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「はじめまして、リーネ。宜しくね」
私の前に立つメイドは私の名前を言いそして頭を下げ挨拶をしてくる。
なぜ分かるのかと思ったが、そこはもう『調べられて』いるんだろうなとすぐに思い返す。
そのメイドは皆一様に同じ白い割烹着の様な姿をしており、頭には白い三角巾を巻き、体には汚れても良いのだろう。薄いピンク色のエプロンを身につけている。
頭を上げ私と見つめ合う感じになるメイドは少しツリ目をしており、後ろに束ねた髪は短く三角巾から少し尻尾を作るようなくらいだった。
(ちょっと怖いかも…)
私の第一印象はそうだった…。
周りの皆はどうかと思って少し顔を横に向けるとそっちじゃないと言った感じで私に声をかけてきた。
「リーネ、もう始まってます」
その言葉にハッとしてすぐに顔を戻した。
「すみません…」
謝る私だったが、これから始まる適正を見る試験。
ブライスに貰った紙にあったメイドの指示に従う事、いまからどんな事をするんだろうと不安しか無かった。
******
私達は皆同じ場所に連れて行かれるのではなく
一人一人違う場所へと連れて行かれた。
もちろん私も担当のメイドについていくが、まず名前を知らないのでなんて呼んだら良いか考えていた。
そう思っていると不意に足を止め、私の方へと向いてきた。
「言い忘れていた。私はエリス。覚えておいて」
名前を告げたらまた振り返り私の前をスタスタと歩いていった…。
(エリス、さん…か)
とっつきにくいエリスさんの後をすぐに追いかけていった。
ついて行くとある場所で止まり、自分の身なりを整え始めた。
その場所に入るには整えなくてはいけない、それは私にも分かったが、ここが何の場所かさえ今だに教えてくれはしなかった。
ただ、その立ち止まった扉は壁の白さには似つかない黒く重厚で両開きの扉、もちろん取っ手は金ピカだ。
身なりを整えたエリスさんは私の方を見ては黙ってる。
あぁ…そっか、私も…と思った。
すぐに直そうとワンピースやストールを確認したが、どこをどう直せばと焦るばかりであった。
ふぅ…とため息をついたら近寄り折り曲がったストールを正し、私の体の前で軽くギュッと縛った。
そして初めてこの場所が何処なのかを教えてくれた。
『ブライスの部屋』だと…。
そう言われ、一気に緊張が走った。
指示に従えといわれたが、まさか『適正』を見る本人の部屋に来ているなんて思いもしなかった。
焦る私を他所にエリスさんは扉をノックすると
中から返事をするのを確認したら開けていった。
「失礼いたします、ブライス様」
扉を開けてすぐに体を90度近く曲げお辞儀をするエリスさん、とただそれを見てはキョトンとしている私。
頭を下げたまま小声で『頭だけでも下げなさい』と注意してくるので急いで下げた。
「…」
何も言わずに頭を下げている私達を見ているブライス。
そして『直れ』と言い私達に頭を上げさせた。
初めて見るブライスの部屋。
扉からブライスが座る机までの間にある巨大な敷物。
それは赤くとても大きな長方形をしており、茶色の床に置かれたそれは入った瞬間に目を引いてしまう。
それに部屋の隅に置かれた緑豊かな植物、壁には本棚があり、子供のブライスでは手が届かないような高さくらいまであり、そこには隙間なく本が並べられていた。
「-1だな」
ー1…?何を言ってるんだろうと思い『んっ』と声を出していた。
「はっ、お気楽だな。他よりもう差がついたって言うのに。1番最初はお前かもな」
その言葉で気づいた。
ブライスが言う『-1』とは評価なんだと…。
私の前に立つメイドは私の名前を言いそして頭を下げ挨拶をしてくる。
なぜ分かるのかと思ったが、そこはもう『調べられて』いるんだろうなとすぐに思い返す。
そのメイドは皆一様に同じ白い割烹着の様な姿をしており、頭には白い三角巾を巻き、体には汚れても良いのだろう。薄いピンク色のエプロンを身につけている。
頭を上げ私と見つめ合う感じになるメイドは少しツリ目をしており、後ろに束ねた髪は短く三角巾から少し尻尾を作るようなくらいだった。
(ちょっと怖いかも…)
私の第一印象はそうだった…。
周りの皆はどうかと思って少し顔を横に向けるとそっちじゃないと言った感じで私に声をかけてきた。
「リーネ、もう始まってます」
その言葉にハッとしてすぐに顔を戻した。
「すみません…」
謝る私だったが、これから始まる適正を見る試験。
ブライスに貰った紙にあったメイドの指示に従う事、いまからどんな事をするんだろうと不安しか無かった。
******
私達は皆同じ場所に連れて行かれるのではなく
一人一人違う場所へと連れて行かれた。
もちろん私も担当のメイドについていくが、まず名前を知らないのでなんて呼んだら良いか考えていた。
そう思っていると不意に足を止め、私の方へと向いてきた。
「言い忘れていた。私はエリス。覚えておいて」
名前を告げたらまた振り返り私の前をスタスタと歩いていった…。
(エリス、さん…か)
とっつきにくいエリスさんの後をすぐに追いかけていった。
ついて行くとある場所で止まり、自分の身なりを整え始めた。
その場所に入るには整えなくてはいけない、それは私にも分かったが、ここが何の場所かさえ今だに教えてくれはしなかった。
ただ、その立ち止まった扉は壁の白さには似つかない黒く重厚で両開きの扉、もちろん取っ手は金ピカだ。
身なりを整えたエリスさんは私の方を見ては黙ってる。
あぁ…そっか、私も…と思った。
すぐに直そうとワンピースやストールを確認したが、どこをどう直せばと焦るばかりであった。
ふぅ…とため息をついたら近寄り折り曲がったストールを正し、私の体の前で軽くギュッと縛った。
そして初めてこの場所が何処なのかを教えてくれた。
『ブライスの部屋』だと…。
そう言われ、一気に緊張が走った。
指示に従えといわれたが、まさか『適正』を見る本人の部屋に来ているなんて思いもしなかった。
焦る私を他所にエリスさんは扉をノックすると
中から返事をするのを確認したら開けていった。
「失礼いたします、ブライス様」
扉を開けてすぐに体を90度近く曲げお辞儀をするエリスさん、とただそれを見てはキョトンとしている私。
頭を下げたまま小声で『頭だけでも下げなさい』と注意してくるので急いで下げた。
「…」
何も言わずに頭を下げている私達を見ているブライス。
そして『直れ』と言い私達に頭を上げさせた。
初めて見るブライスの部屋。
扉からブライスが座る机までの間にある巨大な敷物。
それは赤くとても大きな長方形をしており、茶色の床に置かれたそれは入った瞬間に目を引いてしまう。
それに部屋の隅に置かれた緑豊かな植物、壁には本棚があり、子供のブライスでは手が届かないような高さくらいまであり、そこには隙間なく本が並べられていた。
「-1だな」
ー1…?何を言ってるんだろうと思い『んっ』と声を出していた。
「はっ、お気楽だな。他よりもう差がついたって言うのに。1番最初はお前かもな」
その言葉で気づいた。
ブライスが言う『-1』とは評価なんだと…。
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