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慌てて男が背後を振り返ると、その肩越しに仙崎と目が合う。こちらを視認した仙崎がはっと大きく目を見開いたのが見えた。みっともない姿を見られたことに気づき、朝哉はいたたまれなくて視線を逸らした。こんな無様な姿を見られたくなかった。
「…………⁉ っ、お前っ……とっととその子から離れろ!」
「い、いやだ! 朝哉くんは俺と」
「離れろっつってんだろうが!」
仙崎はそう吠えると、朝哉にまたがる男の身体を容赦なく蹴り飛ばした。鈍い音とともに男が床に転がると上半身を圧迫していた重みが消え、唐突に肺に流れ込んだ空気に噎せ返ってしまう。仙崎は男に一瞥もくれずにこちらへ駆けつけると、慌てたようにシャツを直してから、口からタオルを取り去り腕の縛めを解き、そっと抱き起してくれた。
「けほっ……す、すみません、ありがとうございます」
「いや、気づくのが遅れてごめん、怖かっただろう。変質者に追われてるのは分かってたのに、迂闊だった。それで朝哉くん、大丈夫かな……その、どこも痛くない? 未遂だったとは思うんだけど……ああ今は聞くべきじゃないかな。ごめん、俺も冷静さを失ってるみたいだ」
「大丈夫です、本当に大丈夫。仙崎さんが来てくれたから……。でも、なんで俺がここにいるって分かったんですか?」
仙崎は一瞬何かを躊躇うように口を閉ざしたあと、懐から自身のスマホを取り出した。
「……これ。その、前に相談を受けた後、何かあったらまずいと思って、追跡アプリを入れておいたんだ。電話してもなかなか繋がらないから妙だなと思ってこれを確認したら、空きテナントばっかりのビルに居るから慌てて駆け付けたわけ」
そう懺悔しながら差し出された液晶を見ると、ホームのアプリ一覧に見覚えのあるGPS追跡アプリのアイコンがある。実際に使用したことはないが、雑誌や朝のニュース番組で取り上げられていたのを見たことがある。主に家族やカップル間で、きちんと子供が通学したかとか、嘘をついて浮気をしていないかとか、互いの居場所を把握するために導入されているという。スマホを尻ポケットではなく、取られた鞄の中にしまい込んでいたのが功を奏したようだ。
「そうだったんですか……すみません、まだお仕事、あったんじゃないですか?」
「いや、それは平気だけど……怒らないの?」
「? 何をですか?」
「勝手に君のスマホのロック解除して、アプリを入れたわけだから。謝ってもどうしようもないことだけど、ごめんね」
「謝らないでください、怒ってないです。実際、こうして助けてもらえたわけですし」
朝哉がへらりと笑って首を横に振ると、仙崎は虚を突かれたように目を丸くした。本当に何も思うところはないのだけれど、仙崎自身にそんな反応をされると自分が間違っているような気にさせられてはらはらしてしまう。
「……気味が悪いだろう?」
「いえ……? 俺のためにしてくれたことだし……仙崎さんだし……?」
許せない人にとっては本当に無理なことなのだろうけれど、朝哉は心の底から全く気にしていないのだ。仙崎を見つめる瞳には一切の曇りがなく、誰が見ても全幅の信頼を寄せていることが窺い知れるほどに。
盲目になっている自覚はわずかながらあった。けれど、危機的状況から白馬の王子のように救出されてしまっては、すっかり骨抜きにされても仕方がないのではないかと思う。
――今だけ、今だけでも、仙崎さんのお姫様きぶん、味わっちゃダメかな。
明日からは、ただの同居人か、ただの知人に戻るから。
「……そっか、それなら俺も嬉し――――朝哉くん? やっぱりどこか痛む?」
「え……」
きつく眉根を寄せた仙崎の手が、そうっと頬に伸びてきて、目じりを優しくなぞられる。
眼尻から熱がこぼれる感触を得てやっと、自分が涙していることに気づいた。
「違うんです、安心、したから……すみません、いい年した男が」
「いや、いい。最近ずっと気を張ってたもんね、仕方がないよ」
微笑した仙崎の顔がぶわりと滲む。その背後で、ゆらりと立ち上がる男の姿をとらえる。その手に鈍く輝く小ぶりの刃物を視認してはっと息を飲むと同時に、どこからともなく間の抜けた声が響いた。
「てんちょお~? 捨て犬ボーイ見つかりましたあ~? 俺いったん店の方……ああ⁉ なんっだてめえ! その人たちから離れろ変態ッ!」
声のした方を見るよりも早く、すらりとした長身に鍛え上げた筋肉を纏った青年が男のナイフを蹴り飛ばしていた。そのまま男の片腕をひねり上げたかと思うと、情けない声を上げる男を容赦なく地面に組み伏せてしまう。その肉体美に恥じぬ一瞬の大捕り物は、あ、と声を上げる間もなく終幕していた。
警察だなんだと犯人を恫喝し始めた青年を唖然と眺めていると、仙崎が脱力したように苦笑して後頭部を撫でた。そのまま引き寄せられ、目の前に仙崎の麗容が迫った。額と額が、鼻先どうしがぶつかりそうなほどの至近距離だけれど、眼鏡に遮られてすんでのところで触れ合わない。もどかしいけれど、彼しか見えない視界は確実に朝哉の心を和ませてくれた。
「あの、すみません。話したいことがあるって言ったのは俺なのに、俺のせいでお店行けなくて」
「いいんだよ、あそこのシェフも知り合いだから。事情を話せばわかってくれるし……あとは警察に任せて、家でゆっくり話をしよう」
「でも……ほんと、すみません、俺が不用心だったから」
「無事ですんだならそれでいいんだよ。そんなことより、謝り癖が戻ってるけど?」
あ、と反射的にまた謝罪しかけて、慌てて「はい」と首肯だけを返す。仙崎がくすぐったそうに微笑んだのを見て、胸がどきりと跳ねた。気の抜けた甘ったるい笑い方が好きだ。まるですっかり心を許されているみたいで。職場のスタッフや女性たち、自分なんかよりもっとたくさんこの笑みを向けてもらえて、朝哉の知らない、もっとたくさんの仙崎の『表情』を知っているのだろう。
「店長、コイツ………えっキモ……うわあの鬼がわらっ」
「白川?」
「ハイ~何でもないですって~。警察は今通報しましたし、店も今日は何とかするんで気にしないでもらって大丈夫っす」
白川という名の美容室のスタッフらしい青年が、強張った笑みを浮かべて片手を上げた。
「だ、そうだよ」と穏やかに告げる仙崎の声が、先ほど妙に恐ろしく聞こえたのはどうやら気のせいらしい。
――なんとか全部終わったんだ……仙崎さんのおかげで……。
もうストーカーに怯えなくてもいいわけだけれど、まだその実感が湧かない。
「あ、でも藤本の結婚披露宴の件、どうします? ネタばらしめちゃめちゃ見たいっすよね、動画撮っときますか?」
「あー、いやそこまではいい。おめでとうって言っておいて。まったく、プロポーズ前に全体メッセでばらしちゃうんだから、彼女泣いちゃって。こっちもお膳立てしないわけにはいかなくなって」
「いいんじゃないすか? 遅かれ早かれってやつですよ。ま、手紙仕込んだり色々と手はかかりましたけど、楽しかったし……あ、警察道案内してきますね~」
「……どなたか、ご結婚なさるんですか」
「え、ああ、うちの店のがね。こんなときにごめん、ずっとみんなでサプライズの準備しててさ。家でもたまに電話で長話することがあったでしょ、あれ全部これ」
その話題が、先日盗み訊いた通話の真相であると、すぐに見当がついた。
――疑ってしまったこと、ちゃんと仙崎さんに謝らないと。
大きな手に優しく背中を撫でられながら、朝哉はぎゅうっと服の裾を握りしめた。
「…………⁉ っ、お前っ……とっととその子から離れろ!」
「い、いやだ! 朝哉くんは俺と」
「離れろっつってんだろうが!」
仙崎はそう吠えると、朝哉にまたがる男の身体を容赦なく蹴り飛ばした。鈍い音とともに男が床に転がると上半身を圧迫していた重みが消え、唐突に肺に流れ込んだ空気に噎せ返ってしまう。仙崎は男に一瞥もくれずにこちらへ駆けつけると、慌てたようにシャツを直してから、口からタオルを取り去り腕の縛めを解き、そっと抱き起してくれた。
「けほっ……す、すみません、ありがとうございます」
「いや、気づくのが遅れてごめん、怖かっただろう。変質者に追われてるのは分かってたのに、迂闊だった。それで朝哉くん、大丈夫かな……その、どこも痛くない? 未遂だったとは思うんだけど……ああ今は聞くべきじゃないかな。ごめん、俺も冷静さを失ってるみたいだ」
「大丈夫です、本当に大丈夫。仙崎さんが来てくれたから……。でも、なんで俺がここにいるって分かったんですか?」
仙崎は一瞬何かを躊躇うように口を閉ざしたあと、懐から自身のスマホを取り出した。
「……これ。その、前に相談を受けた後、何かあったらまずいと思って、追跡アプリを入れておいたんだ。電話してもなかなか繋がらないから妙だなと思ってこれを確認したら、空きテナントばっかりのビルに居るから慌てて駆け付けたわけ」
そう懺悔しながら差し出された液晶を見ると、ホームのアプリ一覧に見覚えのあるGPS追跡アプリのアイコンがある。実際に使用したことはないが、雑誌や朝のニュース番組で取り上げられていたのを見たことがある。主に家族やカップル間で、きちんと子供が通学したかとか、嘘をついて浮気をしていないかとか、互いの居場所を把握するために導入されているという。スマホを尻ポケットではなく、取られた鞄の中にしまい込んでいたのが功を奏したようだ。
「そうだったんですか……すみません、まだお仕事、あったんじゃないですか?」
「いや、それは平気だけど……怒らないの?」
「? 何をですか?」
「勝手に君のスマホのロック解除して、アプリを入れたわけだから。謝ってもどうしようもないことだけど、ごめんね」
「謝らないでください、怒ってないです。実際、こうして助けてもらえたわけですし」
朝哉がへらりと笑って首を横に振ると、仙崎は虚を突かれたように目を丸くした。本当に何も思うところはないのだけれど、仙崎自身にそんな反応をされると自分が間違っているような気にさせられてはらはらしてしまう。
「……気味が悪いだろう?」
「いえ……? 俺のためにしてくれたことだし……仙崎さんだし……?」
許せない人にとっては本当に無理なことなのだろうけれど、朝哉は心の底から全く気にしていないのだ。仙崎を見つめる瞳には一切の曇りがなく、誰が見ても全幅の信頼を寄せていることが窺い知れるほどに。
盲目になっている自覚はわずかながらあった。けれど、危機的状況から白馬の王子のように救出されてしまっては、すっかり骨抜きにされても仕方がないのではないかと思う。
――今だけ、今だけでも、仙崎さんのお姫様きぶん、味わっちゃダメかな。
明日からは、ただの同居人か、ただの知人に戻るから。
「……そっか、それなら俺も嬉し――――朝哉くん? やっぱりどこか痛む?」
「え……」
きつく眉根を寄せた仙崎の手が、そうっと頬に伸びてきて、目じりを優しくなぞられる。
眼尻から熱がこぼれる感触を得てやっと、自分が涙していることに気づいた。
「違うんです、安心、したから……すみません、いい年した男が」
「いや、いい。最近ずっと気を張ってたもんね、仕方がないよ」
微笑した仙崎の顔がぶわりと滲む。その背後で、ゆらりと立ち上がる男の姿をとらえる。その手に鈍く輝く小ぶりの刃物を視認してはっと息を飲むと同時に、どこからともなく間の抜けた声が響いた。
「てんちょお~? 捨て犬ボーイ見つかりましたあ~? 俺いったん店の方……ああ⁉ なんっだてめえ! その人たちから離れろ変態ッ!」
声のした方を見るよりも早く、すらりとした長身に鍛え上げた筋肉を纏った青年が男のナイフを蹴り飛ばしていた。そのまま男の片腕をひねり上げたかと思うと、情けない声を上げる男を容赦なく地面に組み伏せてしまう。その肉体美に恥じぬ一瞬の大捕り物は、あ、と声を上げる間もなく終幕していた。
警察だなんだと犯人を恫喝し始めた青年を唖然と眺めていると、仙崎が脱力したように苦笑して後頭部を撫でた。そのまま引き寄せられ、目の前に仙崎の麗容が迫った。額と額が、鼻先どうしがぶつかりそうなほどの至近距離だけれど、眼鏡に遮られてすんでのところで触れ合わない。もどかしいけれど、彼しか見えない視界は確実に朝哉の心を和ませてくれた。
「あの、すみません。話したいことがあるって言ったのは俺なのに、俺のせいでお店行けなくて」
「いいんだよ、あそこのシェフも知り合いだから。事情を話せばわかってくれるし……あとは警察に任せて、家でゆっくり話をしよう」
「でも……ほんと、すみません、俺が不用心だったから」
「無事ですんだならそれでいいんだよ。そんなことより、謝り癖が戻ってるけど?」
あ、と反射的にまた謝罪しかけて、慌てて「はい」と首肯だけを返す。仙崎がくすぐったそうに微笑んだのを見て、胸がどきりと跳ねた。気の抜けた甘ったるい笑い方が好きだ。まるですっかり心を許されているみたいで。職場のスタッフや女性たち、自分なんかよりもっとたくさんこの笑みを向けてもらえて、朝哉の知らない、もっとたくさんの仙崎の『表情』を知っているのだろう。
「店長、コイツ………えっキモ……うわあの鬼がわらっ」
「白川?」
「ハイ~何でもないですって~。警察は今通報しましたし、店も今日は何とかするんで気にしないでもらって大丈夫っす」
白川という名の美容室のスタッフらしい青年が、強張った笑みを浮かべて片手を上げた。
「だ、そうだよ」と穏やかに告げる仙崎の声が、先ほど妙に恐ろしく聞こえたのはどうやら気のせいらしい。
――なんとか全部終わったんだ……仙崎さんのおかげで……。
もうストーカーに怯えなくてもいいわけだけれど、まだその実感が湧かない。
「あ、でも藤本の結婚披露宴の件、どうします? ネタばらしめちゃめちゃ見たいっすよね、動画撮っときますか?」
「あー、いやそこまではいい。おめでとうって言っておいて。まったく、プロポーズ前に全体メッセでばらしちゃうんだから、彼女泣いちゃって。こっちもお膳立てしないわけにはいかなくなって」
「いいんじゃないすか? 遅かれ早かれってやつですよ。ま、手紙仕込んだり色々と手はかかりましたけど、楽しかったし……あ、警察道案内してきますね~」
「……どなたか、ご結婚なさるんですか」
「え、ああ、うちの店のがね。こんなときにごめん、ずっとみんなでサプライズの準備しててさ。家でもたまに電話で長話することがあったでしょ、あれ全部これ」
その話題が、先日盗み訊いた通話の真相であると、すぐに見当がついた。
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