51 / 68
リック兄弟
しおりを挟む
見覚えのある場所を私はまた歩きだした。
でも以前違うのは目だけはキョロキョロと動かしていること、でも初めてという体を作らないとジャックさんにも気づかれる恐れがあるので両方気を張った。
「リースさん」
「な、なんでしょう?」
気付かれたか?と思い、悟られないように声を出す。
すると、ジャックさんが木の上の方を指さしている。
「リスがいます」
「り、リス。……あぁ、本当ですね」
「あれ、あまり感動しないですね、好きじゃないですか?」
「好きとかは、あまり……」
「そうですか……残念」
反応の薄い私にしょんぼりしつつジャックさんは歩きを再開した。
ホッとした私は軽く息を吐き、半歩後ろを歩きだす。
歩き続けていくと私は思い出した。
この辺だ、私の血が落ちているのは…と。
ジャックさんを見た後、私の視線は地面に生えている草へと移り、どの辺りなんだと探し始めた。
すると、ピタっとジャックさんが足を止めた。
「……なんだか怪しいですね」
「な、何がですか!?」
私の行動がついにバレたか、と思い声を上げて反応してしまった。
でも様子が変だ。
周りを見渡しながらポケットに手を入れ始めた。
(ナイフ)
「とりあえず私の後ろにまわってください、早く」
「え、え、え……」
「いいから!?」
言われた通りにジャックさんの後ろに移動すると、左右の草木がカサカサっと動き始めていく。
「よっしゃー、取ったぞ!?」
「デケェな。こりゃあ」
男性達の声。
それも聞き覚えのある声だ…。
その声を聞いた私は後ろで震え始め、ついジャックさんの白いタンクトップの裾を掴んでしまっていた。
「でも、前のよりはちいせぇな」
「そうだな、……でもあの女、勿体なかったな。ヤリ損ねた」
「お前の足が遅いからだろうが!」
「なんだと!?追い詰めてからすぐ襲えば逃げられなかっただろうが!?」
「あぁ!?」
すぐ近くで聞こえる二人組の声を聞き、ゆっくりとジャックさんは木の影に身を潜めるため移動を開始した。
「……こっちです」
幹の太い木に隠れ、二人組の姿を確認すると『リック兄弟か』と言う。
「リック?」
「あの二人です、この辺を縄張りにして罠を仕掛けては獲物を取る。……それに間違って入ってきた者を襲い、金品を奪う輩です」
「まだこちらに気づいてないから一気にヤリます」
「やる、って……それ……」
「えぇ、排除します。これで」
ポケットからナイフを取り出すと私に見せてきた。
「いや……ダメです。二人もいるし、それに足も速いです……」
「なんでそんな事知ってるんです?」
「え、あ、その……」
私は愚かだ、つい自分からバラす癖でもあるのだろうか…。
「まぁ、それは後で聞きます。ココから動かないでください」
私に留まるよう指示した後、隠れた木の幹から飛び出して行った。
でも以前違うのは目だけはキョロキョロと動かしていること、でも初めてという体を作らないとジャックさんにも気づかれる恐れがあるので両方気を張った。
「リースさん」
「な、なんでしょう?」
気付かれたか?と思い、悟られないように声を出す。
すると、ジャックさんが木の上の方を指さしている。
「リスがいます」
「り、リス。……あぁ、本当ですね」
「あれ、あまり感動しないですね、好きじゃないですか?」
「好きとかは、あまり……」
「そうですか……残念」
反応の薄い私にしょんぼりしつつジャックさんは歩きを再開した。
ホッとした私は軽く息を吐き、半歩後ろを歩きだす。
歩き続けていくと私は思い出した。
この辺だ、私の血が落ちているのは…と。
ジャックさんを見た後、私の視線は地面に生えている草へと移り、どの辺りなんだと探し始めた。
すると、ピタっとジャックさんが足を止めた。
「……なんだか怪しいですね」
「な、何がですか!?」
私の行動がついにバレたか、と思い声を上げて反応してしまった。
でも様子が変だ。
周りを見渡しながらポケットに手を入れ始めた。
(ナイフ)
「とりあえず私の後ろにまわってください、早く」
「え、え、え……」
「いいから!?」
言われた通りにジャックさんの後ろに移動すると、左右の草木がカサカサっと動き始めていく。
「よっしゃー、取ったぞ!?」
「デケェな。こりゃあ」
男性達の声。
それも聞き覚えのある声だ…。
その声を聞いた私は後ろで震え始め、ついジャックさんの白いタンクトップの裾を掴んでしまっていた。
「でも、前のよりはちいせぇな」
「そうだな、……でもあの女、勿体なかったな。ヤリ損ねた」
「お前の足が遅いからだろうが!」
「なんだと!?追い詰めてからすぐ襲えば逃げられなかっただろうが!?」
「あぁ!?」
すぐ近くで聞こえる二人組の声を聞き、ゆっくりとジャックさんは木の影に身を潜めるため移動を開始した。
「……こっちです」
幹の太い木に隠れ、二人組の姿を確認すると『リック兄弟か』と言う。
「リック?」
「あの二人です、この辺を縄張りにして罠を仕掛けては獲物を取る。……それに間違って入ってきた者を襲い、金品を奪う輩です」
「まだこちらに気づいてないから一気にヤリます」
「やる、って……それ……」
「えぇ、排除します。これで」
ポケットからナイフを取り出すと私に見せてきた。
「いや……ダメです。二人もいるし、それに足も速いです……」
「なんでそんな事知ってるんです?」
「え、あ、その……」
私は愚かだ、つい自分からバラす癖でもあるのだろうか…。
「まぁ、それは後で聞きます。ココから動かないでください」
私に留まるよう指示した後、隠れた木の幹から飛び出して行った。
2
あなたにおすすめの小説
元婚約者に捨てられて皇太子に拾われたけど、今さら後悔しても遅いですよ?
exdonuts
恋愛
婚約破棄された日に崖から落ちた。目覚めたら見知らぬ国の皇太子に拾われ、私は皇太子妃候補に。元婚約者は私の死を喜び、新妻と祝杯を挙げていた。だが一年後、国賓として訪れた私は皇太子の腕に抱かれていた。彼の溺愛は国を揺るがすほどで、元婚約者の後悔の叫びなど届かない。ざまぁ、あなたが捨てたこの女が、今世界で一番愛されているのよ。
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
殿下の婚約者は、記憶喪失です。
有沢真尋
恋愛
王太子の婚約者である公爵令嬢アメリアは、いつも微笑みの影に疲労を蓄えているように見えた。
王太子リチャードは、アメリアがその献身を止めたら烈火の如く怒り狂うのは想像に難くない。自分の行動にアメリアが口を出すのも絶対に許さない。たとえば結婚前に派手な女遊びはやめて欲しい、という願いでさえも。
たとえ王太子妃になれるとしても、幸せとは無縁そうに見えたアメリア。
彼女は高熱にうなされた後、すべてを忘れてしまっていた。
※ざまあ要素はありません。
※表紙はかんたん表紙メーカーさま
貧乏子爵令嬢ですが、愛人にならないなら家を潰すと脅されました。それは困る!
よーこ
恋愛
図書室での読書が大好きな子爵令嬢。
ところが最近、図書室で騒ぐ令嬢が現れた。
その令嬢の目的は一人の見目の良い伯爵令息で……。
短編です。
【完結】婚約者?勘違いも程々にして下さいませ
リリス
恋愛
公爵令嬢ヤスミーンには侯爵家三男のエグモントと言う婚約者がいた。
先日不慮の事故によりヤスミーンの両親が他界し女公爵として相続を前にエグモントと結婚式を三ヶ月後に控え前倒しで共に住む事となる。
エグモントが公爵家へ引越しした当日何故か彼の隣で、彼の腕に絡みつく様に引っ付いている女が一匹?
「僕の幼馴染で従妹なんだ。身体も弱くて余り外にも出られないんだ。今度僕が公爵になるって言えばね、是が非とも住んでいる所を見てみたいって言うから連れてきたんだよ。いいよねヤスミーンは僕の妻で公爵夫人なのだもん。公爵夫人ともなれば心は海の様に広い人でなければいけないよ」
はて、そこでヤスミーンは思案する。
何時から私が公爵夫人でエグモンドが公爵なのだろうかと。
また病気がちと言う従妹はヤスミーンの許可も取らず堂々と公爵邸で好き勝手に暮らし始める。
最初の間ヤスミーンは静かにその様子を見守っていた。
するとある変化が……。
ゆるふわ設定ざまああり?です。
【完結】精神的に弱い幼馴染を優先する婚約者を捨てたら、彼の兄と結婚することになりました
当麻リコ
恋愛
侯爵令嬢アメリアの婚約者であるミュスカーは、幼馴染みであるリリィばかりを優先する。
リリィは繊細だから僕が支えてあげないといけないのだと、誇らしそうに。
結婚を間近に控え、アメリアは不安だった。
指輪選びや衣装決めにはじまり、結婚に関する大事な話し合いの全てにおいて、ミュスカーはリリィの呼び出しに応じて行ってしまう。
そんな彼を見続けて、とうとうアメリアは彼との結婚生活を諦めた。
けれど正式に婚約の解消を求めてミュスカーの父親に相談すると、少し時間をくれと言って保留にされてしまう。
仕方なく保留を承知した一ヵ月後、国外視察で家を空けていたミュスカーの兄、アーロンが帰ってきてアメリアにこう告げた。
「必ず幸せにすると約束する。どうか俺と結婚して欲しい」
ずっと好きで、けれど他に好きな女性がいるからと諦めていたアーロンからの告白に、アメリアは戸惑いながらも頷くことしか出来なかった。
婚約白紙?上等です!ローゼリアはみんなが思うほど弱くない!
志波 連
恋愛
伯爵令嬢として生まれたローゼリア・ワンドは婚約者であり同じ家で暮らしてきたひとつ年上のアランと隣国から留学してきた王女が恋をしていることを知る。信じ切っていたアランとの未来に決別したローゼリアは、友人たちの支えによって、自分の道をみつけて自立していくのだった。
親たちが子供のためを思い敷いた人生のレールは、子供の自由を奪い苦しめてしまうこともあります。自分を見つめ直し、悩み傷つきながらも自らの手で人生を切り開いていく少女の成長物語です。
本作は小説家になろう及びツギクルにも投稿しています。
幼馴染の許嫁は、男勝りな彼女にご執心らしい
和泉鷹央
恋愛
王国でも指折りの名家の跡取り息子にして、高名な剣士がコンスタンスの幼馴染であり許嫁。
そんな彼は数代前に没落した実家にはなかなか戻らず、地元では遊び人として名高くてコンスタンスを困らせていた。
「クレイ様はまたお戻りにならないのですか……」
「ごめんなさいね、コンスタンス。クレイが結婚の時期を遅くさせてしまって」
「いいえおば様。でも、クレイ様……他に好きな方がおられるようですが?」
「えっ……!?」
「どうやら、色町で有名な踊り子と恋をしているようなんです」
しかし、彼はそんな噂はあり得ないと叫び、相手の男勝りな踊り子も否定する。
でも、コンスタンスは見てしまった。
朝方、二人が仲睦まじくホテルから出てくる姿を……
他の投稿サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる