夜明けの丿怪物

カミーユ R-35

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第10話『快楽の沼』

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「っ!離してください!」身を捩って振り払おうとするが、逆に動きを封じられてしまう。「ほう?反抗的な態度だな。お仕置きが必要か」そう言って笑う顔は狂気じみていて恐怖を感じるのと同時に、怒りが込み上げてくるのを感じた。だが抵抗したところで抜け出せるはずもなく、結局そのまま壁際に押しやられてしまい身動きが取れなくなる。任堂の顔が間近に迫ってきたことに驚いて思わず目を瞑った。そして次の瞬間には唇を奪われていた。まさかこんな所でそんな事をされるとは思わなかったため動揺してしまう。「んぐっ!?」抵抗しようと口を開けた瞬間を逃さず舌を捩じ込まれる。歯列や上顎など口内の至る所を舌で蹂躙され、次第に力が抜けていくのを感じた。するとそれを狙ったかのように舌を絡め取られ吸い上げられる。ちゅくちゅくと淫猥な水音が室内に響き渡り羞恥心で顔が赤く染まっていくのが分かった。暫くしてようやく解放された時には既に抵抗する気力は無くなっており、ぐったりと任堂に寄り掛かるような体勢になっていた。そんなソラを見て任堂は小さく笑うと耳元に顔を寄せてきた。
「お前さん以外の味がする。何だ?俺以外にヤられたか?」
「っ!馬鹿言わないで下さい!」反射的に言い返してしまいハッとする。しかし任堂はそんなソラを見てニヤリと笑うと首筋に顔を近づけてきた。そしてそのまま舐められる感覚に身震いする。(そんな処…舐めるなッ)
「いつまでも反抗的な態度だと、ほんとにお仕置きが必要か?」そう言うと舌なめずりをし、そのまま鎖骨へと移動させたかと思うと強く噛み付かれてしまい痛みに顔を歪めた。その反応を楽しむかのように何度も同じ場所を繰り返し噛むのでその度に小さく呻き声を上げてしまう。暫くして満足したのか口を離すと今度は強く吸われてしまったので痕が付いたかもしれない。(何でこんなことに…)泣きたい衝動堪え、任堂を睨む。するとその視線に気づいた任堂はニヤリと笑うと「もういい。連れて行け」と言った。
「は?え、ちょ、何⁉」その言葉を合図に後ろに待機していた赤髪の男が現れ、ソラの腕を掴んだかと思えばそのままズルズルと引きずっていく。
「いッ⁉離してッ」必死に抵抗するも虚しくずるずると引き摺られていく。抵抗虚しく部屋から出る時任堂と目が合ったが、その瞳は何処か楽しそうだったのを覚えている。そうして気が付けばソラは知らない部屋へと連れて行かれていたのだった。


「っ、ここは……?」辺りを見回すが至って普通の部屋だ。家具や内装は質素だが清潔感はある。そして奥に視線を向けると大きなベッドが置かれていた。恐らく寝室か何かだろうと思われる場所だが、何故こんな所に連れて来られたのだろうか?そんな事を考えていると扉が開き任堂が入ってきた。
「ソラ」名前を呼ばれて肩を跳ねさせるも無視を決め込む事にした。どうせロクなことにならないからだ。そんなソラを見て任堂は小さく笑うとこちらに近付いてくるなり顎を掴むと上を向けさせられたので必然的に視線が交わる形になる。
「っ、何ですか……」
「いや、何でもない」そう言いつつじっと見つめられ、居心地が悪くなりソッと目を逸らす。すると顎を掴む手に力が込められ無理矢理視線を合わせられた。
「目を逸らすな」その声音にビクリとする。まるで獲物を狩る獣のような目をしていたからだ。そしてそのままゆっくりと顔が近付いてくるのが見え慌てて手で制したのだが、逆にその手を掴み取られてしまいそのままベッドに押し倒されてしまう。
「な、何をするつもりですか⁉」慌てて問えば任堂は目を細める。そして覆い被さるようにしながら耳元で囁かれる言葉にソラは、顔が熱くなるのを感じた。
「今からお前さんを抱く」その言葉に絶句していると、そのまま唇を塞がれてしまう。「んんっ!?」驚いて離れようとするが後頭部に手を回されて固定されてしまい身動きが取れない。その間にも口内に侵入してきた舌によって蹂躙されていく感覚に目眩を覚えるほどだった。
「ん、ふ、ぅ……っ」歯列や上顎など口腔内を好き勝手に犯され続けていくうちに段々と身体の力が抜けていき抵抗が出来なくなってくるのを感じた。それを良い事に任堂の手はソラの身体をまさぐり始める。羽織っているだけの上着をはだけさせるとそのまま胸元を撫で回された。
「っ、やめ、てくださぃ……ッ」弱々しく抗議の声を上げるも聞き入れられずに続けられる。
「ふっ、ぁ……」
「良い反応だな」そう言って笑う任堂に対して怒りを覚えるものの、同時に与えられる刺激のせいで思考回路が上手く働かないのも事実で。
「ひぅ!?」胸の先端を強く摘まれると一際大きく声を上げてしまった事に羞恥を覚え顔を背けるがすぐに引き戻されてしまう。
「こっちを向け」そう言って再び唇を塞がれてしまった。


「んぅ、ふ……っ」先程よりも激しい口付けに翻弄されるばかりで抵抗らしい抵抗が出来ずにいた。その間にも任堂の手は動き続けており、いつの間にか下半身にまで伸びていたようだ。そのまま下着を脱がされてしまうと直接触れられてしまう形になった為思わず身を固くするが、そんな事などお構いなしといった様子で握り込まれると上下に扱かれ始めた。(やだ、やだ、やだ…そんな処)そう思うのに身体は正直で、与えられる快楽によって徐々に熱を帯びていく。そして先走りが溢れてきた頃合を見計らったかのように先端を爪で引っ掻かれた瞬間、ビクリと身体が跳ね上がった。

「ひぅ!?あッ」そのままグリグリと刺激されてしまい思わず声を上げてしまうがすぐに手で口を塞ぐことで何とか耐えることが出来た。しかしそんなソラの様子を見た任堂は更に追い討ちをかけるように激しく責め立て始めたのだ。
「んぅっ!ん、ふ……っ、ぁ、あッ」必死に声を抑えようとするがどうしても漏れてしまう。

「我慢するな。もっと聞かせろ」耳元で囁かれる言葉にさえ感じてしまいそうになる程敏感になっていた。そして遂に絶頂を迎えそうになった時、任堂の手の動きが止まった事で不思議に思い視線を向けるとそこには意地の悪い笑みを浮かべた任堂の姿があった。「え……?」呆然としていると再び手を動かされると同時に後ろの穴へと指を突き入れられた。
「ひぁッ!?」突然の衝撃に悲鳴を上げるが構う事なく中を掻き回される感覚に身悶える事しか出来ないでいると、ある一点を掠めた時に今までとは違った感覚に襲われた。
「んぁっ!?や、そこ……ッ」
「ここか」任堂はニヤリと笑うと執拗に同じ場所を攻め立ててきた。その度に甘い痺れに襲われて何も考えられなくなる程だった。(やだ…そこ)
「や、ぁッ!あぁん!」いつの間にか三本にまで増やされた指をバラバラに動かされると堪らず腰が浮いてしまう。(気持ッ……い)
「あ、あっ!だめぇッ!」ビクンッと大きく仰け反った直後、勢い良く白濁液を吹き出してしまった。
「はぁ……っ」荒い呼吸を繰り返しながらぐったりとしていると任堂はズボンの前を寛げ始めたかと思うとそこから自身を取り出したのを見てしまい思わず息を飲む。(僕より何倍も大きいろ)想像していたよりも遥かに大きなソレに恐怖を覚えると同時に怖さが勝つ。
「ソラ、挿れるぞ」その言葉と共に宛がわれた先端が徐々に中へ侵入してくる感覚に身を震わせる。(無理だよッそんな⁉)ゆっくりと押し広げられていく感覚に痛みを感じていると任堂の手が優しく頬を撫でてきたのでそちらに視線を向けると優しい眼差しで見つめられていた事に気付きドキリとした。そのまま唇を重ねられ舌を差し入れられると同時に一気に貫かれてしまい声にならない悲鳴を上げた。
「ん"ぅうッ!!」ビクンッと身体を跳ねさせれば任堂は満足そうな笑みを浮かべる。
「全部入ったぞ」その言葉にソラは信じられないといった表情をする。(あんな大きいのが、本当に?)未だに信じ難いといった様子で任堂自身を受け入れている自分の下腹部を見てしまい顔が熱くなるのを感じた。
「動くぞ」そう宣言された直後、ゆっくりと抽送が開始されて思わずシーツを掴む手に力が入る。
「やん、ぁ……っ」最初は痛みしか感じなかったものの徐々に快感を覚え始めてしまい甘い声を漏らしてしまう自分が恥ずかしくなり手で口を塞ごうとするが、それに気付いた任堂によって手を押さえつけられてしまった。
「あぅ!やだぁッ!」激しく抽送される度に肌同士がぶつかり合う音が響き渡り聴覚からも犯されているような気分に陥る。(何コレっ……)
「ふぁっ!やぁ……んっ」何度も繰り返されるうちに段々と頭がボーッとしてきて何も考えられなくなる程蕩けきっていた頃合を見計らったかのように、一番感じる場所を狙って突き上げられてしまい目の前に火花が散るような感覚に襲われた。
「ひぁあ"あ"っ!!」ビクビクと痙攣しながら絶頂を迎えるソラに構う事なく任堂は更に激しく攻め立ててきた。
「あ、あっ!や、今イったばっかなのにぃッ!」強すぎる快楽から逃れようと身を捩らせるが腰を掴まれ引き戻されてしまう。そのままガツンガツンと最奥まで穿たれ目の前が真っ白になった。
「ひぅ!んぁあ"っ!!」一際大きな声を上げた直後、中に熱いものが注ぎ込まれる感覚に身を震わせながら再び達してしまったようだ。(中にされちゃった…)


「はぁ、は……」肩で息をしながらぼんやりとしていると任堂が覆い被さってきた。そしてそのまま口付けをされると同時に再び動き始めたので慌てて止めようとするも力が入らずされるがままになってしまう。
「んぅっ!や、まだ動いちゃ……ッ」しかしそんなソラの言葉など聞こえていないかのように激しく抽送されてしまい甘い声を上げてしまう事しか出来なくなってしまうのだった。それから数時間後、ようやく解放された頃にはもう日付けが変わる寸前だった。(やっと終わったんだ)安堵すると共に睡魔に襲われる。ウトウトとしていると突然名前を呼ばれ、閉じかけていた瞼を何とか持ち上げて声のした方を見るとそこには優しく微笑む任堂の姿があった。
「ソラ……可愛い奴」そう言われた瞬間胸が高鳴った気がしたが、すぐに気のせいだと自分に言い聞かせるようにして瞼を閉じ、そのまま意識を手放したのだった。
次に目が覚めた時、隣には誰も居らず慌てて起き上がると腰に痛みが走ったがそれを無視して服を着ると部屋を飛び出した。(早くここから逃げないと)雨宮とはまた違った身の危険を感じ、そう思い廊下を走っている時だった。曲がり角から現れた人物とぶつかってしまう。
「あ、ごめんなさい!」慌てて謝るがその人物を見て思わず固まってしまった。何故ならそこに居たのはあの任堂だったからだ。
「何をしている、こんな所で」眉をひそめコチラを見下ろしながら問いかけてくる任堂にソラは後退りをする。
「あ、えっと……その」何とか言い訳をしようと必死に考えていると突然腕を掴まれそのまま引っ張られてしまう。
「来い」それだけ言って歩き出したので仕方なく着いて行く事にしたのだが、その間ずっと無言で居心地が悪くて仕方がなかった。(ヤバイ…怒らせちゃったかも)そして暫く歩くとさっきまでいた部屋へと連れてこられ部屋に入るや否、ベッドに放り出された為すぐに察してしまったが、それでも尚逃げ出そうと試みたが結局無駄に終わったのだった。
「あの!僕もう帰らないと!」そう言って起き上がろうとするもすぐに押さえ付けられてしまい抵抗虚しく組み敷かれてしまう。
「帰る?何処にだ?あの雨宮とか言う男の所にか?なら俄然、行かせられんな」そう言うと同時に首筋に噛み付かれ痛みに顔を顰める。
「いッ…⁉もうこんなこと止めて下さいッ」必死に訴えかけるも聞く耳を持ってくれずそのまま行為を続けられてしまった。結局目を覚ました時には、既に空は夕焼け色に染まっていた。(結局逃げられなかった…)そう思いながら隣を見とやはり任堂の姿は無く、変わりに菅本と言う男の姿が目に留まる。すると菅本もソラが起きた事に気が付いたのかこちらを向いて話しかけてきた。
「おはようございます。よく眠られましたか?」突然知らない者にそんな事を言われソラは戸惑いつつも小さく返事をする。
「あ、はい」すると菅本は少し困ったように笑いながら言った。
「すみません。任堂さんがどうしても貴方を手放したくないと言うものでして」その言葉を聞いた瞬間血の気が引いた気がした。つまり自分はこれからずっとこのあの男に弄ばれるという事なのか?そう思うと一気に絶望感に襲われてしまう。だがしかしそんな事など知る由もない菅本は更に言葉を続ける。
「でも安心して下さい。貴方の今後の生活から全てコチラがサポート致しますので、ご心配無用でございます」そう言ってニコリと微笑まれると背筋がゾクリとした。


「いや、あの……僕は…」(家に帰りたいだけです)言いかけてる止める。そんな事を言っても無駄だろうと思ったからだ。
「では、そろそろ食事の準備をしてきますので少々お待ち下さいね」そう言って部屋を出て行ってしまった為、ソラは仕方なく待つ事にした。(今更逃げても無駄だろ…)暫くするとドアが開き菅本が入ってくるとテーブルに食事を置いていく。
「冷めないうちにどうぞ」と言われ、仕方なく手をつける事にしたのだが、一口食べた瞬間あまりの美味しさに目を見開いた。
「お口に合いましたか?」そう聞かれ慌てて首を縦に振る。すると嬉しそうに笑うものだからつられて少し微笑んでしまった。
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