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閑話 シーツは誰が洗うのか
①
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使用人棟の前を通る事はほとんどない。
だがその日はなんとなく足が伸び、その辺りまで散歩をしていた。
パタパタとシーツや洗濯物が、気持ちの良い青空にたなびいている。
アリムは、すうっと洗剤のいい香りを胸いっぱいに吸い込んだ。
「早く帰りますよ……。」
ノイが嫌そうに渋い声をあげる。
「わかったよー。」
シーツの裏から、洗濯係の使用人が楽しそうに話している声が聞こえる
何となく見覚えのある、絹のシーツ。
アリムは何の気無しにそのシーツを見つめた。
「天気がいいから、すぐに乾くわねー。」
「最近は特に仲睦まじくていらっしゃるか……ら……。」
ひょこりと顔を出した使用人と、目が合った。
この場にいるはずのないアリムの登場。
使用人は石のように固まってしまう。
「あ……っ!」
「お疲れ様です。」
アリムが声をかけると、彼女達はトマトのように顔を真っ赤にした。
後ろでノイが「あー……もう……。」と頭を抱えている。
「え?なんで?」
「……俺だってこんな匂わせ、ゴメンだぜ……。」
ノイが勝手に手を振り「もう行っていいぞ。」と使用人に声をかけた。
いつもなら決してそんな事はしないのに、だ。
アリムは首を傾げながら、風にそよぐシーツを見つめた。
***
そんな昼の出来事。
周りの反応の意味を理解したのは、今し方だ。
「え……?そういうこと……?」
「どうした……?」
湿った熱い体が覆い被さってくる。
熱の余韻を宿したまま、エメラルドの瞳が甘く微笑む。
キスを一つ落とされると、ピクリと肩が震えた。
「あのさ……。」
「ん?」
「シーツのことなんだけど……。」
ラシードはキョトンっと目を丸くして、シーツを見た。
ぐちゃぐちゃになった、絹のシーツ。
間違いなく、昼間見たものと同じだ。
ラシードは「ああ。」と頷き、アリムの背中を抱きしめた。
「シーツは後で剥がすから、もう少しゆっくりしていよう。」
「違う違う!シーツの洗濯の事だよ!」
アリムはペチペチとラシードの腕を叩く。
「洗濯?」
「このシーツ、洗濯に出してるの?」
「当然じゃないか。」
ラシードは何を言っているんだ、というように首を傾げる。
当然の反応だ。
だが問題はそこではない。
アリムはカァッと頰を染めた。
「こ……このシーツを洗濯に出してるの!?」
「……?」
羞恥が脳天を突き抜ける。
アリムはあまりの衝撃に枕に突っ伏した。
「なんだ?どうした?」
「無理無理無理……っ。」
「アリム?」
アリムはラシードの腕の中から逃げ出すと、強引にシーツを引っ張った。
しかし当然足腰は立たない。
ヘナヘナとその場に座り込んでしまう。
「お願い……。こういうシーツは俺が洗うから……。洗濯にださないで……。」
「は?」
「お願いだから……。」
「何を言っているんだ?」
ラシードはアリムの脇を掬い上げ、ベッドに引っ張り上げる。
「こんなシーツ、人に見られてたなんて……。恥ずかしくて死ぬ!」
「使用人の事か?」
「そうだよ!」
ラシードはまたアリムの背中に腕を回す。
どうあっても体をくっつけていたいらしい。
「使用人はそれが仕事なんだ。気遣う必要はない。」
チュッチュッと軽い音を立てて、つむじをくすぐられる。ただでさえ汗をかいているのだ。アリムはグイッとラシードの顎を押す。
「いててっ。」
「俺がいやなんだよ!」
「だからって、お前が洗うなど……。そうだ。洗わず燃やすか?」
「バカなのー!?」
「流石に冗談だよ。」
アリムはタチの悪い冗談に、悲鳴を上げる。
「とりあえず、お前は何も気にしなくていい。……それとも、誰かが何か言ったのか?」
「え?」
「今日、散歩に出たんだろう?」
「……何で知ってるの……?」
ジロリと睨みつければ、ラシードはにこりと黙り込む。
薄々気がついていたが、ノイが逐一報告をしているようだ。
「誰も何も言ってないよ。今更気がついただけ。」
アリムはプイッとそっぽを向く。
そしてラシードの腹をくすぐった。
「ハハッ!どうした?あ……っ!」
ラシードが腹を捩り、声を転がす。
手が力がふわりと抜けた。
アリムはその隙に、また腕の中から逃げ出す。
「こらっ!」
今度はしっかり立つことができた。
アリムはシーツの端をしっかり握ると、力任せに引っ張る。
もちろん、絹が裂けないように、細心の注意を払って。
ラシードはコロリと寝台の上を転がった。
「こら、待て!」
「シルクはぬるま湯。シルクはぬるま湯……。」
洗い方を思い出しながら、シーツを抱えて走り出す。
目指す先は風呂場だ。
ーーうっ腰痛い……っ!
