全てを失った私を救ったのは…

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リック兄弟

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見覚えのある場所を私はまた歩きだした。
でも以前違うのは目だけはキョロキョロと動かしていること、でも初めてという体を作らないとジャックさんにも気づかれる恐れがあるので両方気を張った。

「リースさん」
「な、なんでしょう?」

気付かれたか?と思い、悟られないように声を出す。
すると、ジャックさんが木の上の方を指さしている。

「リスがいます」
「り、リス。……あぁ、本当ですね」
「あれ、あまり感動しないですね、好きじゃないですか?」
「好きとかは、あまり……」
「そうですか……残念」

反応の薄い私にしょんぼりしつつジャックさんは歩きを再開した。
ホッとした私は軽く息を吐き、半歩後ろを歩きだす。
歩き続けていくと私は思い出した。
この辺だ、私の血が落ちているのは…と。

ジャックさんを見た後、私の視線は地面に生えている草へと移り、どの辺りなんだと探し始めた。

すると、ピタっとジャックさんが足を止めた。

「……なんだか怪しいですね」
「な、何がですか!?」

私の行動がついにバレたか、と思い声を上げて反応してしまった。
でも様子が変だ。
周りを見渡しながらポケットに手を入れ始めた。

(ナイフ)

「とりあえず私の後ろにまわってください、早く」
「え、え、え……」
「いいから!?」

言われた通りにジャックさんの後ろに移動すると、左右の草木がカサカサっと動き始めていく。

「よっしゃー、取ったぞ!?」
「デケェな。こりゃあ」

男性達の声。
それも聞き覚えのある声だ…。
その声を聞いた私は後ろで震え始め、ついジャックさんの白いタンクトップの裾を掴んでしまっていた。

「でも、前のよりはちいせぇな」
「そうだな、……でもあの女、勿体なかったな。ヤリ損ねた」
「お前の足が遅いからだろうが!」
「なんだと!?追い詰めてからすぐ襲えば逃げられなかっただろうが!?」
「あぁ!?」

すぐ近くで聞こえる二人組の声を聞き、ゆっくりとジャックさんは木の影に身を潜めるため移動を開始した。

「……こっちです」

幹の太い木に隠れ、二人組の姿を確認すると『リック兄弟か』と言う。

「リック?」
「あの二人です、この辺を縄張りにして罠を仕掛けては獲物を取る。……それに間違って入ってきた者を襲い、金品を奪う輩です」
「まだこちらに気づいてないから一気にヤリます」
「やる、って……それ……」
「えぇ、排除します。これで」

ポケットからナイフを取り出すと私に見せてきた。

「いや……ダメです。二人もいるし、それに足も速いです……」
「なんでそんな事知ってるんです?」
「え、あ、その……」

私は愚かだ、つい自分からバラす癖でもあるのだろうか…。

「まぁ、それは後で聞きます。ココから動かないでください」

私に留まるよう指示した後、隠れた木の幹から飛び出して行った。
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