……」

 ハリューシカのかすれた声が耳元で告げるとともにぐうっと腰を押しつけられた。

「ふっ、く……、んんっ」

 久しぶりのセックスなのもあいまってかすかな痛みに眉を寄せる。
 ハリューシカはすぐに気づくと腰を進めるのを止めて何かを呟いた。すると切れ目から少しだけでている乳首と肉芽が小さなクラゲのようなものに包まれたかと思いきや勢いよく吸われた。

「ひっ?! ァ゛、だ、だめ…だっ! ぁ゛、~~~~ッ!」

 ぶわりと肌が粟立ち突然の強烈な快感にもがく。けれど、ハリューシカに抱えられている足はびくとも動かず、つま先がむなしく宙をひっかくだけだ。

「はりゅーしかぁっ、ぃきゅのっ、とまんらぃっ…! ぃきゅ、またイきゅッ!」
「どうぞ、好きなだけイってください。陛下がもっと気持ちよくなれるよう私も子宮をマッサージさせていただきますね」

 子宮にぴったりとハリューシカの先端が押しつけて揺すられたかと思いきや優しく突き上げられる。そのたびに体が震えてハリューシカの膨れ上がった高ぶりをぎゅうぎゅうと締め付ければ、ハリューシカの青白い肌がかすかに赤みを増して心地よさそうに呻いた。

「陛下……、もっと深くつながりましょう」

 熱がこもった声音で言われるなり、ハリューシカの腕が一度太ももから離れた。そしてこれでもかと抱きしめられるとそのまま抱き起こされる。途端に自分の重さでハリューシカの先端と子宮が密着してしまう。
 すがるものがほしくて反射的にハリューシカの背中に手を回し爪を立ててしまう。けれど、掴むことができず爪が滑れば、体に回っていたハリューシカの手がクローツェルの腕を掴んで自身の肩へとおいた。
 それでもまた滑るのが怖くてハリューシカの首に腕を回し腰に足を絡めるとハリューシカが触れるだけのキスをしてきた。

「ぅ、ふっ、んん゛」
「陛下、陛下……」

 ハリューシカが突き上げるたびにぱちゅぱちゅとお互いの肌がぶつかる音が部屋に響く。
 乳首や肉芽を吸っていたものはいつのまにかなくなっていたが、お互いの汗やにおいが混じりあって抱き合っているとわかれば、乳首や肉芽を同時に刺激されているのとは別の興奮が湧き上がる。

「ま、まへ…、これいじょうは、ぉ、おくがっ」
「どうなってしまうんですか?」

 わかっているくせにうっとりと聞き返してくるハリューシカに溶けた理性をかき集めて睨む。しかし、中をこすりあげてからぐうっと子宮に深いキスをされてしまえば、あふれ出る快楽に体をのけぞらしてしまう。

「――っ! こ、のっ、ァ、んんっ! ま、てと…っ、ぃってるのに、~~~~ッ!」

 すっかり雄を思い出した子宮がハリューシカの先端にじゅぱじゅぱと下品に吸い付くのがわかってしまう。ハリューシカは耐えるように小さく唸るともっと吸い付けといわんばかりに先端をぐうっと押しつけてきた。

「ふかぃのっ、だめだっ、からぁっ! ァ、イくっ、ぃ、くっ!」
「……陛下っ、私も出させていただきます」

 中に出すことを宣言されてしまえば、胸がドキドキと激しく高鳴り、よりいっそうハリューシカのものを締め付けてしまう。体を抱きしめるハリューシカの腕にぐっと力がこもり、子宮に密着しているハリューシカの高ぶりがビクビクと大きく震える。

「陛下っ、陛下っ」
「――っ、~~~~ッ!」

 ビュービューと勢いよく注がれる熱に頭が真っ白になる。すがるようにぎゅうぎゅうとハリューシカの高ぶりを締め付けるたびに体が勝手に震え、また極めてしまう。それを何度か繰り返してようやくハリューシカの高ぶりが熱を吐くのを止めた。
 ぎゅっと一度強く抱きしめられた後、そのまま一緒にベッドに倒れ込んだ。そして、腰を軽く揺すってハリューシカは高ぶりを抜いた。
 飲みきれなかった熱がトロリと蕾から溢れ、太ももを伝っていく。その感覚にぶるっと体が震える。

「はぁーッ…、ん…っ、ぅう」

 快感の余韻で中がまだヒクつくのが嫌でもわかる。なんとか息を整えて起き上がろうとした途端ハリューシカが覆い被さってきた。

「どうした、ハリューシカ」
「陛下、今度は後ろから抱きしめながら抱かせてください」
「今、し終えたばかりだろう!」

 とんでもないことを言い出したハリューシカに全身から血が引く。けれど、ハリューシカはすっかりその気なのかクローツェルの力が出ないことをいいことにうつ伏せにするとすっかり熱を取り戻した高ぶりを蕾に押しつけてくる。

「どうしてもだめ、ですか?」
「ん、ばかっ、押しつけるなぁっ」

 ただでさえ中は散々刺激されてグズグズな状態だ。にもかかわらず、クローツェルの体はすっかり二度目を受け入れる準備が出来ていると言わんばかりに蕾がちゅうちゅうとハリューシカの先端を中に誘い込む。
 ハリューシカもそれがわかっているのかあと少しで入るか入らないかの加減で当てている。

「陛下、次はもっと気持ちいいですよ? ですから、お願いします」
「ん゛っ、ぅうう゛」

 浅い場所で抜き差しを始められれば蕾がピクピクと痙攣し、粘度のある滴がとぷっとあふれ出てくる。興奮して顔を出した乳首とシーツがこすれる刺激もあいまって緩い快感の波に必死に耐えているとハリューシカが耳朶をゆっくり舐めた後囁いた。

「陛下……クローツェル様、お願いします」

 かすれた声ですがるように名前を呼ばれたとわかった瞬間、ぶわりと肌が粟立ちプシュッと潮を吹いてしまう。すっかり股はビショビショで蕾も開ききっているのがわかる。なにより奥が切なくてもどかしいのだ。

「クローツェル様」
「……ぅ、うごくのを、やめろっ」

 クローツェルがなんとか声を絞り出すとハリューシカはようやく動くのをやめた。フーフーと荒れた呼吸を整えたクローツェルは唇を噛みしめるととろけきった蕾を見せつけるように足を広げた。

「ぃ、一回、だけだぞ」
「ありがとうございますっ、陛下!」

 ぱあっと顔を輝かすなり背中からぎゅうっと抱きしめられ。そのままゆっくりと中に入ってくる。ぬちゅっぬぽっとわざと音を立てて抜き差しされる音が部屋に響いてむしょうに恥ずかしい。

「はりゅーしかっ……なまえっ、さっきみたいに、私のっなまえっ」

 なんとか音をごまかしたくてハリューシカに名前を呼ぶようねだれば、ハリューシカが息を飲んだ。そして、静かに深呼吸をするとグンッと一気に腰を突き入れて、子宮に深いキスをしてくる。

「ぁ゛、ぁああっ、~~~~ッ!」
「クローツェル様、わかりますか? 名前を呼ぶたびにクローツェル様の子宮が嬉しそうに私のに吸い付くんですよ。ほら、また。とてもお上手ですよ」

 ハリューシカの指摘通り子宮がハリューシカの先端にちゅうちゅうと吸い付いて離さない。ジワジワと広がっていく快感を少しでも逃がそうと小さく跳ねる尻尾にハリューシカの尻尾が絡められる。
 そして、体を抱きしめていたハリューシカの腕がわずかに緩み、クローツェルの下腹部を一撫でした後、乳首を摘まんできた。

「ぅ、ぁ…っ、だから、どうじはっ、ぁ、んっ」

 舌を突き出して喘いでいると舌ごと口に含まれて唇が重なる。上顎や舌を撫でられるたびに今まで感じなかった多福感がドバドバとあふれ出てくる。ハリューシカはもはや動いておらず、お互いこれでもかと密着してるだけだ。
 なのに、動いているときよりも妙に興奮して壊れたようにハリューシカのものを締め付けながら極めてしまう。唇が離れると枕に顔を埋めてビクビクと体を震わした。

「んっ…っ、はりゅーしかぁ、イくっ、ィくのとまらなぃっ! これ以上は…っ、こわい――っ」

 絶頂を味わいすぎて頭がどうにかなってしまいそうだった。
 未知の体験に耐えきれず、肌に触れるハリューシカの髪を握りしめて引っ張る。そうするとハリューシカは乳首をいじるのを止めて片手でクローツェルの体を抱きしめながら、もう片手で髪を握りしめる手をそっと離して指を重ねてきた。

「申し訳ありません、陛下。私としたことが嬉しいあまりに少し調子に乗ってしまいました。今、たっぷり注がせていただきます」
「んっ、ぅ」

 頷く代わりにハリューシカの指をきゅっと握りしめる。ハリューシカがこめかみにキスするとそれを合図にズンッと腰をつき入れ直した。
 声にならない嬌声を上げてぎゅうぎゅうとハリューシカの高ぶりをしめつけて絶頂をすれば、ぶるっとハリューシカの体が震えついで新しい熱に中が満たされていく。その間もすっかりとろけきった心身は何度も極め続け、ついには意識がそこで途切れた。



 気づいた頃には次の朝を迎えていた。
 体は鉛を巻き付けたかのように重く、指先一つ動かせない。おまけに知らずのうちに泣いていたのか目元が腫れぼったい。ゆっくりと瞬きを繰り返して目元をこすれば、頬をほんのり紅潮させたハリューシカの顔が視界いっぱいに映る。

「ああ、陛下! おはようございます!!」
「…………ああ」

 竜将の正装をきっちりと着こなし、つやつやとしたハリューシカの満面の笑みに思わず半目になる。ハリューシカがクローツェルの片手を両手で恭しく取ると手の甲にちゅっとキスをしてくる。

「陛下と恋人だけでもじゅうぶんなのに、こうして最後まで抱かせていただけるだけでなく二匹だけの朝を迎えられるなんて私は幸せものですね」

 とろりと目尻を下げて一段と甘い微笑みは満たされる感じがしつつも、自分の体が今までにないほどだるいこともあいまって腹立たしさを覚えてくる。そのせいか意地悪をしたい気分が沸いてきた。
 半目になってハリューシカを見据えるとクローツェルはあえて冷ややかな声音で告げた。

「言っとくが、私はお前だけの恋人じゃないぞ」

 これで少しはへこんだだろうと思ったもののハリューシカの表情は変わらなかった。ただただ優しく手を握られ、青い瞳を嬉しそうに潤めてふにゃっと力なく笑った。

「ええ、わかっています。ですが、こうして二匹でいる今は私だけの陛下であることには違いはありませんでしょう?」

 流れる動作でちゅっと触れるだけのキスを額と頬、そして唇にされる。
 なにか言い返そうと思ったが、視界の隅でさらりと流れ落ちる青い髪の隙間からご機嫌に揺れる尻尾に気づいてふんと鼻を鳴らす。

「落ち込んだりはしゃいだりせわしないやつめ」
「すべては陛下の前だけですので、どうかお許しください」
「それがお前なのだから許すもなにもないだろ。……ところで、二匹でいるときぐらいは私の名を呼んだらどうだ」
「……っ、あぁ、陛下! あなたという方はっ!」

 ガバッと立ち上がったハリューシカが苦しいぐらいに抱きしめてくる。息苦しさにバシバシとハリューシカの背中を叩けば少しだけ緩んだ。ホッとして息を吐けば「陛下」とハリューシカに呼ばれる。
 顔を上げれば、ふわりと唇がもう一度重なる。あっけにとられている間に唇は離れ、ハリューシカの手がそっと頬に触れて目を合わせてくる。

「先ほどのご提案とても嬉しかったです。ですが、陛下の名を呼ぶのは陛下を抱く時のみとさせていただきます」
「なぜだ」

 てっきり喜ぶかと思っていた。だからこそ、ハリューシカの意図がわからない。不思議になって聞き返せば、ハリューシカは眉を下げた。

「私にとって陛下の心身はもちろん、名前すら愛おしいのです。だからあなたの名前を呼ぶ声はあなただけにしか聞かれたくないのです」
「そういうものなのか?」
「こればかりは性格でしょうね。しがない竜の一匹でしかない私が陛下に頼み事をするなど恐れ多いことだと思いますが、どうか私のわがままをご理解いただきますようお願いいたします」
「……お前がそういうなら納得するだけだ。お前のわがままを受け入れるのもある意味では私の、恋人の特権というやつだろうからな」

 胸を打つ鼓動が妙にうるさく思いながらあえてそっけなく呟く。
 それでもハリューシカにとっては嬉しいことだったのか「陛下ぁ~!」とすっかり聞き慣れた情けない声音でもう一度抱きしめられたのだった。

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