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9章 偽物にはお似合い
①
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「このサロン、本当に久しぶりですわ。」
リアナは先程から機嫌良さそうに笑みを浮かべている。
目の前のテーブルには、色とりどりの可愛らしい菓子が所狭しと並んでおり、どこの国の物なのか検討もつかない茶器は、細やかな花の装飾が施されていて、煌びやかだ。
つまりこの席は、リアナの用意したもので、アリムはどこから手をつけて良いのか、そもそも手をつけていいのかすらわからなかった。
リアナは先程から茶に手をつけないアリムに、首を傾げて見せる。
「お好みに合わないかしら?」
不安そうに揺れた栗色の髪の毛に可愛らしさを感じながら、アリムは慌てて首を振る。
「いえ!いただきます。」
口に含んだ茶は、花のように良い香りで、やっと一息つけた心地になる。
ほぉ、と思わず漏らした吐息に、またリアナは笑った。
「織部を任されたと聞きました。適材適所で、安心しましたわ。」
「任されたといいましても……。何をどうすればいいのかわかりません。」
「何をしてもいいのですよ。」
リアナはアリムの皿に、ピンク色の丸い菓子を乗せて「召し上がって。」と微笑んだ。
「アリムの店だと思ってください。仕入れの管理、人材の管理、育成、季節に応じた衣装を誰にどの様に分配するか、全てはアリムの采配です。だから私がアリムに嫌われたとしたら、冬のコートを一枚少なくしたっていいのですよ。」
「ええ?」
「嫌だわ。アリムには特別親切にしないと。」
リアナは茶目っ気を含めて、肩をすくめる。
アリムは勧められた菓子を食べて、声を漏らした。
「うまい。」
「マカロンはお好き?」
「はじめて食べました。美味しいですね。」
「え?」
今度はリアナが目を丸くした。
「……でしたら、こちらは?カヌレはどうかしら?」
アリムは皿に乗せられたカヌレを頬張り、また「うまい。」と頷く。そして、興味深そうにテーブルの上の菓子を見渡した。
その反応に、リアナの眉がピクリと動く。
「ティータイムはあまり過ごされませんの?」
「呉服屋の休憩時間は、みんなで露店のドーナツやクッキーを食べたりしてました。こういう手の込んだ菓子は、食べませんでしたね。」
リアナは何か言いたそうに口を開く。
何故か後ろに控えていた侍女も、気まずそうに目を伏せていた。
「……?あ!この前ナトマ卿が、午後にお茶とケーキを用意してくれました。お腹が空いて見えたんですかね。あのケーキも美味しかったな。」
リアナはにこりと笑う。
「お口にあって嬉しいわ。どんどん召し上がって。チョコレートもお好きだと思うの。」
リアナは見目の良い菓子を数個取り分ける。
アリムは「いいのかな」と思いながらも、誘惑には抗えず、チョコレートに手を伸ばした。
口の中でとろりととろけるチョコレートは、到底平民の口には入らないものだ。
思わずもう一つ、と手が伸びる。
「ふふ。私も露天のドーナツは好きよ。兄が商売をしているから、時々買ってきてくれるんです。」
「へぇ……。」
リアナは手帳を取り出し、KとNと乱暴に走り書きをした。
「それは?」
「私にも任せれている仕事があるんです。仕事に関することはここにメモを取っているんですの。」
「侍女の管理を任せているとききました。」
「ええ。侍女の目の前でこうやって手帳を取り出すと、みんな顔色が悪くなるんですよ。呪いの手帳とでも思っているんでしょうか。」
つまり、いい事は書いていない、と言う事だろう。
アリムはそっと盗み見しようとしたが、リアナに笑顔で制された。
「僕が何かしでかしましたか?」
「いいえ。アリムの事ではありませんわ。」
焦りで「僕」と口走ってしまう。
だがリアナは特に気にした様子もなく、手帳を小さな鞄に仕舞い込んだ。
「それにアリムは侍従ではないでしょう?妃同士で、何を管理するのですか?」
対等な立ち位置を強調され、アリムは口をつぐむ。
