全てを失った私を救ったのは…

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逃亡の先

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私を見つけた二人の足は早く、みるみる私との差を縮めていく。

「やったな、女だぞ!」
「いっとくが俺が先に見つけたんだからな」
「あぁ!?俺が先だ!?」

言い争いをしながらだが、どんどんと私に迫り、あと数メートルという所まできていた。

「こないで!?」
「ははっ、無理無理。久しぶりだし、俺らと楽しまないと」
「意外とイケる体だな。そそるぜ」

私は声を張り上げながら逃げるが、今がどこにいるのかもわからず、ただ真っ直ぐ走り逃げる事を考えた。
だが、急に走った事で息が続かなくなっていく。

(どこに行けば……)

右、左を見ても見えるのは木、そして草ばかりだ。
後ろからは二人組。
諦める気持ちさえ生まれてしまいそうな時、木の向こう側に光が見えた。

(光……誰かいて……)

そう願いながら光の方へと必死に走り、抜けた先は…。

「あ、あぁ……そ、んな……」

光の先は崖だった。
しかもその下には流れの早い川。

「はぁはぁ……追いついた」
「なかなか粘りやがって。……でももう諦めな」

二人組も私が抜けた後をやってきて対峙する。

「こ、来ないで……」
「ほぉ、顔もなかなか。こりゃあ楽しめそうだ」
「確かに」

二人は左右に分かれ、じりじり…っと迫ってくる。

「やめて、来ないで!?」
「なぁ、俺らは久しぶりな女に興奮してんだ。楽しませてくれよ」
「絶対にいやっ!?」
「……おい、さっさとしねぇか?疼いて仕方ねぇ」
「そうだな」

襲いかかろうと足を踏ん張ったのをみて私は崖下の方を見た。
もう逃げ場はここしかない、と。

「動くなよ、ねぇちゃん!」

二人組が私に迫ったと同時に意を決して、崖下の川へ身を投げた。

「キャアァァァア」

「なに!?」
「マジかよ」

ドブンっと音をさせ、私は川に着水するが、流れが早く溺れていく。
もがけばもがく程、呼吸が出来ず、口から水を大量に飲むばかりだ。
足もつかず、次第に意識が遠のいていく。
そして、岩にぶつかった所で私は完全に意識を無くし、そのまま岩にもたれる形のまま動かなくなってしまった。



ーーーーーー



「うっ」

目を覚ますと私は川にはいなかった。

見えるのは木の天井、左右に目を動かすと私は寝かされているようで首元まで白い毛布ですっぽりと覆われていた。

「ここは!?」

私は一気に体を起こすと足の痛みを覚えた。
恐る恐る見ると血が出ており、白い毛布は赤く染まっていた。

「……ここはどこ?」

見渡すと少し懐かしい感じがした。
私が住んでいた生家と似ており、木をチグハグに組んで造られ、隙間風が至る所から吹き込んでくる。

濡れた体に吹き込む風は冷たく、剥いだ毛布をもう一度体に包ませた。

人が住んでいる形跡はあるが、物は少なめだ。
テーブルと椅子、無造作に置かれた木で出来た何か。
壁には上着だろうか、ボロボロの黒い革製の服。

持ち物や状況から男性が住んでいるのでは無いだろうかと考えた。
すると、木の扉がゆっくりと開き、光が中へと注ぎ込んできた。
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