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急な課題
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私に『-1』と告げたブライスは手元にある何かに文字を書きはじめていた。
それを見て多分私の評価を記す物だとなんとなく感じた。
そして書き終えると下がっていいと言う。
エリスさんは頭を下げ部屋を出ようとするが、私は固まり立ち尽くしていた。
「ちょっと…」
エリスさんは私の左腕を引きながら注意をするが真っ直ぐブライスのことを見つめていた。
「なんだ、その目は?」
ジッと見ていたからすぐに気づかれた。
そして『不満があるなら言ってみろ』とさっきまで書いていた物の上にペンを放り投げ、机の上で手を組んで私が話し出すのを待っていた。
しかし、私は首を振り、なんでもないと意思表示をした。
その行動にブライスは放り投げたペンをもう一度握りまた何かを書き始めた。
でも今度は先程みたいに評価を言ってからではないので何を書かれているのかは分からなかった…。
「ほら!頭下げて!」
エリスさんが強引に頭を下げさすと襟元を掴み引きずるようにブライスの部屋を後にしていった。
扉を閉めた瞬間『何バカなことしてるの?!』と私に怒鳴りつけ、私を睨んできた。
怒鳴られ萎縮し、唇を噛んだ私は始まったばかりの嫁になり得るかの適正なんか嫌になった。
はぁ…と深くため息をつき、厄介な者を担当することになったものだといった顔を見せながら扉から離れ、
私についてくるように言った。
「辞めたい…」
先を歩くエリスさんに私はそう呟くと、立ち止まられ振り返ると『私の評価が下がるから変な事いわないでくれる?』と軽くあしらわれ立ち止まった私なんか置いてドンドンと先を歩いていった…。
(評価…)
私の気持ちなんてこれっぽっちも考えてくれないんだ…って思ったら両手をギュッと握りだしていた。
「ねぇ!早く来なさい!」
廊下の曲り角でこちらを向き、大声で私を呼ぶエリスさんを私は睨むと同時にそこまで言うならやればいいんでしょ!って気持ちになり、待つエリスさんの元へ走りだした。
*****
廊下を一緒に歩いていくが、左側を歩くエリスさんの方を一切見ずついて行った。
そしてたどり着いたのは厨房だった。
そこでは私の他にユーリがおり、担当するメイドがナイフを持ち何かを教えている様子だった。
私はそんなユーリと目が合ったが、すぐに逸らされ少し驚いた。
(もしかして…馴れ合うな…って事?)
同じアカデミー生であっても今は将来の嫁としての適正を見ている試験の最中。
遊びに来たわけではないっと言われているように感じた。
「何してるの?こっち来なさい」
エリスさんの注意する声で私はそちらに移動し始めたが、ユーリはそれを少しニヤッと笑った気がした。
「あなたにはこれをしてもらいます」
そう言うと厨房の台の上にボウルと卵、砂糖が入った瓶、それに泡立て器を置いていく。
首を傾げ、何を?と言った顔を見せているとおもむろにエリスさんはボウルに割った卵の白身と砂糖をいれかき混ぜ始めた。
そしてしばらくすると泡立ち白いホイップが出来上がった。
「あの…これは?」
「ブライス様はお菓子が好きです、そんなのも作れない人は候補から外れます。一週間で何か作りなさい」
いきなりの課題だった…。
子供の私は料理など今まで一度もした事がない。そんな者に一週間で何か作れと無理難題を言ってきた。
困りうろたえる私を見てエリスさんは
『無理なら辞めたら。さっきそういったしね。その方が私も自分の仕事できるからありがたいけど?』と
嫌味たっぷりで言ってきた。
それを見て多分私の評価を記す物だとなんとなく感じた。
そして書き終えると下がっていいと言う。
エリスさんは頭を下げ部屋を出ようとするが、私は固まり立ち尽くしていた。
「ちょっと…」
エリスさんは私の左腕を引きながら注意をするが真っ直ぐブライスのことを見つめていた。
「なんだ、その目は?」
ジッと見ていたからすぐに気づかれた。
そして『不満があるなら言ってみろ』とさっきまで書いていた物の上にペンを放り投げ、机の上で手を組んで私が話し出すのを待っていた。
しかし、私は首を振り、なんでもないと意思表示をした。
その行動にブライスは放り投げたペンをもう一度握りまた何かを書き始めた。
でも今度は先程みたいに評価を言ってからではないので何を書かれているのかは分からなかった…。
「ほら!頭下げて!」
エリスさんが強引に頭を下げさすと襟元を掴み引きずるようにブライスの部屋を後にしていった。
扉を閉めた瞬間『何バカなことしてるの?!』と私に怒鳴りつけ、私を睨んできた。
怒鳴られ萎縮し、唇を噛んだ私は始まったばかりの嫁になり得るかの適正なんか嫌になった。
はぁ…と深くため息をつき、厄介な者を担当することになったものだといった顔を見せながら扉から離れ、
私についてくるように言った。
「辞めたい…」
先を歩くエリスさんに私はそう呟くと、立ち止まられ振り返ると『私の評価が下がるから変な事いわないでくれる?』と軽くあしらわれ立ち止まった私なんか置いてドンドンと先を歩いていった…。
(評価…)
私の気持ちなんてこれっぽっちも考えてくれないんだ…って思ったら両手をギュッと握りだしていた。
「ねぇ!早く来なさい!」
廊下の曲り角でこちらを向き、大声で私を呼ぶエリスさんを私は睨むと同時にそこまで言うならやればいいんでしょ!って気持ちになり、待つエリスさんの元へ走りだした。
*****
廊下を一緒に歩いていくが、左側を歩くエリスさんの方を一切見ずついて行った。
そしてたどり着いたのは厨房だった。
そこでは私の他にユーリがおり、担当するメイドがナイフを持ち何かを教えている様子だった。
私はそんなユーリと目が合ったが、すぐに逸らされ少し驚いた。
(もしかして…馴れ合うな…って事?)
同じアカデミー生であっても今は将来の嫁としての適正を見ている試験の最中。
遊びに来たわけではないっと言われているように感じた。
「何してるの?こっち来なさい」
エリスさんの注意する声で私はそちらに移動し始めたが、ユーリはそれを少しニヤッと笑った気がした。
「あなたにはこれをしてもらいます」
そう言うと厨房の台の上にボウルと卵、砂糖が入った瓶、それに泡立て器を置いていく。
首を傾げ、何を?と言った顔を見せているとおもむろにエリスさんはボウルに割った卵の白身と砂糖をいれかき混ぜ始めた。
そしてしばらくすると泡立ち白いホイップが出来上がった。
「あの…これは?」
「ブライス様はお菓子が好きです、そんなのも作れない人は候補から外れます。一週間で何か作りなさい」
いきなりの課題だった…。
子供の私は料理など今まで一度もした事がない。そんな者に一週間で何か作れと無理難題を言ってきた。
困りうろたえる私を見てエリスさんは
『無理なら辞めたら。さっきそういったしね。その方が私も自分の仕事できるからありがたいけど?』と
嫌味たっぷりで言ってきた。
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