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「勘違いじゃ、ないです。俺はもっと前から仙崎さんが好きで、……っ」
口端に、頬に、耳元に、首筋に、軽く音を立てるだけのキスが降る。
「――ごめんね、俺の方が日和っちゃダメだよね」
「ぁっ……大丈夫です、仙崎さんが俺に遠慮してくれてるの、わかるから。でも、俺はその、仙崎さんに、もっとちゃんと触ってほしいなって」
口を衝いて出た言葉に、自分で自分が信じられない。でも、誰かに言わされたわけではない。朝哉自身がここでやめてほしくないと思ったのだけれど、相手が仙崎だというだけでこんなにも気持ちが変わるのかと自身の変化に恐ろしくなる。
仙崎は薄く、照れたように笑って、再び唇を重ね合わせてきた。
甘やかされるような口づけに陶酔していると、仙崎の手がシャツの下に潜り込み、脇腹のラインを確かめるようになぞりはじめる。
くすぐったさに身をよじると、そのままひやりとした手のひらが上の右胸部へ滑る。朝哉はにわかに怯みながら、差し込まれた舌を受け入れ、自らのそれを絡めた。
「っ、ふ……ん、う……ん!」
這い上がってきた指先に胸の突起をくすぐられると、びくんと体が跳ねた。擦り上げられるような動きを繰り返され、ぴんと尖り始めた途端、きゅっと摘まみ上げられた。一瞬息を忘れると、追い立てるようにぐりりと押しつぶされ、痛みにも似たもどかしい心地よさが駆け抜けた。
「ひ……んっ、それ、いたい、です……」
「痛いだけ?」
微笑した仙崎が朝哉のシャツをめくり上げる。自然と見下ろした朝哉の視界に、ぷくりと芯を持ち紅みが差した自身の乳首が飛び込んでくる。
「ほら、喜んで美味しそうになってる」
「わ……そ、そんなこと言わないで」
「そんなに痛かった? じゃあこっちは優しくしてあげないと」
「ふ、ぇ……っ、ぁ」
右の尖りを弄びながら、左のまだ未熟なそこを仙崎の舌がべろりと舐めた。何度か唾液をまぶすように舌の腹で押しつぶしたあと、ぱくりと口に含んだまま塗るつく舌先で小突いてくる。とめどない愛撫の波が下腹部へと伝い、微弱な快感がじわじわと腰を疼かせた。
「っ、ぁ、や、仙崎さっ……!」
太腿を擦り合わせたのがバレてしまったのだろう、果実のように熟れたそこを弄んでいた手が下履きへともぐりこんできた。いつの間にか兆しはじめていた熱芯に触れられ、途端にいっそう熱が集中する。
先端からあふれたものをすくい、そのかたちを明確にするように全体に塗りこめられていく。びくびくと芯が震え、気持ち良すぎてとろとろと蜜のような涙をこぼれさせているのがわかる。根元から絞り出すように刺激されているうちにそこはすっかり屹立していた。気を抜くと解き放ってしまいそうなほど官能が極まっていた。
胸に吸い付きながらこちらを盗み見ていた仙崎の熱っぽい視線と視線が交差して、朝哉は両手で顔を覆い、いやいやをするように身悶えた。
「ぁっ……ふう、や、だめ、です、でちゃいそう……」
「可愛い……可愛いな、朝哉くんは本当に。もっとその声、聴かせてほしい」
「っ! ぁぅっ、んんん、それつよすぎて……っ、ぁあ!」
仙崎がそこを弄ぶ手が早めるほど、ぬちゃぬちゃと淫らな音が立ってぞくぞくする。
この自分の痴態を仙崎はどんな風に思っているだろう。呆れていやしないだろうか。
指の間からちらりと様子を窺い見たそのとき、余裕のない表情で身を起こした仙崎が朝哉の後孔をふにふにと指先を押し付けた。
身を強張らせた朝哉に、仙崎が心配そうに薄く笑う。大丈夫か、と無言のうちに気遣われているのが分かる。ここで嫌だと口にすれば、きっと仙崎はそれ以上のことはしない。けれど、それは朝哉が嫌だった。
口を引き結ぶことで覚悟を決め、自身の膝を抱えて尻を浮かせた。そこを仙崎に見せつけるようにして、恥ずかしさで泣きだしそうになりながら顔をそむける。
「……平気、ですから、してください……ぁっ」
「どうしてこんなに健気で可愛いのかなあ」
は、とまだ動いてもいないのに興奮気味の息を吐いて、仙崎は朝哉がこぼした蜜を後ろへ塗りたくった。
前を緩く愛撫しながら、指が中へと埋められていく。最初は恐ろしかったし痛みを感じたが、力の抜き方を覚えると少しずつ抵抗の小さい受け入れ方も分かるようになった。
そうして堪えているうちに、中を押し広げるように進んできた指先は三本にまで増やされていた。窮屈な異物感に息を詰めていたけれど、少しずつ、ぞわぞわと微弱な心地よさが生まれていて、それは下腹部側をぐりぐりとなぞられる度に快感を増していた。
「っ、ぐ、ぁ、はぁっ……ぁ、んんっ⁉」
そこを擦り上げられた途端、何かが弾けたような快感が駆け抜けた。一度覚えてしまうと癖になるらしい、そこを軽く転がされるだけで気持ちよさに頭が真っ白になる。
「ここが好き?」
「んんっ、わかんなっ……ぁっ、ああっ、ダメですっ、それっ」
「気持ちいいからもっとしてほしいんじゃなくて? 腰が揺れてるし、全身びくびく跳ねてるけど」
「やだっ、ちが……~~~っ、ダメ、両方するの、だめっ、変になるっ……」
「っ……俺ももう限界……」
気持ちいいのが怖いのと自分だけ乱れているのが恥ずかしくて、目の前がぶわりと滲んでしまう。
ずるり、と唐突に骨ばった指が引き抜かれ、物足りなさにそこがひくついた。涙に揺れる視界の中で、険しい顔をした仙崎が乱暴な手つきで服を脱ぐ。ずらされた下着から、そり帰った仙崎のものがこぼれ出る。その大きさに一瞬目を奪われて息を呑み、これからどうなるのかを想像して羞恥に顔をそむけた。
されるがままに腰の下にクッションを挟みこませると、まだ物欲しげに疼くそこにぬるりと切っ先があてがわれたのがわかった。
「力、そのまま抜いててね?」
おずおずと首を縦に振ると、太腿に手を添えた仙崎が軽く自重をかけた。濡れそぼった先端が容易くめりこんで、指とは比べようもない圧迫感がほぐされた中を満たしてゆく。
「んっ、う……あっ、ゆっくり……」
声を震わせる朝哉を慰めるように、仙崎が身を倒してたくさんのキスをくれる。知らず知らずのうちにソファの縁に爪を立てていた両手を彼の首にまわすよう促され、そのぬくい背中に手を這わせた。
「……ぜんぶ、入り――ん、んんんっ、ひぁ……!」
やがてみっちりと根元まで収めこまれた肉杭が、焦らすような動きで中を擦り始めた。たっぷりと慣らされたおかげで、そこは抵抗もなく仙崎を呑み込んでいる。想像していた苦痛の代わりに熾火のような快感がむずむずとせり上がることに、朝哉は当惑していた。
「ぁ、はぁっ、や、なに、奥のとこ、やだ……」
えら張った先端が良いところを抉るように通り過ぎるたび、屹立した前までびくびくと脈動してしまう。
「んん! そこ、そこ気持ちいい、仙崎さ、ん」
「そこ? ここ、このへん? こうされるのがいい?」
「あっあっ、ぁぁっ! そこっ! や、しすぎ、それ、変になるっ!」
無意識のうちにそこをもっと抉って欲しいとねだるように腰を擦りつけていると、息を詰めた仙崎が一点を抉るように揺さぶった。絶え間なく責め立てられて、声も、自身の先端から勝手に蜜がこぼれるのも、もう止められなくなってしまう。
「はぅっ、だめ、そこだけしないでっ、こわい、ぃっ」
「っ、ぁ、は……まだ、きついな……わがままだね、朝哉くん。もっとしてって言ったり、やめてって言ったり」
「ぁっ、は、ごめんなさっ、気持ちよくて、ん、ふぅっ、……ふ、や、ぁあっ!」
もう、思考も表情もとろけきっている朝哉の唇を、切なげに眉根を寄せた仙崎が深く、塞ぐ。
そのまま自身を深くまで突き入れ、朝哉の敏感なところを無遠慮に抉ってくる。そのたびに軽く達したような快感が弾けたが熱芯はまだ形を保ったままだ。萎える素振りもなければ、悦楽を極めたような絶頂感も訪れない。
――ずっと、気持ちいい……このままじゃ変になる、気持ちよくなることしか考えられなくなる、仙崎さんに、ぐちゃぐちゃにされてっ……!
