全てを失った私を救ったのは…

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歳の差

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閉まった扉の外では調理が始まったようで、『にゃあ』と声をさせながらジャックさんの周りをウロウロしているようだった。
時折聞こえる『あつっ』と言う声。
隙間から差し込むオレンジと赤色の光が炎だと分かる。

「……いい匂い」

隙間風に乗って部屋の中へと匂いが漂ってくる。
魚の焼いた匂いだ。
そんな匂いにつられて私もお腹が空いてしまい、グゥゥゥゥと鳴らしてしまった。

「聞こえた、かな?」

聞いてないようにと願いながらお腹を押さえ、毛布で包まる。
そしてジャックさんが中へと入ってきた。

「お待たせしました」

手には木のボウルが二つ。
中へと入ったらすぐに床へとそのうち一つを置く。
するとキースが勢いよくそれに喰らい付いた。

「焦るなって」

ジャックさんは優しい目でそれを見てる。
やっぱり悪い人には見えないと私は思った。

「……キースって猫の名前ですか?」
「そうですよ、いつの間にか懐いてずっと一緒にいます。……多分オスですよ」
「多分、って結構曖昧ですね」
「いやぁ、性別はあまり気にしないから。……ってコレ、どうぞ」

ジャックさんは私にボウルを手渡してくる。
そこには鮎が丸々一匹入ったなんとも男らしい料理だった。
そしてスプーンを私に渡す。

「見た目悪くてすみません、凝った物なんて作れなくて」
「いいえ、そんな……」

謙遜する私はそれに目線を落とすとお腹がまた鳴った。
しかも今度は目の前で……。

「……」
「……」


お互い黙り込んだ。
でも私はの顔は真っ赤だ。

「ぷっ」

ジャックさんは耐えきれず吹き出し、笑い声を上げていく。

「あはははっ。ごめんなさい!そんなにお腹を」

カァァっと赤くなった私は…。

「じゃ、ジャックさんだってお腹鳴らしましたよね?」
「あっ」

集中していたのか、お腹の減りを忘れていたみたいで後頭部に手を当て笑い出す。

「……いやぁ、リースさんは鋭いですね。初対面とは思えない」
「そうですね」
「まぁ……冷めないうちにどうぞ」

豪快な料理に私は舌鼓をする。
男性が好きそうな味の濃いスープだ。でもお腹が空いてる私にはちょうど良いのかもしれない。
あっという間に完食し、お礼を言う。

「……もう、ですか?」
「あっ……」
「よほど空いていたんですね。まだありますから持って来ますね」
「いえ!もう、大丈夫です」
「そうですか?もしお腹空いたらまた言ってください」

ジャックさんは私からボウルを受け取ると外へと行き、そこで自分の分を食べているようだ。
キースはその間ゆっくりとご飯を食べ、たまに私に視線を送ってくる。

「取らないよ?」

語りかけるとまたご飯へと目を戻す。
すっかり日も暮れ、辺りは真っ暗で外の炎が唯一の灯りとなり部屋と照らす。

「はぁ、喰った喰った。……あっ」

いつも言動なのだろう…満足気な言葉発したあと私を見ていたたまれない顔を見せる。

「いいですよ、気にしませんから」
「ごめんなさい、つい……」

明るいジャックさんを見てるとニコルと別れて正解だったのかもしれないと少し思った。
子が欲しいと言う理由で迫り、終わるとさっさと部屋へと帰る。
気遣いなど全く無かった。
だが、ジャックさんは逆だ。
初対面という事もあるかもしれないが、それでもニコルよりは……。

「あの、リースさんって、いくつなんですか?」
「え?」
「あ、いや、なんだか歳が近いのかなぁって思って」
「……19です。もう少しで20に」
「19!?」

私の年齢に驚く声を上げると、自身は22だと告げてきた。




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