腰が抜けそうになった時、後ろからラシードがアリムを抱き込んだ。
「待てと言ってるだろ!」
「待たないってばー!」
「いいや、お前は待つんだ!」
ラシードはアリムの膝を掬うと、そのまま抱き上げてしまう。
「あーもう!酷いっ!俺、平均より身長高いんだよ?傷つくから抱き上げないでよ!」
アリムはバタバタと足を動かす。
しかしラシードは「よいしょ」と言いながら、近くのソファに腰掛けた。
もちろんアリムは膝の上だ。
せめてもの抵抗を込めて、アリムはシーツをギュッと抱え込む。
「う……。冷たい……。」
「取らないから、床におきなさい。」
アリムはおとなしくシーツを床に落とす。
その途端、寒さに体が震えた。
「……俺とこういう関係なのが、そんなに恥ずかしいのか?」
ラシードはアリムの肩にガウンを掛ける。
キュッと紐を結ばれると、ようやく体が温まった。
「俺たちの仲が睦まじいのは、皆喜ばしいことなんだぞ?」
「発想が王様なんだよ……。それにみんなが喜ぶのは、俺とじゃ……。」
アリムはそこまで言い掛けて、口を噤む。
危うくマルグリットと、リアナの名前を出すところだった。
ラシードの目が据わりかけている。
「と、とにかく……。」
アリムは白々しく咳払いをする。
「俺はこういうの、永遠に慣れないの。お願いだよ、汚れを落とすだけだから。ね?」
「……ダメだ。」
「なんでわかってくれないんだよー!」
「お前と触れ合う時間が減ってしまうじゃないか。」
首筋に落とされた呟き。
腹あたりに回された手に、ギュッと力が籠る。
アリムは目を丸くして、後ろを振り返った。
「……だから、ダメだ。」
ラシードは耳の先を赤くして、プイッとアリムの視線から逃げる。
しかしアリムの腰を抱いている手は、決して離れていかない。
「……知らないかもしれないが……。俺にこんな風に振る舞えるのは、世界中を探してもお前1人なんだぞ……?」
「言われてみれば……。」
「だろう?だから俺はお前といる時間が、1番自由だし、満ち足りるんだ……。なのにお前は、俺からその時間を奪ってしまうのか?」
甘いバリトンが、アリムの耳元で拗ねた言葉を紡ぐ。
アリムはキュッと胸が締め付けられる。
「ラシード……。」
「な?だからゆっくり眠ろう。俺を幸せにしておくれ。」
ラシードは頬を擦り寄せる。
汗をかいた後でも、ラシードは憎たらしいくらいにいい香りだ。
アリムが顔を傾けて目を閉じれば、優しい唇が落ちてくる。
そうだ。
何故この考えに至らなかったのだろう。
「うん……。わかったよ……。」
「そうか、わかってくれたか。」
「うん。そうだよね……。」
アリムはラシードの舌先を舐めたり、吸ったりを繰り返す。
2人の口の中の温度が混ざり合った頃。
ようやく2人は唇を離した。
ラシードの濡れた唇が、甘い笑みを浮かべる。
「アリ……。」
「明日の朝、お風呂入る時に一緒に洗おうね。2人でやれば早いだろうし。」
「は?」
「あー、良かった。解決策が見つかって。」
アリムはにこりと笑って、ラシードの鼻先をつんっと突いた。
ラシードは開いた口が塞がらないらしい。
ポカンっとアリムを見つめている。
そんな可愛らしいラシードの唇を、もう一度啄む。
そしてアリムはそっと耳元で囁いた。
「そうと決まれば、ベッドに戻ろっか?」
だがその日はなんとなく足が伸び、その辺りまで散歩をしていた。
パタパタとシーツや洗濯物が、気持ちの良い青空にたなびいている。
アリムは、すうっと洗剤のいい香りを胸いっぱいに吸い込んだ。
「早く帰りますよ……。」
ノイが嫌そうに渋い声をあげる。
「わかったよー。」
シーツの裏から、洗濯係の使用人が楽しそうに話している声が聞こえる
何となく見覚えのある、絹のシーツ。
アリムは何の気無しにそのシーツを見つめた。
「天気がいいから、すぐに乾くわねー。」
「最近は特に仲睦まじくていらっしゃるか……ら……。」