終わりのない快楽に覚えた恐怖さえ、仙崎の前では興奮の火種にしかなりえなかった。
「声も、とろっとろの顔もたまんないなっ……ここ、突くたびナカうねらせて。悦すぎて声も出ちゃうんだね?」
「あっ、うぁっ、や、ちがっ」
「違うの? ここ好きじゃない? キスされながらここ責めると、すっごく気持ちよさそうな顔になっちゃうのに」
「そんな、ことっ……んんっ、ちゅ、ふぅっ、ん……ぷは、あぁっ」
肉と肉のぶつかり合う音と、とてつもない快感が規則的に押し寄せ、朝哉はただただ溺れた。
「やだ、もう、もうっ、俺っ、き、ちゃう……!」
「朝哉、くん……!」
仙崎の背中にしがみつき、抽挿に合わせて自ら腰を揺さぶった。なんて下品で卑猥なことをしているんだろうと芽生えた羞恥も、奥を穿たれる快楽の前では意味をなさない。
もう達することしか考えられなかった。
腰を浮かせて仙崎の腹に先走りを溢れさせる花芯を擦りつける始末だ。
「朝哉くん、もっとよくして達かせてあげる……代わりに、俺のこと呼んで?」
「え、ふあっ、や、仙崎、さ」
唐突に何を言い出すのだろう、と思いながら甘えるような声で言うと、意地の悪い笑みを浮かべた仙崎に鼻頭を噛まれた。
「違う、直嗣」
「え……あぁ、んぅっ!」
「な、お、つ、ぐ」
一瞬だけ止んだ責め苦に気を抜いていたところを、これまで以上に深く貫かれた。これまでの優しさやいたわりの欠片もない、快楽を貪るだけの動きで、自身の肉欲を朝哉にぶつけてくる。無遠慮に腰を使いながら、愚直に放出を待ちわびる先端の鈴口をくじりつつ扱かれ、そこまで射精感がせり上がっていた。
――呼んでいいの? 下の名前で、直嗣さん、直嗣さん、だいすきな人。
彼の意図するところを察した途端、感じたことのない多幸感と優越感が胸を占めていく。
早く欲を吐き出したい、一緒にこの人を悦ばせたい――恥も外聞もなく、腰を突き出すようにして乱れた。
「ひ、あっ、直嗣、さんっ! んぁ、好き、好きですっ、もう俺、わかんない、好き、全部すき……!」
胸の裡を叫ぶかのような喘ぎは、心の底からの想いだ。
仙崎は軽く目を見張ると、すぐにうっとりと目を細めて朝哉の額に口づけた。
「いい子だ、朝哉くん……」
耳元でそう甘くささやかれる。そのまま絶え間なく激しい抽挿を繰り返され、頭が真っ白になるような快感とともに、絶頂の高みへと押し上げられていた。
「あっ、あぁ、ぁっ……いっ……んんぁぁぁぁっ!」
押し殺した悲鳴は、重ねた仙崎の唇に封じ込められてしまう。
舌を絡めあいながら、朝哉は腰が蕩けて狂いそうなほどの快感に酔いしれた。先端から白濁が飛び散り、肉筒の最奥と腹筋がびくびくと引き攣れたように震える。いやそれだけではなかった。太腿も背中も、朝哉が達してなお奥を犯す仙崎の動きにやまぬ快楽に悦びわなないている。
「あ、あぁぁっ、直嗣さん、もう、もう出たのにっ、や、おかしく、俺、また……!」
「何度でもいっていいよ、俺も、一度、でる……」
「っぁ――――」
歯を食いしばった仙崎のものが、奥で精を迸らせるのが分かった。
朝哉のものは既に芯を失っていたけれど、仙崎に導かれるように腰の奥で再び悦楽が弾けた。
「ひっ、ぁっ、ぁぁっ……いいっ……」
「……まさか、こんなに体の相性までいいとは」
「え……?
恍惚と胸を喘がせる朝哉の中で、まだ埋め込まれたままの仙崎の雄芯が密度を増したのが分かった。
口端に、頬に、耳元に、首筋に、軽く音を立てるだけのキスが降る。
「――ごめんね、俺の方が日和っちゃダメだよね」
「ぁっ……大丈夫です、仙崎さんが俺に遠慮してくれてるの、わかるから。でも、俺はその、仙崎さんに、もっとちゃんと触ってほしいなって」
口を衝いて出た言葉に、自分で自分が信じられない。でも、誰かに言わされたわけではない。朝哉自身がここでやめてほしくないと思ったのだけれど、相手が仙崎だというだけでこんなにも気持ちが変わるのかと自身の変化に恐ろしくなる。
仙崎は薄く、照れたように笑って、再び唇を重ね合わせてきた。
甘やかされるような口づけに陶酔していると、仙崎の手がシャツの下に潜り込み、脇腹のラインを確かめるようになぞりはじめる。
くすぐったさに身をよじると、そのままひやりとした手のひらが上の右胸部へ滑る。朝哉はにわかに怯みながら、差し込まれた舌を受け入れ、自らのそれを絡めた。
「っ、ふ……ん、う……ん!」
這い上がってきた指先に胸の突起をくすぐられると、びくんと体が跳ねた。擦り上げられるような動きを繰り返され、ぴんと尖り始めた途端、きゅっと摘まみ上げられた。一瞬息を忘れると、追い立てるようにぐりりと押しつぶされ、痛みにも似たもどかしい心地よさが駆け抜けた。
「ひ……んっ、それ、いたい、です……」
「痛いだけ?」
微笑した仙崎が朝哉のシャツをめくり上げる。自然と見下ろした朝哉の視界に、ぷくりと芯を持ち紅みが差した自身の乳首が飛び込んでくる。
「ほら、喜んで美味しそうになってる」
「わ……そ、そんなこと言わないで」
「そんなに痛かった? じゃあこっちは優しくしてあげないと」
「ふ、ぇ……っ、ぁ」
右の尖りを弄びながら、左のまだ未熟なそこを仙崎の舌がべろりと舐めた。何度か唾液をまぶすように舌の腹で押しつぶしたあと、ぱくりと口に含んだまま塗るつく舌先で小突いてくる。とめどない愛撫の波が下腹部へと伝い、微弱な快感がじわじわと腰を疼かせた。
「っ、ぁ、や、仙崎さっ……!」
太腿を擦り合わせたのがバレてしまったのだろう、果実のように熟れたそこを弄んでいた手が下履きへともぐりこんできた。いつの間にか兆しはじめていた熱芯に触れられ、途端にいっそう熱が集中する。
先端からあふれたものをすくい、そのかたちを明確にするように全体に塗りこめられていく。びくびくと芯が震え、気持ち良すぎてとろとろと蜜のような涙をこぼれさせているのがわかる。根元から絞り出すように刺激されているうちにそこはすっかり屹立していた。気を抜くと解き放ってしまいそうなほど官能が極まっていた。
胸に吸い付きながらこちらを盗み見ていた仙崎の熱っぽい視線と視線が交差して、朝哉は両手で顔を覆い、いやいやをするように身悶えた。
「ぁっ……ふう、や、だめ、です、でちゃいそう……」
「可愛い……可愛いな、朝哉くんは本当に。もっとその声、聴かせてほしい」
「っ! ぁぅっ、んんん、それつよすぎて……っ、ぁあ!」
仙崎がそこを弄ぶ手が早めるほど、ぬちゃぬちゃと淫らな音が立ってぞくぞくする。
この自分の痴態を仙崎はどんな風に思っているだろう。呆れていやしないだろうか。
指の間からちらりと様子を窺い見たそのとき、余裕のない表情で身を起こした仙崎が朝哉の後孔をふにふにと指先を押し付けた。
身を強張らせた朝哉に、仙崎が心配そうに薄く笑う。大丈夫か、と無言のうちに気遣われているのが分かる。ここで嫌だと口にすれば、きっと仙崎はそれ以上のことはしない。けれど、それは朝哉が嫌だった。
口を引き結ぶことで覚悟を決め、自身の膝を抱えて尻を浮かせた。そこを仙崎に見せつけるようにして、恥ずかしさで泣きだしそうになりながら顔をそむける。
「……平気、ですから、してください……ぁっ」
「どうしてこんなに健気で可愛いのかなあ」
は、とまだ動いてもいないのに興奮気味の息を吐いて、仙崎は朝哉がこぼした蜜を後ろへ塗りたくった。
前を緩く愛撫しながら、指が中へと埋められていく。最初は恐ろしかったし痛みを感じたが、力の抜き方を覚えると少しずつ抵抗の小さい受け入れ方も分かるようになった。
そうして堪えているうちに、中を押し広げるように進んできた指先は三本にまで増やされていた。窮屈な異物感に息を詰めていたけれど、少しずつ、ぞわぞわと微弱な心地よさが生まれていて、それは下腹部側をぐりぐりとなぞられる度に快感を増していた。
「っ、ぐ、ぁ、はぁっ……ぁ、んんっ⁉」
そこを擦り上げられた途端、何かが弾けたような快感が駆け抜けた。一度覚えてしまうと癖になるらしい、そこを軽く転がされるだけで気持ちよさに頭が真っ白になる。
「ここが好き?」
「んんっ、わかんなっ……ぁっ、ああっ、ダメですっ、それっ」
「気持ちいいからもっとしてほしいんじゃなくて? 腰が揺れてるし、全身びくびく跳ねてるけど」
「やだっ、ちが……~~~っ、ダメ、両方するの、だめっ、変になるっ……」
「っ……俺ももう限界……」
気持ちいいのが怖いのと自分だけ乱れているのが恥ずかしくて、目の前がぶわりと滲んでしまう。
ずるり、と唐突に骨ばった指が引き抜かれ、物足りなさにそこがひくついた。涙に揺れる視界の中で、険しい顔をした仙崎が乱暴な手つきで服を脱ぐ。ずらされた下着から、そり帰った仙崎のものがこぼれ出る。その大きさに一瞬目を奪われて息を呑み、これからどうなるのかを想像して羞恥に顔をそむけた。
されるがままに腰の下にクッションを挟みこませると、まだ物欲しげに疼くそこにぬるりと切っ先があてがわれたのがわかった。
「力、そのまま抜いててね?」
おずおずと首を縦に振ると、太腿に手を添えた仙崎が軽く自重をかけた。濡れそぼった先端が容易くめりこんで、指とは比べようもない圧迫感がほぐされた中を満たしてゆく。
「んっ、う……あっ、ゆっくり……」
声を震わせる朝哉を慰めるように、仙崎が身を倒してたくさんのキスをくれる。知らず知らずのうちにソファの縁に爪を立てていた両手を彼の首にまわすよう促され、そのぬくい背中に手を這わせた。
「……ぜんぶ、入り――ん、んんんっ、ひぁ……!」
やがてみっちりと根元まで収めこまれた肉杭が、焦らすような動きで中を擦り始めた。たっぷりと慣らされたおかげで、そこは抵抗もなく仙崎を呑み込んでいる。想像していた苦痛の代わりに熾火のような快感がむずむずとせり上がることに、朝哉は当惑していた。
「ぁ、はぁっ、や、なに、奥のとこ、やだ……」
えら張った先端が良いところを抉るように通り過ぎるたび、屹立した前までびくびくと脈動してしまう。
「んん! そこ、そこ気持ちいい、仙崎さ、ん」
「そこ? ここ、このへん? こうされるのがいい?」
「あっあっ、ぁぁっ! そこっ! や、しすぎ、それ、変になるっ!」
無意識のうちにそこをもっと抉って欲しいとねだるように腰を擦りつけていると、息を詰めた仙崎が一点を抉るように揺さぶった。絶え間なく責め立てられて、声も、自身の先端から勝手に蜜がこぼれるのも、もう止められなくなってしまう。
「はぅっ、だめ、そこだけしないでっ、こわい、ぃっ」
「っ、ぁ、は……まだ、きついな……わがままだね、朝哉くん。もっとしてって言ったり、やめてって言ったり」
「ぁっ、は、ごめんなさっ、気持ちよくて、ん、ふぅっ、……ふ、や、ぁあっ!」
もう、思考も表情もとろけきっている朝哉の唇を、切なげに眉根を寄せた仙崎が深く、塞ぐ。
そのまま自身を深くまで突き入れ、朝哉の敏感なところを無遠慮に抉ってくる。そのたびに軽く達したような快感が弾けたが熱芯はまだ形を保ったままだ。萎える素振りもなければ、悦楽を極めたような絶頂感も訪れない。
――ずっと、気持ちいい……このままじゃ変になる、気持ちよくなることしか考えられなくなる、仙崎さんに、ぐちゃぐちゃにされてっ……!
終わりのない快楽に覚えた恐怖さえ、仙崎の前では興奮の火種にしかなりえなかった。
「声も、とろっとろの顔もたまんないなっ……ここ、突くたびナカうねらせて。悦すぎて声も出ちゃうんだね?」
「あっ、うぁっ、や、ちがっ」
「違うの? ここ好きじゃない? キスされながらここ責めると、すっごく気持ちよさそうな顔になっちゃうのに」
「そんな、ことっ……んんっ、ちゅ、ふぅっ、ん……ぷは、あぁっ」
肉と肉のぶつかり合う音と、とてつもない快感が規則的に押し寄せ、朝哉はただただ溺れた。
「やだ、もう、もうっ、俺っ、き、ちゃう……!」
「朝哉、くん……!」
仙崎の背中にしがみつき、抽挿に合わせて自ら腰を揺さぶった。なんて下品で卑猥なことをしているんだろうと芽生えた羞恥も、奥を穿たれる快楽の前では意味をなさない。
もう達することしか考えられなかった。
腰を浮かせて仙崎の腹に先走りを溢れさせる花芯を擦りつける始末だ。
「朝哉くん、もっとよくして達かせてあげる……代わりに、俺のこと呼んで?」
「え、ふあっ、や、仙崎、さ」
唐突に何を言い出すのだろう、と思いながら甘えるような声で言うと、意地の悪い笑みを浮かべた仙崎に鼻頭を噛まれた。
「違う、直嗣」
「え……あぁ、んぅっ!」
「な、お、つ、ぐ」
一瞬だけ止んだ責め苦に気を抜いていたところを、これまで以上に深く貫かれた。これまでの優しさやいたわりの欠片もない、快楽を貪るだけの動きで、自身の肉欲を朝哉にぶつけてくる。無遠慮に腰を使いながら、愚直に放出を待ちわびる先端の鈴口をくじりつつ扱かれ、そこまで射精感がせり上がっていた。
――呼んでいいの? 下の名前で、直嗣さん、直嗣さん、だいすきな人。
彼の意図するところを察した途端、感じたことのない多幸感と優越感が胸を占めていく。
早く欲を吐き出したい、一緒にこの人を悦ばせたい――恥も外聞もなく、腰を突き出すようにして乱れた。
「ひ、あっ、直嗣、さんっ! んぁ、好き、好きですっ、もう俺、わかんない、好き、全部すき……!」
胸の裡を叫ぶかのような喘ぎは、心の底からの想いだ。
仙崎は軽く目を見張ると、すぐにうっとりと目を細めて朝哉の額に口づけた。
「いい子だ、朝哉くん……」
耳元でそう甘くささやかれる。そのまま絶え間なく激しい抽挿を繰り返され、頭が真っ白になるような快感とともに、絶頂の高みへと押し上げられていた。
「あっ、あぁ、ぁっ……いっ……んんぁぁぁぁっ!」
押し殺した悲鳴は、重ねた仙崎の唇に封じ込められてしまう。
舌を絡めあいながら、朝哉は腰が蕩けて狂いそうなほどの快感に酔いしれた。先端から白濁が飛び散り、肉筒の最奥と腹筋がびくびくと引き攣れたように震える。いやそれだけではなかった。太腿も背中も、朝哉が達してなお奥を犯す仙崎の動きにやまぬ快楽に悦びわなないている。
「あ、あぁぁっ、直嗣さん、もう、もう出たのにっ、や、おかしく、俺、また……!」
「何度でもいっていいよ、俺も、一度、でる……」
「っぁ――――」
歯を食いしばった仙崎のものが、奥で精を迸らせるのが分かった。
朝哉のものは既に芯を失っていたけれど、仙崎に導かれるように腰の奥で再び悦楽が弾けた。
「ひっ、ぁっ、ぁぁっ……いいっ……」
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