「……仕事に慣れましたら、リアナ様には一等似合う衣装を送ります。」
「まぁ!アリムの見立てで?嬉しいわ!」
パンっと小さな手を叩いて、リアナは花の様に笑った。
その屈託のなさに、アリムもつられて頬を綻ばせる。
「まずはレイブンと話をしてみてください。季節毎と行事毎に衣服が届くので、決まったスケジュールがあるはずですわ。」
「この後、グナード長と会うんです。いろいろ聞いてみますね。」
「あまり参考にならなくてごめんなさいね。私、服のセンスはからっきしで。美的センス……というのかしら?そういう感性が死んでるんですの。だから織部の事にはあまり詳しくなくて。」
あっけらかんとした発言に、アリムは小さく吹き出した。
リアナはツヤツヤとした栗色の髪の毛と、菫色の大きな瞳が特徴的な、愛らしい女性だった。菫色というのは、珍しい瞳の色だが、母が外国の姫君だったらしい。
マルグリットが薔薇の様な鮮やかな美人なら、リアナは芍薬のような、清楚な美しさだ。
いつもその美しさに似合う、柔らかな色味のドレスを着ていたが、侍女が選んでいるのだろうか。
「参考になりました。また相談に乗っていただけますか?」
「もちろんですわ。相談事の為じゃなくても、私とまたお茶をしていただけます?」
その問いに、一瞬戸惑う。
自分と親交を深める事が、リアナの評判に傷をつけないか心配だった。
現に、脇に控えているリアナの侍女が、眉間に皺を寄せながら、アリムをじっとりと見据えている。
「サミー。」
ほんの僅かに顰められた声音で呼ばれた侍女が、慌ててアリムから視線を外す。
顔色が見るからに青ざめた。
「はい。妃殿下。」
語尾が震えている。
リアナは口許を綻ばせ、サミーと呼ばれた侍女を振り返った。
「あなた……。」
「是非またお話ししたいです。」
アリムはカチャンッと派手な音を立てて、カップを持ち上げた。
その高い音と、アリムの明るい声に、ハッとした様にリアナが視線を戻す。
アリムは大らかに笑みを浮かべると、リアナの菫色の瞳をジッと見つめた。
「リアナ様が良ければ、またお話ししましょう。」
「本当?」
一瞬凍った空気が、その途端にほわりと温まる。
後ろでサミーがあからさまに胸を撫で下ろしたのを視界に入れながら、アリムは大きく頷き返す。
「もちろんです。」
「嬉しい!私たち、いいお友達になれるわね!」
アリムは笑みを崩さないまま、こくりと頷く。
「でもアリム。友達なのですから、様をつけるのはやめてくださらない?マルグリットさんですら、私をリアナと呼ぶのよ?」
リアナはサミーへの興味を失ったようで、小さな口を尖らせながら身を乗り出す。
リアナが完全にアリムのスペースに神経を向けたのを確認して、アリムはサミーを視界から追い出した。
「それは……。」
「まぁ!でも今は王族よ?何が難しいの?」
「……もう少し時間をください。」
アリムはカップの縁をくるりとなぞり、リアナの顔色を窺い見た。
リアナはわかりやすく、シュンっと肩を落とす。
「なら私がアリムと呼ぶのはいけないの……?私は親愛を込めて呼んでいるだけなのよ?」
「……。」
根本から無理な話をどうしたらいいか、アリムはカップに視線を落とす。
ゆらゆらと揺らめく水面に、自分の困り顔が映っている。
そして、チラリとリアナを伺い見れば、リアナは真剣な眼差しで、アリムを見据えている。
アリムはフゥッと水面を揺らし、顔を上げた。
「いつか、リアナ様にお似合いのタラーレンを仕立てます。その頃にはきっと、私もここの生活に慣れているでしょうから……。その時には気軽にお名前で呼ばせていただきます。」
「!!」
リアナが頬を真っ赤に染めた。
「……あら、いやだわ、私ったら。突然暑くなって……。そう。そうなの?楽しみですわ。」
赤くなった頬を両手で隠しながら、リアナはフフフッと照れた様に笑う。
だが、視線は上を向いたり下を向いたりして、アリムを見ようとしない。
どうしたのだろうと、侍女を盗み見ると、彼女は今にもアリムに掴みかかりそうな剣呑な目つきで睨みつけていた。
ーー何かまずい事でも言ったのか?
リアナは目元に朱を刺して、まつ毛の影を落とす。
「アリムなら、一等似合うものを選んでくれますね。本当に楽しみ。」
可愛らしい甘えに、アリムはただ微笑んで頷いた。
「必ず。」
その短い返答に、リアナは大輪の花を咲かせたかのように笑顔を浮かべた。
リアナは先程から機嫌良さそうに笑みを浮かべている。
目の前のテーブルには、色とりどりの可愛らしい菓子が所狭しと並んでおり、どこの国の物なのか検討もつかない茶器は、細やかな花の装飾が施されていて、煌びやかだ。
つまりこの席は、リアナの用意したもので、アリムはどこから手をつけて良いのか、そもそも手をつけていいのかすらわからなかった。
リアナは先程から茶に手をつけないアリムに、首を傾げて見せる。
「お好みに合わないかしら?」
不安そうに揺れた栗色の髪の毛に可愛らしさを感じながら、アリムは慌てて首を振る。
「いえ!いただきます。」
口に含んだ茶は、花のように良い香りで、やっと一息つけた心地になる。
ほぉ、と思わず漏らした吐息に、またリアナは笑った。
「織部を任されたと聞きました。適材適所で、安心しましたわ。」
「任されたといいましても……。何をどうすればいいのかわかりません。」
「何をしてもいいのですよ。」
リアナはアリムの皿に、ピンク色の丸い菓子を乗せて「召し上がって。」と微笑んだ。
「アリムの店だと思ってください。仕入れの管理、人材の管理、育成、季節に応じた衣装を誰にどの様に分配するか、全てはアリムの采配です。だから私がアリムに嫌われたとしたら、冬のコートを一枚少なくしたっていいのですよ。」
「ええ?」
「嫌だわ。アリムには特別親切にしないと。」
リアナは茶目っ気を含めて、肩をすくめる。
アリムは勧められた菓子を食べて、声を漏らした。
「うまい。」
「マカロンはお好き?」
「はじめて食べました。美味しいですね。」
「え?」
今度はリアナが目を丸くした。
「……でしたら、こちらは?カヌレはどうかしら?」
アリムは皿に乗せられたカヌレを頬張り、また「うまい。」と頷く。そして、興味深そうにテーブルの上の菓子を見渡した。
その反応に、リアナの眉がピクリと動く。
「ティータイムはあまり過ごされませんの?」
「呉服屋の休憩時間は、みんなで露店のドーナツやクッキーを食べたりしてました。こういう手の込んだ菓子は、食べませんでしたね。」
リアナは何か言いたそうに口を開く。
何故か後ろに控えていた侍女も、気まずそうに目を伏せていた。
「……?あ!この前ナトマ卿が、午後にお茶とケーキを用意してくれました。お腹が空いて見えたんですかね。あのケーキも美味しかったな。」
リアナはにこりと笑う。
「お口にあって嬉しいわ。どんどん召し上がって。チョコレートもお好きだと思うの。」
リアナは見目の良い菓子を数個取り分ける。
アリムは「いいのかな」と思いながらも、誘惑には抗えず、チョコレートに手を伸ばした。
口の中でとろりととろけるチョコレートは、到底平民の口には入らないものだ。
思わずもう一つ、と手が伸びる。
「ふふ。私も露天のドーナツは好きよ。兄が商売をしているから、時々買ってきてくれるんです。」
「へぇ……。」
リアナは手帳を取り出し、KとNと乱暴に走り書きをした。
「それは?」
「私にも任せれている仕事があるんです。仕事に関することはここにメモを取っているんですの。」
「侍女の管理を任せているとききました。」
「ええ。侍女の目の前でこうやって手帳を取り出すと、みんな顔色が悪くなるんですよ。呪いの手帳とでも思っているんでしょうか。」
つまり、いい事は書いていない、と言う事だろう。
アリムはそっと盗み見しようとしたが、リアナに笑顔で制された。
「僕が何かしでかしましたか?」
「いいえ。アリムの事ではありませんわ。」
焦りで「僕」と口走ってしまう。
だがリアナは特に気にした様子もなく、手帳を小さな鞄に仕舞い込んだ。
「それにアリムは侍従ではないでしょう?妃同士で、何を管理するのですか?」
対等な立ち位置を強調され、アリムは口をつぐむ。
「……仕事に慣れましたら、リアナ様には一等似合う衣装を送ります。」
「まぁ!アリムの見立てで?嬉しいわ!」
パンっと小さな手を叩いて、リアナは花の様に笑った。
その屈託のなさに、アリムもつられて頬を綻ばせる。