ひょこりと顔を出した使用人と、目が合った。
この場にいるはずのないアリムの登場。
使用人は石のように固まってしまう。
「あ……っ!」
「お疲れ様です。」
アリムが声をかけると、彼女達はトマトのように顔を真っ赤にした。
後ろでノイが「あー……もう……。」と頭を抱えている。
「え?なんで?」
「……俺だってこんな匂わせ、ゴメンだぜ……。」
ノイが勝手に手を振り「もう行っていいぞ。」と使用人に声をかけた。
いつもなら決してそんな事はしないのに、だ。
アリムは首を傾げながら、風にそよぐシーツを見つめた。
***
そんな昼の出来事。
周りの反応の意味を理解したのは、今し方だ。
「え……?そういうこと……?」
「どうした……?」
湿った熱い体が覆い被さってくる。
熱の余韻を宿したまま、エメラルドの瞳が甘く微笑む。
キスを一つ落とされると、ピクリと肩が震えた。
「あのさ……。」
「ん?」
「シーツのことなんだけど……。」
ラシードはキョトンっと目を丸くして、シーツを見た。
ぐちゃぐちゃになった、絹のシーツ。
間違いなく、昼間見たものと同じだ。
ラシードは「ああ。」と頷き、アリムの背中を抱きしめた。
「シーツは後で剥がすから、もう少しゆっくりしていよう。」
「違う違う!シーツの洗濯の事だよ!」
アリムはペチペチとラシードの腕を叩く。
「洗濯?」
「このシーツ、洗濯に出してるの?」
「当然じゃないか。」
ラシードは何を言っているんだ、というように首を傾げる。
当然の反応だ。
だが問題はそこではない。
アリムはカァッと頰を染めた。
「こ……このシーツを洗濯に出してるの!?」
「……?」
羞恥が脳天を突き抜ける。
アリムはあまりの衝撃に枕に突っ伏した。
「なんだ?どうした?」
「無理無理無理……っ。」
「アリム?」
アリムはラシードの腕の中から逃げ出すと、強引にシーツを引っ張った。
しかし当然足腰は立たない。
ヘナヘナとその場に座り込んでしまう。
「お願い……。こういうシーツは俺が洗うから……。洗濯にださないで……。」
「は?」
「お願いだから……。」
「何を言っているんだ?」
ラシードはアリムの脇を掬い上げ、ベッドに引っ張り上げる。
「こんなシーツ、人に見られてたなんて……。恥ずかしくて死ぬ!」
「使用人の事か?」
「そうだよ!」
ラシードはまたアリムの背中に腕を回す。
どうあっても体をくっつけていたいらしい。
「使用人はそれが仕事なんだ。気遣う必要はない。」
チュッチュッと軽い音を立てて、つむじをくすぐられる。ただでさえ汗をかいているのだ。アリムはグイッとラシードの顎を押す。
「いててっ。」
「俺がいやなんだよ!」
「だからって、お前が洗うなど……。そうだ。洗わず燃やすか?」
「バカなのー!?」
「流石に冗談だよ。」
アリムはタチの悪い冗談に、悲鳴を上げる。
「とりあえず、お前は何も気にしなくていい。……それとも、誰かが何か言ったのか?」
「え?」
「今日、散歩に出たんだろう?」
「……何で知ってるの……?」
ジロリと睨みつければ、ラシードはにこりと黙り込む。
薄々気がついていたが、ノイが逐一報告をしているようだ。
「誰も何も言ってないよ。今更気がついただけ。」
アリムはプイッとそっぽを向く。
そしてラシードの腹をくすぐった。
「ハハッ!どうした?あ……っ!」
ラシードが腹を捩り、声を転がす。
手が力がふわりと抜けた。
アリムはその隙に、また腕の中から逃げ出す。
「こらっ!」
今度はしっかり立つことができた。
アリムはシーツの端をしっかり握ると、力任せに引っ張る。
もちろん、絹が裂けないように、細心の注意を払って。
ラシードはコロリと寝台の上を転がった。
「こら、待て!」
「シルクはぬるま湯。シルクはぬるま湯……。」
洗い方を思い出しながら、シーツを抱えて走り出す。
目指す先は風呂場だ。
ーーうっ腰痛い……っ!
腰が抜けそうになった時、後ろからラシードがアリムを抱き込んだ。
「待てと言ってるだろ!」
「待たないってばー!」
「いいや、お前は待つんだ!」
ラシードはアリムの膝を掬うと、そのまま抱き上げてしまう。
「あーもう!酷いっ!俺、平均より身長高いんだよ?傷つくから抱き上げないでよ!」
アリムはバタバタと足を動かす。
しかしラシードは「よいしょ」と言いながら、近くのソファに腰掛けた。
もちろんアリムは膝の上だ。
せめてもの抵抗を込めて、アリムはシーツをギュッと抱え込む。
「う……。冷たい……。」
「取らないから、床におきなさい。」
アリムはおとなしくシーツを床に落とす。
その途端、寒さに体が震えた。
「……俺とこういう関係なのが、そんなに恥ずかしいのか?」
ラシードはアリムの肩にガウンを掛ける。
キュッと紐を結ばれると、ようやく体が温まった。
「俺たちの仲が睦まじいのは、皆喜ばしいことなんだぞ?」
「発想が王様なんだよ……。それにみんなが喜ぶのは、俺とじゃ……。」
アリムはそこまで言い掛けて、口を噤む。
危うくマルグリットと、リアナの名前を出すところだった。
ラシードの目が据わりかけている。
「と、とにかく……。」
アリムは白々しく咳払いをする。
「俺はこういうの、永遠に慣れないの。お願いだよ、汚れを落とすだけだから。ね?」
「……ダメだ。」
「なんでわかってくれないんだよー!」
「お前と触れ合う時間が減ってしまうじゃないか。」
首筋に落とされた呟き。
腹あたりに回された手に、ギュッと力が籠る。
アリムは目を丸くして、後ろを振り返った。
「……だから、ダメだ。」
ラシードは耳の先を赤くして、プイッとアリムの視線から逃げる。
しかしアリムの腰を抱いている手は、決して離れていかない。
「……知らないかもしれないが……。俺にこんな風に振る舞えるのは、世界中を探してもお前1人なんだぞ……?」
「言われてみれば……。」
「だろう?だから俺はお前といる時間が、1番自由だし、満ち足りるんだ……。なのにお前は、俺からその時間を奪ってしまうのか?」
甘いバリトンが、アリムの耳元で拗ねた言葉を紡ぐ。
アリムはキュッと胸が締め付けられる。
「ラシード……。」
「な?だからゆっくり眠ろう。俺を幸せにしておくれ。」
ラシードは頬を擦り寄せる。
汗をかいた後でも、ラシードは憎たらしいくらいにいい香りだ。
アリムが顔を傾けて目を閉じれば、優しい唇が落ちてくる。
そうだ。
何故この考えに至らなかったのだろう。
「うん……。わかったよ……。」
「そうか、わかってくれたか。」
「うん。そうだよね……。」
アリムはラシードの舌先を舐めたり、吸ったりを繰り返す。
2人の口の中の温度が混ざり合った頃。
ようやく2人は唇を離した。
ラシードの濡れた唇が、甘い笑みを浮かべる。
「アリ……。」
「明日の朝、お風呂入る時に一緒に洗おうね。2人でやれば早いだろうし。」
「は?」
「あー、良かった。解決策が見つかって。」
アリムはにこりと笑って、ラシードの鼻先をつんっと突いた。
ラシードは開いた口が塞がらないらしい。
ポカンっとアリムを見つめている。
そんな可愛らしいラシードの唇を、もう一度啄む。
そしてアリムはそっと耳元で囁いた。
「そうと決まれば、ベッドに戻ろっか?」
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名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
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