15 / 106
ライオネス家へ
しおりを挟む
いきなり講義なんて必要じゃない、適正だけだ。と言うブライスに私達は皆一様にざわつき始めた。
すると、バン⁉︎っと教壇を叩き『静まれ』と私達を一喝してきた。
その時、1人がブライスに恐る恐る尋ねてみた。
適正を知るために私達は何をしたら良いのかと…。
その質問にブライスはジャケットの内ポケットから紙切れを出し、私達一人一人に手渡していく。
そしてその内容をしっかりと確認し実行しろ。と言い放った。
その紙には…
・ライオネス家の屋敷にいつも決まった時間に来る事
・担当となるメイドが付くので指示に従う事
・3年に一度開かれるライオネス家主催の祝宴に参加する事
と書かれてあった。
(ブライスの屋敷…アカデミーにいるのにここでは本当に学ばないんだ…しかもメイド付きって)
私達は言葉を発する事なく、ただ黙りこくり渡された紙に視線を落としていた。
すると、パンと乾いた音が講義室に響いた。
皆、ビクっと反応し、音の出どころを探るとブライスが手を合わせていたようだった。
「見たな、お前ら。なら俺についてこい」
ブライスのその言葉に誰1人立つ事が出来なかった…。
そんな私達を見て
『そうか、お前らはもう要らないと言って欲しいんだな』と呟く。
「行きます!」
その声はユーリだった…。
大声でブライスに返事をし、椅子から立つとブライスの元へと歩んでいった。
「ユーリ…」
呟く私に『いこっ』と3人には聞こえないくらい小さな声で話しかけてきた。
その言葉に両手で持っていた紙をクシャ…と軽く握ると私は立ち、ユーリとブライスの元へといった。
「わ、私達も行きます!」
ここで置いていかれたらブライスに見切りをつけられると思ったのか、3人も声をあげ、すぐに私達の元へと駆け寄ってくる。
そんな私達をブライスは、ふっ…と軽く笑う。
ブライスの後について行くとアカデミーの裏手に出た。
まっすぐ伸びた道のその先に見える大きな建物。
街にあるどの建物よりも高く、白い外壁は日に当たるとよりその白さを際立たせ、荘厳な雰囲気を漂わせる。
それこそこの街を統治しているライオネス家の屋敷だ。
「ブライス様、お待ちしておりました」
そこにはとても大きな馬車が用意されており出迎えた白髪で黒いタキシードを見に纏ったライオネス家の執事と思われる人が待っていた。
私達5人を含め今いる7人が乗っても余裕なくらい大きな馬車。
2頭の馬がそれを引く形になっており、黒塗りの馬車は汚れなど一切なく鏡の様に私達の姿を映し出す程であった。
「お前ら、乗れ」
ブライスは5人に乗る様に言うが、その豪華さに圧倒され誰1人足を踏み出す事ができずにいた。
そうしているとブライスは、ふぅ…と呆れた様にため息をつき私達を置いて馬車へと向かっていった。
そして、『分かった。来る気がないって事だな?』とボソリと呟く。
そのまま執事に扉を開けさせ、乗り込もうとする瞬間
『私は行きたいです。お願いします!』と声がした。
それはユーリだった。
乗り込むためにステップに付けた右足を止め、ユーリの方をみているブライスは『なら早く乗れ』と指示する。
ゆっくりと近づくユーリ。
私の隣を通りすぎる時、私の左手を掴み強引に引いて歩き出した。
驚く私を見ては今度は3人に聞こえる様に
『行かなきゃ終わるよ』と言った。
その通りだ…と思い、言ってくれたユーリに『うん』と言って私とユーリはブライスが待つ馬車へと向かった。
「…ちょ、ちょっと」
先を行く私達を先程と同じ様にこのままでは…と思い3人は顔を見合わせ、私も、私も…と馬車へとやってくる。
集まる5人を先に乗せ、最後にブライスが乗ると執事が扉を閉め一路ライオネス家の屋敷に向け馬車が動き始めた…。
すると、バン⁉︎っと教壇を叩き『静まれ』と私達を一喝してきた。