「まずはレイブンと話をしてみてください。季節毎と行事毎に衣服が届くので、決まったスケジュールがあるはずですわ。」
「この後、グナード長と会うんです。いろいろ聞いてみますね。」
「あまり参考にならなくてごめんなさいね。私、服のセンスはからっきしで。美的センス……というのかしら?そういう感性が死んでるんですの。だから織部の事にはあまり詳しくなくて。」
あっけらかんとした発言に、アリムは小さく吹き出した。
リアナはツヤツヤとした栗色の髪の毛と、菫色の大きな瞳が特徴的な、愛らしい女性だった。菫色というのは、珍しい瞳の色だが、母が外国の姫君だったらしい。
マルグリットが薔薇の様な鮮やかな美人なら、リアナは芍薬のような、清楚な美しさだ。
いつもその美しさに似合う、柔らかな色味のドレスを着ていたが、侍女が選んでいるのだろうか。
「参考になりました。また相談に乗っていただけますか?」
「もちろんですわ。相談事の為じゃなくても、私とまたお茶をしていただけます?」
その問いに、一瞬戸惑う。
自分と親交を深める事が、リアナの評判に傷をつけないか心配だった。
現に、脇に控えているリアナの侍女が、眉間に皺を寄せながら、アリムをじっとりと見据えている。
「サミー。」
ほんの僅かに顰められた声音で呼ばれた侍女が、慌ててアリムから視線を外す。
顔色が見るからに青ざめた。
「はい。妃殿下。」
語尾が震えている。
リアナは口許を綻ばせ、サミーと呼ばれた侍女を振り返った。
「あなた……。」
「是非またお話ししたいです。」
アリムはカチャンッと派手な音を立てて、カップを持ち上げた。
その高い音と、アリムの明るい声に、ハッとした様にリアナが視線を戻す。
アリムは大らかに笑みを浮かべると、リアナの菫色の瞳をジッと見つめた。
「リアナ様が良ければ、またお話ししましょう。」
「本当?」
一瞬凍った空気が、その途端にほわりと温まる。
後ろでサミーがあからさまに胸を撫で下ろしたのを視界に入れながら、アリムは大きく頷き返す。
「もちろんです。」
「嬉しい!私たち、いいお友達になれるわね!」
アリムは笑みを崩さないまま、こくりと頷く。
「でもアリム。友達なのですから、様をつけるのはやめてくださらない?マルグリットさんですら、私をリアナと呼ぶのよ?」
リアナはサミーへの興味を失ったようで、小さな口を尖らせながら身を乗り出す。
リアナが完全にアリムのスペースに神経を向けたのを確認して、アリムはサミーを視界から追い出した。
「それは……。」
「まぁ!でも今は王族よ?何が難しいの?」
「……もう少し時間をください。」
アリムはカップの縁をくるりとなぞり、リアナの顔色を窺い見た。
リアナはわかりやすく、シュンっと肩を落とす。
「なら私がアリムと呼ぶのはいけないの……?私は親愛を込めて呼んでいるだけなのよ?」
「……。」
根本から無理な話をどうしたらいいか、アリムはカップに視線を落とす。
ゆらゆらと揺らめく水面に、自分の困り顔が映っている。
そして、チラリとリアナを伺い見れば、リアナは真剣な眼差しで、アリムを見据えている。
アリムはフゥッと水面を揺らし、顔を上げた。
「いつか、リアナ様にお似合いのタラーレンを仕立てます。その頃にはきっと、私もここの生活に慣れているでしょうから……。その時には気軽にお名前で呼ばせていただきます。」
「!!」
リアナが頬を真っ赤に染めた。
「……あら、いやだわ、私ったら。突然暑くなって……。そう。そうなの?楽しみですわ。」
赤くなった頬を両手で隠しながら、リアナはフフフッと照れた様に笑う。
だが、視線は上を向いたり下を向いたりして、アリムを見ようとしない。
どうしたのだろうと、侍女を盗み見ると、彼女は今にもアリムに掴みかかりそうな剣呑な目つきで睨みつけていた。
ーー何かまずい事でも言ったのか?
リアナは目元に朱を刺して、まつ毛の影を落とす。
「アリムなら、一等似合うものを選んでくれますね。本当に楽しみ。」
可愛らしい甘えに、アリムはただ微笑んで頷いた。
「必ず。」
その短い返答に、リアナは大輪の花を咲かせたかのように笑顔を浮かべた。
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