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立場
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切られたステッキの切り口は丸く、一瞬の出来事で驚きの声を上げる間も無かった。
宝剣の刃に当たる日が四方に広がり、薄暗かった部屋の中をキラキラと明るく照らしていく。
「な、なんて事を!?」
「リースを痛めつけたのもお前だな、ファーラス。
今の状況では弁明しても遅いぞ?」
宝剣の刃先をファーラスの目の前に突き向け、認めろと促す。
「は、ははっ、そうです、そうですよ!私がこのドブネズミに制裁を加えたんです。こんな奴を迎え入れるあなたもおかしい!?」
「そうか……」
「そうですよ!」
剣を突き向けたまま衛兵の方を向くと、クイっと顎をファーラスの方へと移動させ、それを合図に衛兵達はササ…っとファーラスを取り囲んでいった。
「……私を投獄するつもりですか?」
「投獄?いや、違うな。俺はお前が嫌いだった。先代からの付き合いとはいえ、俺とは考えが合わない。
だからお前をフィリス家……いや、この国から追放する、やれっ!」
ニコルの声と共に衛兵達はファーラスを地面へと押し付け、抵抗する間もなく縄で縛り括られていく。
「覚えておけよ、ニコル!?」
執事としての言葉遣いはもうそこには無かった。
罵り、罵倒、憎しみなど様々な感情の言葉を吐きつつ、ファーラスは引き起こされ屋敷外へと連れ出されていった。
一連の出来事を見ていたメイドは萎縮し、怯えのような目をしつつニコルの事を見ていた。
「ふん、代わりなどいくらでもいる」
そう吐きつつ、出された宝剣を鞘へと戻していき、再び私の方を振り向いた。
「お前を迎え入れる事に異を唱える邪魔者はいなくなった。…立てるか?」
ニコルは右手を差し出し、私が掴むのを待っていた。
その手に私はゆっくりと重ねると、勢いよく立たせメイドに風呂場へ連れて行けと指示をし、部屋を出て行った。
去り行くニコルの背を見つつ、触れた手は少しだけ暖かったと感じた。
多分、怒りの感情を持ち、体温が上がったのだろう。
「……あの、こちらで」
メイドの一人が恐る恐る私へ声をかけてくる。
ニコルが妻に、と招いたが得体の知れない私をどう扱うべきかといった感情の方が優っている感じだ。
部屋から出た私はフィリス家の屋敷を見渡しつつ歩いた。
壁は白く、床は真っ赤な絨毯が敷き詰められ、数m毎に置かれた台には大小様々な大きさの花瓶が並び、その中には色とりどりの花が綺麗に挿されている。
どうやらこの花は屋敷にある花壇から採った物だろうとすぐに分かった。
私を中心に周りを囲むメイドはチラ、チラっと私の事を見つつ先へと進み、その中の一人が絨毯に足を取られ躓きよろめたかと思ったら、私の方を向き、何度も何度も頭を下げ謝ってくる。しかも、躓いたメイドだけじゃなく、周りを囲む全員がそうしてきた。
その様子は異常な程でもあった。
何一つ悪い事はしてないのに…。
先程の件もあるのか、無礼を働いた者はニコルによってすぐに追い出される。
それがトラウマになっており、謝る手はブルブルと小刻みに震えていた。
宝剣の刃に当たる日が四方に広がり、薄暗かった部屋の中をキラキラと明るく照らしていく。
「な、なんて事を!?」
「リースを痛めつけたのもお前だな、ファーラス。
今の状況では弁明しても遅いぞ?」
宝剣の刃先をファーラスの目の前に突き向け、認めろと促す。
「は、ははっ、そうです、そうですよ!私がこのドブネズミに制裁を加えたんです。こんな奴を迎え入れるあなたもおかしい!?」
「そうか……」
「そうですよ!」
剣を突き向けたまま衛兵の方を向くと、クイっと顎をファーラスの方へと移動させ、それを合図に衛兵達はササ…っとファーラスを取り囲んでいった。
「……私を投獄するつもりですか?」
「投獄?いや、違うな。俺はお前が嫌いだった。先代からの付き合いとはいえ、俺とは考えが合わない。
だからお前をフィリス家……いや、この国から追放する、やれっ!」
ニコルの声と共に衛兵達はファーラスを地面へと押し付け、抵抗する間もなく縄で縛り括られていく。
「覚えておけよ、ニコル!?」
執事としての言葉遣いはもうそこには無かった。
罵り、罵倒、憎しみなど様々な感情の言葉を吐きつつ、ファーラスは引き起こされ屋敷外へと連れ出されていった。
一連の出来事を見ていたメイドは萎縮し、怯えのような目をしつつニコルの事を見ていた。
「ふん、代わりなどいくらでもいる」
そう吐きつつ、出された宝剣を鞘へと戻していき、再び私の方を振り向いた。
「お前を迎え入れる事に異を唱える邪魔者はいなくなった。…立てるか?」
ニコルは右手を差し出し、私が掴むのを待っていた。
その手に私はゆっくりと重ねると、勢いよく立たせメイドに風呂場へ連れて行けと指示をし、部屋を出て行った。
去り行くニコルの背を見つつ、触れた手は少しだけ暖かったと感じた。
多分、怒りの感情を持ち、体温が上がったのだろう。
「……あの、こちらで」
メイドの一人が恐る恐る私へ声をかけてくる。
ニコルが妻に、と招いたが得体の知れない私をどう扱うべきかといった感情の方が優っている感じだ。
部屋から出た私はフィリス家の屋敷を見渡しつつ歩いた。
壁は白く、床は真っ赤な絨毯が敷き詰められ、数m毎に置かれた台には大小様々な大きさの花瓶が並び、その中には色とりどりの花が綺麗に挿されている。
どうやらこの花は屋敷にある花壇から採った物だろうとすぐに分かった。
私を中心に周りを囲むメイドはチラ、チラっと私の事を見つつ先へと進み、その中の一人が絨毯に足を取られ躓きよろめたかと思ったら、私の方を向き、何度も何度も頭を下げ謝ってくる。しかも、躓いたメイドだけじゃなく、周りを囲む全員がそうしてきた。
その様子は異常な程でもあった。
何一つ悪い事はしてないのに…。
先程の件もあるのか、無礼を働いた者はニコルによってすぐに追い出される。
それがトラウマになっており、謝る手はブルブルと小刻みに震えていた。
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