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洞穴
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目を閉じたジャックさんは優しい顔をしていた。
「いやっ、目を開けて!」
揺らす私だが、反応は無く静かだった。
「やだっ」
反応のないジャックさんの痛めている背中を叩きなんとか意識を取り戻そうと必死だった。
すると…
「……痛いですよ」
「あっ」
「怪我をしている部分を叩くとは。……休ませてください」
「目を、閉じる、ジャックさんが……」
「とりあえずここを離れましょう、コイツも意識を失ってるだけかもしれないので」
ゆっくり体を起こすと立ちあがろうとする。
しかし、上手く力が入らない様で何度も膝に手を当て……。
そんな様子を見て私は立ち、手を差し出すとその手を掴みようやく立ち上がった。
「手、繋ぎたくないはずなのに」
「いまは、そんなこと言ってる場合じゃないです。
私はここの事何も知らないです、どこに行けば行きたい場所まで行けるんですか?」
「……こっちです」
ジャックさんは左の方を指差し、方向を教える。
だが、真っ暗になった森では何があるのか分からず手を取りあって先を進もうとした。
「待って」
だが、そんな私を立ち止まらせると、金髪の男に近づいていく。
「どうして!」
私の静止も聞かず近づくと、刺さった背中からナイフを引き抜く。
「無防備で先に行くのは危険すぎます。……これ、持っててください」
抜いたナイフを私に手渡してくる。
受け取ったナイフは血がベットリ付いており、ヌルっとした感触を覚える。
困惑する私にジャックさんは先を急ぐべきと言う。
初めて持つナイフは破らされた服のポケットにしまいもう一度ジャックさんを支えながら森を歩き出した。
ーーーーーー
森の中は不気味で月日が多少入るだけでほとんど視界がない。
鳥の鳴き声や風で揺れ音を鳴らす木の葉が私の身を小さくさせていく。
ジャックさんが苦しそうに呼吸をする度に立ち止まるのを繰り返し、ゆっくりだが目的地へと向かう。
「もう少しです」
再び指差す方を見るが、暗く以前のような小屋があるようには見えなかった。
「……何もないですけど」
「行けば、わかり……ます……」
「ジャックさん!」
意識が朦朧とし始めたようで、支える私に寄り添うとその重さが私を襲ってきた。
「お、重っ…」
指差されたほうを急ごうと私は非力な力を振り絞り歩いた。
歩くと言うより引きずるような格好で一歩、また一歩進んでいくとジャックさんが口を開く。
「……そこの草を掻き分け」
指差し、月日に当たった先には他とは違い、草が覆う場所があった。
言われた通りに掻き分けると小さな洞穴が出てきた。
「こ、ここ?」
「……ありがとう」
お礼を言うジャックさんは掻き分けた場所に倒れ込み、それを見届けた私もそこへ入っていった。
中は人が立ち上がると頭をぶつけそうなくらいな高さしかなく、身を屈めた状態でいるしか無かった。
二人入ったら少し窮屈で倒れたジャックさんを見守る私が座り込むと足が当たるほどだ。
「あなたは休む、と、いい……」
「そんな事出来ません、私が見てますから、体を。……お願いだからもう、喋らないで」
顔を手で覆う私を見てようやく黙り眠りについた。
「いやっ、目を開けて!」
揺らす私だが、反応は無く静かだった。
「やだっ」
反応のないジャックさんの痛めている背中を叩きなんとか意識を取り戻そうと必死だった。
すると…
「……痛いですよ」
「あっ」
「怪我をしている部分を叩くとは。……休ませてください」
「目を、閉じる、ジャックさんが……」
「とりあえずここを離れましょう、コイツも意識を失ってるだけかもしれないので」
ゆっくり体を起こすと立ちあがろうとする。
しかし、上手く力が入らない様で何度も膝に手を当て……。
そんな様子を見て私は立ち、手を差し出すとその手を掴みようやく立ち上がった。
「手、繋ぎたくないはずなのに」
「いまは、そんなこと言ってる場合じゃないです。
私はここの事何も知らないです、どこに行けば行きたい場所まで行けるんですか?」
「……こっちです」
ジャックさんは左の方を指差し、方向を教える。
だが、真っ暗になった森では何があるのか分からず手を取りあって先を進もうとした。
「待って」
だが、そんな私を立ち止まらせると、金髪の男に近づいていく。
「どうして!」
私の静止も聞かず近づくと、刺さった背中からナイフを引き抜く。
「無防備で先に行くのは危険すぎます。……これ、持っててください」
抜いたナイフを私に手渡してくる。
受け取ったナイフは血がベットリ付いており、ヌルっとした感触を覚える。
困惑する私にジャックさんは先を急ぐべきと言う。
初めて持つナイフは破らされた服のポケットにしまいもう一度ジャックさんを支えながら森を歩き出した。
ーーーーーー
森の中は不気味で月日が多少入るだけでほとんど視界がない。
鳥の鳴き声や風で揺れ音を鳴らす木の葉が私の身を小さくさせていく。
ジャックさんが苦しそうに呼吸をする度に立ち止まるのを繰り返し、ゆっくりだが目的地へと向かう。
「もう少しです」
再び指差す方を見るが、暗く以前のような小屋があるようには見えなかった。
「……何もないですけど」
「行けば、わかり……ます……」
「ジャックさん!」
意識が朦朧とし始めたようで、支える私に寄り添うとその重さが私を襲ってきた。
「お、重っ…」
指差されたほうを急ごうと私は非力な力を振り絞り歩いた。
歩くと言うより引きずるような格好で一歩、また一歩進んでいくとジャックさんが口を開く。
「……そこの草を掻き分け」
指差し、月日に当たった先には他とは違い、草が覆う場所があった。
言われた通りに掻き分けると小さな洞穴が出てきた。
「こ、ここ?」
「……ありがとう」
お礼を言うジャックさんは掻き分けた場所に倒れ込み、それを見届けた私もそこへ入っていった。
中は人が立ち上がると頭をぶつけそうなくらいな高さしかなく、身を屈めた状態でいるしか無かった。
二人入ったら少し窮屈で倒れたジャックさんを見守る私が座り込むと足が当たるほどだ。
「あなたは休む、と、いい……」
「そんな事出来ません、私が見てますから、体を。……お願いだからもう、喋らないで」
顔を手で覆う私を見てようやく黙り眠りについた。
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