34 / 68
真実
しおりを挟む
早く言って、と懇願するように更に力を入れるが、イリーナは口を開かず黙ったままだった。
すると……
「なにしてるのかしら、そんな所で」
声をする方を見るとローズがゆっくりこちらに向かってきており、その傍らにはエリスが後をついてくる。
「……なにか用?」
「あら、なんだか不機嫌ね。……手なんか取ってなにしようとしたのかしら」
「う、うるさいっ」
ローズの言葉に私はイリーナを掴んだ手を離すと、ローズと向かい合い、私の意識が自身から離れた事でイリーナは少しホッとした様子を見せた。
「それよりも……」
ローズは私の薬指の指輪をチラッと見た後、顔を見て言ってきた。
「あなた、お兄様から離婚を告げられたみたいね。ほんといい気味だわ!?あなたなんかにはやっぱりお兄様の妻なんて器ないから」
「えっ」
イリーナが驚く声を上げた。
それ以上に何故あの場所にいなかったローズがその事を知ってるのかと衝撃を受けた私もいた。
「なんで知ってるの……」
「そりゃあ、ね」
ローズはエリスの方を見ると『ふふっ』と笑う。
「まさか、居たの……あの場所に」
エリスを問い詰めると首を縦に振る。
「私はローズ様の味方だから」
「ふふっ、だからあなたとお兄様の事は筒抜けなの。期限まで設けらたそうじゃない。……あー、早く日が経たないかしら、待ち遠しいっ」
コソコソと暗躍するエリスに苛立ち、私は掴み掛かろうとした。
だが、その手をローズは叩きだす。
「いたっ。なにするの!?」
「それはこちらの台詞。私の『可愛いエリス』に手を出さないでくれる?
そんな事してる場合なのかしら、刻一刻と期限を迎えるわよ」
「リース……」
私を気遣うイリーナをローズが声を掛ける。
「あなたもいいの?こんなのを相手にしていて」
その言葉の意味が私には分からなかった。
でもイリーナが少し顔を背け、下唇を軽く噛む仕草を見せた事で『えっ』と声を漏らした。
「エリス」
「はい」
何か知ってるのか?イリーナの秘密を…。
「あなたはニコル様と……」
「やめてっ!?」
イリーナの大声でエリスの言葉が遮られた。
でも尋常じゃないくらい顔は真っ赤で怒りに満ちているのはよく分かった。
「そんな声張らなくても良いんじゃない?……今が一番良いタイミングだと思うけど」
不適に笑みを浮かべるローズ、そして何かを知ってるエリス。
手をブルブルと振るわせ、下を向くイリーナの様子は明らかに変だ。
「イリーナ……?」
私の声にも反応を示さず、態度は一緒だ。
「……あなたはお兄様とコソコソと会ってる。一度だけじゃない、何度も」
ローズが真実を述べるとイリーナは手をグッと握りこんだ。
すると……
「なにしてるのかしら、そんな所で」
声をする方を見るとローズがゆっくりこちらに向かってきており、その傍らにはエリスが後をついてくる。
「……なにか用?」
「あら、なんだか不機嫌ね。……手なんか取ってなにしようとしたのかしら」
「う、うるさいっ」
ローズの言葉に私はイリーナを掴んだ手を離すと、ローズと向かい合い、私の意識が自身から離れた事でイリーナは少しホッとした様子を見せた。
「それよりも……」
ローズは私の薬指の指輪をチラッと見た後、顔を見て言ってきた。
「あなた、お兄様から離婚を告げられたみたいね。ほんといい気味だわ!?あなたなんかにはやっぱりお兄様の妻なんて器ないから」
「えっ」
イリーナが驚く声を上げた。
それ以上に何故あの場所にいなかったローズがその事を知ってるのかと衝撃を受けた私もいた。
「なんで知ってるの……」
「そりゃあ、ね」
ローズはエリスの方を見ると『ふふっ』と笑う。
「まさか、居たの……あの場所に」
エリスを問い詰めると首を縦に振る。
「私はローズ様の味方だから」
「ふふっ、だからあなたとお兄様の事は筒抜けなの。期限まで設けらたそうじゃない。……あー、早く日が経たないかしら、待ち遠しいっ」
コソコソと暗躍するエリスに苛立ち、私は掴み掛かろうとした。
だが、その手をローズは叩きだす。
「いたっ。なにするの!?」
「それはこちらの台詞。私の『可愛いエリス』に手を出さないでくれる?
そんな事してる場合なのかしら、刻一刻と期限を迎えるわよ」
「リース……」
私を気遣うイリーナをローズが声を掛ける。
「あなたもいいの?こんなのを相手にしていて」
その言葉の意味が私には分からなかった。
でもイリーナが少し顔を背け、下唇を軽く噛む仕草を見せた事で『えっ』と声を漏らした。
「エリス」
「はい」
何か知ってるのか?イリーナの秘密を…。
「あなたはニコル様と……」
「やめてっ!?」
イリーナの大声でエリスの言葉が遮られた。
でも尋常じゃないくらい顔は真っ赤で怒りに満ちているのはよく分かった。
「そんな声張らなくても良いんじゃない?……今が一番良いタイミングだと思うけど」
不適に笑みを浮かべるローズ、そして何かを知ってるエリス。
手をブルブルと振るわせ、下を向くイリーナの様子は明らかに変だ。
「イリーナ……?」
私の声にも反応を示さず、態度は一緒だ。
「……あなたはお兄様とコソコソと会ってる。一度だけじゃない、何度も」
ローズが真実を述べるとイリーナは手をグッと握りこんだ。
2
あなたにおすすめの小説
元婚約者に捨てられて皇太子に拾われたけど、今さら後悔しても遅いですよ?
exdonuts
恋愛
婚約破棄された日に崖から落ちた。目覚めたら見知らぬ国の皇太子に拾われ、私は皇太子妃候補に。元婚約者は私の死を喜び、新妻と祝杯を挙げていた。だが一年後、国賓として訪れた私は皇太子の腕に抱かれていた。彼の溺愛は国を揺るがすほどで、元婚約者の後悔の叫びなど届かない。ざまぁ、あなたが捨てたこの女が、今世界で一番愛されているのよ。
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
殿下の婚約者は、記憶喪失です。
有沢真尋
恋愛
王太子の婚約者である公爵令嬢アメリアは、いつも微笑みの影に疲労を蓄えているように見えた。
王太子リチャードは、アメリアがその献身を止めたら烈火の如く怒り狂うのは想像に難くない。自分の行動にアメリアが口を出すのも絶対に許さない。たとえば結婚前に派手な女遊びはやめて欲しい、という願いでさえも。
たとえ王太子妃になれるとしても、幸せとは無縁そうに見えたアメリア。
彼女は高熱にうなされた後、すべてを忘れてしまっていた。
※ざまあ要素はありません。
※表紙はかんたん表紙メーカーさま
【完結】精神的に弱い幼馴染を優先する婚約者を捨てたら、彼の兄と結婚することになりました
当麻リコ
恋愛
侯爵令嬢アメリアの婚約者であるミュスカーは、幼馴染みであるリリィばかりを優先する。
リリィは繊細だから僕が支えてあげないといけないのだと、誇らしそうに。
結婚を間近に控え、アメリアは不安だった。
指輪選びや衣装決めにはじまり、結婚に関する大事な話し合いの全てにおいて、ミュスカーはリリィの呼び出しに応じて行ってしまう。
そんな彼を見続けて、とうとうアメリアは彼との結婚生活を諦めた。
けれど正式に婚約の解消を求めてミュスカーの父親に相談すると、少し時間をくれと言って保留にされてしまう。
仕方なく保留を承知した一ヵ月後、国外視察で家を空けていたミュスカーの兄、アーロンが帰ってきてアメリアにこう告げた。
「必ず幸せにすると約束する。どうか俺と結婚して欲しい」
ずっと好きで、けれど他に好きな女性がいるからと諦めていたアーロンからの告白に、アメリアは戸惑いながらも頷くことしか出来なかった。
【完結】婚約者?勘違いも程々にして下さいませ
リリス
恋愛
公爵令嬢ヤスミーンには侯爵家三男のエグモントと言う婚約者がいた。
先日不慮の事故によりヤスミーンの両親が他界し女公爵として相続を前にエグモントと結婚式を三ヶ月後に控え前倒しで共に住む事となる。
エグモントが公爵家へ引越しした当日何故か彼の隣で、彼の腕に絡みつく様に引っ付いている女が一匹?
「僕の幼馴染で従妹なんだ。身体も弱くて余り外にも出られないんだ。今度僕が公爵になるって言えばね、是が非とも住んでいる所を見てみたいって言うから連れてきたんだよ。いいよねヤスミーンは僕の妻で公爵夫人なのだもん。公爵夫人ともなれば心は海の様に広い人でなければいけないよ」
はて、そこでヤスミーンは思案する。
何時から私が公爵夫人でエグモンドが公爵なのだろうかと。
また病気がちと言う従妹はヤスミーンの許可も取らず堂々と公爵邸で好き勝手に暮らし始める。
最初の間ヤスミーンは静かにその様子を見守っていた。
するとある変化が……。
ゆるふわ設定ざまああり?です。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
貧乏子爵令嬢ですが、愛人にならないなら家を潰すと脅されました。それは困る!
よーこ
恋愛
図書室での読書が大好きな子爵令嬢。
ところが最近、図書室で騒ぐ令嬢が現れた。
その令嬢の目的は一人の見目の良い伯爵令息で……。
短編です。
愛人の生活費も、お願いします 〜ATM様、本日もよろしくてよ〜【完結保証】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
政略結婚で結ばれた王子ザコットと、氷のように美しい公爵令嬢ビアンカ。だが、ザコットにはすでに愛する男爵令嬢エイミーがいた。
結婚初夜、彼はビアンカに冷酷な宣言を突きつける。
「お前を愛することはない。俺には愛する人がいる。このエイミーだ」
だが、ビアンカは静かに微笑み、こう返す。
「では、私の愛人の生活費も、お願いします」
──始まったのは、王子と王子妃の熾烈な政略バトル。
愛人を連れて食卓に現れるビアンカ。次々と辞表を出す重臣たち、そしてエイミーの暴走と破滅……。
果たして、王子ザコットの運命やいかに!?
氷の王子妃と炎の愛人が織りなす、痛快逆転宮廷劇!
⚠️ 本作は AI の生成した文章を一部に使っています。 コメディーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる