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二人のいざこざ
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私の顔に触れたニコルの手は冷たかった。
それはまるでさっきまで氷か何かを持っていたと思える程で…。
ただ、打たれ、腫れが増す顔にはヒンヤリと感じ、その手に私は重ねるように手を合わせた。
「痛かったな」
「……はい」
二人の佇まいはまるで夫婦のような雰囲気を醸し、周りにいたメイド、衛兵は声を出さず見守るだけだった。
だが、ファーラスは違った。
「なにをしてるんです、ニコル様。そんな土を顔に貼り付けた奴に同情をするなんて!あなたにはちゃんとした婚約者がいるでしょう!?」
ファーラスの言葉は間違ってないみたいで、メイドや衛兵はその言葉を否定することは無かった。
だが、ニコルはその言葉を聞き返し、『そんな者はいない』と一蹴した。
「なにを寝ぼけた事を!?先代からの取り決めであなたはローウェル家のご令嬢と婚姻を結ぶ手筈でしょう!
今更その約束を反故にするつもりですか?」
私はローウェル家という家柄を知らない。
一平凡な家庭で貧しい環境に育った身では上流階級の人達が繰り広げる派閥や妬み、嫉妬など様々な感情が入り混じる社会とは縁遠いものである。
ただ、ファーラスが声高らかにいう令嬢との婚姻はニコルにとって嫌なものなのだろう…何度言われても『俺はしない』と突き放す。
「先代……父が勝手に決めた事だが、もうこの世にいない者の言葉に従うつもりはない、今の王は俺だ。
いくら先代からの付き合いとはいえ、王に歯向かう事は得策ではないな、ファーラス」
「しかし!?先日も15を祝う為わざわざお越しになった相手を捨てるのですか?」
ニコルとファーラスの言い争いを私は黙って聞いていた。
罵るファーラスは顔を赤らめ頭に血が昇ってる様子だ、一方でニコルは涼しい顔をし、完全に塞がってない窓から入る日の方を見ていた。
「……マリアとは上手くやれん、断りの返事を出しておけ」
「正気ですか!?断りなど入れたら取り返しがつかない事態になるかもしれないのですよ!?そんな小娘はさっさと追い出すべきだ!?」
ファーラスは持つステッキを私に向け、何度も指差し、近くにいる衛兵に摘み出すよう指示を出した。
しかし、衛兵は一歩も動かず、その場に立ち止まったままだった。
「ファーラス、衛兵は王の俺だけの指示でしか動かん」
「……だったら」
動かない衛兵を見限り、ファーラスはステッキを振りかぶりながら私に近づき、再び叩こうとしてきた。
そんな時だった。
バキっと音がした後、振り下ろしたステッキが真っ二つに折れ、私の体の横をカランカランと音を立てながら転がっていった。
「なっ」
ステッキが折れた原因はニコルが宝剣を抜き、切ったからだった。
それはまるでさっきまで氷か何かを持っていたと思える程で…。
ただ、打たれ、腫れが増す顔にはヒンヤリと感じ、その手に私は重ねるように手を合わせた。
「痛かったな」
「……はい」
二人の佇まいはまるで夫婦のような雰囲気を醸し、周りにいたメイド、衛兵は声を出さず見守るだけだった。
だが、ファーラスは違った。
「なにをしてるんです、ニコル様。そんな土を顔に貼り付けた奴に同情をするなんて!あなたにはちゃんとした婚約者がいるでしょう!?」
ファーラスの言葉は間違ってないみたいで、メイドや衛兵はその言葉を否定することは無かった。
だが、ニコルはその言葉を聞き返し、『そんな者はいない』と一蹴した。
「なにを寝ぼけた事を!?先代からの取り決めであなたはローウェル家のご令嬢と婚姻を結ぶ手筈でしょう!
今更その約束を反故にするつもりですか?」
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ただ、ファーラスが声高らかにいう令嬢との婚姻はニコルにとって嫌なものなのだろう…何度言われても『俺はしない』と突き放す。
「先代……父が勝手に決めた事だが、もうこの世にいない者の言葉に従うつもりはない、今の王は俺だ。
いくら先代からの付き合いとはいえ、王に歯向かう事は得策ではないな、ファーラス」
「しかし!?先日も15を祝う為わざわざお越しになった相手を捨てるのですか?」
ニコルとファーラスの言い争いを私は黙って聞いていた。
罵るファーラスは顔を赤らめ頭に血が昇ってる様子だ、一方でニコルは涼しい顔をし、完全に塞がってない窓から入る日の方を見ていた。
「……マリアとは上手くやれん、断りの返事を出しておけ」
「正気ですか!?断りなど入れたら取り返しがつかない事態になるかもしれないのですよ!?そんな小娘はさっさと追い出すべきだ!?」
ファーラスは持つステッキを私に向け、何度も指差し、近くにいる衛兵に摘み出すよう指示を出した。
しかし、衛兵は一歩も動かず、その場に立ち止まったままだった。
「ファーラス、衛兵は王の俺だけの指示でしか動かん」
「……だったら」
動かない衛兵を見限り、ファーラスはステッキを振りかぶりながら私に近づき、再び叩こうとしてきた。
そんな時だった。
バキっと音がした後、振り下ろしたステッキが真っ二つに折れ、私の体の横をカランカランと音を立てながら転がっていった。
「なっ」
ステッキが折れた原因はニコルが宝剣を抜き、切ったからだった。
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