その時、1人がブライスに恐る恐る尋ねてみた。
適正を知るために私達は何をしたら良いのかと…。
その質問にブライスはジャケットの内ポケットから紙切れを出し、私達一人一人に手渡していく。
そしてその内容をしっかりと確認し実行しろ。と言い放った。
その紙には…
・ライオネス家の屋敷にいつも決まった時間に来る事
・担当となるメイドが付くので指示に従う事
・3年に一度開かれるライオネス家主催の祝宴に参加する事
と書かれてあった。
(ブライスの屋敷…アカデミーにいるのにここでは本当に学ばないんだ…しかもメイド付きって)
私達は言葉を発する事なく、ただ黙りこくり渡された紙に視線を落としていた。
すると、パンと乾いた音が講義室に響いた。
皆、ビクっと反応し、音の出どころを探るとブライスが手を合わせていたようだった。
「見たな、お前ら。なら俺についてこい」
ブライスのその言葉に誰1人立つ事が出来なかった…。
そんな私達を見て
『そうか、お前らはもう要らないと言って欲しいんだな』と呟く。
「行きます!」
その声はユーリだった…。
大声でブライスに返事をし、椅子から立つとブライスの元へと歩んでいった。
「ユーリ…」
呟く私に『いこっ』と3人には聞こえないくらい小さな声で話しかけてきた。
その言葉に両手で持っていた紙をクシャ…と軽く握ると私は立ち、ユーリとブライスの元へといった。
「わ、私達も行きます!」
ここで置いていかれたらブライスに見切りをつけられると思ったのか、3人も声をあげ、すぐに私達の元へと駆け寄ってくる。
そんな私達をブライスは、ふっ…と軽く笑う。
ブライスの後について行くとアカデミーの裏手に出た。
まっすぐ伸びた道のその先に見える大きな建物。
街にあるどの建物よりも高く、白い外壁は日に当たるとよりその白さを際立たせ、荘厳な雰囲気を漂わせる。
それこそこの街を統治しているライオネス家の屋敷だ。
「ブライス様、お待ちしておりました」
そこにはとても大きな馬車が用意されており出迎えた白髪で黒いタキシードを見に纏ったライオネス家の執事と思われる人が待っていた。
私達5人を含め今いる7人が乗っても余裕なくらい大きな馬車。
2頭の馬がそれを引く形になっており、黒塗りの馬車は汚れなど一切なく鏡の様に私達の姿を映し出す程であった。
「お前ら、乗れ」
ブライスは5人に乗る様に言うが、その豪華さに圧倒され誰1人足を踏み出す事ができずにいた。
そうしているとブライスは、ふぅ…と呆れた様にため息をつき私達を置いて馬車へと向かっていった。
そして、『分かった。来る気がないって事だな?』とボソリと呟く。
そのまま執事に扉を開けさせ、乗り込もうとする瞬間
『私は行きたいです。お願いします!』と声がした。
それはユーリだった。
乗り込むためにステップに付けた右足を止め、ユーリの方をみているブライスは『なら早く乗れ』と指示する。
ゆっくりと近づくユーリ。
私の隣を通りすぎる時、私の左手を掴み強引に引いて歩き出した。
驚く私を見ては今度は3人に聞こえる様に
『行かなきゃ終わるよ』と言った。
その通りだ…と思い、言ってくれたユーリに『うん』と言って私とユーリはブライスが待つ馬車へと向かった。
「…ちょ、ちょっと」
先を行く私達を先程と同じ様にこのままでは…と思い3人は顔を見合わせ、私も、私も…と馬車へとやってくる。
集まる5人を先に乗せ、最後にブライスが乗ると執事が扉を閉め一路ライオネス家の屋敷に向け馬車が動き始めた…。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
119
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる