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いまから

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馬車に揺られながらライオネス家の屋敷へと向かう中、最後に馬車に乗ったブライスは扉付近に腕を組み、右足を上にして足を組んだら目を瞑って眠っていた。

その様子を対角線上に座った私は周りに気づかれないように目だけそちらに向け見ていた。

(朝早いのは苦手なのかな?)

そう思いながら見ていると、視線を感じたのか突然目を開け私達を見てくる。
どうやら私だけが見ていたわけではなく、一様に皆ブライスの事を見ていたらしく見られた事ですぐに目線を外した。

「着いたら早速始めるからな、覚悟しておけ」

それだけ告げるとまた目を瞑りだした。
怒るのかと思った面々はホッとした表情を見せる。
でも次第に近づく屋敷を前に緊張感が漂ってくるのも確かだった…。

馬車はそのままゆっくりと歩みを進め、一旦止まった。
馬車の中から前方を確認すると門にいる警備になにやら話しており、そして門が開き出すと再び歩み出す。

初めて入るライオネス家の屋敷内。

そこは両脇を大きな木がいくつも植えられ、まるで森の中を歩いているような感覚を覚えた。
そんな場所を抜けると一気に雰囲気が変わり、赤茶色と焦茶色のレンガが交互に、それでいて隣合わないように敷き詰められた道が出てきた。

その上を歩くと街中を歩くように馬車が揺れることはなくスムーズに進んでいく。

それに屋敷に向かう途中では花壇にいくつもの種類の花が植えられていた。
赤、白、黄色、ピンク…数えきれないくらいの色の花達が屋敷まで続いていた。

それを見るなり私達は一斉に声を上げてしまった。

そして…

「着きました、ブライス様」

執事の声で目を開け、扉から降りていくブライス。
その先では何人ものメイドや使用人が出迎えていた。

「では、皆さんもどうぞ」

執事の声に次々と降りていった。
そして目の前にするライオネス家の大きな屋敷の扉。
何メートルあるんだろうか…首いっぱいに上げ見ていると痛くなってきそうなくらい高い。

「扉なんて見てどうする。今からする事はそんなことではないだろうが」

ブライスが私達を貶し、扉に近づくと使用人が扉を開け中へと入っていった。


中はこの世の贅沢を集めたかのような雰囲気だった。
見える物ほとんどに金を使っている。
手すりやはるか高くに見えるシャンデリア、飾られた絵の額など様々だ。

キョロキョロする私達を前にブライスは振り返ると
講義室でした時と同じようにパン⁉︎と手を叩き私達を注目させた。
そして、それを合図に屋敷の奥からメイドが5人現れた。

「いいか。今この瞬間から『適正』を見るからな。
無理だと判断したらすぐに言う、肝に銘じておけ」

そう告げるとブライスはクルッと方向を変え私達から離れていった。
その後は事前に割り振られていたんだろう。
メイドが私達一人一人の前に移動し私の前にも1人ついた。
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